レクチャー完了 ラブロマンス

 
 あの悪夢のような日から1ヶ月・・・・


 
 未緒はほぼ毎日のように飯島から呼び出され、あのアパートへ連れ込まれて、性の慰み物にされ続けていた。
 処女を奪われ、あらゆる痴態をカメラとビデオに収められてしまった彼女は、もはや男の言いなりになるより他選べる道がなかったのだ。



 「文学部の大学院生」だという飯島の自称は、過去にそうであったというだけで、現在は職にも就かずにブラブラしているらしい。
 時間だけはいくらでもあるから、未緒にそうしたように様々な場所や手段で女性をたぶらかし、手込めにし、それをネタに金品を脅し取って生活しているというのだからタチが悪い。



 今日も未緒は、薄暗い室内で、飯島が好きな体操着に着替えさせられ、そしてそれを半ば脱がされた格好で、イヤらしくその全身をまさぐられている。


 「イイぞ、ちょっと触っただけでもスゴク濡れるようになってきたじゃねェか」
 「くくうッ・・・」
 股間に這い込んだ男の指が、恥門をやわやわとくつろげ、花壺から熱い蜜を引きずり出すように蠢くと、食いしばった未緒の口元から堪えかねたようにあえかな呻きが漏れる。
 すっかり開発された性感にあおられ、女体が激しく震えるたび、今日は後ろ手にかけられている手錠がカチャカチャと哀しい音を立てた。
 「ボクがこの1ヶ月、毎日みたいに『恋のレクチャー』をしてやったおかげだな。念入りに揉んでやったから、オッパイも見違えるように大きくなったぞ」
 もう一方の手で、むき出しにされた乳房を乱暴にもみ上げながら、飯島はさも満足げな様子でささやきかける。
 彼の言うように、ひと月前より目に見えて丸みとボリュームを増したその乳房は、揉み込んでくる手の動きでたちまち固く張り、頂点がキリキリと高く屹立していく。
 「こんなに感じやすい、女らしい身体にしてもらって嬉しいだろ?え?」
 「は、ハイ・・・とても嬉しい・・です・・・」
 「礼の一つくらい言ったらどうなんだ?恋愛について何も知らなかったキミを、ボクがボランティアでここまで教育してやったんだぞ」
 「あ、ありがとう・・ございます・・・全て・・飯島様の・・おかげです・・・・」
 未緒の声が途中からワナワナと震えがちになり、最後は途切れ途切れの嗚咽へと変わってゆく。
 男にあらゆる弱みを握られているという恐怖感、そして日々淫らに変質してゆく我が身への絶望が、未緒から抵抗したり口答えをしようとする気力を一切奪い取っていた。
 「じゃあそろそろ、ボクの身体の方も気持ち良くしてもらおうか。いつも言うことだけど、互いに楽しむことこそが恋の基本ってヤツだからな。しっかり気ィ入れてサービスしろよ」
 飯島は言って、未緒を駅弁スタイルで抱え上げ、いきり立った男性自身を少女の胎内深く飲み込ませてゆく。
 「ヒあッ!」
 強烈な官能美に思わず悲鳴のような嬌声を上げながらも、未緒はイヤと言うほど教え込まれたとおりに、受け止めた男の身体に最大の快楽を与えるよう、自身の局所に意識を集中させ、腰を妖しく揺らし始めるのだった・・・



 ・・・ややあって後・・・



 「フン、なかなか良かったぞ」
 汚れた欲望の澱を数度にわたって放出し、ためかスッキリとした表情になって、飯島は少女の身体を床に放り出した。



 まるで壊れた人形のように力の抜けきった状態で、未緒は後ろ手にされたままの身体を床にのばしている。
 淡い恥毛の周囲だけでなく、口元、そしてメガネにまで、男の放った体液が粘りつき、鈍く光っているのが、いかにも処刑の終わった囚人を思わせて哀れであった。



 「これでそろそろ、キミも恋に関しては一人前の域だろう。恋をする資格のある身体に、十分なったようだからな」
 傍らに胡座をかき、汗に濡れた未緒の下腹を愛おしげに撫で回しながら、飯島は言った。
 「キミにはあくまで善意で恋のレクチャーをしてやったけど、まあせっかくだから、この際ボクが直々にキミの恋人になってやってもイイぞ。どうだい?」
 「え?・・・」
 不意に思いがけないことを言われ、未緒はおびえた視線を男に向ける。
 「キミの心も身体も、もうボクにゾッコンになっちゃってるだろ?だから、ウソから出たマコトっていうか、アフターケアーで、キミをホントの恋人にしてやろうってんだよ。レクチャー終了が縁の切れ目じゃ、キミが可哀想だからね」
 「・・・・・・」
 「どうなんだ?ボクのことが好きだろ?ええ?」
 「・・・ハイ・・・」
 「それじゃあ、ボクの恋人にして欲しいよな?」
 「ハイ・・・どうぞ・・私を・・恋人にして・・下さい・・・・」
 唯々諾々とそう答えるしかない未緒の目に、新たな涙が大きく盛り上がり、あふれ出して、パタパタと床にこぼれ落ちていく。
 「よしよし、泣くほどボクに惚れてるんだな」
 飯島は勝ち誇ったように肩をそびやかして言った。
 「これでボクたち2人は誰はばかることのない恋人同士だ。これからも毎日、存分にキミの身体を愛してやるよ。2人の『ラブロマンス』は、今から本当に始まるってワケだな」
 何のことはない、最初から未緒を性欲処理用の奴隷に仕立てるつもりだった卑劣漢は、喋っているうちに再び獣欲が満ちてきたとみえ、今や激しく泣きじゃくっている未緒の身体を裏返すと、今度はバックスタイルで肉の槍を突き込んでいく。
 「ああッ!・・・」
 深い絶望のこもった悲鳴を上げ、ひと月前までの夢見る文学少女は、終わりのない淫らな煉獄へと再び呑まれていくのであった・・・・

(おわり)


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