第一章・シーダの旅立ち
タリスの城の方々から火の手が上がっていた。
祖国アリティアを失いタリスに逃れていたマルス達が旅立ってから一週間。
城の警備が少なくなった時を狙ってタリス周辺を根城にしていた海賊達が一斉に襲い掛かってきたのである。
「私はタリスの王女なんだからしっかりしなきゃ」
シーダは自室で装備を整え、いつでも戦えるように準備をしていた。
マルスと共に旅立ちたかったのだが、足手まといになることを恐れ一人タリスに残ったことを毎日のように後悔していた。
(この海賊達を蹴散らしたら私もマルス様を追いかけます)
シーダは決意を胸に剣を構えた。
バンッ!
扉が乱暴に蹴破られゴツイ体の海賊が部屋に入ってきた。
「おぉ!女がいるぜ」
「上玉じゃねぇか」
下卑た笑みを浮かべる海賊に悪寒を覚えながらシーダは剣を振り上げて飛び掛った。
シーダの剣の腕は相当のものであった。
そのすばやい動きに海賊などではついていけるはずは無かった。
海賊が斧を振り下ろした時にはシーダの姿は消え全く別の方向から鉄の剣が振り下ろされた。
「グワッ!」
小娘と思い舐めてかかった海賊の肩にシーダの攻撃が直撃していた。
しかし、非力なシーダでは致命傷を与えることは出来なかった。
切れ味が鈍く「斬りつける」というよりも「叩きつける」武器である鉄の剣で海賊を倒すには何度もダメージを与えなければならず、シーダの部屋に入り込んだ海賊を全て倒したときにはもう体力の限界に達していた。
「ふぅ〜」
とりあえず目の前に現れた敵を倒しシーダはため息をついた。
(こんなことで疲れたなんていったらマルス様と一緒に戦えないわ)
城を攻めている海賊を倒すために重い身体を引きずって部屋を出ようとしたその時
「!!」
蹴破られて原型をとどめていない扉のところに黒いフードをかぶった男が立っていた。
身長はシーダと同じが少し低いくらい、マントを羽織っているためよくはわからないが、海賊のような逞しい身体をしているとはとても思えない体躯をしていた。
それなのに全身から湧き出ている異様なオーラが危険人物であると警告している。
シーダの身体の疲労は吹っ飛び両手で剣を構えた。
「あなた・・・何者・・・」
男はただ立っているだけだというのに恐怖のためにシーダの声はかすれてしまう。
腰は引き、膝はガクガク震え、今すぐにでもここから逃げ出したくなっていた。
「タリスの王女・・・シーダか・・・」
問い質すというより確認するような口調で男は喋り始めた。
「ここで殺すのは簡単だが・・・あいつの言いなりになるのもおもしろくない・・・生かしておけば脅威にもなるが・・・」
何やら独り言を喋り終わると男はゆっくりと顔を上げた。
「ひぃっ!!」
フードに隠されていた男の顔を見てシーダは悲鳴を上げた。
顔の皮膚は爛れ、歯は抜け落ち人間のものとは思えないほど醜い容貌をしていたのである。
男はゆっくりとシーダに近づくとその美しい顔を覗き込んだ。
「!!」
男の開かれた眼を直視してしまったシーダは金縛りにあったように全身が痺れて動けなくなってしまった。
身体の自由を奪ったことを確認すると男はシーダが身に付けている鎧を外し始めた。
「いやっ!なにをするの!」
かろうじて動かせる唇で非難の声を上げるが男の動作が止まることは無い。
男はあっという間に鎧を外して下着だけの姿にしてしまった。
年頃になってからは親にも見せたことの無い姿にされて羞恥に震えるシーダの反応を愉しみながら男は残された衣服を脱がしに掛かる。
「お願いやめて!」
ブラが外されて形の良い小振りの乳房が露にされた。
白くて張りのある膨らみの頂点にピンク色の乳首が乗っかっている。
男が乳首を摘んで捻ったり指の腹で捏ねまわし始めると麻痺しているシーダの身体に全く別の痺れが全身を襲った。
「うっ・・・ううっ・・・」
(ダメよ、こんなことで感じたりしたら・・・)
男は快楽に押し流されないように耐えるシーダに残された最後の砦に手を掛けると一瞬にして取り払った。
「いやっ!見ないでっ!!」
誰にも見せたことの無い秘所を晒されシーダはついに泣き出してしまった。
男はシーダの足を少し開かせると顔を埋め淫裂に舌を這わせ始めた。
初めて感じる舌の感触は自分の指で弄ったときよりも何倍も気持ちが良かった。
ジュルジュルといやらしい音をたてて吸われるたびにシーダの体温は少しずつ上昇していく。
「あっ・・・ダメ・・・やめてぇっ・・・」
もう既に金縛りは解けているのだがそれにも気付かないほどシーダの身体は更なる快楽を欲していた。
無意識のうちに腰を動かし始めたシーダを見て男は立ち上がった。
そしてマントの下に隠されていた勃起した男根を曝け出すと一気にシーダの淫裂に押し込んだ。
「痛っ!!」
突然の事にシーダは自分の身に何が起きたのか理解できなかった。
陰部に感じる熱い痛み、下腹部に突き上げられる異物感、そしてジワジワと広がっていく淡い快感。
自分がレイプされたことを理解はしたがその事について何も考えることはできないでいた。
「あっ・・・あっ・・・あっ・・・あっ・・・」
しかし破瓜の痛みが和らぐと今まで感じたことのない感覚がシーダを襲い始めた。
見ず知らずの男に犯されているのに声を上げてしまう自分を口惜しく思いながらもこの快楽から逃れることは出来なかった。
「ああっ・・・あああん・・・はあぁぁん・・・」
腰の動きが早まるにつれてシーダの声も大きくなる。
(初めてはマルス様としたかったのに・・・)
と思いながらもすぐ目の前に迫った絶頂を目指して自らも腰を激しく振り動かした。
「うっ・・」
男は小さく声を漏らしたあと、シーダの体内に埋め込まれた分身から多量の子種が噴射された。
「ああぁっ・・・」
初めて達した絶頂と、醜い男の精子を受け入れてしまった屈辱感にシーダも思わず声が漏れる。
(マルス様・・・ゴメンネ・・・)
愛する男のことを思い出し涙を流すシーダの身体に異変が起こった。
「ああああっ!!!なにっ!!なんなのぉっ!」
まるで子宮に放たれた精子が子宮壁に入り込んで全身を駆け巡っているようであった。
全身が男の精子で汚されていく感覚にシーダはのたうちまわった。
そして気が付くとシーダの下腹部には刺青のような忌まわしい痕が残されていた。
それは男根のような形をした蛇で頭を秘裂に向けている。
「淫蛇の印・・・いずれ淫蛇によって子宮を食い破られて死に到る・・・印を消すには我を倒すか・・・それとも・・・・」
シーダは精根尽き果ててだらしなく両足を広げたまま倒れていた。
男はマントを羽織り直しながら秘唇から溢れ出てきた処女血と自分の子種を眺めていた。
「我が名はガーネフ。助かりたければ伝説の都テーベまで来るがよい」
ガーネフはそういい残すと霧に溶け込むように姿を消した。
翌朝、シーダはマルスを追って旅立った。
ドルーア帝国を影で操っていると言われる闇司祭ガーネフ。
そのガーネフを倒すためにはマルスの助けが必要であった。
戦乱の続くこの地に平和をもたらし、自分の身に降りかかった災いを拭い去るための辛い旅路が今始まろうとしていた。
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