鈴神楽氏・作 鈴神楽さんによるオリジナルの短編で、「モモタロ」に続く馬鹿話シリーズ第二弾ということです。 ナンセンスな味と、軽妙なオチが楽しい作品です。 |
むかしむかし、当時、女性中心の百合家が世を支配していた。 それに反発する一人の男が居た。 彼は、その立派な武蔵の国を表す様なイチモツから武蔵棒弁慶と呼ばれた。 これは、そんな武蔵棒弁慶のお話です。 拙者は、京の町に蔓延る百合家の百合娘達に自慢のイチモツで男の良さを教えてやり、張型を奪い取り続けている。 千本の張型を奪い取るのが拙者の目的である。 今日も、女同士の非生産的な秘め事の帰り道の百合家をこの御嬢大橋で待ち構えている所だ。 そんな時、目の前から、見え麗しい女性の着物を着た者が通りかかる。 「待たれよ! 汝、百合家の者だな?」 それに対してその者が否定する。 「あちきは、違います」 「誤魔化すな! その手に握る張型こそ、その証拠!」 拙者がその者の持つ細身だが、使い込まれた張型を指差す。 するとその者は、苦笑する。 「これは、女子の秘部に入れる物では、ございません」 「黙れ、その間違った性根、この武蔵棒が正してくれよう!」 拙者がそう宣言して、自慢のイチモツを見せる。 たいていの百合家の者は、これだけで怯む。 しかし、その者は、笑顔になって言う。 「これは、立派なイチモツ」 そのまま、拙者のイチモツをそのか細い手で扱き始める。 「お主、出来るな!」 その技は、とてもイチモツに慣れぬ百合家の者とは、思えなかった。 「これからが本番ですよ」 その者は、そう告げると、拙者の玉を口に含んできた。 「これは!」 凄まじい快楽が拙者を襲った。 そして情けないが、先に漏らしてしまう。 しかし、やられたままで居るわけには、行かない。 「今度は、こちらの番だ!」 拙者は、その者の着物を拡げて固まる。 そこには、凄く見慣れた者があった。 そして、その者が言う。 「だから、百合家の者では、無いと言ったでしょう。あちきは、薔薇家の者。貴殿の立派なイチモツ、薔薇家の為に使ってもらいたい」 拙者は、慌てて跳び下がる。 「拙者は、非生産的な趣味は、ござらん!」 しかし、その者は、素早い動きで、拙者の玉を握り締めて言う。 「それは、あちきの技を味わってからでもいいでしょう」 そしてあの張型を拙者の菊門に当てた。 「止めてくだされ!」 力の限り叫ぶが拙者の言葉は、受け付けられる事は、無かった。 「今日から貴殿は、この牛和華丸の者じゃ」 何度も漏らしてしまった拙者にそれに反論する気力は、無かった。 この後、牛和華丸様と百合家との戦いを行い勝利したが、恐妻家の牛和華丸様の兄によって薔薇家は、男同士の秘め事を禁止され、牛和華丸様と拙者は、逃亡生活を送る事になった。 そして、追い詰められ、幾人もの男や女を相手に自慢のイチモツを貫いていったが、遂に赤い玉が出てしまい、拙者の男としての一生は、終った。 武蔵棒弁慶は、赤玉を出して腹上死したが、そのイチモツが立ち続けた事からこの事を『武蔵の臭う立ち』と呼ばれる事になるのであった。 |