第二話 エムの家の某一室。 「そう言えば、フロントコアや戦艦を司令官の代わりにガンダムシリーズのキャラクターが指揮していましたよ、エム様」 「エムでいいよ、エムで。お前は部外者だからな、コウト。その提案をしたのが『機動戦士ガンダムSEED』のメインヒロインの一人ラクス・クラインだ」 「チュートリアルで世話になりましたね。彼女なりに考えるんだ」 コウトは感心した。 「彼女だけだったら叶わなかったわ。エムが聞き入れてくれなかったら駄目でしょうね」 「結局は上層部の英断だったし…」 エムはそう言うと、それまでの経緯を語り始めた。 人事部の会議室でいつものようにエムの父親を中心にエム達が会議をしていた。 「ガンダムジオラマフロントに参加する人が最近増えないな」 「辞める人がいないだけ良しとしないといけない時期でしょうかね、不謹慎な発言で申し訳ありませんが」 (これでもチョウマが主人公だったときよりは多い方だけどな…) エムの父親の発言に対する人事部の一人の発言にエムはツッコミを入れた。そこへ戸を叩く音がしたのでエムの父・クラムが「入れ」と言った。入ってきたのはラクス・クラインだ。 「一体何の用だ…」 「企画部の皆様を探しているのですが、皆様はご存知ありませんか」 クラムの問いにラクスは困惑の表情で答えた。ガンダムシリーズのキャラクターは基本的に上層部の内部の詳細は知らないのだ。 「もしかして提案したいことがあるのか。それならオレ…クラム部長が伝えるけど」 と、エムが優しく聞くと、ラクスは言った。 「はい。フロントコアとミッション時での戦艦の指揮の代理をガンダムシリーズにやらせるのはどうでしょうか」 その発言に人事部が色めきだった。 「思い上がるのもいい加…………」 怒鳴りだした人事部員の一人をエムは片手で制した。 「興味深い案ですね。とりあえずその案件で指揮するキャラクターはこちらで決めるかつあなたの案を我が人事部の案としておきましょう。それでいいですか、ラクスさん……」 「は、はい。ありがとうございます」 ラクスはお辞儀をすると退出した。 「流石歌姫だけあって礼も気品がある」 クラムは皮肉った。 「部長、司令官の副官のキャラクターを選定しましょう」 「う、うむ。ワシはラクス、マリュー、ミネバ、ティファ、ハマーン、ブライト、ジンネマン、トレーズを副司令官兼副長に任命する案を上層部にだしてみよう。エム、いくら何でもお前じゃダメだ。こういうのは部長の役目だ」 「は、はい」 思わず「父さん」と言いたかったが、エムは何とか抑えた。 場面はエムの家の某一室に変わる。 「ラクスの案は結局上層部に採用された」 「で、エムさん、司令官たちの反応は」 コウトは尋ねた。 「その副長兼副司令官がいたおかげで気分が上がったのでよかったぞ。更に司令官は定時制だから帰宅時以降のジオラマベース防衛の指揮をしてくれるのでありがたいと」 エムの言葉にコウトは安堵した。 「お金持ち限定だが、バレンタイデーになるとより多くの女性キャラクターも副司令官兼副長に出来るチケットを受け取ることが出来るようになったわ」 エマが補足した。 「道理でそこまで変わっている事に気付かなかった訳だ」 コウトが素直に言った。 「その変化によってオペレーター専用のクローンも生産されることになったわ。でもその提案をしたラクスは所属先の女司令官にイジメられたわ」 「どうして?」 「彼女もキラ・ヤマトが好きだから。暴力や辱めだけでなくオリジナルのキラとの愛を見せつけてラクスを絶望させたわ」 エマの言葉にコウトは言葉を失った。 「あの女司令官は企画部の部長の娘の一人よ。ラクスは処刑寸前に逃げ出して、私の元へ来たわ」 「エムのところに逃げたかったでしょうね」 「ちなみにラクスはファ同様エムの愛人兼秘書ね」 エマの言葉にコウトとエムの目が点になった。 「そんな事、聞いてないぞ」 「それは昨日決めたことよ。エム、お願いだからラクスも愛してあげて。もう彼女はキラの元へ戻れない」 エマ・シーンはエムに抱きついた。 「冗談だろ、それ」 「冗談じゃないわ。彼女はエムを好きになったと言ったから」 「展開が早いだろ」 「そんなに早くないわ。ファは二ヶ月前でラクスは一ヶ月前よ」 「そういう問題じゃないから」 コウトのツッコミを無視してエマはその経緯を話した。 エマがエムの部屋に向かうとそこにラクスが沈んだ表情で立っていた。 「何か悩みでもあるの、ラクス」 ラクスは小さく頷いた。 「ならここより私の部屋がいいわね。ついて来なさい」 エマはラクスを自室へと案内した。 エマ・シーンの部屋に入るとラクスは先述したキラを女司令官に取られて二度と会えないことと暫く働いている内にエムを愛した事を涙ながらに告げた。 「簡単よ。エムを愛したらいいのよ」 「で、ですが…」 エマの答えにラクスは驚いた。 「それよりもあなたの心の傷を癒やさないといけないわ。女司令官によって恋人との復縁は不可能なんでしょう」 エマ・シーンは優しく言うと、ラクスにそっと口づけした。ラクスは抵抗せずに受け入れる。それからしばらくすると、エマが下着以外全部脱がそうとするのでラクスは慌てて止めた。 「み…見ないで下さい!」 「恥ずかしがる事はないわ、ラクス。あなたは自分の身体にもっと自身を持ちなさい。でないと、あなたの新たな恋人に抱いてもらえないわよ」 「そういう…」 「大丈夫。私に任せなさい。あなたの辛い思いをここで消してあげるわ」 エマの優しい言葉に安堵したのかラクスは彼女に身を委ねた。そしてエマも下着以外脱いだ。エマの裸体を見たラクスは思わず「美しい」と口にした。 「ありがとう、ラクス。あなたの胸を愛撫してあげるわ」 エマは右手でラクスの左の乳房を揉みしだき、右の乳房の乳首を舌で舐め回した。次第にラクスの息遣いが荒くなり、目がとろんとなった。ラクスが大人しくなったのを見てエマは空いた手を股間に滑り込ませた。 エマが下着越しに濡れた割れ目を指先でなぞると、ラクスは口から小さな悲鳴が上げ、背中を弓なりにそらした。 「どうして?」 愛液を溢れさせる秘裂を優しく擦りながらエマはラクスに問いかけた。 「そ…それは……」 「訳を話してくれないと分からないわよ」 エマは笑みを浮かべて聞いた。 「エ、エマさんが優しいから…嬉しいの…です…………」 言葉を濁しながら、ラクスは潤んだ声を漏らし続ける。 「私はあなたのその笑顔を見れたりその言葉を聞けて嬉しい」 エマが下着の上から充血したクリトリスを軽く刺激すると、ラクスの手足が引きつった喘ぎと共にピンと突っ張った。軽く達したようだ。 「ラクス、大丈夫?」 「ふぅ、はぁ、はい」 絶頂の快楽に呆けるラクス。 「エマさん…」 「なぁに?」 「大好きです」 ラクスはエマに抱きついたので、エマもそっと彼女を抱き返した。 そこまで回想を終えるとエムはコウトを宿泊施設に返し、夜になるとエマと共に夕食を食べた。 「明日も休みね。コウトにもまた来るように言っておいて。そして、ラクスの相手をした話をしてあげないと。彼の彼女も私達と同じ関係になるのに」 「どうだろうな」 エムは苦笑した。 「なるわよ。私が保証する」 この後、寝る二人だった。 『あとがき・キャラ紹介など』 〇 エム・シーナリー オリジナルキャラクターで年齢21歳。 今回はエマ・シーンの話を聞くことになる。 〇 コウト 前回はエムの、今回はエマ・シーンの話を聞くことに。 〇 エマ・シーン 今回はラクス・クラインとの百合プレイの話を。 彼女がラクスを攻めていたが、ギャブレットさまの「アーガマの2人の女性クルーの秘密」でファ・ユィリィにやられたのをよっぽど根に持っていたのかもしれない(嘘) 〇 ラクス・クライン ガンダムシリーズファンにはご存知『機動戦士ガンダムSEED』のメインヒロインの一人。最初は歌姫だったが、後半になるといざこざもあってクライン派のリーダーになった。 あまり言われちゃいないが、必要な時が来るまでは秘密裏に準備をして待つタイプ(どういう伝手か知らないが次作である『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』では母艦であるアークエンジェルやフリーダムガンダムが修復されていた)。 『ガンダムジオラマフロント』の交換所でハロメダルを使って入手可能。オペレーター時には、新しいモビルスーツやモビルアーマーを剣と呼ぶ。 |