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唖然とした表情で、一言も発さないレイが見つめる画面の中、呆け切ったままの表情で力尽き、白目を剥いて失神してしまったプルートの顔を、おそらくは手持ちに切り替わったカメラがアップで撮影する。

そして、それがパンし、一番最初に映っていた、薄汚れた部屋の壁が映し出されて、その悪夢のような映像は終わった。

しかし、画面が暗転しても、レイの眼はモニターに釘付けのままだった。

「な、何が一体……」

今、レイが目にした映像の衝撃の大きさは、彼女の理解の範疇をはるかに凌駕しており、彼女の心は、それを十分に咀嚼し切れずにいた。

まず、セーラー戦士屈指の実力を持つ、あのプルートが、こうも易々と敵に捕まるなんて事が到底信じられない。

それに、まだ中学生のレイにとっては強烈すぎた、赤裸々で生々しいセックスシーンの数々!

しかも、男たちに責められ続けた挙句に、遂には堕ちてしまったプルートの痴態……。


「……せつなさん、どうして……」

レイの口から漏れた呟きに含まれるのは、陵辱された仲間に対する哀れみか、それとも堕落した戦士への叱責か?




と、その時、モニターの黒い画面がちらつき、再び映像が流れ始める。

先程とは別の場所で撮影されたらしいその映像には、犬の様に真っ赤な首輪を嵌められたセーラープルートの変わり果てた姿が映し出されていた。

その身に着けているものは、先ほどと同様に、手袋とブーツ、そしてティアラとイヤリング……。

だが、今のプルートの顔には、そんな、全裸に近い己の姿を羞恥と感じているような表情が、もはや全く浮かんでいない。

先ほどの映像から一体どのくらい時が経ったのかは判らないが、彼女の精神が完全に破壊されたことだけは、レイにも十分すぎるほど理解できた。

そして、カメラの正面、こちらを向いて両膝を着き、半立ちになったプルートの両脇からは、2本の巨大なペニスが、ちょうど彼女の口元に突き出されている。

セーラーコスチュームの白い手袋をつけた手で、プルートは、一切躊躇う事無く、そのペニスを両手に握った。

しかも、おあずけされた犬のように、舌を垂らしてハアハアと喘ぐその顔には、薄ら笑いすら浮かべている。

彼女の、汗と涙と(おそらく)精液で薄汚れた顔にはもう、セーラー戦士としての凛々しさなど一欠けらも残っていない。

そんな無様なプルートの醜態を見つめるレイの顔に、今度は、まごう事なき嫌悪と侮蔑の表情が浮かぶ。

だが、そんなレイの気持ちなどお構いなしに、画面の中のプルートは、男たちの2本のペニスを交互に口に含んでは、舌でなめ上げ、唇でしごき、いとおしげに頬に擦り付ける。

プルートのあまりの痴態ぶりに耐えられなくなったレイが、モニターのスイッチを切ろうとした時、不意に、プルートの首輪の鎖が、片方の男の手によって力一杯引き上げられた。

口いっぱいに咥えていたペニスを吐き出し、口から舌を突き出して喘ぐプルートの顔は、恐怖の表情に歪んでいる。

突然の出来事に、スイッチに指を伸ばしたままの姿勢で固まってしまったレイの耳に、モニターから、先程の男たちの罵声が飛び込んでくる。

「まだ、おあずけだよ。このメス豚が!」

「まったく、チンポ見たら目の色変えやがって、このド淫乱め」

プルートが白目を剥き、口から泡交じりの涎が溢れ出した頃になって、ようやく鎖を引く男の手が緩み、彼女はそのまま後ろに倒れこんで激しく咳き込んだ。

「セーラープルート!」

モニターを凝視していたレイの口から、男たちのあまりに乱暴で理不尽な扱いに、思わず悲鳴に近い叫びが上がる。

荒い息を整える間も与えられぬまま、プルートは、首につけられた鎖を引かれ、再びカメラ正面に引き立てられていく。

すっかり怯え切って涙目になり、ひゅうひゅう、と、壊れたフイゴの様な息をするプルートに対して、ふたたび、男たちの罵声が容赦なく浴びせられる。

「肉奴隷が勝手な事をするんじゃねえ、このクソ馬鹿が!」

「お前は俺たちを愉しませる為だけに生かされてるんだよ。調子に乗って、自分から愉しみやがって、立場を弁えろ!」

「すっ、すみません。ご免なさい! これからは気を付けますからっ!」

まるで折檻を受けた子供のように、両手で頭を庇って泣き震えるその様に、もはやセーラー戦士・セーラープルートの勇姿は欠片も無くなっていた。

「いいか、俺達のチンポを咥えたかったら、俺たちの質問にちゃんと答えるんだ。判ったな?」

「その代わり、質問に正直に答えたら、たっぷりと可愛がってやろう。お前の腹が裂けるくらいたっぷりと、俺たちの精液を味あわせてやるよ」

男達の非道な要求に、しかし、プルートは嬉しそうに応える。

「喋ります! オチンポしゃぶらせてもらえるなら、なんでもお答えしますっ!」

「いい返事だ。しっかり答えられたら、おしゃぶりだけじゃなく、お前の大好きなオマンコとケツ穴の2本挿しで可愛がってやるぞ」

「ほんとですか! 2本挿し、すごくイイの! とってもキモチイイのぉ!」

先程まで恐怖の色をたたえていたプルートの瞳が、男の言葉に夢見るように潤んで、虚ろな視線が宙に泳ぎだす。

それは人間性の欠片も感じられない、家畜に堕落(お)とされた者の哀れな瞳だった。


「よしよし。では教えてもらおうか、他のセーラー戦士たちの正体、変身前の素性を、な!」

「 ! 」

モニターを見つめていたレイは、おもわず息を呑む。

まさか、まさか、そんな大事な秘密、こんな奴らに教えないわよね、プルート?

「そうだなあ、じゃあ、まずはセーラー・マーズって奴の正体について聞こうか?」

いきなり自分の名が出て、レイは心臓が口から飛び出しそうになった。

まさか! まさか、ね?

「……セーラーマーズの正体は、火野レイという14歳の女の子で、普段は火川神社の巫女をしています。通っている学校は、TA女学院の中等部で ………」

だが、彼女の願いも空しく、いまや完全に一匹の肉奴隷に成り下がったプルートは、一切の躊躇もなく、あっさりと男たちの質問に答えて、仲間であるセーラーマーズの、レイの正体を明かしてしまった。

「プルート! 何で、何で!」

信頼していた仲間の裏切りに、モニターをじっと睨み付けたまま肩を震わせるレイ。




「と、いう訳で、お迎えに来たよ、セーラーマーズさん!」

突然の声に驚いて振り向いたレイの口元に、湿ったタオルが押し付けられる。

慌ててその手を振り解き、後ろに飛び退いたものの、時既に遅く、レイはタオルから発ち昇る、甘い香りの気体を胸いっぱいに吸い込んでしまっていた。

「あ、あんたは!」

自分の目の前に立つ、今まであのモニターに映っていた茶髪の男を指差して、そう一言、言い放つのが限界で、レイの意識は、一気に暗い闇の中に落ちていった。

気を失って倒れこむレイの身体を、すかさず、もう一人の黒髪の男が後ろから抱き支える。

「ちょろいもんだな。所詮は中学生だよ」

「身体のほうは、もう充分に大人みたいだがな」

レイを抱えている男が、襟元から手を忍ばせて、少女の、ぷりぷりと張りのある乳房の感触を愉しむ。

クスリの効いているレイは、身じろぎひとつせずに、男になされるがままだ。

「ほほう。じゃあ、こっちの具合はどうだ?」

もう一人の男は、レイの下腹部をまさぐり、可愛らしいパンティの中に指を潜り込ませる。

「ははは! このガキ、さっきのを観て感じてやがったみたいだぜ。オマンコ、濡れ濡れだ」

映像を見ていたレイが、無意識のうちに漏らしてしまっていた愛液の、ぬるぬるとした感触を愉しみながら、男は、そのまま、レイの秘められた花弁の奥へと指を潜り込ませていく。

よほど効き目の強いクスリなのか、男の太い指が、ぐいぐいと強引に、まだ開ききっていない少女の肉の花びらを抉じ開けるように侵入しても、レイは昏倒したまま、呻き声一つ上げない。

「おいおい、その位にしておけよ。セーラー戦士の姿に変身させてから、力でねじ伏せた上でバージンを奪うって言う手順が、こいつらの心を挫くためには大事なんだからな」

「そうだった、そうだった。しかし、さすがに中学生のオマンコは、指一本でキツキツだぜ。今のプルートの締まり具合とは全然違うな」

男たちは、すばやくレイの服と下着を脱がせると、用心のため、両手両脚に手錠を掛け、目と口にはガムテープを貼り付ける。

「さぞかし泣き叫ぶだろうよ、そのキツキツのオマンコに、俺様のモノを捩じ込んでやったらな!」

黒髪の男は、用意した大きなショルダーバックに、気を失っているレイを押し込むと、それを軽々と肩からぶら下げる。

「おいおい、今度は、俺がセーラー戦士の処女膜を突き破らせてもらう番だ。そういう約束だろうが」

もう一人も、別の紙袋の中に、レイの服やらプレイヤーから取り出した件のディスクやらを手際よく放り込んで、レイと自分たちの一切の痕跡を消し去っていく。

「そうだったかな? まあ、いいや。セーラー戦士はまだまだ居るんだし、しかも全員が処女なのは、あの女の保障つきだからな」

「処女なのはいいが、まさか小学生のセーラー戦士までいるとは思わなかったなあ。俺様のモノを挿入(い)れたら、本当にオマンコ裂けるんじゃねえか?」

「そのお愉しみ映像を観る破目になる、次の番のセーラー戦士の表情が見ものだな。襲う順番を考えるのが、今から愉しみだぜ」

「全く、つくづく外道だな、お前は」

「手前も同類だろうがよ」

まるで普通の世間話をするように、しかしその実、とんでもない事を語らいながら、二人の男は足早に火川神社を後にした。


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