レクチャー1 囚われて・・・汚辱の開演
5月のある土曜日・・・
如月未緒は、クラブの休日活動を午前中で切り上げ、急ぎ足に校門を出た。
きらめき高校二年生の彼女は、面立ちは十分以上に可愛らしいのだが、生来の気弱性と引っ込み思案のため、いささか地味で、鈍(どん)な印象に見える。
そんな彼女の趣味は本を読むことで、だから学校でも文芸部に所属している。
真面目な性格そのままに、堅苦しい純文学が好きなのかというとさにあらず、彼女の好みは甘々のラブロマンスだ。
せめて虚構の中では異性との甘い恋を夢見たいという、年頃の少女らしい情熱を、未緒も胸の奥には強く秘めているのだった。
きらめき中央公園にやって来た未緒は、その入り口前に立っている男の姿を見つけ、慌てて駆け寄った。
「すみません、遅くなりました」
「いやいや、待ち合わせ時間は一分も過ぎてないよ」
男は笑顔を作って答えた。
この2人、別にデートの待ち合わせをしていたわけではない。
そもそも男・・・飯島という名前なのだが・・・は、未緒の理想とする男性像からは、まずルックスからしてかけ離れている。
別にとびきりのイケメンをと高望みするわけではないが、それにしても飯島は、風采の上がらないことおびただしいのだ。
奥目で陰気な面相。まだ若そうなのに、すでに薄くなりかけている頭頂部。不細工に突き出た下腹。そして未緒とさほど変わらないように見える短躯ぶり・・・・若い女の子が憧れるような要素は何一つとして無い。
しかしそんな飯島にも、未緒にとっては美徳と映るところがあった。
自称「文学部の大学院生」だという彼は、なるほど文学への造詣が深く、未緒を圧倒するほどの知識を持っていて、話題も豊富なのだ。
最初に彼と知り合ったのは、昨年のきらめき高校文化祭でのことだった。
文芸部の展示室で未緒が売っていた自作の詩集を、一般客としてやって来た飯島は購入してくれ、その内容も褒めてくれたのだ。
文学好きの同志という気安さから、2人はその場ですぐに打ち解け、男は未緒を、自分が参加しているネット上の文学サークルに誘ってくれた。
未緒はそのサークルに夢中になった。
特に創造的な活動をしているわけではなく、文学についてダベっているだけのチャットルームなのだが、同じ一つの趣味で連帯しているという空気が何とも心地よい。
パスワード入室制なので、傍若無人な一見客に荒らされる憂いもなく、集まった数人の文学好きたちが、ただ静かに語り合う・・・・・気の弱い未緒でも、そこでは伸び伸びと自分を表現し、楽しむことが出来るのだった。
一度みんなでオフ会をしてみませんか?・・・
そんな提案が誰からともなく出され、未緒もすぐに参加を決めた。
彼女にとって、飯島以外は皆初対面の相手だが、ネットですっかり気心は知れている。物怖じする必要は無さそうだった。そして今日は、そのオフ会の当日なのだ。
「あの、他の皆さんは?・・・」
周囲を見回しながら、未緒は飯島に言った。
合計5人がオフ会には参加する予定なのだが、その待ち合わせ場所であるこの公園入り口に、飯島以外にはそれらしい人影がない。
「みんな、先に喫茶店に行ってダベっているよ」
「あ、私が遅刻しちゃったから、皆さん待ちくたびれて・・・」
「いや、そうじゃないんだ」
飯島はノンビリした口調で言った。
「みんな、初めてのオフ会なのでやたらテンションが上がっててね。集合時間の20分も前に、キミ以外の全員がここに揃っちゃったんだ。それで立ち話もアレだから、喫茶店に移動したの。ボクはキミを喫茶店まで連れて行くために残ってたのさ。車を持っているのはボクだけだったんでね」
「そうですか。スミマセン、御面倒かけて・・・」
「イイのイイの。あ、車はあそこ。どうぞ乗ってください」
飯島は言って、すぐ近くに路駐していた車に未緒を導いた。
車は薄汚れた青色の軽で、女性を助手席に乗せるにはいかにも似つかわしくない。飯島は、文学以外のことにはまるで無頓着な性格なのかもしれなかった。
未緒はクスリと忍び笑いを洩らし、車に乗り込んだ。そして・・・
彼女の意識は、その直後にプッツリと途切れてしまったのである。
未緒が目を覚ますと、そこはボロボロに荒れ果てた、まるで廃屋の一室のようなところだった。
しかし全くの廃屋ではないようで、室内には蛍光灯が灯っている。電気は来ているのだ。
窓にはボール紙で適当な目張りがしてあり、そのすき間から微かに陽の光が漏れてくる。外はまだ明るいらしい。
「やあ、目が覚めたんだね」
不意に声をかけられ、未緒はギョッとなって振り返った。
朽ちたフローリングの床に、男・・・飯島が、ドッカリと胡座をかいている。
彼の周囲には、汚れた衣服やコンビニ弁当の空容器、酒瓶、雑誌類などが雑然と転がっていて、その上にはノートパソコンが無造作に投げ出してある。
「飯島さん・・・私一体、どうしたのかしら?ここはどこなんです?」
またフラフラする頭を打ち振って、未緒は言った。
「ここはボクの家さ」
飯島は座ったままで周囲を見回しながら言った。
「築40年の古アパートなんで、年末には取り壊されることが決まってるんだ。だから今はもう、ボク1人しか住んでいない」
「どうして私をここへ?ええと、さっき車に乗って・・・」
「キミはしばらく気を失っていたんだよ。ボクが車の中でコイツを使って眠らせたんだ」
バチバチと火花を散らす器具を取り出して見せ、飯島はこともなげに言った。
実物を見るのは初めてだが、それがスタンガンであることは未緒にも理解できた。そして自分が、あるまいことか、この男に誘拐されたらしいことも!・・・
「な、何故?・・・」
思いもよらない事態に、未緒はかすれたような声を出した。頭がグラグラする。パニックを起こしそうだ。
「ボクはね、ボランティアを買って出たんだ」
奥目をジッと未緒に据えて、飯島は意味不明なことを言った。
「キミはまだ、現実に恋をしたことがないよね?だけど想像の中では恋愛ってヤツに憧れてる。いつもサークルで話しているから、ボクには良く分かるんだ」
「・・・・・」
「そういう女の子は世間にいくらでもいるよ。だけど大抵の場合、そういう娘は、実り多い恋をモノにすることは出来ない。憧ればかりが大きくて、現実の恋の経験が無いからだ。そこで・・・」
フフン、と飯島は肩をそびやかせ、
「ボクはそういう娘たちに恋のレクチャーをしてあげているのさ。ボクは経験が豊富だし、どうすれば良い恋愛が出来るのか全て知っている。それをマンツーマンで教えてあげるために、ネットにサークルを作って、キミのような娘がやって来るのを待っているんだ」
「えッ、それじゃあオフ会は・・・」
「そんなのでっち上げに決まってるだろ?あのサークルはボクが作って、ボクが1人で運営してるんだ。チャットで話していたのもボクの1人6役で、他のメンバーなんか最初からいなかったんだよ」
「そ、そんな・・・」
「人1人呼び寄せるのに、ずいぶん大袈裟なやり方だと思うかもしれないけど、結局はこうした方が面倒が少ないんだ。キミみたいな世間知らずの娘は、やたら警戒心ばかり強くて、見ず知らずの男に付いてきたりはしないからね。コッチは親切でやってるのに、誤解されたりギャーギャー騒がれたりしたら困るからさ、スタンガンもそのために使ってるんだ」
言いながら飯島は、不意に立ち上がって未緒の方へ近づいてきた。
「こ、来ないでくださいッ!」
喋る内容の異常さもさることながら、どう考えても、相手は暴行目的の変質者としか思えない。
未緒は反射的に後ろへいざりながら、手を前に構えて防御の姿勢を取ろうとした。と・・・
「あッ!」
両手が身体の前で縄によって縛められていることに初めて気が付き、未緒は悲鳴を上げる。
気を失っている間に縛られたのに違いない。驚きうろたえている隙に、男は未緒の背後にスルリと回り込み、座ったままの彼女を抱きすくめてしまった。
「イヤッ!何するんですかッ!」
「言ったばかりだろ。恋愛のコツとかテクってヤツを、実地で教えてあげるのさ。キミはまだ知らないだろうが、恋には心より先に、身体が気持ちよくなることが大切なんだ。それをまず分からせてあげるよ」
「そんなの要りません!私を帰してくださいッ!」
「そぉら言わないこっちゃない。ボクのせっかくの親切心を、キミはすっかり誤解してるようだね。ま、じきにすぐ、こっちの誠意を分かって貰えると思うけど・・・」
飯島は嘲るように言いながら、未緒の両足をMの字に開かせ、セーラー服の胸元を乱暴にはだけていく。上下の下着が丸見えになり、未緒の悲鳴は金切り声に近くなった。
「やめて下さいッ!誰か、誰か助けてッ!」
「ムダだよ。さっきも言っただろ?このアパートは、この部屋以外は無人なんだ。通りから奥まったところにあるから、通行人にもそうそう声は届かない。キミの悲鳴は誰にも届きゃしないよ」
男の手が慌ただしく動き、ブラが引きずり降ろされる。
それほど豊かだとは言えないが、瑞々しい張りのある双乳が、ブルリと震えながらこぼれ出してきた。
「キャッ!」
「へェ、綺麗なオッパイじゃないか・・・」
飯島は背後から未緒の乳房を覗き込み、さらにその半球を下からすくい上げるように手のひらを当ててくる。
「まだ熟してないから固いけど、大丈夫、ボクがすぐに柔らかく揉みほぐしてやるからね」
「イヤ!触らないでくださいッ!」
「触らなけりゃレクチャーが出来ないじゃないか。・・・・おっとそうだ、本格的なレクチャーを始める前に、キミに少し質問をしないとな」
「え?・・・」
「ネットサークルでは聞けなかったこともあるからね。恋のレクチャーをするためには、教え子の個人データをちゃんと把握しておく必要があるんだ」
「私、何も答えたくありません!」
これ以上の屈辱など真っ平ゴメンとばかり、未緒が思わず反抗的な態度を取ると、
「そりゃ困るな。さっきも言ったように、こっちは親切でやってあげてるんだぜ。それをそう邪険にされると、少々厳しい態度で指導をしなくちゃならなくなる・・・」
乳首をまさぐっていた男の指に、不意に強烈な力が込められる!
「ひぎいッ!」
その部分をねじ切られるような激痛が走り、未緒は激しい悲鳴と共に上体をエビ反らせた。
「痛いかい?だけどボクをこれ以上怒らせたら、もっと痛いことをしちゃうかもしれないよ?ひねくるなんて生やさしいことじゃなく、乳首をハサミで切り落としちゃうことだって出来るんだ。そんなのイヤだろう?」
「・・・・・」
「どうするんだい?何でも正直に答えるか、それとももう少し意地を張ってみるか、ボクとしてはどっちだって良いんだぜ」
飯島の指が、答えを促すように、乳首の付け根をツンツンとつついてくる。それだけでもう、気弱な少女からは、抵抗しようとする一切の気力を奪い取るのに十分だった。男の声音や物腰には一種独特の凄味があり、他人の肉体を傷付けることも、本当に平気でやりそうなのだ。
「お、お答えします。何でもお答えしますから・・・ヒドイことしないで。お願いです、お、お願い・・・・」
震えながら答える未緒の声が、次第に嗚咽へと変わる。と同時に、恐怖に見開かれた目からは、それまで必死に堪えていた涙がドッとあふれ出た。
「よしよし、人にモノを教わろうってときは、そういう風に素直にならなくちゃな。それじゃあ最初の質問だけど・・・・」
次々と淫らな質問を少女に浴びせ、彼女が異性とのキスや性交の経験がないこと、それどころか自慰すら知識としてしか知らないことまでを聞き出し、飯島はニヤリと悦に入った笑みを浮かべた。
「良く分かった。やっぱりキミは、ボクが思っていたとおりのおぼこい娘だったんだね。それでこそコチラも、ボランティア活動のしがいがあるってもんだ」
男はポケットからピンク色の繭型ローターを二つ取り出し、一つは未緒のパンティーの中へ、局部にあてがうように押し込み、もう一つは自分が手に持って、未緒の乳首をクリクリと刺激し始める。
「あッ、何なさるんですかッ!」
未緒は泣き声を上げて身をよじり、パンティーの中のローターを取り出そうと、思わず手を股間にやるが、
「おいッ、ソイツに触ったら承知しないぞ!」
飯島に大喝され、ビクッと指先をこわばらせる。
「それはレクチャーのための大事なアイテムなんだからな。キミがまだ知らないアクメって感覚を、存分に教えてあげるために使うんだ。こんな風にね・・・」
飯島はローターからコードを介して繋がっている電源スイッチを入れた。
ブブブブブブ・・・・
「ああッ!」
ローターが微かな音と共に震え始め、それに秘部を直に刺激されて、未緒は弾かれたように胸を反らせ、身体をくねらせる。
「と、止めてください!こんなのイヤですッ!」
「バカだな、動かすための器具なんだよ。ホラ、こっちもスイッチが入ったぞ」
男が手に持った方のローターも震動を始め、未緒の乳首付近を丸くなぞるように弄ぶ。
「あッ、ダメ!」
性感の最も発達している部位を同時に責め込まれて、たちまち乳首が固くしこり、ゾクゾクと寒気にも似た感覚が脊髄を往復し始めた。
「あ・・・あッ、あッ・・・」
初めて経験する官能の妖しい味に、未緒はおびえ、うろたえるが、どうにも身体の御しようがない。歯を食いしばってひたすら堪えようとするうち、淫らな生理反応はますます激しさを増し、出したくもない切なげな声が、思わず口をついて出てしまうのだった。
処女である未緒の身体が、こうもアッサリと官能によって支配されてしまったのにはワケがある。ヴァギナにあてがわれたローターには、男があらかじめ、催淫性のローションをたっぷりと塗り込めてあったのだ。
体温でサラリと溶けたそれが、ラビアから膣へと深く染み込み、少女の神経を狂わせていたのである。
「くくぅッ!・・・」
たまりかねたような呻き声を上げ、ついにはモジモジと腰をゆらし始めた未緒に、男は背後からイヤらしく顔を寄せて、
「オヤ、さっそく分かってきたみたいじゃないか。それが恋の第一歩、『気持ちイイ』ってことなんだ。キミの身体が、恋愛をするための準備をひとりでに始めたんだよ」
「そ、そんなんじゃありません!私は・・・」
「だって気持ちがイイからこそ、そんなイヤらしい声が出ちゃってるんだろ?それにホラ、ここはもうすっかりその気になって、パンツにシミが出来ちゃってるぞ」
「あッ、許して下さい、恥ずかしいッ!」
男の指に下着をまさぐられ、切羽詰まったような悲鳴が上がる。
秘裂を縦に割り裂くような格好でローターを当てられたその部分は、催淫ローションによってすでに大量の蜜にまみれており、それが純白の下着をジットリと湿らせ始めていることが、自分でも分かるのだ。
自慰すら経験のない無垢な少女にとって、そんな浅ましい女体の生理を、男に観察されたり指摘されたりは、まさに拷問に等しい精神的苦痛であった。
「何も恥ずかしがることはないさ。気持ち良くなって、イヤらしい声やお汁をいっぱい出すことが恋愛の始まりなんだ。さあ、頑張ってもっと『体験学習』をしてみようね」
「イヤ、イヤぁあ・・・・」
今や激しく泣きじゃくりながら、未緒は何とか肉体の高ぶりを押さえ込もうと抗うが、それは全くのムダであった。
火照った肌一面に浮き始めた汗が、皮膚の感覚をさらに鋭敏にし、ローターの震動や男の愛撫をいっそう甘美な感触に増幅していく。少女の若い肉体は、まるで追い立てられるように、初めて知る官能の高みへと押し上げられていくばかりだった。
やがて、熱い血でプックリと膨らんだ羞恥の肉芽が、蠢くローターの頂点でグリッと揉みつぶされた瞬間、未緒の意識は吹き荒れる官能の渦にすっかり呑み込まれ、荒々しく翻弄されながら、為すすべなく押し流されていった・・・・
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