紅蓮(全三巻)

 

 ストーリー・何処かにある封焔という国・・・ここでは人を喰らう悪鬼がはびこり、人心を寒からしめていた。将軍直属の退魔機関「紅蓮」の若きメンバー烈火は鬼の脅威を取り除くべく奔走するが、彼と仲間の前にはやがて大いなる陰謀が立ちはだかった!



 ・ディスカバリーから三巻構成で頒布されている作品で、原作はZONEというメーカーさんのPCゲームということです。このメーカー名、及びキャラ設定の絵柄や世界観から察するに、以前長十郎様がレビューしてくださった
アスガルドという作品の同系作なのかと思われます(違ってたらスイマセン)。
 本作の内容について書きますと、失礼ながら、とにかくもう脚本というか全体の構成がダメダメです。
 まずオハナシのスケールが大きすぎて、そもそも90分の尺で扱える内容ではないと思います。と書くと、色んな内容をギチギチに詰め込んだ忙しいテンポの作品かと思われるかもしれませんが、実際にはその逆で、長〜いオハナシの所々をつまみ食い的に再構成して適当に並べ直したという印象です。よってスカスカなのにそのくせ説明不足という困った仕上がりになってしまっていますね。
 同じことはキャラ描写についても言え、やたらゾロゾロと数ばかりは出てきますが、彼らの内面を見せるどころか基本的なキャラ立てさえ出来ておらず、つまり性格ですとかクセですとか得意技などがほとんど描かれないため、共感を抱いたりその行く末が気になったりという思い入れが全く不能です。
 そんなノッペラ坊のキャラ同士ですので、濡れ場に入るにもその前段階が全くなく、2人きりになるといきなりハメ始めたりします(でも次の日にはもうそんなこと忘れてる)。これではエッチだなあという気分にはなりにくいでしょう。よってポルノとしても落第。困ったモノです。
 唯一の美点はその作画。AT-2スタジオさんが担当しているだけあって相当に美麗です。よって綺麗な裸体の作画を楽しもうという人には、そこだけ価値があるかもしれません。
 「抜ける度」はオイラ的に1。
 もっと長く尺を取って本格長編にするか、あるいは短い尺でエロだけやると割り切るか、最初に見きわめてから作って欲しいと思わされた作品です。
(彩雲11型)


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