第7章 エッもう7章?早っ


なんでこんな事になったんだろ。

部室でバトルシティーし過ぎて、帰りのJRが事故でしばらく止まってて、そうその時、家の近い人のとこに泊めてもらおうか迷ったんだ。

「さ、ハナちゃん。替わろうか」

その一つ一つに責任を求める事はしない。意味の無い事だ。わかりきった、事。

「遠慮します。実を言うと、あんまりタイプじゃないんですよ」

それでも、何かを恨まずにはいられな…あ?

アンタ今何言った?

「せっかくなんだし目つぶってでも一発やっとけば?」

ええっそれはそれで失礼極まりないと思うな。そりゃね、やらないって言うならそれにこした事はないんだけど

なんか釈然としないなあ。

「それより、タクトが面白い物を用意してるから、その手伝いをするよ」

「そうか、まだアレがあったな」

思い出したようにムネミツが呟いた。

「何の話だ?」

「知人から大量に譲り受けちゃって対処に困ってたんですよ」

急に不安になって、うつ伏していた態勢から見上げた。タクトが手にしていたのは、いわゆる虫かごだった。箱状の透明なケースに厚く土が敷き詰めてあり、たぶん木の柱なんかが無造作に突き刺さっている。

虫かごというくらいだから、虫が入っているのだろう。

……。

「ウソ…正気?」

誰かが背中に乗った。両手の縄が切られ、かわりに頭上で縛り直される。

「どうする気よ?」

縛っているのはハナちゃんだった。

「だいたい想像通りだけど」

「嫌ッ!絶対嫌ぁっ!!」

必死の抵抗も簡単に押さえ込まれた。先輩が加勢したらしい。

「ここからどうするんだ?」

「仰向けにしてアルファベットのAの形を作って下さい」

頭上で新たに組み立てられたバーベルに直接両手を結び付けられ、身体を起こすどころか寝返りも封じられた。標本という言葉がしっくり来る気がする。

そして、普段は標本にされる側の生き物が、今かごの中にいる。よく見るとそれは、ケースの狭い床面を埋め尽くすようにぎっしり詰まっていた。

「まさか…ゴキ?」

「失敬な。クワガタだよ」

「くわ…がたなら高値で売れるんじゃないの?」

「クワガタたちの身に何かあったら当然その都度お仕置き、と言いたいところだが実はその大きさじゃたいした金にならんのよ。そういう訳だから」

ムネミツは虫かごに手を入れ一握り虫を掴み、私の首筋からシャツの中へ放り込んだ。

――――!!

「つぶれても責任は問わないぜ。大将、どんどん入れてやれ」

背中で4、5匹の虫が肌に触れていて、とにかく身体を反る。少し浮いたお腹からタクトが一匹ずつ虫を入れていく。

「つぶしたくないんだな。どれ…」

「やっ!ひはッ!ん、何のつもりよ。やんっ!」

ムネミツが脇腹をくすぐり始めた。

「背中のクワガタを守り抜けるかな」

「やめてっ!なあああぁ!ふぁあ、あ、あッ!」

お腹のクワガタの歩く感触が胸の方まで来ている。

「いやああああッ!」

ムネミツが背中にさらに数匹の虫を投げ入れた。

「ん、大将。それもいいがクワガタの好物はやっぱり蜜だぞ」

そう言って下半身へ移動し、右足を開いていく。

「イヤ!!やめて!やめて――――ッ!!」

「うるさいな。先輩、女の口開けたまま押さえてて下さい」

っ!

鼻をつままれ、あごも固定された状態で、口の中に一気にクワガタを詰め込まれた。

「吐き出さないように口を塞いでもらえますか」

「わかった」

虫を噛むのが恐くて口元が動かせない。虫が動くのに合わせて舌がうねるばかり。

「ン!ンンッ!!」

陰部を割り広げられて、何か当たる感触がした。

縦に2点。…ツノだ。

―――あアッ!

塊が滑り込むように入ってきた。

「ちゃんと奥まで押し込まないと、たくさん入らないぞ」

「OK」

「ふッッ!…ぅぁぁ!!」

…虫が興奮してもがいてる。

「ほら。もう蜜が溢れてるだろ」

「ムネさん、それ、先輩のじゃないかな」

「そういう細かいツッコミはいいって。ハナちゃんも入れてみなよ」

「じゃ記念に一匹」

二匹目も簡単に入った。すぐ一匹目と競うように暴れ出す。

身体の中からくすぐられる感覚に耐え切れず歯を食いしばった。虫の足を噛み千切ったかも知れない。

「結構入りそうね」

「だろ?じゃんじゃん詰めようぜ」

―――はウっ!…ああ、あっ、あっ!あくッ!んッ!んンッ!!

「カフッ!」

息苦しくなり咳き込んだ勢いで先輩の手がはずれ、虫も3匹吐き出した。

すぐに横を向き、残りも全て一掃する。口の治安は回復したが今度は下にぎっしり詰められている。

「ムネさん、先輩のじゃない蜜が」

「マジで?なんだよお前、嫌がってた割に虫好きじゃん」

ムネミツはクワガタのひしめく中に強引に指をこじ入れた。

「ひいぃっ!!くはああああッ!!」

驚いた虫たちが一斉に足を踊らせた。

「おいおい、あんまり締めると余計虫が暴れるぜ」

「ダ、ダメぇ…ああああぁぁ!!」

グラスの氷をストローでかき混ぜるように指が動く。やがて慎重に引き抜かれ、入れ替えに何か丸いものを押し込まれた。虫より一回り大きい。

「これでよしと。後は出てこないようにしっかり塞いで…」

とか言いながらガムテープを貼り出した。何重にも念入りに塞がれた。

はがす時痛いだろうなと心配していると、連中は荷物をまとめ始めた。

「ふぅ。女よ、名残惜しいがオレたちはそろそろ行かねばならない。だが心配せずとも、オレたちの抜けた後の穴は埋めてある」

「ムネ、うまいな」

うるさいよ。…え、行くって?

「虫さんたちが引き続き相手してくれる筈だが、お前が変態プレイを楽しみやすいようにローターを入れておいてやった。以上」

「い、以上って、行くなら縄ほどいて行きなさいよ!」

「口の減らない女だな。これで遊んでろ」

そう言って足元で何か操作した。

「…あアアアアアアアッ――――!!」

急な振動と同時に虫たちが狂ったように暴れ出す。

「皆、忘れ物は無いな」

「ひあああああッ!!お願いっ!と、止めて!いやあああぁ!!」

「そういう事は虫に言えよ。あとさっきも言ったけど締めるのは逆効果だからな」

「そ、そんなあっ!アアッ!!ああダメええええッ!!」

「行こう」





「…なあ、オレ観てないから知らないんだけど、スパイダーマンってやっぱり昆虫プレイで生まれたのかな?」

「全然違うよ(っていうかクモは昆虫じゃない)」

「そうだ、ムネ。デッキから出なくなったビデオ、結局どうしたんだ?」

「デッキごと返却しました。これも実話です」

「そうか。…しかしまだかなあ」

「何時発売開始だっけ、父さん」



(完)


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