<<8月15日(月)24:00 葦挽樹海・黄湖周辺>>

 日本国内では、富士樹海に続く広大さを誇る葦挽(あしびき)樹海。
『それ』は、その外れで秘密裏に行われていた。

 樹海には、中心にある美しい湖である黄湖(おうこ)へと抜ける一本道以外一切の道がなく、ここもまた人の手の及んでいない自然の密林の真っ只中。
 そこにはか細い月明かりなど届かず、どろりとした漆黒の闇があるだけだ。

「んむっ・ぐっ・ふぅんッ・・・」

中本千秋は、未だ自分の身に何が起こっているのか理解すらできずにいた。
その小柄な体は自分の力の及ばない奔流に弄ばれており、ポニーテール髪が垂れ下がる方向に地面があるという事くらいしかわからない。
服を破かれ、剥がされ、ひっくり返され・・それから先は混乱でグチャグチャになってしまい思い出せないのだ。
ただ、上から下から横からと、一切その姿を見せずに襲い掛かる未知の感覚の中で溺れ、喘いでいる感覚だけがあった。
つい先程まで下肢を襲っていた激痛もいつのまにか消え失せており、聞いた事のない男たちの声と、無意識に口から漏れ続ける不思議な声を、どこか遠くに聞いていた。

「うおおおおぅっ!いいぜェ、こいつのフェラ。何せ、まだ中坊だ。幼いだけあって、おしゃぶりは相当得意と見えるぜぃ・・っ♪」
「おっ、マジ?じゃ、とっとと中にぶちまけたら、次はオレがお口を貰っちまおうかな?・・っと、それともお前が先ヤるか、ブロディ?」
「・・フンッフンッフンッフンッ!・・いや、オレはケツだけでいい・・」
「オイオ〜イ!オレッチにも早く回してくれよォ・・横から手入れてパイ揉みだけなんて、空しすぎるぜ。オークのやつじゃあるまいしよォ・・」

じめじめとした真夏の夜、そこにはモアッとした汗の匂いが充満している。
それは凶暴な雄たちの匂いだ。
先程から千秋を欲望のままに輪姦し続けているのは、いずれも劣らずガタイのいい4人の男たち、太い血管の浮き出たたくましい腕で非力な女子中学生の体を前向きにさせ、後ろ向きにさせ、時には持ち上げ、各々が休む間も惜しんで力強いセックスを楽しんでいる。

「オラ、花子ちゃん。せっかく褒めてやってるんだから、もっとガシガシ舐めてくれよ!」
「バッカ、あんまり虐めるんじゃないぜ、ダン?児童虐待で訴えられちまう。なぁ、ブロディ?」
「・・フンッフンッフンッ・・いい、ケツだ・・深い味わいがある・・」
「・・聞いてねぇし」
「うっ・・くふ・むぅぅっっ・・」
「おめェら、いい加減にしろヨ!いつまでオレッチを待たせるつもりなのヨ!『行動は迅速に』がモットーじゃねぇのかよぉ!」


しかし、一つだけ不可解な事があった。
一切の光がない密林の中、完全に視界を塞ぐ暗闇の中で、何故か男たちだけがお互いぶつかったりする事もなく自在に動き回っているのだ。
その秘密は彼らの服装にあった。
20代前半くらいに見える4人の男たちは、全員大体同じような服装をしている。
バンダナ、ノースリーブシャツ、丈夫そうな厚手のズボンとごつい革のブーツ、そして顔面の上半分を覆う奇妙な鉄の半仮面・・うち、バンダナ、シャツ、ズボンは皆、何段階か濃さの違う深緑が幾重にもうねり合わさった模様をしている。
それは、俗に迷彩色と呼ばれるものだ。

彼らが闇を物ともしない秘密は、その半仮面にあった。
後頭部で繋がるベルト、色は重量感のある鈍い黒、目を覆い隠す部分が特に特徴的で、カメレオンの眼球を思わせる突起がある。
その突起は筒となっており、先端のくぼみには赤いレンズがはめ込まれている。

――赤外線スコープだった。

「ちっ・・わ、悪ィけど、マジすげぇわ、このフェラッ・・一足先に・・発射させてもらうぜッ・・んんんッッ・・!」
「・・うぶっ・・ぅ!」

千秋の口を犯していた男がたまらず精を放つ。
『夏の暑さで腐りかかったゼリー』そんな形容が似合う液体が千秋の口の奥でビチャリと跳ね、そのままゆっくりと喉にずり落ちてゆく。

「・・うげ・・けほけほッッ!!」

幾らかが気道に入り、思わず咳き込むと、そのショックで意識を取り戻す千秋。
だがその瞬間、第二撃・第三撃が立て続けに彼女を襲った。

「・・オ、オレもイクッ!中坊のマ○コで・イっちまうぅっ・・っくぅぅっ!!」
「・・ムオオオオ・・いい、ケツだ・・っ!!」

年上の男4人がかりで組み伏せられ、千秋は満足に体をくねらせる事すら出来ない。
逃げ場を奪われたまま、体内奥深くに注ぎ込まれた熱いゼリーの感触。
意識を取り戻した千秋が再び意識を失うまでの刹那にできた事、それはただ一言、しぼりだすだけだった。

「・・い、イクぅ・・っ」

    ▽     ▽     ▽     ▽     ▽

それから約3時間後。
体中に生臭い匂いをたっぷりと染み込まされ、死んだように横たわる千秋の周りには、満足そうに荒い吐息を整えながら場を立ち上がる男たちがいた。
その肩には、結局出番のなかったモデルマシンガンやナイフなどが下げられている。

「フゥ・・ごっそさん、花子ちゃん♪もし子供がデキちゃったら、お父さんとお母さんに養育費を出してもらうんだぜェ?」
「ヒャッヒャッヒャ!オレッチのチ○ポの味も、忘れねぇでくれよナ♪」
「むぅ・・一晩で別れるには名残惜しいケツだが・・仕方あるまい」
「それにしても、不憫だよなぁコイツも。自分が売り飛ばされた事も気付いてないんだから・・」
「・・ガイ、もう暇はない。夜明けが来る前に引っ込むぞ・・」
「ヒャヒャヒャ、オークの奴の回収も忘れずにナ♪」
「よし、そうするか。これにてファーストミッションは終了だ」

そして、男たちは闇に溶け込むようなフットワークで場から姿を消した。
その場に取り残されたのは、深い静けさと、無残に破られた服と、少し離れた場所に転がったリュックだけ。
やがて、どこかから聞こえてきた鳥の声に、呼応するように千秋は体を起こす。
破られたシャツを羽織り、ショーツごと脱がされた半ズボンを穿き直すと、這うようにしてリュックに近づく。

「・・さぁ・・早く、帰らないと・・」

千秋は嫌にゆっくりと立ち上がる。
そして、おぼつかない足取りのまま深い深い森の奥へと歩いていった・・


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