4・夢の続き




やっと散歩も終わり美浜家へと帰って来ると、ちよちゃんは忠吉さんの犬小屋の横に立ててある棒に、二匹のハーネスを結わえ付けた。
「さぁ榊さん、今日から夫婦仲良く、ここで暮らすんですよ」
「ワン!」
すでに人間としての尊厳を放棄した榊さんは、犬の鳴き声で嬉しそうに返事をした。
「おや?ちよ、それが忠吉さんの奥さんかね?」
「あっ、お父さん!」
ちよちゃんに声を掛けてきたのは、ちよちゃんのお父さんのようであった。
そう言えば、夢の中の例の姿以外でちよちゃんのお父さんを見るのは始めてだったなと思い、榊さんが顔を上げた。
するとそこにはまさしくあの夢の中の姿をしたちよちゃんのお父さんが、あの見る人間の不安にさせる肌の色をしながら宙に浮いていた。
「ええ?!」
目の前のちよちゃんは、お父さんに会えた喜びを、頭の横に結んだ髪の毛をグルグルと回転させる事によって現している。
「ええ?!」
「ちよちゃんパパ、ボクのワイフは美人でしょ?」
横にいる忠吉さんは突如立ち上がりしゃべり始めた。
「ええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜?!」
そして榊さんの意識は、暗闇へと落ちていった。





ジリリリリリリリリリリリリリリ・・・・・・・・
目覚ましの音がけたたましく鳴り響き、榊さんはガバッとベットから身を起した。
慌てて目覚ましを止めた榊さんは、しばらくの間夢現の状態をさまよいながら、一言呟いた。
「夢か・・・・・・・」
そう、今までの事は全て榊さんの夢だったのである。
もちろん何故そんな夢を見たのか、その原因は分っていた。
榊さんの寝巻きは乱れ、胸とアソコは丸出しの状態である。
昨夜公園での出来事を思い出しながらオナニーをした榊さんは、そのまま疲れて眠り込んでしまったのだ。
そしてそれが、この夢の原因だったのだ。
「しかし、私はなんと言う夢を見ているんだ?」
夢に反応してアソコが濡れている事に気が付いた榊さんは、自己嫌悪に陥るが、今日は月曜日であり学校に行かなければならない。
榊さんは夢の内容を振り払う様に立ち上がると、テキパキと学校へ行く準備をし始めた。





「ふぁ〜〜〜〜あ」
大きなあくびをしながら、眠い眼を擦りつつ榊さんは学校へと向った。
「おっす、榊!」
そんな榊さんの背中を叩きながら現れたのは、同じクラスの神楽であった。
寝不足でフラフラのの自分とは対照的に、元気が有り余っているような神楽を、榊さんは少しだけ羨ましく思いながら、何故か夢の中そっくりだと思った。
(ひょっとするとこの後・・・)
「おっはよ〜」
何故か妙な予感を感じた榊さんがそう考えると同時に、夢と同じくトモとヨミの二人に続き、大阪とちよも合流し、ますます夢と同じような状況になってしまった。
あまりにも夢と同じなので、これは一体どういうことなのか?と考えている内に歩みが遅くなってしまったのか、榊さんはみんなから一人離れてしまい、またもや夢と一緒の状態になってしまった。
「あの〜榊さん、ちょっといいですか?」
するとやはり夢と同じく、何時の間にかちよちゃんが自分の横にいてそう声を掛けてきた。
「すみません、今日ちょっとお話があるので、放課後付き合ってくれませんか?」
ここまでまったく夢と一緒であると、もしかしたらこの後に起こる事も同じなのでは無いかと思い、榊さんは一瞬断ろうと考えたが、しかしあんな事が現実に起こるはずがないと思い直し、ちよちゃんの誘いを受けることにした。
いや、現実に起こる訳は無いと思いつつ、この後も夢と同じになる事を密かに願っているのが正解であり、榊さんはそんな妄想を頭の中から追い出すべく軽く頭を振った。
(今日の私はどうかしてるな・・・)
心の中でそう呟く榊さんであったが、しかし彼女は知らなかった。
ちよちゃんの鞄の中には、昨日の榊さんの姿を捉えた三枚の写真がある事を、そしてちよちゃんの制服のポケットには穴が空いており、ノーパンのちよちゃんはこの写真がもたらす榊さんの痴態を想像しつつ、歩きながら割れ目を指で弄くっている事を・・・・・・
夢はまだ終わってはいなかった。



終わり?


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