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あれから数日、船は未だに海の上を進んでいた。ただ、その数日で
リースたちはかなり自身を取り戻していた。フェアリーとも、自ら
今後の予定を話し合い、次の方針は草原の国フォルセナに向かって、
その国の王たる英雄王に謁見して、精霊達の居場所を伺う事に決ま
ったのだった。ただ、リース達には気になることが一つあった。
どうして自分達がマイア行きの船、しかも獣人達が出陣した後こっ
そりとジャドを出港する予定だったという船に乗っていたかという
ことである。シャルロットは、
「きっと、あたちの美貌に誘惑された奴が牢から出してくれたんでち」
と言ったのだが、勿論そんな訳はなかった。
「おかしいよね・・・。普通考えて、私達を牢から出して、しかも
ジャドに戻ってこないようにマイア行きの船に乗せるなんて」
フェアリーがそういうと、リースもそれに肯き、
「そうよね・・・。あんなに私達を犯していた獣人達が、そう簡単
に私達を逃がしてくれはしないだろうし・・・」
そう呟く様に言った。だが、今は気にしてもしょうがないという事
に結論はたどり着いたため、その話題はそこで打ち切りになったの
だった。ただシャルロットだけは、
「こらー!そこのお二人しゃん!!シャルロットを無視するなー!」
と一人ぷんむくれていた。



だが、もう二度とあの悪夢のような快楽に支配されることは無い。
そう思っていた。やっと、普通の旅をすることができる。精霊達
を集わせて、マナの聖域に行き、マナの女神に自分たちの願いを
叶えてもらうことができる。その感覚に安心していた。けれども、
失墜への種は、もう十分に蒔かれすでに芽を出し始めていた。
その証拠に、あの話し合いから数時間後の深夜、リースは限界を
感じていた。目覚めてから三日ほどたったころだろうか。急に体
が火照り始めたのである。最初は単なる、獣人達による無理な性
行為のせいで体に何か異常が生じたのだろうかとも思った。だが
偶然船に乗り合わせていた医者に診てもらったところ、体には異
常は見られないとのことだったので、そのまま放置していたので
あった。だが、日時がたつにつれて火照りは激しくなり、遂には
抑えられなくなっていたのだ。思わず、幾度とも無くリースは己
の秘部に手を伸ばしかけていた。しかし、その度にフェアリーと
自分自身の理性とでそれを抑えていたのだ。
けれども、もうそれも意味を無くしかけていた。
「フェアリー・・・・ごめんね、私、どうしても抑えれらそうに
無いみたい・・・」
「しっかりしてリース!何のために、あんな仕打ちを受けてでも
生きようとしたのよ!マナの女神様にお会いして、行方不明の弟
を探し出すためでしょ!お願いだから、気を強く持って!」
「じゃあ、これをどうしたらいいの?日に日に体が疼いて、それ
がどんどん大きくなってくる・・・。耐えることがもう出来なく
なってきているの・・・お願い、早くどうにかして・・・・・」
「・・・・ごめんなさい。今は、私にもどうにも出来ないの。
マナの力が薄れてきていて、何とかしてあげたいのに何にもして
あげる事が出来ないなんて・・・」
こんなやり取りを何度繰り返しただろうか?疼きは夜になる度に
激しくリースの理性を襲い、それを食らい尽くそうとしていた。
(お願い・・・誰でもいいからこれを何とかして下さい・・・)
祈るような気持ちでリースはいっぱいだった。どんなに明るく
振舞っていても心は落ち着かなかった。何時、自分で自分が抑え
られなくなるかと思うと、気が気でなかった。思わず、泣き叫び
たくなるような、そんな心情だった。





そして・・・・・・そのときは訪れてしまった。
最後の理性で、誰も来ないような夜の甲板に出たリースは、
「もう・・・限界・・・許して、フェアリー・・・・・・」
そう呟くと、双脚を開いて自らの秘部に指をあてがった。
そのままゆっくりと下着の上から指を上下に動かすと、言い様の
無い気持ちよさが込み上がってきた。すぐに秘裂は愛液に濡れ、
そこから卑猥な音が聞こえ出した。
「あっ・・・これが、これがしたかったの・・・ああっ・・・」
そのまま指で秘裂を弄繰り回すと、またそこから快感が溢れる
ように感じることが出来た。だが、
「んんっ・・・でも・・・・・これじゃ足りない・・・・・・」
必死に戦ってきたリースがこれで満ち足りるはずが無く、更なる
快感を得ようと下着を上に引き上げ始めた。当然のことながら、
下着が脱げるはずが無く、逆にリースの秘部に食い込む形になり
秘裂や淫核に更なる刺激を与える形となった。
「ああっ・・・はああっ、あああ・・・」
リースには、もはや回りを気にする余裕は無かった。声はどんなに
押し殺そうとしても口から漏れ、辺りにそれが響き渡った。
見つかってしまえば、おそらくはまた男達に犯される事になるだろう。
けれども、それでも良いのかもしれないとさえリースは思っていた。
ただ今は、快楽さえ得られればそれでいい。それで良いのだと。
「ああ・・・っ!食い込みが・・・・・きつい・・・っ!」
引き上げられた下着は千切れそうなほどにリースに食い込んでいた。
痛みと快感とが一つとなって体を支配するその感覚は、まさしく
リースの望んでいたとおりに体の火照りを取り除いていった。だが、
「まだ・・・足りない・・・っ・・・こんなのじゃ・・・」
それだけでは不完全だった。深々と根を張っていた失墜の罠は、まだ
リースを捕らえて離さなかった。そのまま食い込ませていた下着を下ろ
すと、片方の手で秘裂を開いて、もう片方の手の指で直接淫核を刺激し
始めた。甲板の床はリースの秘部から零れ落ちた愛液が月の光を受けて
輝き、またそこに一人の淫靡な少女がいることを明確なものにしていた。

「ああっ・・・あっあっあああっ・・・」
そのまま、指の動きはそれが自然な形であるかのように肉壁の中へと
埋もれていった。激しい指の動きが卑猥な音を立て、それがリースに
ますます背徳を感じさせた。止まることを知らない回り続ける快楽の
渦に、リースは夢中になっていた。知らず知らずに腰は動いて、肉壁
を指が抉っていた。そのまま秘裂を開いていた手を上へと上げ、乳房
を揉みしだき、乳首を激しく摘みあげた。
「うああっ・・・ああっ・・・・いいっ・・・いいよう・・・・・・」
夢中だった。ただひたすらに快楽を得ようと指を動かし、陰部を弄った。
「はぁぁん・・・もう・・・・いくっ・・・・いく・・・っ!!」
そして、リースは絶頂に達していた。体はビクビクと震え、甘い余韻が
リースを満たしていった。




得られなかったものを得る、それがどれほど人を満たすのだろうか?
少なくとも、リースの疼きはこれだけでは静まることを知らなかった。
その後も幾度と無く、否応が無しにリースは自身を慰める事になった。
いつかフェアリーの言うように、マナの女神に出会って、自分を救って
もらえる日が来る、その時まで・・・・。



自由都市マイアはもうすぐそこに近づいていた・・・・・・。


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