第1話 「捕獲編」


「な、なんでだ?」
 少女が目撃したのは信じられない光景だった…
 ここは、ひびきの高校――校舎裏。季節は夏。あと3日もすれば夏休みである。
 少女はひびきの高校生徒会長を務める赤井ほむら。ひびきの高校2年生、身長は149センチと低く、また胸もお尻も小さい、小学生といわれても納得するだろう。もっとも生徒会長と言っても入学式当日に遅刻したため校長が罰ゲーム感覚で任命。ほむらも受け狙いであっさり承諾したため仕事は真面目にしないが、正義感が強いためたまに校内を見回りは意外と率先して引き受けている。
 ほむらは放課後の見回りが日課になっている。ひびきのの生徒は比較的真面目な生徒が多いためタバコを吸う生徒は居ない。見回りはいわばほむらの趣味のようなものである。しかし、この日の見回りは違った。ほむらが校舎裏にさしかかったとき「はぁぁぐぅぅ…」という不思議な声を聞きその正体を知るべく校舎裏に回り現在にいたる。
 ほむらの見た光景。それは1人の女生徒に男達が四人群がっていたのである。その光景はまるで砂糖に群がるありのようでも合った。
(と、とりあえず助けねえと)
「お前達そこまでだ!!悪事のあるところ正義あり!!ひびきの生徒会長赤井ほむら見参!!」
 ほむらは声高らからに名乗りをあげると同時に跳躍した。
「必殺!!会長キィィィィィィクゥゥゥゥゥゥゥ」
 1番手前に居た男の顔面にはいり男はそのまま三回転半しながら吹っ飛んだ。
「くそっ」
 男達はほむらを取り囲むようにして襲い掛かったが
「どりゃぁぁぁぁぁぁ」
「うぉぉ」
 ほむらは右にいた男を掴むと左にいた男になげつけた。男達はもつれあい目を回した。
「ちっ…」
「観念しろ!!」
「あらら、不味いことになってるな」
 突如ほむらの背後から声がした。ここは舗装をされておらず地面は砂利そこをほむらの背後へと音もなく表れたのである。
「なっ…」
 ほむらはあわてて振り返り声の主を確認した。
「おまえは…木藤錬。まさかお前が…」
「そう首謀者。」
 ギリッ
 ほむらは歯軋りをして睨みつけた。
「なんでこんなことを答えろ!!答えないなら力ずくでも聞き出す!!」
「ならそうすればいいでしょ?」
 ほむらは錬と向き合い互いに構えた。
「とりゃぁぁぁぁ稲妻会長キィィィィィィィクゥゥゥゥゥ!!」
 ほむらは高らかに壁に向かって跳躍さらに壁をけりさらに飛翔し獲物を狙う猛禽類の嘴の如く錬に蹴りを放ったが錬はそれを避けようともせず逆にタイミングを見計らい上段蹴りを放った。そして…
 どがっん
 まるで爆発したかのような音が響きほむらが壁へと吹っ飛んだ。
「がはっ…」
 錬の放った蹴りがほむらの腹部をとらへほむらはそのあまりの痛みのため身動きできず悶絶した。
「さて如何したものか…」
 ほむらを見ながら錬は如何するかを思案にふけるとほむらは足をふらつかせながらも立ち上がってきた。
「くそっ…負けるかぁぁぁぁぁ!!!!」
 ほむらは残る力を拳に込め錬へと放った。
「まだ、そんな力があるとはしょうがない」
 錬は拳を身を屈めてかわし胸部にむかって両手の手のひらを軽く当て
「木藤流体術―鬼透(きとう)―」
 錬は足から腰、腰から手へと力を伝えその衝撃はほむらの体内へと染み渡った。
「はぐっ……」
 ほむらは気を失い前のめりに倒れこんだ。
「おっと」
 錬はそれを受け止め。
「仕方ない。行くぞメイ」
 錬は男達に襲われていた少女に声をかけた。
「はいなのだ。ご主人様」
「ちょっちょっと待てよ。」
 唯一難を逃れた男が錬に声をかけてきた。
「なんだ?」
「なんだって…おい、俺たちはお前のせいで…」
 そこまで言いかけて言葉を飲んだ。
「私の責任だと?」
 錬は目を細め睨みつけた。
「いや…その…」
「一様助けてやったんだ。それでも文句があるなら…」
「わ、悪かった。たすかったよ…」
「やられた連中はここに連れて行って治療して貰え。俺の名前をだせばタダで治療してくれる」
 錬は名刺を男に渡すと、男は仲間達に肩を貸しながらこの場を後にした。
「やれやれ、さてとさっさと運ぶか」
 錬はほむらを背負い電脳部へと向かった…


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