■偲芳歌(しほうか)■【6】
【恵み多き豊かな国 風はそよぎ
街角に 聞こえる歌 永久に誓う幸せを】
「…ん……あぁ…」
気が付くと祥瓊は珠晶の膝の上に頭を乗せて珠晶に髪を優しく撫でられていた。
目が覚めれば、いままでのことが夢であって欲しいと願ったが、やはり躰に施された細工が無くなるようなことはなかった。
だが、いったんそれに気が付いてしまうと、自分の躰が淫らなものに変えられてしまったことをことさら意識してしまう。
付けられた時は激痛しかなかったが、痛みが引いてくると次第に躰が疼いてしまうのが止められない。
「…はぁ…はぁ…はぁ…」
息が荒く躰が猛烈に疼き、祥瓊はどうしようもない焦燥感を味わっている。
実は祥瓊が待たされていた一週間の間に出された食事、湯浴みの時に塗られた香油、そして2つの孔にたっぷりと塗られた潤滑剤には媚薬が混ぜられていた。
媚薬が祥瓊の躰の中で熱く疼き、大輪の花を咲かせ芽吹こうと侵食する。
特に孔に塗られたものは強烈な効き目があるもので、さっきまで処女だった祥瓊でさえも、快楽に狂わせるだろう。
だが、珠晶はそのことを祥瓊に教える気などない、祥瓊が自分は淫乱なのだと勘違いさせるための細工だからだ。
「あら、どうかしたの?」
「…なん…でも…ありません…」
瞳にはうっすらと涙を浮かべ、声を震わせながら祥瓊は言った。
だが、疼きはだんだん強くなる。
「……ん…はぁぁ……はぁ……はぁ……」
祥瓊の顔には懇願の表情が浮かんでいるが、珠晶は何も言わない。
祥瓊が自分にすがりつくのを待っていた。
ただ時間が過ぎていく。
さほど時間は経っていないはずだが、祥瓊には永遠とも思えた。
狂おしいほど疼きが激しくなっていく。
珠晶は何をするでもなく、そんな祥瓊をただ悠然と眺めていた。
祥瓊は激しくその躰を悶えさせている。
「……お…おねが……い……」
そして、珠晶に懇願の眼差しを向けた。
耐え難い疼きのため、声が震えてしまう。
「ん、なにかしら?」
珠晶は優しく聞き返す。
「……おねが…い…」
祥瓊は声を絞り出すように懇願の言葉を口にした。
「どうしたの?」
祥瓊が何をお願いしているのか、珠晶が分からない筈はない。
「……もう…だ…め……」
「それじゃ判らないわ、もっとはっきり言いなさい。」
目を細め優しくささやく。
「……躰が……疼く…の…なんとか……して……」
「聞こえないわ。
もっとはっきりと大きな声で言いいなさい。
それにその言い方は人にものを頼む言い方じゃないわね。」
「…そん……な……」
「言えないの?
ならここまでね、今日はもう休んでいいわよ。
もちろんこのままの格好だけど。」
珠晶はそっけなく言い放つと、祥瓊から離れようとする。
「あたしはこれで帰るわ。
それじゃ、おやすみ。」
「…まって!」
珠晶は振り返りもせず立ち止まった。
「…お…ねがい…し…ます…」
祥瓊は涙声で懇願する、いや縋り付いた。
このまま朝までほおって置かれたら、気が狂ってしまう。
「どこをどうして欲しいのか、ちゃんと言わなきゃ判らないわ。」
振り返り小さな子供を諭すように、珠晶は優しく語り掛ける。
「……おねがい…です……わ…たしの……孔に…入れた……ものを…取って…ください……」
「取るだけでいいの?」
「…いいえ…そのあと…孔に……入れて…ください……」
「1度、出して入れればいいのね?」
「…あぁ………違い…ます………何度も…出し入れ……して欲しい……です…」
「判ったわ、乱暴にしてしまうと、孔が傷つくかもしれないから優しくゆっくりすればいいのね。」
「………乱暴にして……いいです…激しく…抉るように……してください!」
祥瓊の中で何かが音を立てて崩れる。
これまでどんなに陵辱されても守っていた物がついに壊れてしまった。
「それじゃあ、取って上げるからこっちに来なさい。」
「…あぁ…はい…」
珠晶は祥瓊の手を取って部屋の隅まで連れてくると、奇妙な支柱に祥瓊の躰を拘束してしまった。
祥瓊はその間大人しく珠晶にされるがままでいる。
手、脚、首を繋げられ身動きできなくなったが、躰を上下に屈伸させる余裕はあった。
「それじゃあ、外してあげるわね。」
珠晶はそう言うと、しっかりと埋め込まれた2つ栓を外しはじめた。
珠晶は前に躰をかがめると、栓に鍵を差し込むとさっきとは逆に回す。
躰を内側から圧迫していた栓が緩み出すと、張形を摘み女陰から下へと引く。
すると、祥瓊の女陰から愛液の糸を残しながら抜かれた。
後ろの孔も同様に引き抜く。
「…あふっ…ふう…」
珠晶が二本の男根を象ったものを完全に引き抜くと、祥瓊の最も秘めやかな部分が露わになる。
そこはすでに媚薬と祥瓊の分泌した液体で、じっとりと濡れていた。
最後に珠晶は一端取り外した張型を、支柱に取り付けてしまった。
張型は祥瓊の腰の少し下の位置にあり、腰を下ろせば二本の突起を女陰と菊座にちょうど埋め込むことができる。
「ほら、準備はしてあげたわ。
好きなだけくわえ込んでいいわよ。
あたしは少し疲れたから休憩するわね。」
「…そ…そんな…」
珠晶はそう言うと、床几 (こしかけ)を祥瓊の前まで持ってくると座ってしまった。
それは祥瓊の性器を間近に眺めることのできる位置である。
祥瓊はてっきり珠晶が犯してくれるものだとばかり思っていたが、珠晶は祥瓊に自分の意志でこの張型をくわえ込ませようとしていた。
祥瓊は、珠晶の目的がそれであることが判ったが、それが判ったところで今の祥瓊にはどうにもならない。
「……はぁ……はぁ……はぁぁ……」
祥瓊の二つの孔から、むずむずとした痒みにも似た感覚がより激しくなってくる。
躰は火照り、自然と呼吸も荒くなる。
手足に力が入らず、膝がガクガクと震えてしまう。
「…うう……だめっ……だめっ……だめぇっっ……」
「どうしたのかしら?」
楽しそうに珠晶が尋ねる。
だが、祥瓊がなにを言いたいのか、答えは判っているはずだ。
なにが『だめ』なのか、判っていて楽しんでいる。
祥瓊の膝はガクガクと震える。
心では懸命に否定しようとするのに躰は張型を求めてしまう。
「あら、さっきまで処女だったのにそんな道具が相手でいいの?
だけど、お前は淫乱だから道具が相手でも構わないのよね。」
「…ち……違う…の……」
「我慢する必要は無いわ。
お前は淫乱なのだから仕方ないのよ。」
「ああっ……あぁぁ……」
必死で耐えようとするが、祥瓊の二つの孔は張型を求め腰を落とし始めてしまう。
もはや、欲望を押さえ込んでいた祥瓊の理性も限界だった。
祥瓊はモジモジと腰を動かし、意を決して張型を押し付ける。
じゅぶぶ
「あぁぁぁぁぁっっ!」
祥瓊は目を閉じると、一気に自分の性器を張型で刺し貫く。
陰唇に付けられている金具の孔と、ヒクヒクと蠢く菊座に押し込んだ。
充分に濡れている祥瓊の熱い胎内に、秘裂と菊座に張型を受け入れる。
祥瓊は自らの躰を串刺しにしてしまった。
愛液と媚薬が祥瓊の性器からあふれ出す。
前の張型は祥瓊の秘裂に、強烈な異物感を伴いながら挿入した。
後ろの張型は祥瓊の肛門粘膜を、内側に巻き込みながらねじ込んでいく。
始めての時は激痛しかなかったのに、今は痛みなど感じず躰の力が吸い取られるような快感が躰中に一気に襲ってくる。
「目を閉じないで、あたしを見なさい。」
「……はぁぁ…はい……」
目を薄っすらと開けると、すぐ目の前に珠晶がいた。
張型と性器の結合部をじっくりと珠晶に見つめられていると判ると、祥瓊の躰に痺れるような快感が走る。
そしてそれが祥瓊の理性を吹き飛ばしてしまった。
「腰を前後に振ると気持ちいいわよ。」
「…ん……んふぅ…はぁはぁ……はぁ……」
潤んだ瞳で珠晶の顔を見ると、ゆっくりと腰を持ち上げていき張型が抜ける寸前で躰を止め、再びゆっくりと腰を降ろしていった。
ずぶずぶと淫らな音を響かせながら、熱く充血した秘肉は張型を飲み込みながら、絡みつくように締め上げていく。
「はぁぁ……あ、あぁぁ……」
膣の奥深くまで結合し、子宮口にまで先が届く。
肛門は異物が入り込むことに括約筋が抵抗し、強烈に締め上げる。
そして、息を整えると祥瓊はゆっくりと腰を動かし始めた。
…シャラン…シャラン…
「……ん……ち…乳首……い……いいぃ…」
今まで拘束されていて気が付かなかったが、胸に付けられた細工は少し躰を動かすだけでもその重みが乳首に刺激を与える。
だが、激しく動く細工の痛みを、祥瓊は快感と受け止めていた。
「…はぁはぁ……あ……い……はぁっ……」
腰を上下に動かす運動を繰り返すたびに、祥瓊は上り詰めてゆく。
胎内でお尻と膣の淫具が、こつこつと触れ合うのがたまらない快感となる。
「ふふ、そんなにお尻を振っちゃって気持ちいいの?」
「……ああぁぁぁ………い……いい……いいの………」
二本の張型を自ら躰にねじ込み、無我夢中で掻き回す。
唇を開いて喘ぎを散らし、燃え上がる快感に躰をまかせる。
その表情は気品ある元公主ではなく、快楽に溺れる一人の女だった。
じゅぶ……ずりゅ……
「……はっ…いっ…いいっ……いいっ……いいのっ…」
「あら、もう逝っちゃうの?
それなら、逝くときは、ちゃんと逝くって言うのよ!」
「も…もう……もう……はっ……いっ…逝き……逝き…ます……」
珠晶が嘲りを込めた口調で命令する。
屈辱的なその台詞も、今の祥瓊には絶頂を加速させるだけであった。
「良いわよ!逝ってごらん!」
「はぁぁ……い…逝く……逝…くぅぅ……」
祥瓊の躰がびくびくっと痙攣して力が一気に抜けた。
背を反らしたまま全身を硬直させ、祥瓊は恍惚とした表情をみせる。
腰を支える力を失った祥瓊は、張型を躰の中に全部飲み込んだ状態で腰を下ろしてしまう。
祥瓊は自分が自分でなくなっていくような感覚に囚われた。
「なかなか素敵でしたわよ。」
「…ああっ……見ないで…そんな……」
祥瓊はその恍惚とした絶頂を、珠晶に眺め回されていたことにようやく気が付いた。
すさまじい羞恥とそれを上回る性的興奮に躰を熱くたぎらせる。
祥瓊の躰は、もはや淫らしい別のものに変わってしまっていた。
「淫乱なお前が、1度ぐらいでは満足できないでしょう?
何回でも満足できるまで逝っていいわ。
ほら、手伝ってあげる。」
「いっ…痛………痛いっ…………ひぃ!」
珠晶は床几 (こしかけ)から立ち上がると、祥瓊に取り付けた胸の飾りを指で摘んだ。
珠晶はそのまま指を持ち上げると、乳首に激痛が走る。
祥瓊は珠晶に操られるまま躰を起こし、立ち上がるしかなかった。
「淫乱なお前のために、激しくしてあげるわ。
さっきより、もっと気持ちいいはずよ。」
「ああ!……ひああ……ああ…あっ……ひあっ!」
珠晶の指は祥瓊に取り付けた胸の簪(かんざし)を軽く摘んでいるにすぎなかったが、祥瓊の躰全体を支配下に置いていた。
珠晶が指を無造作に上下に動かすと、それにあわせて祥瓊も躰を動かすしかなかった。
珠晶は、祥瓊をつま先立ちになるまで持ち上げると、張型を性器に叩きつけるような勢いで腰を下ろさせた。
自分の性器を破壊しそうな勢いで、祥瓊は張型を激しく呑み込む。
「ひやぁっ……んっ…はぁっ…あぁん!」
珠晶にいいように躰を操られて腰を振るしかない祥瓊だったが、次第に被虐の快感が痛みを上回りつつある。
脳髄を刺すような激痛が走るが、それすらも祥瓊の躰は快感に変換してしまっていた。
その証拠に祥瓊の孔と張型の結合部は、どうしようもないくらいに濡れそぼっている。
卑猥な水音が響いて、ボタボタと垂れて祥瓊の下半身を濡らす。
「んんっ……はっ……あぁ……」
張型を出し入れするたびに、性器に取り付けられた華の細工が押し出され、引っ張られると陰唇や陰核に痛みが走る。
思わず祥瓊は首をのけぞらせ悶えてしまう。
すると、胸に付けられた簪(かんざし)と鎖の細工が跳ね回り、乳首が千切れそうなほどの激痛が走る。
だが、それすらも大きな快感として受け止められるように、祥瓊の躰は淫らなものに変貌してしまっていた。
「い…いっ…いいっ……あふっ…」
祥瓊は顔を上げながら、拘束された腕をしきりによじらせる。
そのたびにガチャガチャと音を立てた。
そして、熱く充血した祥瓊の性器が張型をしっかりとくわえ込むと、祥瓊は髪を振り乱しながら、淫らに腰をくねらせる。
秘唇の奥から絶え間なく溢れる蜜を滴らせ、張型を柔らかく潤んだ秘肉が擦り上げていった。
「あっ……ああっ……いいっ……また……逝きます…」
祥瓊は自らの躰を張型で、闇雲にかき回す。
その激しい動きに、祥瓊は絶頂の階段を勢い良く駆け昇っていく。
「いいわよ、逝きなさい。」
「あっ……あっ……あぁ……あっ……逝……逝くーっ!」
祥瓊は首を振り回し乱れ絶叫した。
叫び声を上げた瞬間、全身が激しく痙攣した。
だが、絶頂を迎えても珠晶は簪(かんざし)から指を離さず、そのまま上下運動を続ける。
祥瓊は膝をガクガク震わせながら、無理矢理躰を動かすしかなかった。
「…いっ…逝った…逝き…ました……もう…や…やめて……」
「まだ全然満足してないでしょう?
何回でも休みなしで逝けるように躾けてあげる。」
「……あぁ…そんな…逝ったのに……」
躰は止まる事無く動かされ、性器は張型で貫かれ続ける。
祥瓊は、逝ったまま次の絶頂へと無理矢理駆り立てられてしまう。
絶頂直後の敏感な躰の奥底から、また熱い脈動が膨れ上がってくる。
絶頂を迎えた秘所は、先ほどより何倍もの快感を生んで、祥瓊にその衝撃をぶつける。
「やぁっ…はぁっ……あん…あ…あぁっ…逝ったばっかりなのに……もう…逝っちゃう……逝く!」
祥瓊は一瞬で絶頂に達してしまうと、背中を弓なりにして嬌声をあげた。
「もっと、してもいいのよ。」
珠晶のその言葉は提案のように聞こえるが、実質的には命令であった。
だが、祥瓊はその提案に逆らおうとは思わなくなっていた。
祥瓊の素直な反応に珠晶は簪(かんざし)を摘んでいた指を離してしまう。
「…はぁっ…はい…んっ……んっ………んんっ……」
祥瓊は自分から快感を求めて、腰を激しく動かす。
過激なまでに激しく躰を上下させる。
だが、その過激な動きが祥瓊に眩いばかりの快楽を与えるものだった。
「んあっ…あぁーっ…あっ…きもちいい…きもちいぃ……はぁぁっ…ああっ!」
先ほどの絶頂よりも激しく喘ぎ、祥瓊は躰をくねらせるようにしてその甘美な感覚を貪った。
凄まじい怒涛のような快感が躰を貫いた。
電撃が頭の中でバチバチと弾け、目の前が真っ白になる。
「……うぅ…ふぁ……はぁ……はぁ………」
だらだらと陰唇から涎を流し張型で躰を抉りながら、祥瓊ははあはあと荒い息の唇に薄ら笑いを浮かべながら珠晶を見つめていた。
頭の中がぼんやりとして、すべてが虚ろになってくる。
目は珠晶の方を向いているのに、その瞳は何も見てはいなかった。
祥瓊は意識が朦朧としてきて、ここが何処かわからなかった。
いや、ここが何処でも、もうどうでも良かった。
「……ん……んん……ん…んぁぁ…」
膣がビクビクと収縮し、逝ってる間にさらに逝き続ける。
それでも、祥瓊はさらなる快感を求めて張型の上でのた打ち回るように、腰を振ってしまう。
壮絶な絶頂感が止まらずに、この世の物とは思えない快楽を味わい続けた。
祥瓊は声にならない声を上げながら、ビクンビクンと躰を跳ねさせる。
精神が焼き切れてしまいそうになりながら、狂ったように腰をくねらせ張型で孔を貫いた。
最後の方は、張型を出し入れする度に祥瓊の躰は痙攣し、連続で逝きっぱなしだった。
「う…逝…逝くっ!」
最後に祥瓊は逝きながら叫ぶと、腰の動きを止めがっくりうなだれる。
それは今日何度迎えたか分からない絶頂を迎え意識を失う。
そして同時に祥瓊が快楽に完全に屈服した瞬間だった。
「ほら、起きなさい。」
「…う…あぁ……」
脱力しきった躰は拘束を解かれてもだらしなく弛緩し、快楽の余韻に時折ピクッと痙攣する以外は動こうとしない。
珠晶に胸の簪(かんざし)を引っ張られると、祥瓊はけだるい躰を起こした。
二つの孔はそのまま塞がれずにいたので、女陰からはだらだらと愛液が滴っている。
「気持ちよかった?
あんなに喘いじゃって可愛かったわよ。」
「……そんな…言わないで……」
珠晶にあますとこなく痴態を見られ、祥瓊は恥ずかしさのあまりここから消えたくなった。
「お前は、淫乱なのよ。」
珠晶が静かな声で言い聞かせる。
女陰に指を手をやると絡んだぬめりをすくい上げ、祥瓊の目の前に見せつける。
「いい顔よ、恥ずかしいでしょ、惨めでしょう?
でもそれも気持ちいいのよね。
お前は虐められて気持ちよくなっちゃう淫乱なんだよね?」
「…ち…違うっ……違うわっ……」
「違ないわ、お前は淫乱なのよ。」
だが、淫乱と言われるたびに祥瓊の心臓はドクンと大きく高鳴った。
「ほら!」
「ああっ!」
珠晶が乳首の簪(かんざし)を爪弾くと躰は祥瓊の言葉を裏切り、快感にビクビクと大きく打ち震えた。
「ふふっ、躰は正直ね。」
珠晶の嘲笑は祥瓊の自尊心を傷つける一方で、倒錯めいたうずくような快感と興奮をかき立てていた。
「素直になりなさい、気持ちよかったでしょ?」
「……そんな…こと……ありません………」
「お前が淫乱なのは、仕方ないことなの。
苦しむことはないわ、認めれば楽になるわよ。」
「……仕方……ない……の?…」
祥瓊は否定しようとするが、珠晶の言葉に逆らいきれない。
「これから、お前はあたしの人形になるの。
人形になれば、あれこれと考えることも悩む必要もないわ。」
「…人形?…」
「そうよ、お前が誓えばあたしがずっと可愛がってあげる。
さぁ、『私は淫乱な人形です』といいなさい。」
「わ…私は…」
「お前は淫乱な人形よ。」
言いよどむ祥瓊に珠晶は念を押すように言う。
「わ…私は……淫…乱な…人形…です…」
言い終わると、祥瓊の躰をいいようのない安堵感が包み込み、熱で浮かされたように躰が熱くなる。
「さっき何度も逝って、気持ちよかったでしょ?」
「…は……い………」
珠晶の問いかけに祥瓊は素直に答えていた。
「もっとしたい?」
「は……い……」
「あたしの言うことを守れば、もっといい気持ちにしてあげる。」
「はい……」
「これからは、あたしの言うことに従いなさい。」
「…はい…珠晶様に従います…」
「お前の心と躰は誰のもの?」
「…私の心も躰も…全て…珠晶様のものです…」
「答えなさい、お前は役割は何?」
「私は…淫乱な人形だから…
…珠晶様が……私の躰をお好きなように使って…遊んでください…」
「好きなようにって、なにをしてもいいのね?」
「…はい……なんでもして…ください…」
祥瓊は恍惚とした表情で答える。
そして、躰の方も限界が訪れようとしていた。
祥瓊の秘裂がヒクヒクと痙攣し躰の奥から愛液が溢れてくる。
「…あ…そんな……なにも……してないのに…」
「ん、どうしたの?」
「……ああっ…い……逝く……逝く!」
珠晶に嬲られる事を想像しただけで、祥瓊は秘裂から愛液の潮を吹き、ビクビクと躰を震わせ絶頂を迎えてしまった。
「あら、これからのこと想像しただけで逝っちゃったの?
本当に淫乱なんだからしょうがないわね。
いいわ、お前をずっと飼ってあげる。
仙籍にも入れてあげるから、その姿のままでいられるわよ。
これからは、もう何も悩む必要もないの。
ううん、気持ちよくて余計なことなんて考えられなくしてあげる。」
「…あ…ありがとうございます…珠晶様…」
それは、珠晶に全てを委ねてしまうことで、祥瓊は辛く長いくびきからこれで解放される。
不安や恐れを感じることはない、純粋に快楽だけを感じるものになったのだ。
もはや、以前の祥瓊はどこにもいない。
祥瓊は幸せだった。
【おわり】
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