○せつないマコト
その悲劇は、毎度の夏奈の意味不明発言から始まるのであった。
南家のリビングで昔のアニメの再放送を夏奈、マコト、内田、吉野で見ていた時、夏奈がポツリと言う。
「男は、そんなに電気アンマが痛いのかね?」
その一言に女装したマコト、マコちゃんが身をすくめる。
「それは、あんな事されたら……」
そんな発言に吉野が反応した。
「あれ、マコちゃんは、女の子なのに男の子の気持ちが解るの?」
無邪気な質問をする顔にマコちゃんが冷や汗をかき、内田に囁く。
「やっぱり吉野は、気付いてるよ」
内田は、悩んだ顔をしていう。
「どうかなー」
そんな中、夏奈が耳元で囁く。
「こうなったら身をもって証明するしかないな」
マコちゃんが慌てる。
「いくらなんでも我慢できないぞ!」
小声で叫ぶという器用な事をするマコちゃんに夏奈が言う。
「安心しろ。あたしも鬼じゃない。ちゃんと急所は、外してやる」
そういってマコちゃんを押し倒すと、素足で股間を踏みつけて宣言する。
「女の子の場合の検証をするぞ!」
その一言と共に夏奈は、電気アンマを執行する。
確かに夏奈は、金玉を避けるように足を当てていたが、マコちゃんは、顔を青褪める。
なぜならば思いっきりチンチンを刺激しているからだ。
「ほら、マコちゃんは、女の子だから痛くない」
夏奈の言葉に吉野が首を傾げる。
「でも、短い間じゃ解らないかも」
夏奈は、舌打ちをして、足の動きに上下をプラスしてやる。
「こんなにやっているのに大丈夫だろう」
夏奈がそういった時、マコちゃんは、膠着して、スカートにシミを作ってしまう。
「どうした?」
夏奈が慌てて抱き起こすとマコちゃんが虚ろな表情で呟く。
「何かが出た……」
色々と大変であったその後、着替えをして正体がばれたと落ち込むマコちゃんであったが、春香が注意する。
「夏奈、女性でもそこは、敏感なところだから、激しく刺激したら痛いのよ気をつけなさい」
「へ……」
まったく無駄な我慢をし、女装した状態で憧れの女性の妹からの電気アンマで精通をしてしまう、せつないマコトであった。
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