第1話


 ズーリの街、領主の館のとある一室から・・・
 「ルージのばかぁぁぁぁぁっっっ!!!」
 少女の怒りと失望と悲しみに満ち溢れた声と乾いた音が響き渡る。少女はその場から逃げ出し、後に残された少年はただ呆然と逃げ出す少女を見つめているしかなかった。これが全ての始まりであった。




 「で、ミィを怒らせちゃったと・・・」
 コトナ=エレガンスは自分に割り当てられた部屋を訪れた少年、ルージ=ファミロンから昨日の顛末について聞いていた。昨晩のミィの怒声は館中に響き渡り、屋敷の中は噂話で持ちきりだった。しかし、ミィは固く口を閉ざしたまま一言も昨晩のことを話そうとせず、問いただそうとするものには刺すような視線を返してくるため、誰もそのことを聞き出すことはできずにいた。 そしてもう1人、ミィを怒らせた本人と思われる少年、ルージは項垂れて溜息をつく一日でこちらもまた何が起こったのか話してはくれなかった。そのため噂話には尾ひれがつきかなりやばい域にまで達してきていた。
 (そんなこと、聞かなくたってみんな知っているって・・・)
 相談したいことがあるとルージがコトナの部屋を訪れたのはその晩のことだった。相変わらず項垂れたまま溜息を漏らすルージがかわいそうに思えてコトナは彼を自分の部屋に招きいれて話を聞いてやることにした。ぽつりぽつりと話し始めたルージの話によると、昨晩ミィを怒らせてしまったらしい。話を聞いていたコトナは思わず突っ込みを入れたくもなったが、とりあえずその言葉は飲み込んでおく。
 「それで、どうして怒らせたわけ??」
 「それが・・・ミィと一夜を共にする約束をして・・・」
 ミィが何故怒ったのか、その顛末を聞かないことには対処のしようがないとコトナは詳しいことを聞こうとする。するとルージはモジモジとしながら昨晩のミィとの約束について話し出す。まだ幼さを残した二人とはいえ、一夜を共にすると言うことの意味は心得ているのだろう。ルージとミィがそんな約束をしていたことを知り、コトナはちくりと嫉妬心に駆られたが、それを押さえ込みながら話を聞いてゆく。
 「それで、どうしてミィは怒り出したわけ?」
 「一緒に床に入って、あの・・・ミィに挿入しようとしたら、痛いって泣き出して・・・」
 「ちょっと待ちなさい、ルージ!!あなたまさか、前戯なしで・・・」
 「えっ??前戯って???」
 コトナの言葉にルージは驚きを隠そうとはしていない。つまり、ミィと床を一緒にしたルージは前戯もなしにミィのヴァギナに自分の欲棒を挿入しようとしたということになる。初めてで、濡れてもいないヴァギナにペニスが入るわけもない。それは痛みしか生み出さない行為であった。だが、ルージはそのことにまるで気付いていなかった様子である。
 「前戯も知らないでミィと一晩を明かすつもりだったの、あなた??」
 「あ、あの・・・どうしたらいいか、わからなくって・・・そのガラガに・・・」
 「・・・・・・・なんて答えたの、あいつ?」
 「女はあそこに挿入されて力いっぱい突き上げると喜んでくれるって・・・」
 「・・・・・・・」
 素直に答えたルージの言葉にコトナは頭がくらくらするものを感じた。ガラガの答えがあまりに簡略化されすぎているとはいえ、それを素直に実行してしまうルージにも問題はあった。しかし、コトナの怒りはそのルージに中途半端な知識しか与えず、初体験同士の健全な男女がする行為でないことを教えたガラガのほうに向けられていた。
 (あの大バカは・・・)
 拳を握り締めてフルフルと震えるコトナは馬鹿笑いをしながらルージにとんでもないことを教え込んだ大男に悪態をつく。どこか遠くのほうで大きなくしゃみが聞こえた気もしたが気にしない。後でガラガには良く言って聞かせる必要はあるだろうが、今は眼の前で自分がとんでもなく悪い事をしてしまったのではないかという表情を浮べるルージの方が大切だった。
 「ルージ、何でガラガなんかに聞いたりしたの・・・」
 「だって、ラ=カンは忙しそうだったし、セイジュウロウさんは笑うだけ、ロンはただ頑張れよって・・・」
 「・・・・・・・あの男どもは・・・」
 ルージの言葉にコトナはまた頭がくらくらするものを感じていた。一世一代の大舞台に飛び込もうとする弟分に誰一人としてアドバイスを与えることが出来ないのが情けなくて仕方がなかった。その結果がルージとミィの大喧嘩である。コトナにはこの喧嘩の原因がこの男たちにあるような気がしてならなかった。
 「ふぅ、まあいいわ。ルージ、女の子の体ってとっても繊細なの・・・」
 「う、うん・・・」
 「だから無理矢理入れようとしたりするととっても痛いのよ?」
 「そ、そうだったんだ・・・じゃあ、ミィは・・・」
 「情けない顔をしない!そうだ、今度は上手くいくように特訓しましょうか?」
 「特訓って???」
 コトナの言葉にルージはようやく自分がとんでもなくひどいことをしてしまったことを悟る。そしてそのことを悔いて悲しそうに俯いてしまう。そんなルージを励ますようにコトナは次に向けて特訓しようと申し出る。特訓の意味がわからず、顔を上げて問い返そうとしたルージの唇を、コトナは自分の唇で塞ぎに来る。不意を突れたルージは呆然とコトナのなすがままに唇を重ねあわせあう。口には甘い味が広がり、唇には温かな感触が広がってくる。鼻先で揺れるコトナの髪からは甘い香りが漂ってくる。しばしコトナのなすがままだったルージだったが、やがて慌てて唇を離す。
 「コ、コトナさん???なにを????」
 「何って、ミィとの予行演習・・・」
 「予行演習って・・・」
 「ルージにさせてあげるって言っているの・・・いや?」
 予行演習という言葉にルージは顔を真っ赤にさせる。それが何をするかは嫌でも分かる。そんなルージを挑発するようにコトナは胸元を肌蹴させ、その大きな膨らみの谷間を見せ付ける。ミィでは決して見ることの出来ない膨らみの谷間がルージを誘惑するように揺れる。鼻を突く甘い香りと妖しく揺れる胸の谷間にルージの股間はどんどん熱くなってゆく。素直に反応してしまう自分の股間を隠すように、ルージは前屈みになってそれを押さえ込もうとするが、それを見逃すようなコトナではなかった。ルージの手よりも先にコトナの手がそこに触れてくる。ズボンを持ち上げるほど固く勃起したそこは布の上からでも分かるほど固く、大きくなっていた。
 「ルージのここはもう準備万端って言っているけど?」
 「だ、だけどコトナさん・・・こういうことは恋人同士とかが・・・」
 「あら、わたしとルージは婚約者同士だったはずだけど?」
 「そ、それは・・・」
 出会ったばかりの頃、しつこく言い寄ってくるガラガを追い払うためについたことなの嘘を今になって掘り返されたルージは困った顔をしてしまう。コトナはそんなルージをからかうように鼻先に軽くキスをすると、その隙にズボンの前を解放してしまう。パンツまで引き摺り下ろされ、コトナの体の匂いと密着してくる体に興奮して大きく勃起したペニスがその狭苦しいところから解放され、勢いよく飛び出してくる。
 「んんっ、ルージって歳の割りに立派なもの、持っているじゃない・・・」
 「あの・・・コトナさん???」
 「でも立派過ぎてミィの小さな穴にはきつ過ぎかしら・・・」
 「あくっ・・・コトナ・・・さん・・・」
 「これを濡らしもしないで挿入したら、痛いはずよね・・・」
 締め付けから解放され、ビクビクと戦慄くペニスを指先でなぞりながらコトナはルージの立派なペニスに唾を飲み込む。まだ頭の半分が皮に覆われて入るが、それでも十分に立派な部類であった。それどころかこれから皮を剥いてさらに大きく逞しく成長する可能性がある。それを思うとコトナの下半身はジンジンと熱くなってくる。
 対してルージの方はコトナの指の動きに情けない声をあげて切なそうな顔をしていた。指先がペニスの表面を滑るたびにぴりぴりと痺れるような感覚が走り、その感覚が体を熱くしていった。
 「まずはルージに射精するって感覚を教えてあげないとね・・・」
 「あああっっ!コトナさんの手、暖かい・・・」
 「ほ〜〜ら、ルージ。こういうのはどう??」
 コトナの手の動きが指先でなぞる動きから、手全体で包み込むようにして扱く動きに変わる。コトナの細い指全体で包み込まれるようにして扱かれる心地よさにルージは蕩けるような表情を浮べて悶える。コトナにはそんなルージの表情が可愛らしく思えて手仕方がなかった。その表情を持ってみてみたい、そんな欲望に駆られる。
 「ルージ、気持ちいい??」
 「はぁ、はぁ、コトナさんの指、気持ちよすぎです・・・」
 「そう。でももっと気持ちよくなれるんだよ?」
 「え??」
 「ここをこうして、こうするの・・・」
 コトナの指の動きに味わったことのない快感を味わったルージは震える声でコトナに訴えかける。そんなルージをさらなる快感の渦に巻き込もうと、コトナはその大きく勃起した肉棒の先端に軽くキスをしてくる。皮に隠れた亀頭へのキスであったが、ルージのペニスはピクリと反応を示す。そんなルージの反応を楽しみながらコトナはペニスの先端を口に含む。
 「コトナ・・・さん・・・そんな・・・汚いよ・・・」
 「ふむっ・・・んんんっっ・・・」
 「え?なに言って・・・ああああっっっ!!」
 ペニスの先端を口に含むと、ルージは恥ずかしそうな顔でそう言ってくる。そんなルージの言葉を無視してコトナは口の中に溜まった唾液をゆっくりと包茎と亀頭の間に流し込んでゆく。ある程度流し込んだところで今度は舌先をそこに差し込んでゆく。指よりも温かなものが敏感な箇所に触れた感触にルージは悲鳴にも似た声をあげて腰を震わせる。
 そんなルージの反応を楽しみながらコトナは舌先で亀頭と包茎の間に唾液を流し込んで行く。その間に溜まったカスが取れ、口の中にチーズのような味が広がってゆく。その味を楽しみながらコトナはねっとりとそこを濡らして行く。直接亀頭を舐められる感触にルージは今にも泣き出しそうな表情を浮べて腰を震わせるのだった。
 「コ、コトナさん!そんなにされたら・・・・」
 「しゃれたら、ふぁに?」
 「あああっ、しゃべらないで!漏れちゃう、漏れちゃう!!」
 コトナの愛撫にルージのペニスは限界まで張り詰め、射精寸前まで追いつめっれていた。じりじりと込み上げてくる射精感にルージは混乱をきたしたように悲鳴を上げる。口に含んだペニスの様子からそれを感じ取っていたコトナはルージを見上げながら意地の悪い笑みを浮べてペニスを口に含んだままルージに尋ねる。
 コトナの声の振動によってさらにペニスは刺激され、先端から今にも漏れそうな感じがしてきていた。ルージは全身を強張らせてそれを押え込もうとする。そんなルージの必死な姿をあざ笑うかのようにコトナは口に含んだペニスの皮を剥きに掛かる。舌先で皮を内側から捲りあげ、指を使ってそれを一気に引きずり降ろす。
 「ふぁぁぁぁぁぁっっっっっ!!!!」
 悲鳴にも似た絶叫と共にルージは一際大きく体を震わせる。コトナの口に含まれたペニスから伝わってきた痛みにも似た快感に我慢の限界を迎えたのである。ペニス全体が激しく震え、先端から何度も何度も何かが迸るのを感じる。それをコトナは黙ったまま口で受け止める。それがルージには恥ずかしくてたまらなかった。
 一方コトナのほうは大きくはじけて熱い粘液を迸らせるペニスを口に含み、その迸る粘液を口全体で喉を叩くザーメンを嬉しそうに受け止め、ルージの放ったザーメンを全て口で受け止める。射精が収まった頃に、コトナはゆっくりとペニスから口を離す。竿にこびりついた唾液がいやらしく糸を引く。
 「ほあ、こえがるーじのはつざーめん・・・」
 「あっ・・・・ああっ・・・」
 「んんっ。プリプリしててすっごくおいしい・・・」
 ペニスから口を放したコトナはルージに見えるように口を開いて見せる。口の中いっぱいに溢れる白い粘液を見たルージは恥ずかしいような、嬉しいような複雑な表情を浮べる。そんなルージに見せ付けるようにコトナはくちゃくちゃとザーメンを噛み締め、喉を鳴らして飲み下してゆく。口の端に残ったザーメンまで全て舐めとり、さらにはルージのペニスに残ったものまで啜りとってゆく。そんなコトナのいやらしい姿にルージは息を呑む。
 鼓動はどんどん早くなり、下半身に溜まった熱がまたある一点に集中して行く。むくむくと頭を擡げるそれをコトナは嬉しそうに見つめていた。そしてそれがある程度の固さを取り戻すとそこを指先で優しくなぞり上げてくる。ぞくぞくとした快感に包まれながらルージは熱い吐息を漏らす。そんなルージにコトナは妖しい笑みを浮べる。
 「気持ちよかったでしょう?でもこんなのまだまだ序の口・・・」
 「え???あ、あの、コトナさん???」
 「もっと、もっと気持ちよくしてあげるからね、ルージ・・・」
 妖しい笑みを浮べたコトナは熱い吐息をルージの耳に吹きかけてくる。上と下、両方から込み上げてくる快感にルージは弱りきった顔をしていた。しかしコトナのその妖しい表情に当てられてか、逃げ出すという気力がわかない。むしろ為すがままにされたい、そう思ってしまう自分が情けなくも思えた。

 二つの影と影が重なり合う。
 妖しく重なり合い、絡み合う。
 2人の姿を見つめるものは誰もいない。
 ただ空から月だけがその様子を伺っていた。
 まだ夜は始まったばかりである・・・・


→進む

コトナさんの童貞狩りのトップへ