No.18 バーチャアイドルは萌えるエロスの夢を見るか


 今回は懐かしモノではなく、最近のブームに対するしょうむない雑感などを書きます。そのブーム(もっとも大分下火になっているらしいのですが)とは、いわゆる3Dのバーチャアイドルなるものです。



 例えば
テライユキなどに代表されるバーチャアイドルコンテンツを見るとき、オイラが強く感じることは、
 「これ見てスゴク萌える、っつーか、これが大好き!って人なんかいるのかなあ?」
 という疑問である。



 いやいやあれだけのブームになっているのだし、彼女1人(?)で巨大な市場を形作っていることからして、「テライユキのファン」だという人が実際に多数いることは分かっている。しかしそれは、本当にテライユキというコンテンツそのものに対する、掛け値のない絶対的な評価なのだろうか?
 どうもオイラにはそうは思えないのである。なんとなれば、オイラはあれをみても、
 「しょうむないなあ」
 としか感じないからだ。



 オイラのその感覚には、大まかに言って二通りの解釈が出来るであろう。つまり、



 (1)大衆はテライユキそのものを評価しているのではなく、3Dアイドルという新しい表現方を、その目新しさ故に取りあえずもてはやしている。



 (2)テライユキは真に価値のあるコンテンツだが、彩雲11型は、その年齢故か、その価値を感じ取れる感性がさび付いてしまった。つまりはオイラの方が時代からズレてしまった。



 という2つの可能性であるが、当然ながらオイラ自身には、どちらが真実に近いのか判断できない。ただあくまでオイラの主観においては、あのキャラからは何ら汲み上げるべき魅力を見出せないのだ。



 オイラの彼女に対する印象を一言で言わせていただければ、「マネキン」である。そう、彼女はダッチワイフですらない。
 彼女には、抱きしめると柔らかそうな肉の感覚がなく、香ばしそうな髪の感覚もなく、むろん動作に合わせてキュッと緊張する内股の筋肉もない。つまりコケティッシュさというものに彼女は無縁なのであって、女としての記号をせいぜいマネキンレベルでしか持ち得ない彼女にどうして男たちが萌えられるのか、オイラには分からないのだ。



 では3Dツールによって、萌えるコンテンツを表現できないのかというとそうでもない。
 ライトウェーブによってメチャ可愛いプニキャラを作るクリエイターをオイラは知っているし、ウチからリンクしている「gg-space」のGG様が、3Dギャルズで素晴らしいエロチシズムを表現なさっていることも皆さんご承知であろう。つまり3Dでだって、コケティシズムや肉感的なエロスは表現できるのだ。



 そう考えると、問題は、テライユキの作者が単なるマネキンコンテンツしか作ることが出来なかったという、(3Dエディターとしての能力はともかく)作家としての無能力に帰せられるような気もするが、やはりオイラの感性の方に問題ありという懸念も拭えない。


 
 今オイラは、「エヴァ」ブームが真っ盛りの頃、アヤナミに少しも萌えられなかった自分の、居心地の悪さを思い出す。
 少なくともあのキャラは、はずみや物珍しさだけで人気を博していたわけではないだろう。本気でアヤナミに萌えていた男の子は、それこそ星の数ほどいたはずだ。
 あのキャラの魅力を掬い上げることが出来なかったように、オイラの感性はやはり時代とズレてしまっているのか?そして時代は、本気でテライユキを求めているのか?
 オイラは知りたい。皆さま、テライユキに萌えられますか?

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