No.9 そこへは行けない


 今回はヒロイン考というのではなく、最近思っていることなどを書いてみようと思います。まあ雑文のコーナーだから、こういうのもアリでしょ。



 さて、各種検索エンジンに「最オリ」を登録しようとして、はたと困ってしまうことがある。どうもピッタリくるカテゴリーがなかったりするのである。
 たしか「8の字倶楽部」のひょう様もBBS等で書いておられたと思うが、陵辱系とか被虐系とかいった創作コンテンツを扱っているサイトは、カテゴリ申請において困っちゃうものらしい。まあ「陵辱」だとか「強姦」だとかいうカテゴリを堂々と設けること自体、検索エンジンの主催者側からすれば、一種のタブーなのかもしれないが。



 仕方ないので、用意されたカテゴリで間に合わせようとするのだが、「ハードコア」というのともちょっと違うし、「SM」というと互いに能動的に求め合う趣味のような気がして、どうにも違和感がぬぐえない。
 オイラたち、いわゆる被虐系の小説などを扱っているサイトとしては、犯される対象としてのキャラを、どちらかといえば精神的に嬲り抜いていって屈辱を与える、てなことを主眼としているワケだから、責めて責められてああ気持ちイイってゆー「SM」なる文化とは、やっぱり違うような気がするのです。どうでしょうか。



 で、ちょっと勉強(^^)してみようかと思って、SM関係のテキスト誌だとかを調べてみたのですが、その目的とは関係ないところで、「SM」なる文化の面白さ・・・ていうより、恐ろしさにビックリしてしまった。純情だなあオイラは。(^^;)



 何が恐ろしいって、「SM」に関係する殺人というのが、古来頻繁に起こっているらしいことである。といって、趣味の相手との愛憎の果てに・・・なんてものではない。「趣味の相手との趣味の果てに」殺人が起きてしまうらしいのだ。つまり、プレイが行き過ぎてくたばっちやったということらしい。なんだかなあ・・・。



 この手の殺人・・・というより実際には事故であるが・・・が最も起こりやすいのは、そういう趣味人同士が夫婦になった場合であるらしい。夫婦でどんな変態プレイに興じようと勝手であるし、第三者に知られたり咎められたという憂いがないから、いきおいプレイ内容がエスカレートしていって、ついには・・・ということらしい。



 具体的に最も多いのは、互いに首を絞め合いながら行為に没頭し、気が付いたときには一方が窒息死していたというケースだという。
 なるほど首を絞めれば脳が酸欠になるから、一種酩酊したような状態になり、そのため快感が増すということがあるのかもしれない。また首を絞められると女性器が収縮するので、得られる官能が高まるということもあるだろう。だがしかし、死ぬまでやらんでもエエやろと思っちゃうのは、オイラがそういう趣味人じゃないからだろうか。



 こういう「SM殺人」だって、多くの場合は、当然刑事事件として起訴されることになる。大抵は無罪、あるいは猶予刑ということになるそうだが、裁く方だってあまりに生臭くてイヤんなっちゃうだろうなあ。
 「夫婦が性交に快楽を求めるのは当然の権利であるけれども、まあ程々にしておきなさい」なんて裁判長が注意して閉廷したりするそうだが、全く持っておっしゃるとおりである。(^^)


 
 さて、この種の事件の極めつけとも言うべきケースを、最後に紹介しておきましょう。



 大正6年というから相当に昔のことだけれど、
矢作よねという、マゾの権化みたいな女がいた。
 彼女は小口末吉という大工の内妻だったのだが、彼以外にも情夫を数名持っていたというから、もともとスキモノの年増女だったのだろう。
 ある時、情夫との密会を末吉に責められたよねは、それがきっかけでマゾヒズムに目覚めてしまった。(困ったもんだ(^^;))
 よねは「もう浮気が出来ないように、身体に焼き印を押してくれ」と末吉に懇願。末吉は別にサドではなかったが、よね愛しさにこれに応ずると、彼女の「苛めて」要求はとどまることなくエスカレートしていったという。
 結局よねはSM地獄の果てに衰弱死してしまうのだが、その遺体の検死記録によると、手足の指のうち六本が切断され、全身に無数の刀傷、そして硫酸による火傷の跡が残っていたという。



 あな恐ろしやと言うべきか、もう勝手にしなさいと言うべきか。いずれにしても確かなことは、オイラのごとき素人が、「SMっぽいサイトをやってます」なんてことを言っちゃうのは、とんでもない心得違いだということである。
 やっぱうちは「SM」とは関係のないサイトなんですね。とてもこの世界には入って行けそうもありません。

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