前編 〜シャーリー・フェネット編〜



「ルルが・・・ルルが・・・ゼロだったの・・・。」

シャーリー・フェネットの前に今、自分の父の仇であるテロリスト“黒の騎士団”の首謀“ゼロ”が倒れている。そして、そのゼロの顔を常に覆い隠している仮面が外れ、素顔がのぞいていた。

しかしその顔は、シャーリーが恋している同級生、ルルーシュ・ランペルージその人の顔であった。

シャーリーの構えた銃口が震える。

シャーリーの頭の中では、「ルルーシュ=ゼロ」という図式が、現実を見せつけられているこの瞬間でさえも、理解することが出来ない。

「そいつがゼロか。」

シャーリーの後ろから声がかかる。一人の女性が立っている。昼間、学園にてシャーリーに声をかけてき、ルルーシュと黒の騎士団の関係を示唆した女ヴィレッタ・ヌゥであった。

シャーリーはルルーシュにかけられた疑惑の潔白を証明するために、彼を尾行し、そして今、彼が黒の騎士団の関係者どころかその首謀であるゼロであることを知ってしまった。

「これは驚きだな。あの学生自身がゼロだったとは・・・、しかもブリタニア人。こいつをコーネリア総督に突きだせば、私は貴族になれる!」

そのブリタニア軍に所属しているであろう女は自分の功績が嬉しく、そしてそれに酔い、ゼロの素顔、ルルーシュの顔を見つつ話し続ける。ルルーシュは以前気を失ったままだ。

「フフフ・・・どんな処刑がお似合いかな?」

そこまで彼女ヴィレッタの言葉を聞いた瞬間、シャーリーは自分の前から愛しいルルーシュが永遠に消えてしまう恐怖に襲われる。自分の父の仇であるのに、そのことも忘れ、その瞬間ルルーシュを失うことへの恐怖だけに身体が反応していた。

気付けばシャーリーはヴィレッタに銃口を向けていた。

「総督にはお前のことも・・・!?」

ヴィレッタが振り返った瞬間、震える手で銃口を向けるシャーリーの姿が彼女の目に入ってくる。

「迂闊・・・お前の男だったな!」

と いいつつヴィレッタはシャーリーに蹴りを入れようと、彼女に突進する。軍隊で鍛えられていた彼女は、訓練を受けていないただの一般市民でしかないシャーリーが上手く銃を撃てるとは思ってもいなかった。それは彼女の銃を持つ手の震えから推測できていた。ただ彼女は、恋をしている少女のその人を守りたいという強い気持ちが時として考えられないような行動に突き進むということを軽視していた。

銃声が鳴り響いた。













シャーリーは放課後、学園の生徒会室にいた。

めずらしくシャーリー以外のメンバーはいなかった。たぶん生徒会長の気まぐれに付き合わされ、何処かに行っているのだろう。一人で考えたかったシャーリーにとってそれは好都合であった。

「・・・ルル・・・・どうしてこんな事を・・・。」

シャーリーは呟く。大好きなルルーシュがテロリストという現実をどう受け止めて良いか、まだ彼女の中で整理されていなかった。

「さあー、どうしてだろう?」

ふいに彼女の後ろから声がかかる。シャーリーが驚き振り返ると、そこにはいつの間にか現れたのかサングラスにヘッドホンをかけた少し長身な少年が立っていた。

「こんにちは、シャーリー・フェネットさん。」

「え?誰?」

シャーリーは自分の名前を呼ばれたことに驚くものの、彼の顔に見覚えはなかった。学園関係者でもない様であった。

(でも、私のことを知っているの?)

シャーリーは不振に思いつつ、彼、マオのことを見る。

「ひどい男だね、ルルーシュは。騙していたんだろ、本当はゼロなのに。」

マオがシャーリーに話し続ける。シャーリーは息を呑む。シャーリーしか知らないはずのゼロの正体をこの男は知っていた。

「・・・誰なの?あなた!」

シャーリーは恐怖に包まれつつマオに問い返す。

「彼は君のお父さんを殺す命令を出したその口で、君の唇を奪ったんだよ。許せないよねー、そんなの。」

マオはゼロの正体だけでない。シャーリーとルルーシュの個人的な行動まで知っているようだった。シャーリーの中の恐怖がさらに広がっていく。

「罰を受けなくてはいけない。彼も、君も!」

マオがゆっくり近づいてくる。

「わ・・・私!!」

「全部知ってるよー、あの夜のことは。」

マオの口元がニヤリと歪む。

シャーリーは咄嗟に理解した。この謎の男が全てを、自分がルルーシュのことを大好きなことも、そして彼の正体がゼロであること、彼の正体を知ったあの夜に軍の女性を銃で撃ったこと、全てを知っているということを。

彼女の身体は完全に恐怖に支配されていた。

「君も殺人者。ゼロと同罪だね。」

「ち・・違う!私は!」

「その上、父親の死と引き換えに対価まで得て。」

シャーリーは父親が死んだと聞かされたあと、悲しくて怖くてどうしようもない気持ちをルルーシュにすがっていた。ルルーシュに身体を預け、キスをねだったのだった。ルルーシュは優しく彼女にキスをしてくれた。彼女の初めてのキスであった。しかし、彼女はそんな状況で彼にキスを迫ったことを後悔していた。彼が否といえない状況でそんな事をするなんて卑怯だと、その後激しく自己嫌悪に陥っていた。

「ずるい女、彼に優しさを期待してわざと哀れにふるまった。」

マオはそんな彼女の心を追い込んでいく。

「違う!違う!!」

シャーリーはたまらず首を振り、激しく自分のその行為を否定しようとする。

「同情の視線は、心地良かったかい?」

シャーリーはマオの言葉に耳を塞ぐ。

「やめて!やめて!」

「いつまで悲劇のヒロインでいるつもり?」

「そんなこと思っていない!」

彼女の瞳から涙も溢れ出していた。

「人を殺して男を漁る君はヒロインなんかじゃない。醜悪な魔女だよ。」

「違う・・・私は・・・。」

「ルルーシュを好きな女が他にもいるのを知ってて彼の側に居続けた・・・。」

シャーリーはハッとして顔を上げる。間近にマオの顔がある。

「君は報いを受けるべきだよ・・・。」

シャーリーはマオの言葉に耐えきれず、その場に泣き崩れた。両手で顔を覆う。

「そんな気持ちを一生引きずる?たった一人で抱え込んで?」

シャーリーの心は完全に乱れ、何が何だか分からなくなっていた。

「罪を償い心を解き放たないと、君もルルーシュもあまりに可哀そうだよ。」

マオはそう言うと、混乱しているシャーリーの身体を抱きしめ、その場に立たせた。そして彼女の身体を回転させ、後ろから抱きついた形に持っていく。

「・・・!いやっ!」

シャーリーの形よく膨らんだ胸にマオの手が這う。

混乱しているシャーリーの頭では、今自分に何が起こっているのか全く理解できなかった。ただ、初めて他人に胸を触られる感触に身体が硬直していた。

「父親の仇に欲情するような身体には、ちゃんと罰を与えないと。」

シャーリーの耳元でマオが囁く。

「!」

シャーリーは息を呑む。

「私は・・・私は!!」

マオの左手がシャーリーの胸を揉みほぐしていく。そしてもう一方の右手は腹部を撫でつつ下半身に移動していく。

「・・・あっ、いやっ!」

マオの右手はシャーリーのすべすべした美しい腿を擦り、そしてその腿の付け根へと動き、制服のスカートの中に入って行った。

「あっ!」

マオの手が、下着の上からではあるが、シャーリーのこれまで誰にも触らせたことのない大事な部分に触れる。

シャーリーは腿をしっかり閉じ、マオのそれ以上の侵入を拒もうとした。しかしマオの右手はそんな抵抗など物ともせず、シャーリーの微妙な三角の丘の部分を指で巧みに刺激していく。

「いや?フフフ・・・本当はルルーシュにこうしてもらいたくて、いつもここを濡らしていたんじゃないのかい?」

マオは両手で女性の急所である胸と大事な部分を刺激しつつ、耳元で愛しい男の名前を囁いていく。

「相手がゼロであろうと、そう、例え親を殺した相手であろうと、君はその男を咥えこみたくてしょうがなかったのだろう?」

「そ・・・そんなことない!私は・・・そんなこと考えてもいない!」

事実、シャーリーはルルーシュのことが好きでしょうがなかったのであるが、それは少女としての淡い恋であり、恥ずかしさと怖さもありその先の肉体関係まで考えるようなものではなく、また彼女自身そんなことを考えられる少女でもなかった。

ただ、ルルーシュのことを考えてドキドキすると、身体の奥底の方が熱く溶けてしまうような感覚になることは何度かあった。

「考えなくても、ここは彼を欲しがって、身体を熱くさせていたのだろう。」

マオが下着の上から彼女の女性を強く刺激する。

「ああ!」

そこから電流のような不思議な刺激がシャーリーの中を走り抜けた。次の瞬間、彼女の身体の奥底が、まるで火がついたかのように熱く火照り始めた。まるで、彼女が一人でルルーシュのことを考えた際に身体が熱くなって行った時のように。

「そう、ルルーシュのことを考えると、こんな風に身体が熱くなってしょうがなかったのだろう?」

(・・ああ・・・・ルル・・・。)

マオの言葉に誘導されるかのようにシャーリーの頭の中にルルーシュのイメージが広がった。その瞬間、彼女の身体の奥底は、まるでとろける様に急速に熱くなっていった。

そして、熱くなった奥底から熱い液体が滾々と湧き出し、それがまるでおしっこを漏らしたかのように身体の中から流れ出そうとしているのにシャーリーは気付いた。

「・・い・・いや・・・・。」

両脚を閉じ、その流れ出るものをせき止めようと彼女は考えるが、身体が自由に動かなかった。いつの間にか身体に力を入れることが出来なくなっていたのだ。

マオはいつの間にかシャーリーの制服のボタンを外し、シャツの中に左手を侵入させていた。彼女の素肌の上をマオの左手が這う。そして、可愛らしいブラジャーがたくし上げられ、剥きだしになった彼女の美しい乳房を揉み解していく。

「・・・あ・ああ・・・!」

シャーリーの身体の中を気持ちの良い刺激が走り抜けていく。その刺激は身体の奥底を更に熱くさせ、そして同時に彼女の身体から力を奪っていった。

(・・いやっ・・・・何なの、この感じ?身体に・・・力が入らなくて・・・ああ・・でも、気持ちがいい・・・・。)

下半身を攻めているマオの右手も力が入って行く。下着が湿って、クチュクチュと音を出し始めていた。

(何で・・・何でなの?誰かもわからない人に・・・誰にも触られたことのない恥ずかしい場所を触られているのに・・・こんなとこ触られて、嫌なのに・・・なのに何で、何でこんなに気持ち良く感じてしまうの?)

シャーリーは自分の身体の反応が不可思議でしょうがなかった。

「それは、君が淫乱だからだよ。」

マオがまるでシャーリーの考えがわかるかのように、彼女の身体を刺激しながら囁く。

(私が・・・淫乱・・・!)

「そうさ!親の仇を、そう、人殺しをしてまでもそんな男を欲しがるような女、淫乱でなくてなんて言おうか。」

「そんなこと・・そんなことないっ!!」

マオの右手が下着の隙間から中に侵入していく。シャーリーの女性の入り口はすっかり濡れていて、そこを弄るとクチャクチャといやらしい水音が部屋に響いた。

「あっ!あああああ!!」

股間を弄られた刺激が彼女の身体を駆け巡り、彼女はついに激しく声をあげてしまう。

「淫乱な女よ。自分のここの音をもっと聞いてみるか!」

マオはシャーリーの入り口を激しくかき回しはじめる。グチャグチャと先程以上に大きな音が生徒会室に響き渡る。

シャーリーは身体の中を駆け廻る快美な刺激と耳に届く淫猥な水音に翻弄され、何が何だかわからなくなっていた。

「ああっ!・・らめっ!!もう・やめっ!!」

身体中が痙攣し始める。

(ああ・・!!ルル!ルル!!!)

シャーリーは頭の中で愛しい少年の名を呼ぶ。

マオはニヤリと笑いつつ右手をシャーリーのスリットからその上に撫で上げ、そしてそこにある女芯に触れる。そして、ギュッとそこを押し付ける。

「ひゃ!ひいいいいいいい!!」

激し過ぎる刺激がシャーリーの全身を襲う。それはこれまで彼女が感じたことがない程強いものであった。彼女の身体が思いっきりのけぞる。

そして、しばらく痙攣したかと思うと、力が抜け、マオの腕の中にぐったり倒れ込んだ。

「ハア・・・ハア・・・ハア・・・・・・・。」

シャーリーの息は完全に上がり、放心状態になっていた。

マオはそんな彼女の身体を机の上にうつぶせに寝かす。シャーリーは机に伏して、足だけは床に向かってたらすような格好になっていた。

マオは彼女のスカートをめくりあげ、ゆっくりとパンツを下ろす。彼女の女性が今マオの目の前で完全に露わになっていた。マオの視線がまだひっそりと閉じたシャーリーの美しい女性に注がれる。そこは彼の愛撫によって少し開き、中から滾々と愛液をたらし続けていた。

(ルルーシュ、思い知るがいい。僕の大事なC.C.(シーツー)を奪った報いだ。君の大切な女たちを奪ってあげるよ・・・。)

マオは自分の男性を取出し、シャーリーの濡れ始めた女性の部分にそっと当てる。

シャーリーは自分の敏感な部分に熱い塊りがあてられるのに気付く。

(えっ!これって・・・!)

シャーリーの意識が一気に覚醒する。

「そう、君が欲しがっていたものだよ。」

マオは己の分身をゆっくりとシャーリーの中に侵入させていく。

「あああ!!ひっ!いっ!いたあああああああ!!」

シャーリーは自分のそこが信じられないくらい押し広げられ、そしてそこに熱い塊りが入ってくるのを、激し過ぎる痛みとともに感じ取っていた。そこには先程感じていたような快感は全くなく、ただ引き裂かれる様な苦痛・痛みしかなかった。

「やあああっ!痛い!痛い痛い痛い!!」

シャーリーは机の上でのたうちまわり、その痛さから逃れようとするが、腰のその一点で完全に押さえつけられており、そこから逃げる事は出来なかった。

マオはシャーリーのそこの抵抗も物ともせず、ゆっくりとしかし確実に彼女の奥まで己の分身を埋めていった。

「あっ・・・あああああああ・・・・・。」

シャーリーの中を激しい悲しみが駆け抜けていった。涙が溢れてきた。

「どうだい、シャーリー。僕の味は、ルルーシュと比べてどんな感じかい?」

マオは奥まで挿入した後、彼女の耳元に顔を近づけそう囁く。

「・・・うっ・・ううう・・・・・・。」

シャーリーは股間からくる激しい痛みと、自分の中に見知らぬ男性が入っている事実からくる激しい絶望感と悲しみに打ちひしがれ、返事をすることも出来なかった。ただひたすら涙を流し続ける事しか出来なかった。

(いや・・・私の中に、私の中に入っているの!いやあああ!初めては、初めては、大好きな人にあげたかったのに!ルル・・・!ルル!!)

「そうかい。初めてだったんだね、君は。じゃあ、ルルーシュのモノと比較なんてできないよね!」

マオの言葉が、シャーリーに現実を突きつけ、彼女の心をさらに傷つけていく。

「いや・・・もう、お願い・・・許してください・・・・。」

シャーリーは痛みに耐えつつ、マオに懇願する。

「ダメだね。さっき言ったじゃない。君は報いを受けないといけないって。」

シャーリーの頭の中が真っ暗になっていく。

マオが腰をゆっくりと動かし始める。

「ああっ!はああっ!だめっ!痛い!痛いの!動かさないで!お願い!」

シャーリーは股間から生じる激しい痛みに歯を食いしばりつつ声をあげる。シャーリーの女性は激しいマオの抽送運動によって捲られ、破瓜の血があちこちに飛び散っていく。

「やああああ!!痛い!痛い!抜いて!!抜いてええええ!!」

シャーリーは突っ伏したままただ痛みに耐えるしかなかった。

(やだ・・・やだよぉ・・・もう、こんなの・・・ルル・・・ルル・・・・・どこにいるの・・助けて・助けて!ルル!!)

シャーリーは悲鳴を上げつつ、心の中でルルーシュに助けを求める。

「ほほう。こんなになっても君はルルーシュに助けを求めるのかい?君を騙し続けていた男、君のお父さんを殺した男に!」

「違う!違うの!私は・・私は!!はっ!あっ!ひいい!!」

「違わないよ!君はそんな男を漁る最低の女だよ!人殺しまでして。」

「違うのおおおお!!私は!そんなんじゃない!そんなんじゃないのよおお!あああああ!!」

(私は!私は最低な女なの?違う!ただルルのことを・・・でも、でも彼はゼロ・・・お父さんを殺した憎いテロリストのゼロ!なのに、私は・・私は!人まで殺してしまって!!これが報いなの?弱みに付け込んだりして、打算的にルルのことも奪おうとした罰なの!お父さんを殺したルルを求めてしまう罰なの!)

シャーリーの頭の中は完全に混乱し、パニックになっていた。

マオの動きがだんだん早くなっていく。

「あっ!はっ!!いいいいい!ひいいい!!」

激しい抽送運動にシャーリーは耐えきれず、頭の中ももう何も考えられなくなり、ただ悲鳴を上げ続けるしかなくなっていった。

「いっ!ひいいいいいい!!やあああああああ!!」

シャーリーが断末魔の声をあげた瞬間、彼女の中でマオのモノが弾けた。

熱い欲望の迸りがシャーリーの膣奥を汚していった。

「あ・・・・あああああ・・・・。」

彼女はかすかな意識の中で自分の身体の奥底が熱いもので満たされていくのを感じ取っていた。



(・・・これって・・もしかして・・・!!)

そう彼女が思った瞬間、また耳元で囁かれた。

「そうだよ。お察しの通り、僕の精液さ。」

シャーリーの頭の中はその瞬間何も考えられず真っ白になる。

(いやあああああああ!)

深い絶望が彼女の身体を包んでいた。













マオはシャーリーから身体を離した。

シャーリーは生徒会室の机にうつ伏せに倒れたまま、そのままピクリとも動かなかった。その身体にはアッシュフォード学園の制服を身につけてはいるものの、上半身のシャツの前は開きブラジャーはたくし上げられて、美しい乳房が露わになっている。また下半身に関してもスカートはたくし上げられパンツは左足の足首に引っかかっている状態で、お尻が完全にむき出しになっている。そして、露わになっている女性自身からはマオの真っ白い精液と彼女が処女だった証しである赤い破瓜の血が流れ出し、内腿を汚していた。その姿は悲惨であるものの、見ようによっては物凄く淫靡に見える光景だった。

そして、彼女の瞳は大きく見開かれているものの、視線は何も見ずただ虚空を見つめていた。

マオは服を直しつつ、生徒会室に隣接するルルーシュとその妹ナナリー・ランペルージが住んでいるクラブハウスの方向を見る。

(ルルーシュよ。僕からC.C.を奪った怨みはこんなものじゃないよ。君の最も大事なものを、これから奪ってあげるからね。)

マオ。

ルルーシュ・ランペルージと同様、魔女C.C.からギアスという特殊能力を携わった男。彼は過去彼と過ごしたC.C.が行方をくらましてから、ずっと彼女を探し続け、そして今その彼女がルルーシュにギアスを与え一緒に行動していることを知った。彼のギアス能力である「人の思考を読む」力を使い、C.C.を取り戻し、彼女を奪った(と彼が考えているだけなのだが)ルルーシュに復讐をすること、その実行を始めていた。

ルルーシュが最も大事にしているもの。それはルルーシュ自身の生きる目的となっているもの。妹ナナリー・ランペルージである。

マオはナナリーがいるクラブハウスに向かい歩き始めた。













続く


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