余談

 涙が瞳からこぼれ落ちる…溢れ出している涙のせいであろうか…奇妙に視界が歪む…そして…歪んだ天井の蛍光灯が容赦なく自分を晒し出している。
 薄暗い部屋の真中、その場所で沙希は仰向けに横たわる…
 虚空を映し出す瞳…乱れた髪の毛が広がる…その髪に…唇に…頬に…こびりつくかのように男の精液が滴る…
 首筋から胸に…両の乳房に…刻みこまれた…薄っすらと血の滲む歯型と唾液の痕…腹の上に滴り落ちている濁液…臍の下…薄く…淡い…茂み…滲み出した愛液…男の精液…引き裂かれた…痕からの出血…それが混ざり合い…恥毛を赤黒く濡らし…汚す…股間に刻まれた焼け付くような痛みが教える…夢ではなかったことを…あの悪夢のような出来事が現実であったことを……

「あっ…うぁ…み…お…ちゃん…なぜ…どう…し…て…?」

 わずかに開かれた沙希の唇が震えて声が漏れる、しかしその声は誰にも…沙希自身にも聞こえないほど…小さく…細く…悲しい声であった。

「沙希ちゃん…」

 未緒の手が床に転がっていた沙希の破れた衣服を拾い上げる…全裸のまま壊れた人形のように横たわる沙希の身体の上にその服をそっとのせ笑顔を見せながら言う…

「これで…私達…同じだよね…また…前と同じだよね…」

 未緒は微笑む…

「こんどは…誰を呼ぼうかしら…そう…清川さんがいいわ…みんな一緒に…3人で一緒に…楽しみだわ…ねえ?…沙希ちゃん…」

 未緒は微笑む…優しげに…沙希の無残な姿を見ながら…そして…悲しげに…微笑み続ける…


                      了


→戻る

→沙希・壊れ行く日々のトップへ