あたしの名前は、ナナミ・シンプソン。
アメリカカリフォルニア州バークリー生まれ、十一歳。
海洋学者のお父さんと一緒にペペロンチーノ号で世界中を旅にしているの。
船での旅は、色々と大変だけど刺激的で楽しい毎日を過ごしていた。
でも、北極で、あたしが産まれた時からペペロンチーノ号と一緒に旅をしていたシャチのティコが死んでしまった。
皆が落ち込むが一番、辛そうなのは、ティコの子供、ティコジュニア、今は、ティコと呼ばれる彼だろう。
毎日、悲しそうな鳴き声を上げているの。
そして、今夜もティコが悲しそうに鳴いている。
あたしは、堪らなくなって、ティコの居る海に潜る。
いま、あたし達が居るのは、暖かい海域だから、夜でもそれほど辛くない。
あたしは、鳴いているティコに寄り添う。
「寂しいのは、貴方だけじゃ無い。あたし達も寂しいの。でも、忘れないで、貴方には、あたし達が居るって事を」
あたしがティコを優しく撫でていると、ティコが大きく動き出す。
あたしは、慌てて追いかけようとした時、反転してきた。
まるで体当たりをする様だった。
慌てて避けようとするが、ティコは、あたしに向かってくる。
「どうしたの、ティコ?」
あたしが戸惑って間に、ティコがあたしにぶつかった。
しかし、予想した衝撃は、無い。目を開けると、水中であたしは、ティコの腹の下に居た。
自分がしがみ付いていないのにどうして、ティコの腹についていられるのだろうと不思議に思った。
そこまで来た時、あたしは、一箇所だけ痛む場所がある事に気付いた。
そこは、あたしの股間。
女の子の大切な場所に何か強い違和感を覚えた。
それがあたしとティコをつないでいた。
あたしが困惑している間にも、それは、どんどん、あたしの中に入っていく。
痛みがどんどん強くなっていく。
この状態では、逃れることも、ティコに話しかけることも出来ない。
ずっと海中で息も苦しくなってきた。
限界を感じた時、ティコが海上に出て、腹を上に向けて、あたしに息をさせてくれた。
「……ティコ、何がしたいの」
あたしは、急いで、違和感の正体を確かめるべく、股間を見た。
ティコの見た事も無い器官があたしの割れ目を押し広げて、出血させていた。
あたしがその事実に戸惑っているとティコが再び海中に潜り始める。
あたしは、慌てて息を吸って我慢する。
ティコが動くたびに股間に激痛が走る。
正直、このまま死んじゃうかもとも思った。
しかし、息苦しくなって来た時、さっきまでの痛みとは、違う感覚があたしの中に芽生えた。
その正体をあたしが知る前に、あたしの中に何かが飛び散った。
あたしが、再び意識を取り戻した時、あたしは、ティコの背中に居た。
「あたし、どうしたんだろう?」
あたしは、気になって股間を見ると、そこからは、まだ血が流れていた。
「怪我が塞がってないんだ。早く治療しないと」
あたしは、ティコにお願いしてペペロンチーノ号の傍まで行ってもらい、船に戻る。
なるべく皆を起こさないように歩いると、明かりがついた。
「何をしているんだ?」
お父さんの言葉に、あたしは、驚き咄嗟に股間を隠す。
この傷がティコの所為だとばれるのが、なんとなく嫌だったのだ。
「ティコが悲しそうにしていたから、一緒に居たの」
お父さんは、小さくため息を吐いて言う。
「自力で乗り越えないといけない壁もあるんだ」
そういって、近づいてくるお父さんにあたしは、傷をどう隠そうか悩んでいた時、お父さんの仲間で、金儲けが好きなアルが駆け込んできた。
「スコット、大変だ! 甲板に血が!」
「何だって!」
お父さんも驚く。
その声に引かれる様に他の人たちも起きて来た。
そして、明かりが集まる。
「この血ってこっちに向かってるよ」
そういったのは、ちょっとした事情で一緒に旅する事になった十歳のコンピューター好きの少年、トーマス。
「そうだな、この血を辿ると……」
アルがそういって血の跡を辿り、あたしの足元に続いてる事に気付かれる。
「どこか怪我したのか?」
お父さんが言って来たので、どう誤魔化そうと考えていたとき、冒険好きでこの船に乗り込んできた財閥のお嬢様大学生、シェリルが怒鳴る。
「男は、直ぐにここから出て生きないさい!」
「おい、いきなりなにを……」
アルが抗弁しようとしたが、シェリルの一睨みで大人しく部屋を出て行く。
「シェリル、どうして?」
あたしが戸惑っているとシェリルがはにかんだ顔をして言う。
「恥ずかしがらなくても良いのよ、それは、貴方が女の子の証なんだから」
「へ……」
どういう意味なんだろう。
翌日の朝、誰もあたしに目を合わせようとしない。
その中、シェリルの執事、ジェームスさんが真赤なご飯をあたしの前におく。
「ジェームスさん、これ何?」
するとジェームスさんが小さく咳払いをして教えてくれる。
「ナナミ様のお母様の国、日本では、女性が初潮を迎えた時、お祝いとして赤飯を食べる慣わしがあるそうです。具体的にどんなものかは、解りませんが、今回は、トマトソースをご飯にかけて代用しました」
そうなのだ、あたしは、女の子になった。
あの後、シェリルさんが教えてくれた。
女性には、生理と言う、月に一回、お腹から出血があると。
今回は、それだったのだ。
それを聞いた時、あたしは、安堵の息を吐いた。
あれがティコのあれの所為では、無かったからだ。
それを見てお父さんが少し恥ずかしそうに言う。
「まあ、おめでとう」
つづけてトーマスが言う。
「よくわからないけど、おめでとう」
最後にアルが笑いながら言う。
「これで、ナナミも女って事だな」
そんなアルを睨むシェリルさん。
「貴方がおっしゃると何か凄くいやらしいのは、何故かしら」
アルがシェリルさんと反対側を向いて呟く。
「お嬢さんが、常に男を求めている淫乱だからだろう」
「何ですって!」
にらみ合う二人であった。
その夜も、ティコが鳴いていた。
あたしが再びティコの傍に行くと、ティコは、再びあたしの襲いかかってきた。
「ティコ、止めて!」
しかし、ティコは、無理やり、昨日と同じ様に昼間いくら確認しても見つけられなかった器官をあたしの股間に押し付けてくる。
そのまま海中に潜られてしまう。
今度は、準備が出来たので十分に息を吸って、しがみ付く事が出来た。
すると、不思議な感覚があたしの股間を襲う。
痛いのは痛い、でも、痛みの他に何か別の感覚があったのだ。
息苦しくなり、頭がポーっとして来た、その感覚が大きくなる。
そして、再びティコがあたしの中に何かを放った。
それが何なのか今なら解る、精子だ。
海上に上がってペペロンチーノ号に戻るまでの間、ティコに話しかける。
「あのね、ティコ、あたしと貴方は、子供出来ないんだよ」
しかし、ティコは、不思議そうな目であたしをみるだけだった。
ティコとの交尾は、その後も続いた。
きっと、これは、お母さんを亡くした悲しさからの行為だから、出来るだけ我慢することにした。
しかし、少しずつ変わっていった事がある。
太陽の光が降り注ぐ中、あたしは、ティコと一緒に泳いでいた。
そして、周りに人気が無いことを確認して、あたしはズボンと下着を脱ぐ。
するとティコが嬉しそうにあたしに生殖器を入れてくる。
「良い……」
そうなのだ、この頃、あたしティコと交尾するのが気持ち良くなってきた。
特にいいのは、一つになったまま、水中に潜っているとき。
軽い酸欠でボーっとした状態でティコが動くと、凄いのだ。
水中で口を開けられない。
もしも、開けられていたら、気持ちいいと叫んで居ただろう。
行為を終えた後、ティコの精液をお腹に感じながらティコと一緒に泳ぐあたし。
「この頃、思うんだ、ティコの子供が欲しいって」
そうだ、先代のティコと同じ様に子供を産んだら、きっともっと楽しくなれる。
それが大好きなティコの子供だったら、凄く嬉しい筈だ。
数ヵ月後、あたしは、食事中に嘔吐してしまった。
「ナナミが吐くなんて珍しいな」
少し驚いた顔をするアル。
そんな中、シェリルさんが真面目な顔をして個室にあたしを連れて行く。
「ナナミ、正直に答えてね。生理は、何時から来てないの?」
それに対して、あたしが答える。
「血が出たのは、あの時だけだよ」
それを聞いて、シェリルが青い顔になるのであった。
その後、あたしは、町の病院に連れて行かれた。
周りの大人が騒ぐ中、あたしは、夜の病室で手持ちぶたさに悩んでいた。
「ティコとしたいな」
そんな中、お父さんが現れて言う。
「逃げるぞ!」
そういって、お父さんは、あたしを背負うと駆け出す。
そして、ペペロンチーノ号に乗ると、他の誰も乗せず、発進させる。
「いきなりどうしたの?」
そしてあたしは、後ろを見ると、ティコが必死に泳いでいるが、追いつけなくて離れていくのが見えた。
「お父さん、ティコがついてきていないよ!」
それに対してお父さんは、怒鳴る。
「あんな獣は、どうでも良い!」
そんなお父さんをあたしは、初めて見た。
「もう、どうしたの?」
お父さんは、あたしから視線をそらして答えてくれない。
そんな時、片手が義手のおじさんが現れて言う。
「これは、丁度良かった。どうやって、シャチの子供を孕んだガキを誘拐しようかと悩んでいたが、そっちから来てくれるなんてな」
お父さんが怒鳴る。
「馬鹿な事を言うな、何かの間違いに決まっている!」
しかし義手のおじさんがあたしに近づくと、あたしのお腹を触って言う。
「現実から目を逸らすのは、止めましょう。ここにシャチとの子供を宿しているのは、確かなんですから」
それって、まさか。
「あたしとティコの子供が出来たんだ!」
嬉しそうに言う、あたしにお父さんが戸惑った顔をする。
「どうしてそんなに嬉しそうなんだ?」
あたしが笑顔で言う。
「当然だよ、あたしティコの事が好きで、ティコもあたしの事が好きなんだもん。だから子供が出来て嬉しいに決まってるよ」
お父さんが信じられないって顔をする中、義手のおじさんがいう。
「おもしれいガキだ。それじゃあ、もっと産むか?」
「うん、ティコとの交尾も気持ち良いからね」
お父さんが何も言えない顔をして船室から出て行った。
その後、あたしの生活は、変わった。
ティコと一緒に世界中を回るのは、変わってないが、やる事がお父さんの手伝いでなくなった。
『皆さん、彼女がシャチと交わる少女です』
そう紹介されて、あたしは、頭を下げる。
『それでは、実演してもらいましょう』
あたしは、司会の人の言葉に答え、海に入る。
そこでは、ティコとティコとあたしの子供が待っている。
あたしは、足を開くとティコが直ぐにあたしにオマンコにチンポを入れてくる。
『気持ち良い、ティコのチンポ、最高だよ』
あたしの声は、特殊マイクを伝わり、あたし達のセックスを見て、お父さんの研究に資金を出してくれている人達に届く。
水中の中を動くティコ、それだけでも気持ち良いのだが、この頃、ティコは、新しい技を覚えた。
水中で回転するのだ、そうする事で、遠心力が発生して、更にあたしを気持ち良くしてくれる。
『もっと、もっと激しく周って!』
そして、ティコのザーメンがあたしの中に射精される。
行為後、ティコとの逢瀬、あたしは、さっき出されたばかりのザーメンを感じながらいう。
「早く新しい子供が出来ると良いね」
ティコも嬉しそうに鳴く。
色々と変わった事も多いがあたしは、大好きなティコとセックスして、子供を育てていける今の生活を気に入っている。
|