(第七夜)


雅耶「尋子。もしかしてあなた、なにを飲ませたの?」
尋子「おほほほほ。彼女をより強力な妖怪にするためよ。これで美佐をやっつけるのにこれほど強力な武器はないわ。」
雅耶「だからって…。」
昌子「いいわ。わたし、これで美佐をやってやるわ。」
雅耶「昌子さん…。」
突然、昌子がその場から飛び立っていったのであった。

いっぽう、ようやく学校から脱出できるようになった美佐だが、学校の少女たちを解毒させるには張本人の昌子を探すしかないと思い、昌子の家に向かっていたが、おりよくその昌子が雅耶たちのもとを出ていて訪れていたのであった。
美佐「昌子さんのどこかを狙えば、みんなを助けられるかもしれないわ。」
すぐに、昌子も美佐の存在に気づいたようであった。
昌子「おほほほ。わたしに太刀打ちできると思うかしら。」
美佐「とにかくあなた、いいえ。あなたのなかに潜んでいる悪魔を殺さなければ…。」
昌子「うふふふ。死ぬのはあなたのほうよ。」
昌子の表情が不気味になり、超長い二本の三つ編みのおさげ髪も舞い上がりはじめていた。肌がだんだん毛むくじゃらになって、目も恐ろしく光りはじめた。髪の毛と顔以外はすっかり恐ろしい怪物の姿に変貌した昌子だった。
美佐「昌子さん…。」
昌子「くくくく、はあーっ!」
昌子の口から怪獣のような火も噴きだしていた。
美佐「あぶない。」
腕時計でその火を受け止め、逆に光線を昌子のほうに向けてつきかえしていた。
昌子「ううっ。」
のたうち、苦しむようすの昌子を見て、どのあたりを攻撃しようかとまた考えねばならなかった。怪獣のように単に倒すだけにはいかない。
美佐「そこかしら。」
美佐は、昌子の胸を目がけてみたが、昌子がすぐに顔を上げてたちあがるのであった。
昌子「ふっ、ふっふふ。」
美佐「どうやら、おっぱいは急所ではないらしいわ。」
こんどはまた、昌子がつめをたてて美佐を目がけて攻撃してくるのであった。
昌子「くくくく。」
美佐「はあはあ。」
昌子「おほほほ。わたしのことを殺すことなんてできないでしょう。」
美佐「ほんとうに、女の子にとりつくなんて。」
昌子「ふふふふ。もともといやらしい性格の子だし、悪魔になるのも当然の運命の子よ。この子は、もともと悪魔の申し子として生まれてきたのよ。」
美佐「人質にとったようでほんとうに卑怯な…。」
昌子「なんとでも思うがいいわ。ふふふふ。」
またも、昌子の怪獣のような大量に噴いた火に悩まされる美佐であった。
美佐「ああ、さきほども戦い続けていたから、だんだん力が…。」
まさに、学校にいた時からさそりにされていた女子生徒たちと戦っていたため、力を消耗してきたようであった。
昌子「ふふふふ、もう逃げられないわね。」
美佐「逃げる?わたしがそんなことなんかしないわ。」
昌子「美佐の命も、もうすぐよ。」
美佐「ああ…。」
疲れ切った状態の美佐に昌子が近づくと、怪物の姿になっていた昌子も人間体に戻っていた。三つ編みの髪を振り乱して、美佐にとびかかろうした時、昌子の様子に異変が起った。
昌子「う、うう…。」
美佐「どうしたのかしら、あっ。」
美佐は、昌子の下半身を見ていた。すると、股のところに妙なふくらみがあることに気づいていた。
昌子「うう…、美佐さんの色気にはかなわないわ。」
美佐「もしかすると、そこは…。」
美佐は、昌子の股のところをついに足でけとばしたのであった。
昌子「ぎゃあー!」
昌子がうめきだした。
美佐「やっぱりね、どうやら急所はそこにありそうだわ。」
美佐は、倒れてうずくまる昌子の着ていたスカートや下着をはぎとりはじめた。
昌子「やめて、美佐さん、はずかしいから、美佐さんの前で。」
美佐「なにを男の子みたいなこと言っているの、あっ。」
まさに、男の性器がむきだしになって勃起までしていたのだった。
昌子「男だったんじゃないわ。薬を飲まされてついさっきこうなってしまったのよ。」
美佐「ふーん、そしたら、ちょっといい方法があるわ。」
昌子「方法って?」
美佐「ふふふふ。」
美佐もまた、突然自分の着ていた制服をぬぎはじめ、下着もずり降ろしていた。
昌子「美佐さん、こ、困ったわ。」
美佐「おほほ、おちんちん勃ってるわね、しっかりと。」
昌子「美佐さんの口からそんな言葉が…。」
美佐「わたしを見くびるんじゃないわ。男の子をやっつける時はいつもこういう方法でやってるわよ。」
昌子「どうしてそんな…。」
美佐「えいっ。」
昌子「きゃっ。」
美佐が、昌子に突然抱きつくのであった。昌子のしている三つ編みのおさげ髪をわしづかみにして引っ張りながら、自らの長い黒髪も昌子の肩にばさっとかけるのであった。
美佐「ほら、昌子さん、気持ちいいでしょ。男としてわたしを女にした味、おいしいでしょ。」
昌子「うう…、うう…。」
美佐「ほらほら、精液も出てきたわ。」
昌子「ああ、ああ…。」
ついに、昌子の男の性器から大量の精液がとびしていたが、その時だった。
美佐「ん?なんか感触が…。」
精液の出ていた昌子の性器がだんだん縮んでいたようである。美佐はそれを確かめるために立ち上がったのであった。
美佐「なんだ、おちんちんがしぼんでなくなってゆくわ。」
昌子はその場にあいかわらずもがいていたが、美佐がその股を見てなにか気づいたようである。
美佐「あそこだわ。」
美佐は、昌子の性器が消えた股のところの、アンダーヘアーを目がけて目から光線をあてていた。すると、昌子がまたもがき苦しみはじめた。
昌子「ぎゃあーっ!」
昌子のアンダーヘアーのなかから、一匹のさそりが死骸となって落ちてきていたのである。
美佐「もしかして、昌子さんをあやつっていたのはこの怪物…。」



美佐の通っていた女子高校では、倒れていた女子生徒たちが目覚めていた。
小百合「はっ、わたしたち、どうしたのかしら。」
吉美「たしか、怪物みたいな男の子に襲われて…。」
小百合「ええっ?あなたも。そうだわ、やだ、こわい。」
児童のほとんどがさそりの手下になっていた小学校でも、躍り狂っていた少年少女たちがばたばたと倒れて、まもなく起き上がっていた。
悦子「あら?わたしたち、どうして。」
和江「みんな、もとに戻ったみたいだわ。」
昌子の家にあったジャングルのような温室では、植物が急に枯れはじめ、水やお湯も干上がってしまっていた。そのなかに、久美子、美幸、芳子の三人の少女と戯れていた咲男も、折り重なるようにしてばたばたと倒れていた。三人の少女が先に目覚めるのに気づいたため、露骨な性器をあらわにして長髪のまま横たわっていた咲男の姿に驚いていた。
久美子「ここは、わたし、どうしたのかしら。」
美幸「きゃっ、やだ。へびやとかげの死体が…。」
芳子「やだー、裸の男がいるわ。」
きゃー、きもいと言って、少女たちは足早に逃げるのであった。

尋子「おねえちゃん。さそりの計画は失敗したわね。」
雅耶「美佐、やはり手ごわい存在だわ。」
平和を取り戻したかに見えた黒井美佐の周辺には、また新たな危険が忍び寄ろうとしているのであった。
(おわり)


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