第一話


 エムの家。
 上層部の部下の一人息子の家にしては一般市民と同じ規模の二階建ての家と同じである。その一室で一人の少年と一人の女性がエムと共に紅茶を飲んでいた。
「あなたのような偉い人と紅茶が飲めて光栄至極であります、エム様…………」
「大袈裟だな、コウト」
 少年に対してエムは苦笑した。
「それよりコウト君、あなた19歳から16歳に年齢が若返っているわよ。どうして?」
「こっちが聞きたいですよ。オレが『ガンダムジオラマフロント』の世界を立ち去って何が起こったのです、エマさん」
「それについては彼女の代わりにオレが答えよう」
 エムはそう言うと、語り始めた。



 コウトが立ち去ってから数日後、エムが金色の電子手帳もとい『ガンダムジオラマフロント』の主役の証を手にしたとき、人々は後ろ向きに歩き、夜と昼とが高速で反時計回りに動く怪現象が起こった。しばらくすると、それも収まる。
(一体何が起きたんだ……!)
 エムが外に出てみると、屋敷の周囲の風景が三年前と同じである。
(何故かは不明だが三年前に時を巻き戻してしまったのか。それより詳しく状況把握をしなければならない。巻き戻ったにしては違和感を拭えない!)
 そこまで考えが纏まるとエムはパソコンでチョウマとコウトとクロゲについて検索した。すると、三人の名前はない。
(そうか、コウトとチョウマとクロゲがいない形で世界をリセットしたのか。あの三人には悪いが、出来る限りこの『ガンダムジオラマフロント』をより良くしてみせる!)
 エムはそう決意するとコウトがもたらした技術をタイミングをみて技術部に極秘で流しつつ、人事部の息子としての役割をこなしていった。
 そうしているうちにエムは前々から想いを寄せていたエマ・シーンに告白し、それを彼女が受け入れ、互いを貪り合うかのごとく性行した(その詳細については前作『某主人公の走馬灯』の第三話を読んでね)。
(オレは何と言おうとエマが好きだ…)
 自分の部屋へ向かいながら思うエムを何者かが見ていた。



 数日後。
 エムは人事部で父とその部下と共に会議をしている。
「AIじゃなくてクローン人間でもいいからエースそのものが欲しいと各司令官からの要望が出ております」
「これは技術部に相談しないといけない案件であります」
 エムの父親の部下でありエムの同僚にエムは意見した。
「MSとMAはこの世界では攻撃法が一つに限定されている。ガンダムで例えるなら1機でビームライフルとガンダムハンマーと臨機応変に使えるのにここではビームライフル専用とガンダムハンマー専用と2機必要である都合上両方配備するならエースは二人作らなければならない」
「それはわかっていると全司令官は言っております」
 部下の報告にエムの父親は絶句したが、なんとか立ち直り
「上層部に提案する。だからこの件については上層部の決定次第だ。では、新規司令官の配置について考えよう」
 こうして人事部は自分たちの仕事をこなすのだった。



 エムが会議室を出て、自室へ向かったとき、一人の少女が立っていた。
「君はカミーユ・ビダンの幼馴染の…」
「はい、ファ・ユィリィです」
 少女は答えた。
「オレに何か用事があるのか」
 ファは一瞬沈黙したが、
「はい。あなたの部屋でお話したいのですがよろしいでしょうか」
「そうだな。ここだと色々お互いにまずいからな」
 エムは辺りを見回し頷くと、ドアを開けて入るように促した。



 エムの部屋。部屋は効率一辺倒なため小さなお花以外はない。
「エムさん、洒落た物を飾るんですね」
「まあね。本題は何だ?」
「エムさんがエマさんを好きなのはわかっています」
 エムは沈黙する形で話すよう促した。
「私はそれでもあなたを好きになりました」
「カミーユ・ビダンは…」
「彼はフォウ・ムラサメが好きなんです。私の入り込む余地がないくらい。配備される前に時々声をかけてくれるあなたの事を何故か意識してしまいました。エマさんには話してあります。そしたらあなたに想いを打ち明けたほうがいいと…」
「そうか。気持は良くわかった。でも」
「それだけではありません!」
 ファの怒声に近い思いにエムは驚いた。
「私はエマさんも好きになってしまいました。出来ればあなたやエマさんと共にいたい。お願いです、エムさん。私を愛してください」
「わかった、君の言うとおりにしよう」



「ちょっと待った」
 コウトが口を挟んだ。
「そこまで話すなよ」
「最後まで聞きなさい。あなたにとっても大事なことなのだから…」
「大事じゃないから」
 エマにツッコミを入れるコウトだが、エマとエムに威圧されてこれ以上文句が言えなくなった。



  エムはファを優しく抱きしめた。彼女は息を喘がせ、うっとりとした目で見つめ返した。そしてエムはファを近くのベッドに運び、寝かせると彼女の下着を脱がせ、両足を開かせた。次にエムはズボンのファスナーを下ろし、既にいっぱい膨れ上がった肉棒をファの股間にあてがった。
「いくよ」
 エムはそう告げて腰を突き出すと、膣内に異物の侵入を受け、肉が裂けるのを感じたファは小さく悲鳴を上げ、彼女は目を丸くして、今まさに身体を貫こうとしている肉棒を凝視し、恐怖に捕らわれた。
「怖がらないで、オレを信じてその身を任せて…」
 エムはファを安心させるように微笑むかけながら、一先ず膣口から肉棒を引き抜くと、その先端でファの秘裂をなぞっていった。
「ファ、もう大丈夫だよ」
 エムは彼女の腰を軽く掴むと、先っぽを半分秘肉の間に食い込ませた。だが、彼は敢えてそのまま奥まで貫くことはせずに浅いところに留めた。その代わり、彼女の熱く潤んだ肉壁の感触を味わいつつ、掌でファの身体をなで上げた。
 服をはだけさせ、ブラジャーに包まれた二つの膨らみを掌全体で揉んだ。ファの喘ぎ声を聞きながら、エムはブラジャーを剥ぎ取り、直接乳房を愛撫した。
「ああ…お願い……」
「何を?」
「お、おち○ちん、エムのお○んちんが欲しい! 私のお○んこの奥までエムのおち○ちん、入れて!」
 愛撫に興奮したファは迷いを断ち切るかの如く叫んだ。エムはそんな彼女に「わかった」と微笑みながら、グイっと腰を捻って膣に肉槍を突出した。ファは苦しそうに荒い息を漏らした。
「全部入ったよ」
「はぁ、エムさん…痛いけど…嬉しい…わ、わたしぃ、エムさんに愛されてる…だから、とっても嬉しい」
 エムが腰を動かすと、ファはエムにしがみつき、歯を食いしばった。そのうち破瓜の痛みも次第に和らいだ。
「どう、初めて結ばれた感想は?」
「は、はい、はぁ、気持ちいい。こんなに気持ちいいなんて…」
 ファはエムの顔をジッと見つめてくる。それに対してエムは彼女を抱きしめ、唇を重ね、舌を押し当てた。すると、ファも躊躇うことなく自分の舌を絡め、互いの唾液を啜りあった。
「さあ、いくよ」
 エムは腰に力を入れるとたぎり始めた欲望をファの体内に叩きつけた。肉棒の衝撃と熱いモノを感じたファは涙をたたえた瞳で快感に喘ぎながら、満ち足りたように幸せな表情になった。エムは全てを彼女の中に注ぎ終えると、ゆっくりとペニスを引き抜いた。



 エムは服を正したあと、同じく服を正したファに「家まで送ろうか」と尋ねた。ファは自分で帰れると答えると退出した。
 エムはエマに内心謝罪しながらしばらくしてから退出した。



 そこまでエムが話を終えると、エマが言った。
「それ以降ファは前より勇敢になったわ。エムに告白できたのが大きいわね」
「いや、メタスの機体性能によるものだと思う」
 コウトは呆れ半分でツッコミを入れた。
「コウト、あなたは何も知らないでしょうけど、Gバーストはオリジナルパイロットの頑張りがないと出来ないのよ。ユニット専用のGバーストやユニット専用アビリティはあなたの発案があるけど」
「要するにGバーストは機体にないと」
 その言葉にエマは頷いた。
「エム様も大変ですね。悩みを解決するためにエマさん以外の女と性交するなんて」
「ファは別よ。私もファが好きだから」
 エマの妙な割り切りにコウトはガクッとするのだった。


















『あとがき・キャラ紹介など』



〇 エム・シーナリー

 オリジナルキャラクターで年齢21歳。前作ではゲストだが本作でめでたく主人公になった。
 チョウマの横暴で乱れた世界を戻そうとしたら何故かチョウマ、コウト、クロゲがいない世界になった。
 仕事の都合上他の女と交わることに。




〇 コウト

 何故か巻き戻す前の記憶をエム同様保持していた。時たまアビリティ作成の手伝いをする。
 本作ではエムの話を聞くことに。




〇 エマ・シーン

 現在エム・シーナリーとラブラブ中。




〇 ファ・ユィリィ

 『機動戦士Zガンダム』のヒロインで主人公カミーユ・ビダンの幼馴染。彼女ときたらメタスと思い浮かべる方が多いが、Zガンダムやリック・ディアスにも乗っていたりする。
 「ガンダムジオラマフロント」ではメタスのみで必殺技もといGバーストは回復や味方も支援できるので入手したら最高レベルまで育てるべし。
 本作ではエマ・シーンとは百合関係。

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