契約
『ワシの名前は、メフィスト。お前の愛娘、真供鴉(マクア)の魂で召喚された悪魔、メフィストだ』
そう言ったのは、手首から大量の血を滴らせた、十歳になったばかりの私の愛娘だった。
「冗談は、止めるんだ。早く病院に行かなければ……」
爆笑する愛娘の姿をしたそいつ。
『信じられないと言うのか? ワシこそがお前が家族を犠牲にしてまで追い求めた、悪魔だと言うのが?』
唾を飲む私。
確かに私は、悪魔の研究に生涯をかけた。
周りからは、悪魔博士と揶揄され、からかい半分のテレビ番組しか仕事がなく、少ない稼ぎの大半も悪魔研究に費やした。
そんな生活を嫌い、妻は、目の前に居る愛娘を連れて家を出た。
しかし、愛娘を育てる為に始めた職場の男と恋仲になって行方不明、残された愛娘が私の元に帰って来た。
死んだような目をした愛娘に私は、何も出来ず、尚更研究に没頭した。
そして、研究費稼ぎの詰まらないテレビ番組の収録が終わり、携帯を見た時、信じられないメールを来ていた。
それは、まるで遺書の様な愛娘からのメールであった。
メールには、学校で虐められた挙げ句、売春行為をやらされて私に会わせる顔もないから、最後に私が望んだ悪魔を呼ぶ生け贄になるとあった。
信じられない思いで帰った私が見たのは、お香がたちこめる部屋いっぱい書かれた魔方陣の中心で秘蔵の魔導書に血をこぼれ落としていた愛娘の姿であった。
拡がる血の量は、確実に致死量に達して居る。
だから少しでも早く病院に行かなければいけない。
それなのに、私の体は、思うように動かなかった。
『体の自由が効かないだろう。それこそがワシのが悪魔だと言う証じゃ』
戦慄が走った。
こんな状況、愛娘が死にかけて居ると言うのに、私は、悪魔の存在に興奮していた。
そして悪魔、メフィストは、愛娘の割れ目を広げて告げた。
『愛娘の魂は、既にワシが喰らったが、肉体は、まだ生きている。滅ぼしたくなければワシと契約し、その代償として汝の生気を此処に注ぎ、ワシに捧げよ』
「娘を犯せと言うのか!」
私が怒りを放つとメフィストは、私のチンポを掴む。
『此処は、ヤル気でいっぱいみたいだがな』
悔しいがメフィストの言う通り勃起していた。
しかし、悪魔の言葉には、騙されない。
「これもお前の力だろうが!」
妖しい笑みを浮かべるメフィスト。
『その通りだ。しかし、このままでは、愛娘の死は、魔逃れないな』
「悪魔に体を弄ばれる位ならいっそ……」
悪魔研究する私には、解る。
悪魔の甘言に乗ったら最後、誰一人幸せには、なれない。
もがけばもがく程により最悪な状況に陥ってしまう。
「娘の体を悪用される位なら、ここで一緒に死んでやる」
私は、近くに灯された蝋燭に手を伸ばす。
これを倒すくらいなら今の私でも可能だ。
『いい覚悟だ。しかし、そうなると愛娘を自殺まで追いやった小娘達は、放置する事になるぞ? どうせ地獄に堕ちるなら小娘達に生き地獄に堕としてからでも遅くないて思うがな?』
私の脳裏にメールに書かれた虐めの数々が思い出された。
金持ちの傲慢さで、侮辱し、辱しめの限りを尽くしたお嬢様の後満(ゴマン)。
愛犬が自分よりなついた事を嫉妬し、飼い犬で執拗襲わせた飼育委員の室都(シツト)。
現実主義で私の事を嫌い、何かと憤怒し、文句を言い続けたクラス委員長の奮戸(フント)。
虐めの訴えを怠惰で無視した担任の鯛田(タイタ)。
自分の強欲な金儲けの為に売春行為を強要した先輩の小浴(コヨク)。
給食のデザートを人の分まで暴食しておきながら裏切った、親友の望丘(ボウク)。
そしてなにより色欲に溺れ実の娘すら捨てた母親の式誉(シキヨ)。
そんな奴等を残したままでは、愛娘も浮かばれない。
一人でも多くの魂を地獄に堕とす悪魔の計略なのは、判る。
しかし、それ故に、復讐の達成には、悪魔は、誠実に動いてくれる。
既に愛娘の魂が喰われた今、私の魂がどうなろうとかまわない。
それどころか、魂を引き換えに悪魔の研究が出来るのなら望むところだ。
私は、悪魔に支配された愛娘の割れ目に自分の男根を押し当てた。
愛娘との少ないが、大切な思い出が目の前を過る。
『愛娘を犯すのが嫌か?』
淡々と告げるメフィストに私が怒鳴る。
「当然だろう! たった一人の娘なんだぞ! その復讐の為じゃなければ誰がやるか!」
私は、涙を流しながら、愛娘の割れ目に男根を突き刺した。
愛娘の割れ目からは、出血は、ない。
それが虐めの、売春をやらされた証明だ。
私は、引き裂かれる思いの中、腰を動かした。
そして、愛娘の体に膣出しした。
『契約成立だ。復讐を始めよう』
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