人工少女〜変身セックスアンドロイド〜(前、後編)

 ストーリー・拓也はアイドルのスズナちゃんにゾッコンの青年だ。ある日ふとしたことから他人の荷物を持ち帰ってしまった彼は、その荷物を開けてみる。すると中には驚くべきモノが!・・・・




 ・2009年にバニラレーベルから2巻構成で頒布された作品です。
 この前年に同じバニラから出た
「失楽園」と同様、三村惣月氏の個人作品的な商品となっており、故にゲームなどの原作は存在しないようです。
 作品の印象は、暗く陰惨、かつやや難解だった「失楽園」とはかなり異なり、アホでも楽しめる脳天気なコメディとなっています。
 何しろ「オタク少年が、どんな女性にも変身できるダッチロボットを入手」→「身近な女性やアイドルに変身させ、散々ハメ倒してウハウハ」というだけのストーリーなんですから、簡単明瞭、屈託も何もなし。ただ眺めているだけで理解できるというのは、コメディとして優れた資質と言えましょう。
 またエロ部分が何だかジャマな印象だった「失楽園」に対し、本作ではエロとドラマが上手く親和しており、話の流れに無理なくエロが挿入されているのも良いと思います。
 本作のエロのキモは、ダッチワイフロボットを色んな女性に変身させて楽しむということですが、これもステロタイプながら悪くないと思う。
 若い男の子の多くは、クラスで人気の女子や、憧れの美人教師などをオカズにシコってしまったことがあるでしょう。
 本作はそういう下卑た、しかし当たり前な欲望を分かりやすく絵で見せてくれているわけで、なるほどこれは便利、こういうロボがあれば楽しいなあという気分についさせられてしまうのは、エロコンテンツとしてまずまず成功していることの証左でしょう。
 ラストに人造人間のペーソスっぽい展開があるのは個人的に蛇足な印象ですが、必要以上にお涙頂戴にはなっていないので許せる範囲。

 作画もなかなか良好ですし、何より全くのオリジナルエロアニメを作って世に問おうという、今日日では貴重とも言える壮図、気概を讃えたい作品です。
 「抜ける度」は2.5に少し足りないくらいかな。
(彩雲11型)


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