新宿上空ににらみ合うビルバインとライネック、長期化した戦いに互いの決定打を失った2機のオーラバトラーは互いの出方を窺っている。
 オーラキャノンを構えるビルバインが一瞬の隙を見せる。
 ライネックはその隙を見逃さなかった。
 「そんなにやられたいのかよ!なら望みどおりにしてやるぜ!!」
 僅かに光を放つ剣を抜き放ち、ライネックが襲い掛かる。
 同じく剣を抜き、避ける事無くライネックの攻撃を受け止めるビルバイン。
 「トッド!もう止めるんだ、ここはバイストン・ウェルじゃないんだぞ!」
 ライネックを押し返したビルバインがキャノンを構える。
 光の流線がライネックを襲った刹那、残像を残しつつ光をかわしたライネックのワイヤークロウがビルバインを捉えた。
 ビルバインの装甲がへしぎ、不快な音を立てる。

 「お前がいなくなれば、これ以上戦いを続ける理由も無くなる、ママだって助かるんだ!」
 ライネックのミサイルランチャーが火を噴き、包囲するように無数のミサイルがビルバインを襲った。
 「目を覚ませ、トッド!ドレイクやビショットが侵略を始めれば地上がどうなるかわかるだろう!」
 ビルバインはその場から移動する事無く手に持った剣ですべてのミサイルを叩き落した。
 「他人に説教出来るほど年を取ったのかよ、ショウ!」
 トッド自身のオーラ力を全身に纏ったライネックがビルバインに向かって突撃する。
 その瞬間、ビルバインの機体に眩いオーラ力が迸った。
 真っ直ぐにライネックに向かったオーラの奔流、寸前で身を翻したライネックは直撃こそ免れたもののオーラに飲み込まれた右腕から胸部にかけては完全に消滅していた。
 身をかわすのが一瞬遅れればトッド自身もどうなっていたかは解らない。
 オーラコンバーターの著しい機能低下を察知した生態コンピュータがけたたましい警報を鳴らす。
 「くそっ!なぜこの俺が、トッド・ギネスがジャップ如きに勝てないんだ?!」
 撤退を余儀なくされたトッドのライネックはひとまず地上へと降り立っていった。


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