第1話 怨嗟の言霊 前編


 目の前で女が犯されている。
 自分の大切な人たちが犯されている。
 泣き叫び、助けを求めている。

 なのに自分はどうすることもできない。この小さな穴倉の中でじっとうずくまり、耳を塞ぎ、身じろぎもしないでそれが過ぎ去るのを待っているちっぽけな弱い存在でしかなかった。しかし、いくら耳を塞いでも姉の、妹たちの苦しみと悲しみ、恨みのこもった声は消えはしなかった。

 「はぐっっ、もう、やめ・・・・んんんんっっ!!!」
 「ひや、らすけて、おねえ・・・んんんんっっっ!!!」
 「痛い、痛いよ〜〜・・・ふぐぅぅぅぅっっ!!!」
 三人の少女は群がる男たちに代わる代わる穴という穴を犯され続ける。三人の処女は無惨に散らされ、その証が醜い肉棒の収まった穴から止め処なく垂れてくる。痛みを訴え、激しく嫌がり、泣いて許しを請うが、男たちの欲望は収まることはなく、その口を塞ぐように肉棒を捻じ込んで黙らせてくる。
 「へへっ、中学生と侮っていたが、なかなか具合がいいじゃねえか」
 「初めてでケツの穴まで彫られちゃ、こりゃ相当な好きモノになるだろうぜ?」
 「しっかし、さすがは小学生!キツさじゃそのお姉ちゃんを遥かに凌ぐぜ?」
 「こっちの妹さんの具合もなかなか乙なもんだ!!」
 「どうせ顔を見られたんだ。この世とのお別れにたっぷりと楽しませてやるよ!」
 男たちは勝手なことを口走りながら我先にと少女たちに圧し掛かり、その小さな体を汚してゆく。少女達は悲鳴を上げて泣き叫ぶことしかできない。弱々しい抵抗は何の意味もなく、男たちのなすがままに犯されるしか彼女たちにできることはなかった。そんな少女達を助けられるものは誰もいない。

 (何でこんなことに・・・)
 少年はガタガタと震えながらそう心の中で疑問を投げかける。
 本当なら楽しい週末になるはずだった。母の死後、初めて親子五人そろっての旅行であった。ペンションを借り、そこに2泊3日の予定で止泊まることになっていた。姉も妹たちも楽しみにしていた旅行であった。もちろん自分も。その楽しいはずの旅行は突然の闖入者によって地獄と化した。
 突然ペンションに押し入ってきた男たちは父の頭を持っていた拳銃で吹き飛ばし、ペンションの中を家捜し始めたのである。幸い自分は床下収納庫に逃れ無事であったが、逃げ遅れた姉と2人の妹たちは男たちに捕まってしまった。そして始まったのがこの狂宴である。どれほどの時間が経ったかわからない。わかっているのは姉も妹たちも男たちに犯され、汚されたことだけである。そしてその狂宴はまだ続いている。何度も何度も射精し、姉も妹たちも体の隅々にまで男たちの欲望を浴びていることだろう。初潮を迎えていない妹たちはまだしも、姉などは膣内での射精に激しく抵抗していた。しかし、そんな抵抗など男たちを喜ばせるだけで、何の意味もなかった。そして自分はここで震えながら耳を塞いでいることしかできなかった。
 「おい、見つかったぞ!!」
 「おお、そうか。で、こいつらどうする?」
 「聞くまでもねえだろう?さっさと始末していくぞ!」
 「せっかくいい人形ができたと思ったのによ・・・もったいねえ」
 「残念だけど催しモノはここまでだ・・・恨むなら・・・を恨みな・・・」
 男たちのそんな会話が聞こえてきた直後に三回乾いた音が鳴り響く。そしてその後に男たちがゴソゴソと動いてゆく音、そして沈黙。それでも少年はしばらく動けずにいた。沈黙はしばらく続き、やがてパチパチと何かがはじける音が聞こえてくる。ようやく収納庫から出てきた少年が見たものは真っ赤な世界であった。
 「あっ・・・・あああっ・・・」
 真っ赤な血に染まった部屋、真っ赤に染まり動かない姉と妹達、そして天井を壁を床を真っ赤に染め上げる炎。逃げ場のない恐怖と悲しみが少年を徹底的に打ちのめす。許せなかった、父親を殺した男たちが。殺したかった、姉と妹たちを汚し無惨にも殺していった犯人達を。そして何よりも何もすることが出来なかった自分が情けなく、許せなかった。
 「ぼくは・・・ぼくは・・・」
 止め処なく流れてくる涙を少年は手で拭う。それもまた真っ赤な涙であった。全身が張り裂けそうな怒りと苦しみに包まれながら少年は嗚咽する。力のない自分を呪う。自分に力があればあの男たちから姉と妹たちを護ることができただろう。しかしそれはかなわぬ夢であった。だから少年は欲した、力を。あの男たちに復讐する力を。
 『そんなに力が欲しいかい?ならばあげよう・・・君の望みの力を・・・』
 「だれ・・・」
 『その代わりこちらの望みをかなえてもらうよ、全ての望みが叶ったときには・・・』
 炎の向こう側から声が聞こえる。それは少年の耳に響く声であった。それが神なのか、悪魔なのか、それは誰にもわからない。それでも少年はその手を取った。それが自分の望みをかなえるものであると理解していたから。たとえそれで自分がどうにかなってもかまわない。その望みさえ叶うなら。

 炎は燃える。全てを焼き尽くして。だが炎は新たなる火種を巻き起こす。恨みと復讐という火種を・・・





 「ウルセェんだよ、このやろう!!!」
 少年は思い切り目の前にうずくまる少年を蹴りつける。闇雲に何度も何度も。蹴られる側の少年はただ身を屈めてなすがままにされていた。その様子を他の少年達は薄ら笑いを浮べたまま見学している。誰一人としてそれを止めようとはしない。逆にその様子を面白おかしそうに見つめているだけであった。
 「いいか?お前は俺たちの言うことを聞いていればいいんだよ!」
 「で、でも・・・」
 「おまえ、マコト様に逆らう気か??ああ??」
 蹴りつける少年は自分たちの後ろで一番後ろに座る少年を差しながらそう尋ねる。一番後ろでふんぞり返り、ズボンから取り出したイチモツを自分の横に座る女子生徒にしゃぶらせる。泣きながら男のイチモツをしゃぶる少女の姿に蹴りつけられていた少年は悔しそうな顔をする。
 「いいか?マコト様に逆らうってことは佐々菜グループに逆らうってことだぞ?」
 「うっ・・・」
 「お前の彼女一人で将来をつぶす気か、馬鹿が?」
 少年の頭を踏みつけながら自慢げに少女の体を甚振る少年を指差す。佐々菜グループの名前を知らないものはいない。この御曹司に睨まれたとあっては自分の将来は閉ざされたと言っても過言ではない。だから付き合い始めたばかりの彼女が御曹司にご奉仕しなければならなくなってもどうすることもできなかった。
 「いやぁぁぁっ!それだけは勘弁してぇ!!」
 泣き叫び逃げ出そうとする少女の腕を掴むと、御曹司は少女のスカートの中に手を入れ、パンティーを引き千切る。逃げ出そうとした少女は体勢を崩し、前のめりに倒れこむ。それでも一歩でもこのケダモノから逃げ出そうとする少女だったが、その腰を御曹司がむんずと掴んでくる。
 「なんだ、獣みたいに後ろからついて欲しいのか?いいぜ!」
 「いやぁぁぁ!!助けて、助けて、結城君!!!」
 「志保ちゃん・・・」
 泣いて助けを請う志保の声を聞いても勇気裕はどうすることもできなかった。ただ俯いて志保が犯されるのを見ているしかなかった。そんな志保の腰を掴んだマコトは志保の唾液のまみれたペニスを彼女のお尻にしつけ、擦りつける。すでに限界にまで張り詰めたそれの硬さと熱さを感じ取った志保は悲鳴を上げる。
 「いやぁぁっっっ!!それ以上はやめてぇぇぇ!!」
 「くくくっ、その慌てよう・・・もしかして初めてか、お前?」
 「まじっスか?」
 マコトの言葉に少年達は少女を押さえ込んで彼女のまたぐらを覗き込んでくる。頭を地面に押し付けられ、お尻を叩く突き出す格好をさせられた志保のヴァギナは少年達の眼前に無防備に晒される。マコトは覗き込む少年達によく見えるように指で陰唇を広げ、ピンク色の粘膜を広げて見せる。さらに淫口を指で広げ、その奥まで見えるようにする。
 「おほっ、本当にピンク色だ!!」
 「これは本当に未使用だな・・・こいつら、付き合い始めてからまだやってなかったのか」
 「ちょうどいい。こいつの始めて、記念に残しておいてやれ!」
 マコトは志保のヴァギナを覗き込む少年の一人に顎で命令する。その命令に少年はすぐさまどこかへと走って行ってしまう。しばらくして戻ってきた少年の手にはビデオカメラが握られていた。少年がビデオカメラの準備を整えると、マコトは他の少年達に無言のまま目を走らせる。その意味を察した少年達は志保を無理矢理引きずり起こす。
 「いやぁっ!なに、なに???」
 「へへっ、マコトさんに初めてをもらってもらうんだ。それらしい格好をしないとな!」
 左右から志保を抱えあげる格好に志保はさらなる恐怖を感じ、怯えきってしまっていた。その志保が暴れられないようにすると、少年達は志保の胸元に手を伸ばしてくる。そして志保が抵抗するよりも早く、胸元の布を引き千切る。心地よい音ともに志保の胸元の布は引き千切られ、白いブラも引き千切られてしまう。
 「何だ、結構小さいな・・・」
 「でも、乳首はデカイ方だぜ?色の濃いし・・・」
 「好きものってことか?マコトさんに抱かれたら『毎日してして病』にかかったりして?」
 露になった胸を揉みしだきながら、少年達はゲラゲラ笑いながら志保の胸を堪能する。その下品な笑いに志保は弱々しく頭を振って聞こえないようにもがく。だが、ガッチリと抱え込まれていて、まともに動くことすら出来ない状況に志保はどうすることもできなかった。そんな志保の痴態をカメラを持った少年はじっくりと映してゆく。
 「おい、未使用時のマンコの記録、残しておいてやれよ」
 「お、いいですね。指で開いてくれねえかな?」
 「こうか?」
 マコトの命令にカメラを持った少年は志保を抱え込んだ少年達に視線を送る。その指示通りに少年達は志保のヴァギナの指を伸ばし、膣の奥まで見えるくらいに膣口を広げてみせる。またしても恥ずかしい場所を広げられた志保は悲鳴を上げて身を捩るが、それは空しい抵抗でしかなかった。志保の未通のヴァギナがカメラに記録されてゆく。
 「この縮こまってヒクヒクしているのがマコトさんので開通させられるとガバガバになるのか・・・」
 「おい、記録は残したのか?」
 「ええ。ヒクヒク戦慄いてる処女膜までじっくりと映しておきましたよ」
 「よし。それじゃあ、そろそろ本番といこうか?」
 「了解です、マコトさん!」
 マコトの言葉に少年達は頷く。そして志保を抱えあげると、座り直したマコトの上まで連れて来る。何をされるかを察した志保は必死になって抵抗するが、どうすることも出来ない。そんな志保を嘲笑うかのように少年達はマコトのいきり立ったペニスの真上にじっとりと潤んだ志保のヴァギナを移動させてくる。あふれ出した愛液が滴り落ち、マコトのペニスに滴り落ちる。その愛液を感じてか、マコトのペニスはビクビクと震えそこに早く入りたいとばかりに戦慄く。その様子をカメラを持った少年はその瞬間を逃さないようにカメラを回し続ける。
 「やだやだ!!やめてぇ!!!」
 「ゆっくりと挿入ろよ?こいつに大人になる感触をしっかりと味合わせるんだ!」
 「了解です、マコトさん!」
 「志保ちゃん、志保ちゃん!!」
 「お前には特等席で彼女の処女喪失の瞬間を拝ませてやるよ!」
 ペニスの先端がヴァギナの入り口に触れると、志保は恐怖に涙しながら大きく絶叫し抵抗する。しかし力でも人数でも上回る少年達から逃れることは敵わなかった。そんな志保に処女喪失の痛みを刻み込もうとマコトはゆっくりと挿入するように命令する。その命令どおりに少年達は志保の体をゆっくりと下ろしてゆく。涙する志保の姿にどうすることもできない裕はただ彼女の名前を叫ぶことしかできずにいた。そんな裕にとどめを刺すように彼を押さえ込んでいた少年は裕の頭を押さえ込んでゆっくりとペニスが埋没してゆくヴァギナがよく見える位置まで顔を移動させる。
 「いやぁぁっっ!痛い、痛い!!!」
 「おおっ。プチプチと引き千切れるようなこの感触!誰も通ったことのないこの感覚!間違いなく処女穴だぜ!」
 「ああ、ああ。さっきまであんなに小さかった穴がこんなに広がちゃって・・・」
 少年達によってゆっくりと腰を落とされる志保は抵抗することも出来ないままにその身にまことのペニスを受け入れる。ゆっくりと自分の中には言ってくるペニスが自分の未通の膣道を引き裂く激痛に泣き叫ぶことしかできなかった。ゆっくり、ゆっくりと膣道を押し広げながら進むペニスはやがてもっとも硬い壁に到達する。そこが何なのか、そこを突破されることが何を意味するのか、わかっている志保は涙目で無言のまま首を横に振る。そんな志保の姿を嘗め回すように見つめて笑いながらマコトは左右の少年に志保の体を落とすように命じる。
 「ひぎぃぃぃぃっっっ!!いた・・・い・・・」
 ぶつんとゴムの切れるような感触とともに志保の全身に激しい苦痛が駆け巡る。その苦痛に志保は全身を強張らせて震え上がる。ジンジンと痛むヴァギナの奥の奥にまで熱いものが収まっているのが、痛みを通してよくわかる。それは自分がこの男に汚されたことを意味ししていた。マコトの方も自分の肉棒を取り巻く心地よい締め付けに喜びの笑みを浮べていた。そんな2人の結合部分からは、志保が処女を失った証が滴り落ちてくる。
 「残念だったね、結城君・・・君の彼女の処女は今マコトさんがおいしく頂いちゃったよ・・・」
 「志保・・・ちゃん・・・」
 志保が処女を失う瞬間をまざまざと見せ付けられた裕は唇を噛み締めて悔やむことしかできなかった。心は激しく締め付けられ、悔しさと怒りが体を支配する。それでもどうすることもできない裕を嘲笑うかのようにマコトは次の行動に移る。志保の腰を掴むと激しく彼女の体を揺さぶり始める。
 「いやぁぁっ、痛い、痛い!!やめてぇぇぇっっっ!!!」
 「そんなの知るか!お前は痛いかもしれないけど俺は気持ちいいんだよ!」
 泣き叫ぶ志保を無視してマコトは激しく腰を打ち付ける。傷ついた膣道をペニスがゴリゴリとこすり上げるたびに志保は悲鳴を上げる。そんな志保とは対照的にマコトは心地よい快感に包まれていた。ペニスを取り巻く肉壁の感触は心地よく、痛みに震え絡みついてくるひだがペニスに最高の快楽を与える。その快楽をもっと味わおうとマコトはさらに勢いをつけて志保のヴァギナを抉ってゆく。それは志保にさらなる痛みを与える好意であった。
 「うぐっ、痛いっ!!痛いの!!!」
 「その割にはこっちはビショビショに濡れて来ているじゃないか?」
 「そんなの・・・しらない・・・」
 「そうか?ここを突くと膣内はヒクヒクと戦慄いて喜んでいるぞ?」
 「ひうぁぁぁっっ!!そんなことない!!!」
 マコトのペニスの先端が志保の子宮の入り口を叩くと、その度に志保の膣は激しくうねり、絡みついてくる。その感触を味わいながらマコトは何度も何度も子宮口を叩く。溢れ出す愛液は止め処なく、赤い御印を洗い流してゆく。そのことを教えられた志保は激しく頭を振ってそのことを否定する。自分はこんな男に心を許してなどいない、こんな男に犯されて喜んでなどいない。それだけが志保を繋ぎとめていた。しかし体はマコトの攻めに反応し、体の奥はさらに熱くなってゆく。認めたくなくても体はどんどん高揚し、高いところへと登りつめてゆく。
 「はぐっ、うううぅぅぅっっ!!いはぁぁぁぁ!!」
 「くっ、さらにきつくなりやがった・・・そろそろ限界だな・・・」
 「ひあぁぁっっ!!な、なにか・・・くる・・・」
 「へへっ、お前も限界か?なら、たっぷりと膣内でぶちまけてやるからな!」
 「ひぃぃぃっっ!!だめ、らかはらめ!!!」
 体の奥から込み上げて来る熱い思いに抗いきれない志保をマコトはさらに犯し、攻め立てる。その攻めに志保の思考は薄れ、呂律も廻らなくなってきている。そんな志保を犯しながら、マコトもまた我慢の限界を迎えようとしていた。そしてそれを抑える気はさらさらなく、志保の子宮に思い切りぶちまけたい欲望に駆られていた。それを察した志保は残された力を使って必死になって抵抗する。しかし自由は手に入らず、マコトの両手が志保の体に巻きついてくる。その感触はまるで蛇が体を這い回るような気味の悪い感触であった。
 「わかるだろう?お前の中で俺のチンポが戦慄いているのが?」
 「いやぁぁっっ!また・・・大きくなって・・・」
 「そら、このまま子宮いっぱいにスペルマを注ぎこんでやるからな!」
 「やらやら!赤ちゃん、できちゃう・・・」
 「安心しろ!どうせできても誰の子か、わからないようにしてやるからよ!」
 膣の中でさらに大きく膨らんできたペニスの感触に志保は悲鳴を上げる。そんな志保の首筋を舐め上げながらマコトは限界に向けて加速してゆく。志保がマコトの言葉の意味を考えるよりも早く、マコトの攻めは加速して行く。その動きは志保から思考を奪い取り、我慢という忍耐を奪い去ってゆく。
 「おらっ!一滴残さず注ぎ込んでやるからな!!!」
 「いやぁぁぁぁぁっっっっ!!!!!」
 マコトのペニスが一際大きく戦慄くと、その先端から白濁の液体が迸る。迸った液体は残さず志保の子宮の中に注ぎ込まれてゆく。その熱い何かが子宮の中を満たしてゆく感触に志保は絶望感に満たされてゆく。もう戻れない、完全に汚されてしまった心地がして仕方がなかった。同時に犯されていたというのに自分もまたほぼ同時に快楽の極みに達してしまったことが悔しくて悔しくて堪らない。涙が止まらない。
 「ふぅっ、なかなかいい具合だったぜ!おい、お前ら!」
 「いいんですか?」
 「さっきも言っただろう?誰の子か、わからないようにするって」
 全て射精し終えたマコトは志保からペニスを引き抜く。愛液と処女喪失の証、そして自分が放った粘液が混じりあい、志保と自分の間に糸を引く。ぐったりとした志保を他所に、マコトは子分たちのほうに視線を送る。待ちきれないとばかりに前を張らせた子分達はマコトの言葉に我先にと志保に襲い掛かる。
 「いやぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!」
 ここにいたってようやくマコトの言葉の意味を理解した志保は絶叫する。だが、体にはカケラも力は入らず、逃げることも抵抗することも出来ないまま、マコトの子分達が我先にと襲い掛かってくる。口も、ヴァギナも、手も、余すところなく子分達のペニスが埋め尽くしてゆく。果ては未通のアナルにまで侵入してくる始末であった。
 (何で私がこんな目に・・・・)
 (どうして志保ちゃんがあんな目に・・・)
 何度も何度も犯されながら志保は激痛と快感と闘いながらふとそんなことを思う。裕は大切な彼女が犯される光景をいつ果てるともなく見せ付けられながらふとそんなことを思う。自分は、自分たちは何も悪いことなどしていない。ただ放課後の校舎裏で貴重な時間を過ごしていたに過ぎない。そこをマコトたちに見つかり、こんな目にあったのだ。志保の心を、裕の心を絶望とともに、激しい怒りが、復讐心が渦巻いていた。そんな志保を男たちはお構いなしに犯し続ける。
 そんなときだった。1人の生徒がそこを通りかかる。
 「あん?だれだ、あいつは???」
 通りかかった生徒はじっとそちらを見つめていることに気付いたマコトはその生徒を見つめ返す。サングラス越しの眼差しは背筋が凍りつくような冷たさを感じさせた。マコトは思わず息を呑む。少年はしばらくマコトたちのほうに視線を送っていたが、やがて何も言わずにその場から立ち去ってゆく。その後ろ姿をマコトはじっと見つめていた。
 「だれだ・・・あいつ・・・」
 「どうしたんですか、マコトさん?」
 「おい、どこの誰だ、アイツは??」
 その尋常ならざる迫力にマコトはいつの間にか自分の手の平が汗まみれになっていることに気付き、それを制服で拭い取る。そんなマコトの様子に気付いた仲間の1人が声を掛けてくる。その仲間にマコトは今しがた自分たちを見つめ、去ってゆく少年のことを尋ねる。尋ねられた少年はしばし考え込むと、何事か思い出したかのように手を打つ。
 「ああ。あいつですか?あいつはうちのクラスに先週転入してきた奴ですよ」
 「転入生か・・・で、名前は?」
 「えっと、たしかシンジュとかいったかな?」
 「シンジュだ?本名かよ、それ?」
 「らしいですよ。シンジュ=某とか・・・」
 名前を聞いたマコトはそのまともとは思えない名前に眉を顰める。その少年もシンジュのことはそれ以上は分からないとのことだった。誰ともしゃべらず、気がつくと教室からいなくなっていることが多いのだという。マコトはただその鋭い眼差しが非常に印象深かった。何か全てを見抜くようなその眼差しが今も自分を睨みつけているようで背筋が寒くなってくる。サングラスに隠された顔がどんなものかはわからないが、とても興味を引かれた。同時に彼には決して近づかない方がいいと心のどこかで何かが警告していた。
 (触らぬ神にたたりなし・・・アイツはやばい奴と思って近付かないことにするか・・・)
 校舎の向こう側に消えてゆくシンジュの後ろ姿を見つめていたマコトはそう考えると、シンジュのことは忘れて志保のほうに向き直る。中間達の狂宴はまだ続いていた。顔も、背中も、お腹も、膣内も、アナルも、口も、ありとあらゆるところに精液が迸り、志保を汚していた。志保のほうも抵抗するだけ無駄だと悟ったのか、それとも壊れてしまったのか、自分から少年達のペニスに手を伸ばし、咥え込み腰を振って気持ちの良さそうな声を上げている。そんな志保の姿に残虐な笑みを浮べたマコトが再参戦してゆく。もっともっとこの女を汚したい、その欲望を満たすために・・・


 そして夜は更けてゆく。いつ果てるともなき喘ぎ声とともに・・・



 「だから、いつになったらこの問題が解けるようになるんだ???」
 放課後の教室。居残り組みの補習が始まると同時に担当教諭峯崎の怒声が響き渡る。数学の簡単な基礎問題、居残り五人にその答えを問いかける。しかし答えは返ってこない。こんな簡単な問題も解けないのかと思うと、それが腹立たしくて仕方がなかった。もっとも問題がわからなくて首を傾げているのは四人だけである。あとの一人は興味なさ気に窓の外を見つめたままであった。そんな生徒の態度も峰崎を苛立たせていた。
 「シンジュ!!この問題、解いてみろ!!」
 窓の外を見つめたままぼんやりとしていたシンジュに峰崎は黒板に書いた問題を解くように命じる。もちろん、先ほどまでの基礎問題ではない。一流大学の受験で出されるような難解な数式である。イジワルで出したこの問題をシンジュ困り果てるのを期待していた峰崎だったが、シンジュは黒板を一瞥するとボソリと呟く。
 「X=2Y+・・・・」
 「・・・・・正解だ・・・」
 そこ答えを聞いた峯崎は手元にあった答えと比べる。まさか答えられるとは思っていなかった峯崎は唸ることしかできなかった。同時にこれだけの問題を、それも一瞥しただけで解ける生徒が何故放課後の補習などに参加しているのかが不思議でならなかった。とはいえこれ以上どうこう言う必要はない。この生徒にこれ以上付き合っている時間を解けない生徒に費やした方がよほど有意義であると判断し、峰崎は他の四人の方に向き直る。ちょうどその瞬間だった。
 「ぎぃぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!!」
 「な、なんだ???」
 「視聴覚室からだぜ?」
 教室中に響き渡る絶叫。尋常ならざる悲鳴に峰崎も居残りの生徒も慌てて教室を飛び出すと、視聴覚室のほうへと急ぐ。視聴覚室へとたどり着いた六人だったが、部屋の中はシンと静まり返り、先ほどの悲鳴が嘘のようであった。峰崎は息を飲み込むと、意を決して視聴覚室の扉を開く。
 「だれか・・・いるのか??」
 視聴覚室の中を覗き込みながら峰崎は室内に声を掛ける。しかしその問いかけに答えるものは誰もいない。室内を見渡すが、これといって不審な点は見当たらない。また人の気配も感じられない。ただ不気味なほど静まり返っている。そんな静かさがかえって怖くなってくる。
 「誰もいない???じゃあ、さっきの悲鳴は・・・」
         
          ピチャ〜〜〜ン

 首を傾げる峰崎に耳に何か水の地たたり落ちる音が聞こえてくる。それはその場にいる全員の耳にも聞こえてくる。どこかトイレか水の見場から聞こえてくるのかとも思ったが、どう考えても聞こえてきたのは視聴覚室の中からであった。しかし視聴覚室内に水場があるはずがない。そんな六人の耳にもう一度水が落ちる音が聞こえてくる。六人は恐る恐るその方向に顔を向ける。音のした黒板の方に・・・・
 「ひぎゃぁぁぁぁっっっっ!!!」
 「きゃぁぁぁぁっっっ!!!」
 それを見た五人は悲鳴を上げてその場に腰を抜かしてへたり込んでしまう。ただ1人シンジュだけが平然とした顔で黒板にあるものを見つめていた。黒板にあるそれからまた水が滴り落ちる。下に溜まった水溜りにまた一滴、滴り落ちる。シンジュを除く五人はそこにあるものを震えたまま見つめていることしか出来なかった。そこには口にナイフを突き立てられ絶命した佐々菜マコトが両手を五寸釘で打ち付けられ、十字架に貼り付けにされたキリストよろしく黒板に貼り付けにされていた。


 これが全ての始まりであった。新たな復讐劇の・・・


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