【 MCN登場人物一覧 】《 最終編 》




○「神崎 和馬」当主候補→当主→当主(大原財閥併呑)



 神崎家の次男(当時の当主、源蔵にとっては長子)として生を受ける。

 この異父兄となる因縁によって、次期当主の座を争うことになる。



 中学一年(当時十五歳)の際、草薙家の「新春会」に招かれ、草薙家の令嬢、弥生との婚約が決まり、二人の交際が開始されるが、僅か一年間で破局を迎える。

 次に弥生と会したのは、更にそれから一年後。異父兄、一樹の婚約者となっていた彼女であった。

 未だ彼女への未練が断ち切れたわけでもなく、それだけにこの展開に納得ができるはずもない和馬は、病状の父親から受け継いだ【MCN】によって復讐を開始する。

 他者の思考、行動を操作する【MCN】で、弥生を昏睡させ、身篭らせることに成功する。が、この報復が不当なものであったことが発覚。ほぼ同時に弥生と和解する機会と時間が持てたことで、この一件はとりあえず落ち着つくのだった。



 次の当主選出戦に向けて、異父兄を支持する草薙家を上回る後ろ盾を得るため、和馬は桜花中央学園に入学。ここで和馬は初恋となる、結城琴子と巡り会う。

 琴子を手に入れようと策動する中、新入生で三大美少女とも評された一人、宮森香帆を凌辱し、自身にとっても初めてとなる愛人契約を結ぶ。また隣家の雛凪つむじとも一夜を共にし、彼女を身篭らせる。

 【MCN】を駆使することで、待望の琴子を手に入れ、強引に自身の初恋を成就させる。またほぼ同時期に憧れていた学生アイドル、青山恵都とも愛人契約を結び、アイドルとの関係をフォーカスさせることで、自身の存在を強調させることに成功する。

 夏に入り、琴子との同棲生活を実現させた和馬は、琴子の彼氏であった人物と対面。既に【MCN】によって束縛された琴子の意思もあって、彼女の身柄を勝ち取った和馬であったが、その後味の悪さに影を落とす。

 そんな彼女との生活に没頭する一方で、三大美少女の一人、小泉とうあを孕ませる。



 だが、ここまで順風であった同棲生活も、秋に入ると一変。

 和馬の存在を(青山恵都との一件から)警戒しだしていた地元の有力勢力、篠原組の一人の暴挙によって、琴子は流産・・・・【MCN】を駆使していたことが仇となり、彼女は自らの生命を絶つ。

 初恋の琴子の死。それも自身の愚かな独占欲が招いた結末ともあって、悲嘆に暮れる和馬ではあったが、彼に届けられる訃報はそれだけに留まらなかった。



 都内に残してきた妹、和美の投身自殺。父親である源蔵の病死が、和馬のもとへ届けられる。立て続けに執り行われた葬儀に悲嘆する間もなく、父親の死によって、次期当主選出戦が開始。勝利を願う和美の遺書を読み終え、今は迷わず前進することを改めて決意する。



 即座に桜花市に戻った和馬は、側近の真田直人に命じて、篠原組への報復を開始。篠原組の組長である篠原啓二は、直人(当時ネムレス)の戦友であり、生命の恩人でもあることから、以降、和馬への協力を受諾。娘の千秋を差し出して、愛人契約を結ばせる。



 篠原組(表向きは篠原商会)の紹介もあって、大原財閥の令嬢、理恵の誕生日パーティーの式典に潜入を果たした和馬であったが、当の理恵から好意を寄せられ、潜入は失敗。大原財閥の総裁、大原泰三と正面から対面。

 が、この対面が功を奏し、理恵との婚約が成立する。



 だが、婚約披露宴からの帰宅の際、異父兄からの襲撃にあい、理恵共々拉致されると、およそ一ヶ月にも及ぶ監禁状態を余儀なくされる。

 直人の救援によって監禁が解かれると、暴挙に走った異父兄との決着をつけるため船体の最深部へ赴くが、一樹が自爆という共々道連れを選択。頭上に船体の一部が落下、という窮地に陥る。

 側近の献身によって、この窮地を脱することができた和馬であったが、これによって直人を永遠に失ってしまう。



 一樹の側近である、郷田聡によって救助された後、同じように救助された異父兄であったが、直人を失った憎しみもあって、二度と手にしない、と誓った蒙を破り、【MCN】を用いて異父兄をほぼ廃人化とさせる。



 かくして神崎家二十七代目の当主として、その座を確立させた和馬ではあったが、最大の助言者であり、最高の参謀でもあった真田直人を失い、失意の中での就任式を終える。

 だが、就任前後、当時の最大勢力、大原財閥とは険悪の関係もあり、予断を許さない状況下。大原財閥からの要求を、再三撥ね付け、一戦も辞さない構えを見せる。

 かつての許婚、草薙弥生の献身と、大原泰三の娘、大原理恵の懸命の嘆願もあって、条件を元に両家の矛は収められる。



 大原理恵との結婚に伴い、神崎家と大原財閥は合併。

 新神崎邸(静岡県)において、その根拠地となる。

 また桜花中央学園から転校。学生実業家となる。



 それから半年後、大原泰三が死去。

 その遺言に従って、大原財閥を併呑する。



 大原泰三の死と共に草薙弥生の《原罪》が解かれ、妻の理恵と一部の愛人、愛妾たちの手を振り切ってまで彼女を連れ出す。

 過去に【MCN】で彼女へ行った所業を告白し、その許しを請う。



 その就任一年目のクリスマス。

 華美な衣装を身に纏った愛人の青山恵都を始め、愛妾の二百五十三名を一斉に追放する。(千秋は弥生の助言に従い、香帆は妊娠のため入院につき、難を逃れる)

 以降、「神崎家では、クリスマスに喪服を着る」が定着する。

 同日。

 大原財閥を併呑した後、当主として懸命に奔走するも、一大勢力となった神崎家は、もはや空中分解寸前。真田直人の一周忌に際し、その故人の遺言に従い、その墓前で弥生には政務面、護衛面で郷田の協力を仰ぐ。

 二人の協力と事前に指示を与えておいた篠原啓二の尽力もあって、機を見て反旗を翻した反抗勢力を全面包囲。一網打尽にする。敗残となった反抗勢力の扱いは、和馬らしかぬ非道なものであったが、他の旧大原財閥への見せしめ、という意味もあり、手を緩めることは許されなかった。

 その結果もあって、神崎家の勢力はとりあえず一致団結する。

 その勢いのまま、沈静させた東北、北海道に視線を向ける。

 それから数年の歳月を費やし、

 遂に日本全土の企業を完全に掌握する。



 妻の大原理恵の余命が僅かとなり、彼女の最期の願いとあって、草薙弥生と結婚。新郎新婦が先妻を看取る、という不可解な一面を迎える。



 経済破綻の危機に窮した中東の連合国を経済支援。その代償として、連合国の王女の身柄、一部の国土の融通を獲得。その世界進出への橋頭堡となる足がかりを得ると、主に中国、韓国を相手にアジアの覇を競う。



 以降、神崎家の勢力増大に伴い、最終的に愛人の数が七人、愛妾の数が常時で三百人を越え、彼が認知した子供だけでも二桁を越える。





○「真田 直人」護衛→故人。



 和馬の忠臣にして、戦場帰りのスペシャリスト。

 篠原啓二とは戦友であり、結果的にだが、彼の生命を救った過去も。

 来日当初は常識に壁を感じて戸惑うも、知勇兼備の俊才を発揮。

 和馬の守役となって、主人を当主にするべく尽力する。

 一時期、同じ新任教師、宮森香純との交際が開始するものの、和馬への護衛の不手際から、離別を決意する。

 和馬が一樹の一派に誘拐されると、単身で船舶を強襲する。船体の一部が落下という和馬の窮地に身を挺して救い、最後は僅かな遺言と愛用の銃を手渡して、他界。

 来日した船舶を墓にして水没していった。



 この一連の事件の発端は、婚約披露宴を行った大原財閥の警備の失態にあり、もし彼が生きていたのなら、この事実を材料に交渉し、草薙弥生が《原罪》という罪過に甘んじることもなかったことだろう、とは彼と長年に渡って凌ぎを削った、郷田の言葉である。

 直人の死を晩年まで惜しんだ和馬は、その一周忌でもあるその日に、華美な衣装を身に纏う愛人、愛妾の全てを追放。また弥生との間で設けた男児に、和馬の「和」直人の「人」の一字ずつを与え、次期当主候補として冊立させるなど、如何に主人に信頼されていたかが窺える。





○「草薙 弥生」許婚→原罪→秘書→後妻。



 関東有数の由緒正しい名家の令嬢。

 新春会において、和馬と出逢い婚約を果たすも、和馬の異父兄の一樹と両親が結託したことにより、一樹に暴行され、その一樹の婚約者に仕立て上げられてしまう。

 そしてその詳しい背景を知らなかった和馬には、逆恨みを受け、【MCN】によって昏睡させられ、無意識のままで身篭らされる。



 だが、和馬の妹である和美の機転もあって、和馬と和解。暫しの時を一つの褥で過ごす。が、彼の未来を考慮して、自ら身を引く。

 後日、妊娠を自覚するが、和解の際の出来事と信じて疑わなかった。



 和馬が桜花市に引っ越した後、都内で一人、隠棲の生活を余儀なくされていたが、和美が亡くなるのとほぼ同時に、再び神崎家の動乱に巻き込まれていく。



 神崎家の新当主選出戦で敗退した草薙家の両親は、首を吊って自殺したことにより、草薙家唯一の生き残りとなった。だが、およそ一ヶ月に及ぶ一樹の凌辱によって、大原理恵の心身は破綻をきたしており、大原財閥の総裁、大原泰三の激怒をその一身に受けてしまう。

 大原財閥からの最終通告を撥ね付けた和馬には感謝しつつ、自ら《原罪》という身分を受け入れ、両家の激突を回避させる。



 大原泰三が存命の間、大原財閥の令嬢を辱めた、その《原罪》として、新神崎邸の正門において、来訪する一人一人に謝罪(土下座)する。また《原罪》のその期間は、理恵を妻に娶った和馬との接触を一切に禁じられてしまう。

 そんな過酷な期間、和馬との間で設けた最初の女子を出産。

 破水が起きるその直前まで、《原罪》としての役割を怠ることはなかった。



 大原泰三死後、《原罪》という身分から解放されるも、これが唯一の和馬との繋がりだと認識し、尚も《原罪》という役割を己に課す。その際、護衛や多くの愛妾に追われる和馬に連れ出され、およそ半年振りの接触を果たす。

 【MCN】で受けた所業の告白を聞かされても、和馬への愛情は決して揺らぐことはなく、和馬から求めてきた代償にも一夜の情事だけを求め、再び翌日からは、《原罪》という立場に自ら戻った。

 尚、このときに再び身篭り、和馬の次期後継者となる男児、神崎和人を出産する。



 青山恵都、及び、その他愛妾たちの追放に伴い、和馬から同伴の指定を受け、真田直人の一周忌に立ち合う。その際に政務面の補佐を依頼され、それがまた、故人である人物の遺志ともあって、これを受諾。



 和馬専属の秘書という立場となり、冷静な判断力から的確な助言によってサポートし、次第に周囲からの評価も改善。

 そんな最中、和馬の妻である大原理恵と面談し、和馬の後事を託して、後妻になるよう、強く薦められる。旧大原財閥の心象を考慮し、草薙の家名を完全に断絶させて、晴れて和馬と夫婦となる。



 以後、後妻としての立場を与えられた彼女ではあったが、目に余る和馬の女性関係にも寛大な姿勢で臨み、和馬の寵が月島鈴音(天才フィギュアスケーター)、吉田桜子(結城琴子の生き写し)らに遷った際、新神崎邸を辞去。

 尚、神崎和馬が様々な負債を感じて、その生涯、頭が上がらなかったという数少ない人物の一人である。





○「大原 理恵」正妻→故人。



 大原財閥の総裁、大原泰三の唯一の孫娘。

 桜花中央学園新入生、三大美少女の一人に評される。

 桜花中央学園在学する前に偶然、和馬と出会い、強い印象を憶える。

 もっとも在学中における彼の激しい女性関係や、結城琴子との同棲が発覚して、この淡い恋心の令嬢は、哀しみと切なさを禁じえないでいた。

 だが、自身の誕生日会場において、和馬の姿を発見すると、彼の視線が自分に向けられ始めたことを知り、無邪気に彼の想いを歓迎する。

 御祖父であり、財閥の総裁、大原泰三と引き合わせ、その誕生日会は一転して、婚約発表会へと発展。

 僅か一日にして、和馬との婚約が成立する。



 だが、彼女の幸福はここまでで、婚約披露宴の際、和馬の異父兄である一樹の一派に和馬諸共拉致されてしまう。日本を出国した船舶の中で、和馬の眼前で行われた、およそ一ヶ月に及ぶ一樹の凌辱。様々な薬物による妊娠と堕胎が繰り返され、心身ともに破綻をきたす。



 救出後。辛うじて一命を取り留めるものの、既に女性としての未来は閉ざされており、泰三の激怒は神崎一樹、及びそれを支援していた草薙家に向けられる。

 それでも和馬の妻となりたい、という哀願を御祖父することで、大原財閥と神崎家の対立は難無き得る。

 尚、結婚と心身の都合により、桜花中央学園を退学。



 直人一周忌のクリスマスでは、決して地味とはいえない衣装で和馬の不興を買うが、正妻という立場もあり、追放は免れている。



 神崎和馬の妻となった当初は、同じ男に破瓜され、尚も夫となった和馬の御子を出産し、愛情を寄せられる弥生に憎しみに近い感情を宿したが、同時に彼女を羨望している、そんな自分に気が付いていく。



 自分の死期を悟ると、当時、専属秘書となった弥生との面会を望み、僅かな間ながら親交を暖めていった。和馬に離婚を申し出て、後妻には弥生を推挙。存命中に二人の式を見届けたい、という強い希望が叶うと、それから一週後、二人に看取られながら静かに息を引き取った。





○「神崎 一樹」当主候補→廃人→故人。



 和馬の異父兄。頭脳明晰、容姿壮麗。プライドが高く、家族にも素直になれなかったことが、後々の激しい対立を招いてしまう。



 和馬の婚約者、草薙弥生の姿に欲情を憶え、秘密裏に草薙家と交渉した末、弥生を寝取ることに成功。その一年後には、彼女の心が再び和馬に戻ったことを知ったが、草薙家そのものは未だ自分を支持していることで、これを由とした。



 和馬が神崎家を去り、【MCN】で抑制(増長)された感情は、最愛の妹であった和美へと向けられる。無論、これまでの経緯もあって嫌悪されていることを知っていたが、専属シェフに昏睡させ、自室に運ぶよう手配する。

 異父とはいえ実の妹に手をかけ、これを繰り返した果てに、最愛の妹を投身自殺までに追い詰めてしまう。



 最愛の妹の死に失意を抱きながら、父、源蔵の死去を知る。

 草薙家の後ろ盾もあり、当主選出戦で勝利を確信していたが、大原財閥の出現で、その立場が一転。

 婚約披露宴の情報を入手し、大原財閥の令嬢、理恵と和馬を拉致。その最後の賭けに出る。およそ一ヶ月に及ぶ薬物と凌辱の末に、理恵の意識を粉砕させ、牝奴隷にまで仕立て上げる。

 だが、信頼していた郷田の裏切りと、単身ながら直人の強襲を受けて、海上の船舶で追い詰められ、和馬諸共自爆を試みる。



 船舶の沈没寸前、郷田に救助され、辛うじて一命を取り留めたものの、直人の死によって逆上した和馬の【MCN】で、ほぼ廃人化させられてしまう。



 その後は静かな山荘で、屈辱的な生を与え続けられる。

(顔面と股間以外の行動不能。最低の睡眠以外、流されるエロ画像を見続けさせられる)



 高校の親友である、ケール・マイスナーがもたらしたDNA細胞変換薬により、復活。(ケールとしては、【MCN】の存在を確認する、組織の役目もあった)

 だが、DNA細胞の変化により、残された余命は意外と少なく、和馬や当時、後妻となっていた弥生へ復讐を遂げられる前に、絶命。

 哀れなピエロを最期まで演じ続ける。





○「神崎 源蔵」当主→故人。



 神崎家二十六代目の当主。和馬、和美の父。旧姓松伏。

 保証人問題で家族が離散し、苦学生から神崎家の使用人、その当主にまでに立身。落ち潰れた神崎家を一代で、都内でも有数の資産家に成長させるほどの器量人であった。

 また人材を見る目も確かで、当時、殺戮マシーンであったネムレスに真田直人という名前を与えて、一流の教育を施している。また早々に郷田を見出しては、護衛としての役割を託す。唯一の失敗は、執事(旧恩師)の採用であっただろう。

 確かに大胆かつ豪快な性格は褒められたものではなかったが、それでも一代で(後日、和馬の基盤となる)神崎家を発展させたことから、一大傑物であったことは間違いない。

 だが、名門という格式に拘りを捨てきれず、それが一樹への反発、また草薙家の「新春会」に及んでいる。

 自らの死期と、受け継がせる時期を見計らって、和馬に【MCN】を託す。



 晩年は入退院を繰り返し、闘病の生活を(和馬の時間を稼ぐためにも)余儀なくされたが、彼にとって唯一の救いは、娘の死を聞かされることなく他界できたことであろうか。





○「神崎 和美」令嬢→故人。



 神崎家の令嬢。一樹(異父兄)、和馬の妹に当たる。

 誕生と同時に母親が死去し、父の源蔵も多忙の日々を極めたために、幼少のころから、兄たち(特に和馬)に依存する。所謂ブラコン。実兄の第二ボタンを取得するために、他人の名で確約しておくなど、また性格も抜け目ない。

 また和馬の婚約者、弥生の良き理解者であり、協力者にもなったが、婚約解消直後、理由不明の一年間は、裏切られた、という思いもあって相当に頭にきていた模様。



 幼いながらも母親の生き写し、また(その母親を敬慕していた)一樹が【MCN】によって負の感情を抑制(言い返れば、増長)させた、その結果、自身に不運を招いてしまう。

 異父兄の指示によって、神崎家の専属シェフが食事に睡眠薬を盛り、昏睡した後に異父兄の寝室に運び込まれてしまう。そして一樹からの一方的な愛情を小さな身体に当てられ、彼女自身も夢の中で、誰か(和馬?)に抱かれていると認識はする。

 起床は自分の寝室であり、夢か・・・・と処理する一方、こんな日々が続いた後、和美は自分が妊娠、異父兄の胤を宿してしまった事実を知る。



 その事実を誰にも(特に和馬には)知られたくはなかった彼女は、和馬宛の遺書には和馬自身の未来を願い、当主選出戦での勝利を綴った。

 もう一通の弥生宛の遺書には、真実(自分が異父兄に抱かれ、妊娠させられてしまったこと)に触れ、これが秘密裏に処置されることを、彼女に託した。

 こんな事実を知られるぐらいなら、と小さな少女は投身までに躊躇いを憶えなかった。

 尚、彼女の遺書を受け取った弥生は、その最期の願いを遂行。鑑識にも彼女が立ち合い、終生、和馬にさえ打ち明けることはなかった。





○「郷田 聡」護衛(一樹)→護衛(和馬)



 神崎家の護衛役として勤め、一樹の守役となる。

 大柄な体格と寡黙な人格からして誤解されがちだが、管理体制の運営と防衛面の指揮は、個人としても指揮者としても優秀な人材である。



 一樹が弥生の凌辱を行った際は、護衛から外されており、当時は彼の知りえるところではなかったが、事態の流れからおおよその見当はつけていた模様。またこの時点では、確かに一樹にも、まだ同情できる部分はあった。



 主人(一樹)への忠誠を鈍らせたのは、大原理恵の拉致、及び、その凌辱後のことである。

 ただ表立って反逆できる立場でもなく、一樹も知る和馬の携帯(発信機付き)を陽動の車両に預けた一方で、監禁時に発見したもう一つの発信機機能(弥生が贈った時計)に気が付いたが、敢えてそれを黙認している。

 もし、その時点で時計を処分していれば、直人は尚も和馬の所在を掴めずに、理恵の凌辱期間は更に一ヶ月は延長、完全な一樹の牝奴隷に仕上がってしまっていたことであろう。

 また直人が救出に到着した段階で、まずは異父弟、和馬を射殺しようとする一樹の銃弾を、その身を挺して庇ってもいる。

 一樹が自爆、という手段を選んだのも、忠実な彼にまで見放された、その結果のことであっただろう。

 爆発によって沈没を余儀なくされた船舶の最深部で、浸水しても尚、絶命した側近から離れようとはしない和馬を強引に引き離す一方、主人にそこまで思われる直人の立場を羨望もしていた。



 和馬が二十七代目の当主に就任し、郷田は再び、ただの一護衛官としての立場に戻ったが、先の一件が和馬から信任を得るきっかけともなった。

 泰三が亡くなり、和馬が《原罪》として貶められていた弥生を新神崎邸から連れ出した際に、協力もし、また明後日までには戻る、という連絡も彼の携帯が受けている。

 彼も弥生には負債を感じている一人ではあった。



 直人の一周忌の際に護衛面、組織運営面でのサポートを依頼され、弥生と共に受諾。以降、専属秘書となった彼女と共に、和馬の護衛役として補佐していく。





○「大原 泰三」大原財閥総裁→故人。



 九州を根拠地におく西日本最大勢力の財閥の総帥。理恵の御祖父。

 唯一の肉親となってしまった孫娘を溺愛する。が、老いても尚、威厳と存在感を併せ持つ巨人には変わりなく、孫娘の誕生日式典に忍び込んだ和馬の存在を「神崎の子倅」と一蹴もしている。

 一方、源蔵の懐刀、と称された直人の存在には一目していた。



 その目に入れても痛くないほどに溺愛した孫娘が、都内の野心家であろう若造を連れてきた際、その不貞な輩の身を二つに引き裂こうか、と考慮したものである。

 ただ孫娘の哀願、嘆願には極端に甘く、また和馬自身の立ち向かおうとする気概には好感を憶え、孫娘の想いを遂げる代わりに、和馬の後ろ盾になることを確約する。



 だが、後日の婚約披露宴において、理恵、和馬が誘拐されてしまい、救出後の孫娘の姿には、目を覆いたくなるほど悲惨な状態であった。

 当事者である神崎一樹は廃人化しており、彼を支援した草薙家も一名を除いて他界している。

 無垢だった孫娘が受けた悲惨な仕打ちを思えば、弥生個人に怒りを向けるしかなかったのである。

 生きてきたことも後悔するであろう、もっとも残虐で狡猾な手段でもって辱め、苦しめ、そして、じっくり殺してやるつもりであった。

 だが、神崎家二十七代目の当主に就任した和馬は、弥生の身柄の請求に拒否。圧倒的な不利も意に解さず、頑なにこちらのたった一つの請求を拒んだ。

 緊迫した空気が流れる中、この事態を沈静化させたのは、当の弥生自らが出頭し、どんな処分でも辞さない構えを見せ、また意識が戻った孫娘自身が、形式上だけでも和馬の妻になりたい、と嘆願されたことであろう。



 新神崎邸において孫娘婿となった和馬に帝王学を授ける一方、《原罪》に貶めた弥生との接触を許さなかった。和馬の女性関係はともかく、少なくとも娶った孫娘よりも、重きに置かれていることが明白であった。

 たとえこの大原財閥を敵に回してでも、と。



 泰三が死期を悟り、その後継者に孫娘婿とする一方で、臨終をする寸前に和馬を呼び寄せ、最期の願いを口にする。

 もっともその願いは、数年後、孫娘自身の口によって破棄を希望されることになるのだが。





○「篠原 啓二」篠原組組長→神崎グループの重鎮。



 桜花市を地元とする有力勢力「篠原商事」(篠原組)の組長。

 若い頃は相当な暴れ者として名を馳せ、自ら志願して中東の戦線に飛び込んだ向こう見ずでもある。またその際に、戦場の恐怖を骨の髄まで叩き込まれ、瀕死の状態のところをネムレス(後の真田直人)に救われた。



 青山恵都の一件において和馬の存在を無視できなくなった啓二は、構成員の数名に警戒するよう指示。だが、構成員の一人の暴走により、和馬の報復を呼び込んでしまう。

 当初は若造程度に見なしていた点は、後の和馬の後ろ盾となる泰三と変わらないが、異なることは、和馬に付随する人物を全く警戒していなかったことだろう。(情報力の差)

 報復戦開始、僅か二時間足らずで、既に組は壊滅な(死者、味方の誤射による二名の)損害を弾き出し、啓二を唖然とさせたが、それが戦友の直人、ネムレスだと解かると一転。和馬への臣従を申し出、ことの発端となる構成員の身柄と、一人娘の千秋の身柄を差し出した。

 尚、この構成員は暴力団同士の抗争で死去、という形で処理されている。



 和馬の次の狙いが大原財閥だと知ると、自身の知己を介して、理恵の誕生日式典の招待状を入手するなど、優れた行動力と決断力を見せる。

 また一樹よる誘拐事件が発生すると、直人の指示により、日本全土を捜索させるなど、他の勢力との連携も見せるなどの人望を得ている。



 直人の死後、大原財閥との険悪な関係、圧倒的な不利で覚悟を決める。この際に一人の構成員が離反を薦めるが、この意見を一蹴する。娘を質に取られている、ということも理由にはあるが、それ以上に亡き直人への恩義が彼の立場を不動とさせた。



 泰三死後、神崎家の重鎮の一人となるが、旧大原財閥の勢力の「反神崎家」「怨草薙家」の意識を払拭することは不可能で、当主、重鎮共々奔走に翻弄される。

 事態の改善が見られたのは、直人の一周忌後のこと。

 早急な、そして的確な指示が届き、啓二としては行動力と決断力の見せどころとなる。反神崎家の立ち上げの事態は予期され、彼らが結成式を行おうとしていた際に先制。瞬く間に反神崎家の勢力を沈黙化させる。







 《 友人 愛人 》





○「結城 琴子」学生→故人。



 桜花中央学園の音楽科に所属。海外留学の彼氏あり。

 和馬の【MCN】によって、最も運命を翻弄されてしまった少女。

 中学三年の卒業間際、初恋が実り、遠恋が開始されたばかりだった。



 和馬の初恋の相手であり、当時、【MCN】の魔力に取り付かれていた彼は、その力を駆使して彼女を手に入れようと躍起であった。

 琴子の排卵日に合わせて、彼女から抱かれるように求めさせ、処女喪失させると、生の膣内出しを果たされてしまう。五月の大型連休、昼夜問わず抱かれ続け、妊娠はほぼ確定。【MCN】によって出産することまでも義務付けられるなど、およそ遠恋の彼氏には聞かせられない、内容ではある。

 彼女が妊娠を自覚する前に、校内に(親友から)妊娠説が流れ、和馬の停学(自身から指示させた)処分が下され、彼女自身に休学まで追い詰める徹底ようである。また妊娠を自覚させると、その出産費用と引き換えに和馬の愛人となり、二人の同棲生活が開始する。



 和馬の女性関係は当時から夥しく、彼女との同棲生活中でも、青山恵都、小泉とうあ、宮森香帆の三名と、琴子が在宅中にも関わらず、その御乱行ぶりであった。

 夏に帰国した彼氏と対面するものの、自身の余りの変わり様に会わせられる顔もなく、また【MCN】の呪縛にも逆らえず、彼との交際に終焉を告げる。

 地元で有力の組織、篠原組にマークされ始めた和馬と同棲していたことが災いし、その一構成員に暴行され、和馬との子を流産。「MCN」で出産を強要していたことが、彼女を自殺にまで追い込んでしまう。和馬の手を取り、その最期まで出産できなかったことを詫び、短い人生に幕を閉じる。



 彼女の死後、和馬もまた父親の(母親を死に追いやってしまった)悲劇を繰り返し、この一件を境に【MCN】の封印を決意する。

 直人の死によって、その誓いは一時的に破られることになるのだが。





○「青山 恵都」学生アイドル→愛人一位→追放→女優。



 子役上がりの学生アイドル。和馬が熱烈のファンであった。



 和馬より一つ年長。

 大きな後ろ盾もなく芸能界で生きてきたが、その限界を感じ始めていた際、直人からの接触に応じる。和馬と愛人契約を結び、神崎家(和馬)が興したプロダクションに移籍。

 以降、神崎家のプロパカンダ的な役割を担う。

 また同時期に直人の指示により、二人のデート場面をフォーカスさせることでスキャンダルを演じ、和馬の存在をアピールに協力する一方、自身も芸能界での存在を強化するなど、強かな一面もある。



 和馬が二十七代目の当主に就任する同時に、愛人一位(順位はあくまで形式的なものとされたが)として君臨。また妻となった理恵が性交できない事情と彼女自身の多忙な日々もあって、参列の際には、優先的に和馬の寵愛を受けた。(そのため、当時の愛人である、千秋と香帆との仲は芳しくなかった)

 また本質的に強気な気質が、《原罪》の弥生に対し、嘲りを口にする急先鋒な存在でもあった。

 和馬が新神崎邸の建設に伴い、桜花中央学園を転校したが、彼女自身は桜花中央学園の芸能科に残留。通学日数免除もあって在籍した。



 直人一周忌のクリスマスでは、愛人としての立場を剥奪され、他の愛妾共々追放の憂き目にあう。大半の愛妾が謝罪を入れることで帰参が許されたが、和馬の愛情が劇中の自分にあったことを知っており、潔く身を退けた。

 追放後も神崎家のプロパカンダは継続し、和馬も公的な支援までは断ち切ることはなかった。

 尚、和馬との間に一子を設けており、彼の認知を得て、その息子には神崎の姓が許された。





○「篠原 千秋」学生→愛人二位。



 篠原組の組長、篠原啓二の一人娘。和馬より二つ年長。

 表向きはともかく極道の娘とあって、武道を嗜み、当主の和馬や後妻となった弥生を護った経緯もあり、終生に渡って和馬から信頼された。



 和馬との最初の邂逅では、当時の夥しい女性関係(香帆、つむじ、琴子、恵都の四名)とあって軽蔑する。



 琴子が自殺する元凶に、篠原組の関与は免れようもなく、報復を望んだ和馬の命を受けた直人からの襲撃、その直人と父親の啓二が戦友であり、また命の恩人という過去もあって、その身柄を差し出されてしまう。愛人契約を結んだ後、身体を重ねるごとに情を深めた。



 和馬の当主就任の際に、愛人二位として叙され、その和馬が転校していった後、二ヶ月待って桜花中央学園を卒業。その間、新神崎邸から桜花市まで往復する日々を迎える。

 また年齢が近いということもあって、弥生とは相性が良く、彼女の《原罪》時代から友好的な関係を維持。和馬が弥生を新神崎邸から連れ出し、二人と擦れ違った際には、自ら囮役を担い、追っ手の愛人、愛妾たちを先導もしている。

 その甲斐もあって、直人一周忌に弥生から(無言の)指摘を受け、愛人愛妾の追放、という憂き目から逃れることに成功。

 尚、後々に定着する「神崎家では、クリスマスに喪服を着る」を最初に口にした人物でもある。



 弥生が後妻となった後も友好的な関係を維持し続け、和馬との間に男児を一人、女子を三人、出産。男児には神崎の姓が許され、和馬の後継者候補の一人に目された。





○「宮森 香帆」学生→愛人三位。



 桜花中央学園新入生の三大美少女の一人。

 桜花市に越してきた和馬のクラスメイトで、桜花市における最初の犠牲者となる。また、愛人契約を結んだ愛人の中では一番早く、最も長く和馬と関係。性格も温厚で、誰とでも仲良くなれるという人格の持ち主。(唯一、恵都からだけは敵視されたこともあり、苦手意識があった)



 両親が多額の借金を残して他界し、姉の香純と二人暮し、という経済的な苦境もあり、桜花中央学園には推薦を得て入学。だが、生活費も厳しい経済的な理由から、校則違反のアルバイトに従事し、その現場を和馬に発見されてしまう。

 校則違反の黙認、また和馬から、自身の愛人という仕事を提供され、愛人契約を結ぶ。香帆の都合に合わせ、関係を深めていく。また和馬と琴子が同棲時には3Pも体験。



 和馬が当主就任の際、愛人三位となるが、一位の恵都は学生アイドルとしての名声、二位の千秋には篠原商会という後ろ盾があり、この順位も妥当なものであると理解する。

 もっとも正妻の理恵を始め、他の愛人が桜花中央学園に在籍したのに対し、彼女は和馬と一緒に静岡の高校に転校。正妻の理恵からは転校先での恋人役を任されるなど、最も多く和馬に抱かれる機会に恵まれた。

 そのため、和馬との間に設けられた子供は一番多く、八人。(その全てが女子)



 《原罪》時代の弥生には静観を決め込むが、嘲りをする愛妾たちを嗜めて彼女を擁護するなど、後の後妻となる彼女と友好的な一因ともなる。

 直人一周忌における愛人愛妾の追放の際は、自身が出産のために入院中だったこともあるが、弥生同様、和馬にとってその一日が、どんな日であるかを理解していた数少ない人物である。

 また追放された愛妾たちが謝罪を申し込む際に、仲介役を最も多く求められたのは、彼女の人徳によるところではあろう。



 高校を卒業する際に、三人目を妊娠。

 和馬はそんな彼女に対し、新たに宮森家を創設して彼女に報いた。





○「都々御 遥人」学生→神崎グループの重役。



 桜花中央学園の和馬のクラスメイト。和馬にとって生涯に渡る親友の一人に挙げられる。学力は平均すれば平凡だが、とにかくも波が激しく、首席に迫る勢いを見せれば、最低まで落ち込むなど安定性に欠ける。



 和馬とは中学時代の知己、つむじを通じて知り合い、意気投合。

 和馬が転校後も、メールなどのやりとりを絶やさず、その関係は生涯に渡って続けられる。

 高校卒業後、和馬の推薦を得て、神崎家が直営する企業に就職。同時に幼馴染の小泉とうあにプロポーズして、結婚。



 尚、和馬が桜花中央学園に在学時に、妻となるとうあと関係、彼の子を妊娠して出産していることに気が付くことはなかった。



 就職後は順調に(当主の推薦入社ともあって)出世を果たし、最終的には幾つもの会社を任せられる重役にまで立身。学生時代における学力の評価とは異なり、「遥人に任せれば、業績の上昇こそ芳しくはないが、下降の心配は全くない」とされる。

 和馬が後に、アジアの覇者と称されるその功績に、貢献したその一人ではあろう。





○「小泉 とうあ」学生→主婦(都々御)



 桜花中央学園新入生、三大美少女の一人。遥人の幼馴染。

 身体的に発育が良く、性格も天然系ではあるが学力は優秀。また雛凪つむじとは中学時代からの親友でもある。



 和馬との面識も、その親友を介してのことであるが、遥人たちと同様に意気投合し、以降、和馬が転校をするまで登校を共にする。

 尚、桜花市に引っ越した和馬が最初に「MCN」を用いて抱こうとした人物でもある。だが、身体的な発育とは一転、生理が未だ訪れておらず、「MCN」の効力が発動した、初めての排卵は、夏休み期間中のことであった。(当時、和馬は琴子と同棲中)

 琴子が盗み見るの承知で、とうあを抱き、彼女を妊娠させる。

 妊娠の傾向が顕著になってきた頃合に、(和馬が申請させておいた)海外留学の認可が下り、あくまでも秘密裏に女子を出産。子供は施設に預けられたあと、和馬の正妻となった理恵の養女となる。



 高校卒業時、遥人からのプロポーズを受け、それを受諾。

 尚、【MCN】により、和馬に抱かれ、妊娠出産も彼女の記憶からは抹消されており、遥人との子宝にも恵まれ、幸福な家庭を形成する。





○「谷浦 虎太郎」学生→神崎グループの統括。



 通称「コタ」桜花中央学園の和馬のクラスメイト。

 秀才タイプだが、決してガリ勉ではなく、親しみやすく何ごとにも温厚的に接する。和馬が終生、親友に挙げる一人。

 遥人とは小学校時代からの親友。



 和馬が転校後、遥人とは違って一線を置くことになるが、その個人的な事情を除けば友好的な感情しかなく、高校卒業後は和馬の推薦を受けて、神崎家直営の企業に就職。

 遥人よりも出世のスピードが速く、最終的には神崎グループの統括を任され、神崎家の勢力増大に貢献していく。

 高校在学時から交際のあった、雛凪つむじと結婚。



 尚、先の個人的な事情・・・・和馬とつむじの関係、妻となった彼女が和馬の子を出産したことに、薄々感付いていた。

 自身と交際する以前の出来事だと認識し、その親友が何も言わず、妻も黙認している以上、彼自身も静観する姿勢をその終生まで貫いた。



 神崎家が世界進出を果たし、新たに親密な関係を築こうとする企業からの接待を受け、本社の人物の立ち合いを依頼。(それに当主自身が赴いてくることには予想外だった)その甲斐もあって、和馬が最後に愛人とする少女、芳野桜子との現場に直面をする。





○「雛凪 つむじ」学生→主婦(谷浦)



 桜花市に引っ越した和馬の隣家の長女。一つ下に出来の良い妹がいる。

 表面的には好感を憶えられる性格であったが、幼少の頃から両親に妹と比較され、同級生からは親友のとうあと比較され、非常にコンプレックスを抱き易い本質があった。

 その性格に伴い、彼女は取り返しのつかない事態を招いてしまう。



 幼少の頃から「コタ」のこと、谷浦虎太郎に好意を寄せていたが、妹に(在学中はとうあにも)比較され続けてきた生い立ちから、自身には全くの自信がなく、告白することに二の足を踏み続ける。

 そんな最中、妹がコタに想いを告げる、と宣告。後日、それが誤解だった解かるが、彼女の受けた衝撃は大きく、告白なんてできない身体にしてやろうと画策する。

 桜花市で暗躍する【友卵会】に連絡を取って、その創設者の立花道雪と対面。妹の処女喪失孕ませ輪姦を締結させる。道雪から薬物を受け取り、妹を昏睡させると、妹を買った男たちに輪姦させたのである。

 後日、妹のコタへの宣言は、自分に向けての発破、早く告白させようとした、誤解であることが判明。しかし、引き起こした事態は取り返しようもなく、その妹は後日、妊娠が発覚。昏睡記憶障害の薬物により、妊娠を宣告された妹の衝撃は凄まじく、部屋に塞ぎこんでしまう。



 だが、その元凶が姉にある、と解かっても、妹はそこまで追い詰めてしまった姉の状態に謝罪し、彼女を慄然とさせた。



 「コタ」への告白を決意し、だが、その前に妹への贖罪を自身に課した彼女は、自らを「可愛い」と評した人物に抱かれることを戒める。

 彼女が和馬に課した条件は、愛撫なし、処女喪失による苦痛もお構いなし。安全日と偽り、膣内出しすること。かくして彼女は耐え難い激痛の中で和馬に抱かれ、妊娠する。

 告白をして「コタ」との交際を開始する一方、妊娠の事実を告げる和馬に出産費用を工面して貰い、出産期間の休学の名目を用意する。

 尚、とうあの出産した女子と同様、出産した女子は、一旦、施設に預けられた後に、正妻となった理恵の養女になっている。



 高校卒業後、「コタ」のプロポーズを受け、結婚。

 その後も、和馬に抱かれて、彼の子供を出産したことは尚も内密にしてあり、親友(とうあ)の家庭よりも後ろめたい心境ではあるが、自身が招いた結果だと受け止めてもいる。







  《 大原財閥併呑後 及び 友卵会関連 》





○「芳野 桜子」新人ホステス(初日)→愛人(和馬)



 和馬が生涯でもっとも愛した少女、結城琴子の生き写し。



 五千万の借金を残して両親が他界。

 そこまでの事情は香帆と酷似するが、彼女と違って桜子には姉という存在もなく、高校を進学することすらままならなかった。

 借金返済の肩代わりされる代わりに、十五歳という年齢を承知で、銀座の悪徳金融クラブに身売りさせられてしまう。

 一億を稼ぐまでは自由になれない、という厳しい条件を突き付けられて。



 完済を目指した初出社の日、クラブに神崎グループの統括である虎太郎と和馬(この時点では、神崎とは名乗らず、あくまでも高校からの同期、としか自己紹介をしない)が新規取引先からの接待を受けていた。

 新規取引先からの提案は悪いものではなく、だが、だからといって良いというわけでもない。取引の交渉は虎太郎に一任する一方、指名待合室で待機する彼女を見かけたとき、さすがの和馬も呆然とせずにはいられなかった。

 こうして桜子は初めての指名を、和馬(個人)から受ける。

 短いやり取りの中で彼女の事情と背景を知った和馬は、クラブのオーナーに百億の小切手を差し出し、彼女の身請けを申し出る。

 小切手を受け取ったオーナーは断ることができなかった。

 金額も然ることながら、その小切手の名義を見て、その人物が何者であるのかを示してもいたのだから。



 かくして桜子は僅か一日・・・・たった三十分足らずで、クラブから和馬に身請けさせられてしまう。尚、和馬は桜子を連れて退店する際、この出逢いを実現させた新規取引相手の提案を全て受けるよう、虎太郎に指示する上機嫌であった。



 新神崎邸に連れ込まれた桜子は、広大な建物と参列する人物たちの華美な衣装に唖然とさせられた。その最上階では、後妻の弥生を始めとする、愛人の千秋、香帆、鈴音、菜雪などに対面。後妻と愛人が仲良く談笑している(確かに異常な)光景にも唖然させられるのであった。



 以降、和馬の生涯に渡って、最も同伴を求められる愛人となった桜子であったが、彼女が初めて和馬に抱かれた日は、約半年後のことと、愛人の中では鈴音に次いで遅い。

 和馬が【MCN】を用いずに、本当に彼女から心を開くまで破瓜を待った。彼女を大切に思う、その結果ではあったが、約半年間も愛撫だけで、本番のお預けを受け続けた彼女も哀れではある。

 尚、彼女を妊娠させるつもりがなかった和馬ではあったが、彼女自身がせめて一人だけでも、という要望に負け、女子(認知した子供の中では末女)を出産している。





○「月島 鈴音」学生→退学→愛人(和馬)



 北海道出身の天才フィギュアスケーター。和馬より一つ年下。

 父親不在で貧しいが、桜花中央学園に特待生として入学。

 親友に皆川財団の令嬢、皆川麗華。

 ※尚、鈴音と麗華の出生の秘密は、鈴音の母親(月島茜)の乳児交換によって複雑。鈴音の本当の母親は皆川葵(麗華の母)であり、実の父親は立花道雪である。(詳しくは道雪の友卵会創設時を検証)



 中学時代に全日本ジュニア選手権を制覇。特待生の推薦を得て、桜花中央学園に進学を決意。親友である麗華の進学は既に決まっており、また三年間を一緒に過ごせることを無邪気に喜ぶ。



 フィギュアスケーターとしての実力は本物で、小柄な体格から女子では最高難度とされるトリプルアクセルから、トリプルアクセルへのコンビネーションをこなし、桜花中央学園に進学した後も、全ての大会で表彰台の頂点を飾るなど、およそ順風な学園生活の一年目に見えた。

 だが、麗華が立花道雪と対面。

 既に鈴音は自身の排卵日に薬を盛られ、三日間にも及んだ凌辱行為(処女喪失膣内出し妊娠レイプ)をされている状態であった。ただし昏睡記憶障害の薬物により、その三日間の記憶が鈴音にはなく、次の大会に向けて調整を進めていたときのことであった。

 妊娠による腹部の陣痛でバランスを崩し、同じ練習生のエッジによって靭帯を断絶。事故当時はこれまでの実績から、相手の過失と見なされていたが、診断の結果、鈴音の妊娠、およびその流産が発覚すると、その立場は一転。

 鈴音は特待生としての待遇を剥奪されたばかりか、退学処分を余儀なくされてしまう。



 負傷した足を引き摺って北海道に戻った鈴音は、冬休みに帰省した麗華と母親の会話を偶然に耳にし、全てがこの二人、この本当の親娘によって仕組まれたことであったことを知ってしまう。

 絶望のあまり、海岸から投身自殺を図ろう、としていた際、同じ海岸で(亡き直人を思い)海を眺めていた和馬と邂逅を遂げる。



 和馬は亡くなった生命の大切さを説く一方で、鈴音の儚いまでの可憐さに魅了され、秘書の弥生、皆川家の式典に同伴予定の愛人の千秋に身柄を預け、二人にコーディネイトされた鈴音を同伴させて式典に臨む。

 祭典の主催する皆川家唯一の令嬢である麗華が、自身の愛妾の一人と知りながら、鈴音をその上位である愛人として紹介。僅かながら彼女の報復を手助けする。



 新神崎邸においては、既に追放された恵都の部屋と待遇が与えられ、和馬の介した名医の手を借り、断念したフィギュアへ再起するリハビリの日々が始まる。

 復帰までに一年の歳月を費やし、世界選手権に優勝。だが、古傷の再発もあり、四大陸選手権では着実にポイントを稼ぎ、GPファイナルでは三位に終わった。若い年齢とこれまでの実績から、オリンピックでのメダルを期待されていたが、鈴音は年が明けると同時に引退を表明。



 長年の夢でもあったGPファイナル出場が叶い、鈴音は和馬の希望に沿って、リンクの上で抱かれる。以降、桜子が愛人に参列するまで、寵姫として扱われ、一人の男児と一人の女子を出産する。





○「皆川 麗華」学生→愛妾→追放→婚約→娼婦。



 北海道出身。和馬より一つ下。桜花中央学園入学。和馬の愛妾の一人。

 皆川財団の一人娘として育つが、実の父親は立花道雪、母は月島茜。

 実の母親による乳児交換により、皆川家の令嬢として育つ。



 中学入学の際に乳児交換の事実を知り、本当の母親の復讐に賛同。中学の三年間、鈴音の親友として演じ続けた。



 桜花中央学園に進学すると同時に、和馬の愛妾入り。

 また自分と鈴音の実の父親と知りながら、立花道雪と接触を果たし、鈴音の処女と卵子を取引。実の父親に破瓜されて、孕まされる光景を静観。

 案の定、鈴音は無意識のままに妊娠し、それが元で練習中に事故、妊娠していた事実が発覚して退学処分に追い詰める。

 だが、その一方、直人の一周忌に当たるクリスマスにおいて、一番華美な衣装を纏っていたこともあり、追放の憂き目にあう。毎週欠かさず参列していたのにも関わらず、和馬(地味好みの性格)から同伴を求められることは遂になかった。



 多くの愛妾たちが謝罪を入れ、再び参列が許されたが、麗華に謝罪する意思はなく、冬休みに北海道へ帰省。旧大原財閥の活性化に伴い、東北の有力実業家の息子と婚約。また実の母親へ近況を報告(尚、この際、鈴音に立ち聞きされている)



 婚約披露宴の際、鈴音を伴った和馬と対面。

 麗華が愛妾入りだけに留まったのに対し、その上位である愛人として介された鈴音に、自分を一度も抱かなかった和馬に、激しい憤りを憶えずにはいられなかった。

 翌年、新年早々、旧大原財閥の一部が神崎家から蜂起。

 北海道の皆川家とそれに提携する東北の名家が、その反神崎家勢力に同調を示そうとする、その矢先。弥生からの指示で、この蜂起を待っていた啓二により一網打尽にされてしまう。

 反神崎家と蜂起した、敗残勢力の扱いは苛烈を極め、本来、それに続くはずの旧大原財閥の勢力も、反抗の鳴りをひそめてしまう。

 これに乗じて神崎家に猛攻を仕掛ける予定が、相手に口実を与えるだけの愚行となり、東北北海道連合は、三ヶ月を持たずに敗退をする。



 皆川財団は解体。一族の男たちは強制労働所に流刑。女たちは強制的に娼婦へと下落させられていく。

 親友(?)であった鈴音が和馬に抱かれていたころ、彼女もまた、見知らぬ男(設定では、仁科勘治朗)に抱かれ、誰が父親かも解からぬ子供を何人も出産していった。





○「星野 菜雪」愛妾→愛人(和馬)

 ※本編にも外伝にも、全く表記されなかった(設定だけの)人物。



 神崎家が日本の企業を全て掌握したころ、ある名家が和馬の好み(意外と地味好き)に合わせ、菜雪の素朴な可憐さに目をつけ、養女にした娘を和馬の愛妾入り。

 幼い容姿に天然の性格の持ち主。

 尚、愛妾から愛人に格上げされた最初の人物であり、和馬も彼女を抱くことよりも観賞することを好んだ。特に和馬は自身を「かずにぃ」と呼ばせようとした辺り、誰の容姿に似ていたか語るまでもない。(ただし、性格は正反対であり、和馬を落胆させたが)





○「立花 道雪」創設者→故人。



 桜花市に暗躍する【友卵会】の創設者。ちなみに偽名。



 《 友卵会創設 》



 高校卒業の際に初恋の人物(月島茜)に、自身の身体を代償に親友の令嬢、皆川葵の処女妊娠レイプを依頼。道雪は依頼を受諾。

 皆川葵を孕ませる一方、初の依頼人となる月島茜をも孕ませる。

 ※尚、二人が出産した子供は、乳児交換により入れ替わる。



 以降、この手口を利用して、友達、親友、僚友など介する【友卵会】が発足していく。道雪の用心深さと人脈を駆使して、それは十余年もの間も桜花市で継続されていく。



 尚、被害者の設定上の名前だけでも、

 皆川葵。

 青山恵都。

 徳川明日香。

 雛凪栞(つむじの妹)。

 月島鈴音(葵の娘であり、道雪の実の娘)。

 の、五名に昇る。



 《 青山 恵都 処女喪失昏睡妊娠輪姦 》



 当時、既に学生アイドルとして名を馳せていた「kto※」のこと、青山恵都は、桜花中学の二年。プライベート中に契約していたカップルに昏睡(昏睡記憶障害ロスト)させられ、数多の男から処女輪姦。

 ※kto=本編では「ケート」と表記しましたが、ごめんなさい。

 輪姦前から排卵が確認され、常時、卵管の卵子の状況を撮影。五人目が膣内出しで果てた時点で受精確定。受精卵になるまで映し出される。

 青山恵都には中学時代に空白の半年間があり、その時期に、妊娠発覚、堕胎不可、秘密裏に出産を終えたの報告が道雪までに届く。

 またこの青山恵都の処女喪失、昏睡妊娠までのシーンを再現させた光学用メモリースティック(三次元映像)の一本がスタッフの横流しで流出。道雪もその回収を第一としたが、結局、果たされることはなく。



 《 徳川 明日香 処女喪失昏睡妊娠レイプ 》



 明日香の僚友からの依頼があり、その明日香の容姿、間違いなく処女という条件もあって、道雪は運営する【友卵会】に公示せず、自ら孕ませることにする。

 僚友に薬(昏睡記憶障害ロスト)を盛られた明日香は、排卵日を迎えた日から三日三晩昼夜問わず、道雪に抱かれ続けて身篭る。

 妊娠発覚後、義兄からの仕送りだけで通学する明日香は愕然とし、その元凶でもある僚友に相談。道雪に出産費用、その後の生活費を条件に、明日香は半永久的に、道雪の愛人に仕立て上げられてしまう。



 《 雛凪栞 処女喪失昏睡妊娠輪姦 》



 依頼は卵子提供者の姉、雛凪つむじ。

 処女、ということもあって当初、道雪が孕ませたくはあったが、明日香との一件で私財をつぎ込んでしまった事情もあり、仕方なく【友卵会】に公示。久しく処女付きの卵子提供者とあって、好評に高騰していく。

 姉の最大人数、という希望もあり、高額順から二十名以内に絞る。が、集まった男たちが優男の美男ということもあって、当初、不満そうではあったが。

 妊娠の傾向あり、また妊娠発覚は五ヶ月。それから契約者(つむじ)からの報告は途絶え、処置をした病院側から堕胎が報告された。



 《 月島鈴音 処女喪失昏睡妊娠レイプ 》



 依頼人は僚友であり、その親友の皆川麗華。(尚、道雪は麗華、鈴音が自分の娘に該当することを知らない)卵子提供者の容姿、白い柔肌、そして処女と保証され、【友卵会】に公示せず、道雪自ら、孕ませレイプを決行する。

 我が娘とは知らず、排卵日を迎えた鈴音を三日間に渡って、昼夜問わずレイプし続け、親娘背徳の結晶が鈴音の子宮に宿る。

 だが、鈴音は妊娠中に事故を起こして堕胎してしまう。







 立花道雪(偽名)は、高校在学時、初恋の月島茜に呼び出され、彼女の幼馴染の親友である、皆川葵を妊娠レイプするよう依頼される。無論、道雪は断ろうとしたが、その段取りから後始末に至るまで茜が担当し、その代償として、自分の身体(卵子)も提供すると口約。

 道雪は先に代償のほうを希望し、麗華は葵よりも僅かに先に妊娠を果たす。そして皆川葵は、排卵を迎えたその日。僚友の茜から睡眠薬(当時、道雪もロストを所持していないため)を盛られ、昏睡したところを翌朝の早朝まで道雪に膣内出しレイプされる。麗華もその受精状態を確認。

 葵の妊娠が発覚する前に卒業を迎え、二人は北海道に帰っていった。



 道雪は卒業後、単身で渡米。ナイトメアガーデアンズ(神崎一樹の親友である、ケール・マイスナーが所属)という組織に一時的に所属。組織が開発を断念した試作薬の一つ(昏睡記憶障害ロスト)を入手し、個人レベルで完成に漕ぎ着け、量産させることに成功。

 日本への帰国に伴い、組織を除名。

 帰国後、桜花市となった地に戻り、高校の後輩や同期を集い、【友卵会】を創設させる。



 学生アイドル「kto」のこと青山恵都、中学時代の彼女のクラスメイトが契約者となって話を持ち込んでくる。学生アイドル、ということもあって、処女という可能性は低いと判断。後に道雪を激しく後悔させる。

 尚、この青山恵都の卵子は【友卵会】創設史上、最高値で落札。

 撮影(輪姦)終了後、スタッフの横流しが発覚。一本の三次元映像が市場に流出し、慌てて回収を画策したが、そのまま学生アイドルの処女喪失輪姦妊娠シーンは闇へと消えてしまう。

 後日、この青山恵都と都内からきた学生、神崎和馬のデート場面がフォーカスされ、当然それは道雪の知るところとなる。だが、このフォーカスさせた人物、真田直人の経歴(及び軍歴)を知った彼は(恵都の輪姦もあって)慄然とする。

 秘密裏に直人と接触。和馬の危機を知らせて恩に着せる。(尚、この際に直人は同僚の香純とデート中であり、破局を決意させることになるが)



 篤川明日香の身柄を手に入れ、愛人にさせることに成功。喝采を上げた道雪ではあったが、彼が次に孕ませることになるのは、月島鈴音である。その際に囲っていた安心感もあってか、明日香から刺される、その瞬間まで、何が起こったのか理解することもなく、この世を去った。





○「篤川 明日香」学生→愛人(立花)



 和馬と同世代。桜花中央学園付属、桜花中学校に所属。

 ハニーブロンドのあどけない、可憐な顔立ち。

 もし彼女が何ごともなく進学していれば、桜花中央学園新入生の三大美少女に上げられており、当時の初恋に関係なく、和馬の【MCN】の餌食になっていたことだろう。



 中学二年生時、僚友の親友と恋敵になってしまったのが災いし、【友卵会】に純潔と卵子を取引されてしまう。服用中は記憶障害となってしまうこともあり、彼女は初恋の彼の手を握りながら、破瓜され、そして妊娠までの過酷な人生を余儀なくされてしまう。

 妊娠発覚時には既に堕胎は不可能、となり、義兄からの仕送りだけで生計を立てていた明日香は、その元凶ともいうべき親友の言に従って、出産費用とその後の生活費を引き換えに、自らを孕ませた相手、道雪の愛人へと仕立て上げられてしまう。



 その後、道雪に求められれば身体を許し、再び身篭ることになりながらも次第に性行為での快感に目覚め、唯一の男である道雪に依存していく。

 だが、同時に道雪の(鈴音に興味の)心境にも過敏となり、道雪を取られたくない余り、手にした包丁で背後から突き刺してしまう。



 道雪の死後、警察の事情調書を受けたが、義兄の手際の良さと未成年という年齢から罪は軽く、服役後は道雪との遺児を引き取って、義兄のもとへ戻っていく。

 義兄のもと発ったときと、余りにも変わり果ててしまった身体で。


→戻る

MCNのトップへ