一寸法師(前、後編)
ストーリー・一寸橋は金もなければ女もいない、奨学金まで支給が危うい苦学生だ。ある日レポートをまとめている最中、彼は空腹に耐えかねて失神してしまう。すると・・・・
・2007年にバニラから2巻構成で頒布された作品で、同レーベルの第2回原作公募企画の金賞受賞作ということです。 この企画の第一回金賞受賞作は「どんぶり家族」ですが、それと比べますと、個人的にかなり好印象を覚えました。つまり出来はそう悪くないです。 と言いましても文芸は弱く、主人公が一寸法師になることでトラブルに巻き込まれたり、あるいはそのトラブルを解決したりという展開が効果的に盛り込まれていないため、そもそも彼が小人化する必然性が無いように感じました。 モテナイ君だった彼がいきなりハーレム状態になるのは小人化したからだという見方も出来ましょうが、ヒロインたちは元々彼のことを強く慕っている娘たちばかりですから、「一寸法師」になることによって彼らの心情が変化したりするわけではありません。それではドラマとして弱すぎるだろうと思うわけです。 一方で本作には美点もあり、それは3人のヒロインたちが皆可愛らしく、イジらしいキャラとして魅力的に描かれていることです。 ボーイッシュな幼馴染みキャラ、爆乳の女教師、カタコトが可愛い留学生という描き分けも良く、ドラマの弱さを上手く補完して見せています。 エロとしては、ヒロインそれぞれの自慰シーンや、暴漢にさらわれてのレイプ未遂シーン等そこそこに盛り沢山ですが、淫靡さには欠け、抜き用には今ひとつ使いにくいでしょう。 よって「抜ける度」は2としますが、屈託無く楽しめるコメディとして、まずまず良いのではないでしょうか。 ちなみに作画は、バニラレーベルとしては中程度といった感じです。(彩雲11型)
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