どろどろのラブストーリー(リナ)



 俺の目の前を歩く、栗色の髪の少女。
「もう、まだなの、その花畑は?」
 いらつく口調でいう少女。
「だから遠いっていっだだろう? それに、行くと言い出したのは、リナのほうだぜ」
「それは、わかっているけど……」
 ため息をつくリナ。本当に、可愛らしい。
 思わず、食べてしまいたいくらいに。
「なんか、おなかがすいちゃって。……こんなことなら、お弁当を買ってくるんだったな」
 ぶつぶつ文句をいうリナ。
「……くだものならあるぞ」
 さりげなく、木の実をリナに見せる。
「なんだ、あるなら早く言ってよ、もう。……あれ、これ食べれるの?」
 リナが不思議そうな顔をする。
「ああ、宿屋からちょろまかしてきた」
 適当な嘘をつく。
「そうなの? でも、見たことのない木の実ね?」
 躊躇するリナ。
 内心のあせりを隠し、さりげなく手を引く。
「いらないなら、しまっておくが?」
 きゅーう、
 その時、リナのおなかが鳴る。
 予定通りの反応に、内心ほくそ笑む俺。
 一方、顔をまっ赤に赤らめるリナ。とっても可愛いい。
「……ほら」
 そういって差し出した木の実を受け取って、一気に食べるリナ。
「はふう、……意外と美味しかったわ。ありがと、ガウリイ!」
「どういたしまして」
 礼はいらない。これからリナに、たっぷりと代金を払ってもらうつもりだから。
「じゃあ、行こうか?」
 リナはそう言っていつもどおり先に立つ。


 花畑は見事なものだった。
「わあっ、すごい」
 感嘆の声を上げるリナ。
 思いっきり花の香りを吸う。
「うーん、気持ちいい!」
 背伸びをするリナ。
「中に入ってみるか?」
 さりげなく誘導する。
「そうね!」
 警戒心ゼロなリナは同意した。


「……はふぅ、ああんっ、な、なにっ? こ、こんなところで……」
 リナの吐息が、おれのところまで聞こえてくる。
 必死に喘ぎをかみ殺すリナ。
「どうしたんだ、リナ?」
「……な、なんでもない」
 気丈なリナは、なんとか言葉を振り絞る。
 俺は、そんなリナの後ろ姿を、舌なめずりしながら見つめる。
 堕ちるんだ、リナ。さあ堕ちろ!
 とさっ、という軽い音を立て、その場にひざまずくリナ。
「……だめっ! がまんできない!!」
 手を股間に添わせるリナ。
「あんっ、ああんっ、だめっ」
 見事な栗色の髪が、乱れる。
「いったいどうしたんだ、リナ?」
 びくっ、と、リナの身体が弓なりにはじける。
「な、んでもない、から、お願い、こっちを見ないで!」
 悲鳴のようなリナの声。
「い、いいっていうまで、こっちを見ないで! 見たら、容赦しないわよ!!」
 そう言い捨てるリナ。
 ほんと、気が強くて、意地っ張りで、そういうところが、たまらなく可愛い。
 俺は言われたとおり、リナに背を向ける。
「あんっ、くうん、はあっ、ああんっ……」
 リナは本格的に、オナニーを始めたようだ。
 押し殺した声が、俺のところまで響く。
 それと一緒に、リナが、蜜をかき回す音が。
「はあっ、な、なんで? か、からだが、熱い……」
 くちゅ、くちゅ、くちゅ……
「ひっ、ひいっ、か、からだがっ、だめ、いやあっ」
 リナの大きな喘ぎ声が聞こえてくる。
 そろそろ頃合いか。
「リナ、いいかげんにしろ!」
 俺は振り返った。
「だめーっ!!」
 そこには、俺の予想通りのリナがいた。

 股間をはしたなく濡らし、ズボンまで濡らしている。
 ミニスカートをたくし上げ、股間に手を伸ばしまさぐっている。
 だらしなく口を開け、喘ぎを漏らしている。
 よだれが、リナの口からあごへとつたっていた。
 虚ろな目で俺を見ているリナ。
「……あっ」
 全身を真っ赤に染め、硬直している。
 そんなリナに容赦なく近づくと、まずはリナの装備を剥ぎ取る。
「苦しそうだな、リナ」
 さらに服に手を掛け、剥ぎ取っていく。
「服を脱げば、すこしは楽になるさ」
「っ、だめ!」
 リナは俺を突き飛ばそうと思ったのだろう。
 しかし、リナの身体は欲望に従順だった。
 俺の見ている前で、オナニーを続けている。
 愕然としたリナの表情。
 それを楽しみながら、俺はリナを裸に剥く。
 花畑に、リナの黒いマントと、赤い服が、花びらのように散った。
 白い下着も、その上に散る。
 生まれたままの、リナの姿。
 その輝きに、おもわず生唾を飲み込む。
 すかさず服を脱ぎ捨てる俺を、リナは恐怖と欲望の視線で見つめていた。
「……ああっ、すごい!」
 俺の逸物を見て、声を上げるリナ。
 完全に、歓喜の声。
「欲しいか?」
「……ほ、ほしい、の……」
 そういって顔を横にそむける。
 恥じらうリナ。
 やっぱり可愛い。
「じゃあ、股を広げるんだ」
 はじめはおずおずと、やがて大胆に、リナの膝が割れる。
 リナの割れ目は濡れそぼり、てかてかに光っている。
 かすかに開くそこに、逸物をあてがい、いっきに貫く!
「!」
 リナの身体が跳ね上がる!
「い、痛い……」
 容赦なく、抜き差しをはじめる俺。
「いたい、いたい、痛いよう、ガウリイ……」
 リナの瞳から涙がこぼれる。
 それを舌で舐め取る俺。
 リナはやっぱり処女だっだ。
 赤いしるしが、一筋、リナの股間からつたい落ちる。
 ぎゅっとした締め付けで、侵入を阻もうとするリナの身体。
 それを無理矢理、力で突き崩していく。
 なんども、なんども、繰り返し……
 リナの身体に、欲望というくさびを、打ち込んでいく。
 いつしかリナは痛がらなくなっていた。
 甘い喘ぎを漏らしはじめるリナ。
 リナの身体も律動を繰り返し始めた。
 俺の身体に脚を絡めるリナ。
 みずから進んで腰を振る。
「ああっ、たまんないっ……、いい、いいよ、ガウリイ……」
 快楽に溺れたリナの声。
 もはやリナは、俺の為すがままだ。
 次第にリナを絶頂に押し上げていく。
 それとともに、リナの声がますます色っぽくなっていく。
「あはんっ、ガウリイ、もっと、もっと!」
 おねだりするリナ。
 そんなリナを追いつめていき、最後に、
 一突き!!
 一気に精を放つ!
 リナは、絶頂に達した……


 荒い吐息をついているリナ。
 その股間は、俺の精液で、べとべとになっていた。
「……あっ、あたし」
 リナの表情に微かな理性が戻る。
 顔を真っ赤にしている。
 リナの股間から、白濁液がしたたり落ちる。
「あっ……」
 反応するリナ。
「良かったみたいだな」
 俺の言葉に、とまどいを露わにするリナ。
「な、なんでわたし……」
「さあ、二回目だ」
 俺は再びリナを抱く。
「い、いやっ、やめてっ!」
 嫌がるリナを強引に力で押さえつけ、ふたたび、リナの身体を貫く。
 最高の抱き心地。
 今度はじっくりとじらすように挿入していく。
「あっ、……はあんっ」
 切なげにため息をつくリナ。
 抵抗は止まり、甘く崩れていくリナの身体。
「いいか?」
「……うん」
 はにかみながら答えるリナ。
「素直なリナというのも、いいもんだな」
「……もうっ、そんなの……あっ、ああん」
 俺の腰の動きに合わせ、リナの腰も動き出す。
 ううっ、気持ちがいい……
 幸せな気分で、俺はリナの中に、ペニスを埋めていく。


「……あんたみたいな、美男子がの。珍しいこともあるもんじゃて」
 俺の目の前で、老婆が笑っている。
 子供の頃、よく遊びに行っていた、魔法の道具屋。
 その老婆が、名の知れた魔導師であることを知ったのは、最近のことだ。
「自信がない」
「ほう?」
 俺の言葉に、さらに面白がる老婆。
「いつも根拠のない自信をぶら下げている、あんたがかい?」
 手を打って笑う。
 俺は微かに顔をしかめる。
「真剣に話してるんだぜ」
「すまん、すまん、で、思い人は、昨日一緒に来てた子かい?」
「ああ」
 うなずく俺。
「極上の栗色の髪に、きめ細やかな白い肌、かわいい唇に、意志の強そうな目。まあ、胸の発育は悪そうじゃが、それ以外は、一級品じゃの」
「そ、そうか、そう思うか?」
「ああ、じゃが、……正直言って、やめておいたほうがええ。あんたにはもっと似合いの女が……」
 老婆はそこで言葉を止める。俺の狂気が発する殺意に気がついて。
「……やれやれ、あのお嬢ちゃんに魅了されるとは、運のない男じゃて。リナ・インバース。破壊の帝王、混沌の使者、生きとし生ける者の天敵……」
「リナは、そんな女じゃあない!」
 俺は怒鳴った。と、同時にある疑問が浮かぶ。
「……なんでリナだとわかるんだ? 名前は言ってないのに……」
「ほほほ、お主にとって、リナ・インバースは単なる一人のお嬢ちゃんだろうけど、わたしらにとっては、形をとった厄災そのものじゃよ」
「…………」
「まあよい、協力してやろう。老い先短いこの命。べつだんに欲しいとも思わん」
「……なっ?」
「リナ・インバースにちょっかいを出すということは、そういうことじゃ」
 ため息をつく老婆。俺は一瞬絶句した。
「それなら……」
「もう遅い。あのお嬢ちゃんならいずれ嗅ぎつける。理由の如何に関わらず、このわしをあの世に追放するであろうよ。なら、おぬしに協力した方がましじゃて」
「すまん……」
 俺は頭を下げた。軽く手を振る老婆。
「しかし、実際、生半可な相手ではない。ゆえに、お主にこれを与えよう」
 老婆は、木の実を俺に手渡した。
「これは?」
「媚薬の原料の一つじゃよ。本来はこれをわずかに削り、何かに溶かしこむ。このわしが発見したものじゃ。じゃが、あまりの効果と副作用に、人に告げるのはやめた。繁殖地は完全に火の術で焼き払ったので、現存するのはこの一つだけじゃよ」
 木の実をしげしげと眺める俺。
「効果はともかく、副作用とは?」
「この木の実を食べて、男に犯された女は、もう、他の男では満足できなくんじゃよ。それどころか、男の精の匂いを嗅ぐ度に、淫らに燃え上がり、気が狂ったようになるほど、男を欲しくなる。ただ一人の男の精をな」
「それは……すばらしい薬効だ」
 そう、あのリナを呪縛し、俺の身体に溺れさせ、思いのままに出来るとは……
 すばらしい!
「ふむ、りっぱなものをお持ちじゃの。これならあの嬢ちゃんも満足するじゃろう」
 しげしげと俺の逸物を眺める老婆。
 リナを自分の女に出来ることに、胸が高鳴る。
「削って、何か飲み物にいれたらいいんだな?」
「いんや、これ一個、丸ごと食べさせるんじゃ」
「?!」
 い、いっこ、まるごと?
「相手は、あのリナ・インバースじゃぞ。並のことをして、歯が立つと思ったのかい?」
 歯をむき出しにして笑う老婆。
「それと、しっかり精の匂いを嗅がせるのじゃ。口の中に精を流し込むのも、一興じゃな。そうしておけば効果が切れるまで、精の味と匂いを、感じさせ続けることが出来る」
 老婆はそこで言葉を切った。
「ただし! あの嬢ちゃんを一生の相手にするつもりが無いのなら、その木の実は返して貰おう」
「……大切に使わせてもらう」
「そうかえ」
 俺の返事に、にこやかな表情で答える老婆。


 そうだった、忘れていた!
 二回目の精を放出し、一息ついた俺は愕然とした。
 早く、リナに俺の精の匂いを覚え込ませなければ!
「ねえ、がうりい、もういちど、もういちど、ね?」
 淫らな声でせがむリナ。
 リナに俺のペニスをしゃぶらせるか?
 いや、それはまだ駄目だ。
 強引にリナを貶めることはしたくない。
 リナが自分からするのでないかぎり。
 では?
 そう、やるしかないか。
 俺は、リナの割れ目に視線をやった。
 そこは、俺の精液と、リナの愛液でぬれそぼっていた。
 覚悟を決めると、リナの割れ目に口づけし、そのまま、淫らな液体を啜り上げる。
「あっ?! な、なにすんの、ガウリイ! きたない、きたないよう……」
 ビクン、と弓なりになるリナの身体。
 俺はかまわず啜った。
 やがて、口一杯になると、リナの顔を覗き込む。
「いやっ、まさか? うぐっ」
 リナの可愛らしい唇に、唇をあわせると、いっきに口の中の液体を流し込む!
「ふぐっ? うっ、うぐっ……」
 苦しそうにするリナ。そうすると、こんどは反対に、リナの口の中のものを啜る。
「ひっ、うあっ……」
 さらに、俺の唾液を混ぜ、リナの口の中に流し込む!
 なんどもなんども繰り返すうちに、それは、リナと俺の唾液と精液の混合物となった。
 そして、最後に、俺達は半分づつに分け、飲み下した。
 リナも従順にそれを飲み下してくれた。
 心のそこから嬉しくなる。

「リナ、お前は俺のものだ。もう一度、抱いてやるよ」
 そういって再度、リナの中に侵入する。
「あはっ、いい、がうりい、いいよ、とっても」
 可愛く悶えるリナ。
 さあ、たっぷりと俺の味をお前に刻みつけてやるからな!
 二度と、俺から離れられないように。


 ガウリイが立ち去った後、
「嬢ちゃん、隠れてないで出てきたらどうだい?」
 老婆の声に、少女のため息が漏れる。
「……知ってたの?」
 リナは老婆の背後、棚の影から現れた。
「気配は消していたはずだけど?」
「まだまだ未熟じゃな。自身の気配は隠しても、あのぼうやを見る目線で、どこにいるかバレバレじゃわい」
「ぼうや?」
 首をかしげるリナ。
「ほほほ、わしからすれば、あの男もぼうやにすぎんよ。で、どうするつもりかね?」
 老婆の問いに、肩をすくめるリナ。
「どう、とは?」
「禁断の木の実を食べるつもりかどうか、じゃ」
「愚問ね。そんなことするわけないでしょ?」
 軽く答えるリナ。
「ちゃんと結婚を申し込むんならまだしも、あんな汚い手段をとるなんて! 幻滅ね」
 リナは怒った声をあげる。
「嬢ちゃん、口の端がニヤついてるよ」
「!」
 老婆の指摘に硬直するリナ。
「わしの前では、嘘なぞつかんでかまわん。正直、ぼうやが自分の主義を曲げてまで、嬢ちゃんを欲しがっていることが、嬉しいのじゃろ?」
「そ、そんなことはないわ!」
 動揺を隠せないリナ。
「……あの木の実には、ぼうやに言っていない副作用が、もう一つあってね」
 老婆の言葉に、真剣な表情になるリナ。
「なに?」
「あの木の実を食べた女の身体を抱くと、抱いた男は、死ぬまで女に呪縛される。体内の分泌液が変化し、習慣性をもつようになるのじゃ。ましてや……」
 そういってリナの身体を眺める老婆。
「ただでさえ、男を酔わすことができる、嬢ちゃんみたいな極上品を抱いたとなれば、ぼうやですら、嬢ちゃんの為に何でもする下僕にすることができるじゃろう」
 老婆の言葉に、妖しく瞳を光らせるリナ。
「下僕は必要ないけど……」
 リナは、妖しくつぶやく。
「でも、ガウリイを呪縛することが出来るのは、いいかもね」
「ほほほほ、そうかえ?」
「うん。まあ、とりあえずは礼をいっておくわ」
 普段の表情に戻し、明るく笑うリナ。
「結婚式には、招待状を送るからね!」
「楽しみにしてるよ」


「リナ、おまえは永遠に俺のものだ」
 ガウリイの声を聞きながら、わたしはこころの中でつぶやいた。
 ガウリイ、あなたは永遠にわたしのもの。


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