私はそれほど運動が得意じゃなかった。
うん、たぶん。
その上、目が見えなくなってしまった。
静馬の話では、手術してもダメみたい。
だから、私は働くことはできなかった。
いつも、静馬に食べさせて貰ってばかり・・・
申し訳なく、思う・・・
彼に捨てられたくない。
彼だけに見ていられたい・・・
彼だけに・・・抱かれたい。
彼はほとんどの時間を私との性交に費やしてくれる。
いつもイカされてばかりだ。
それでも毎日のように膣内に出して貰った。
その甲斐もあって、静馬の赤ちゃんを授かった。
それでも不安になる。
彼に捨てられないか、と。
彼は今の生活に不安はない、と言うけれど・・・
私はいつも彼に食べされて貰ってばかり・・・
私はいつも彼に抱いて貰ってばかり・・・
少しは恩返ししないと・・・
赤ちゃんを産むことを彼は喜んでくれる。
出産も彼が立ち会ってくれるらしい。
知らないお医者様より、まぁ安心かな?
恥ずかしいけど・・・
いつも抱いて貰っていたのに・・・ね。
こうして数年の歳月が経過していく。
私はいつも抱き貰っていた。
その甲斐もあって、一年に一人のペースで出産していく。
ただ残念なのは、私と彼との間では、娘しか生まれない。
彼はそれでいい、と言うけれど・・・
彼の男の子も生んであげたいな・・・
それは私が二十五歳のときだった。
私は多くの娘たちに囲まれながら、彼に抱いて貰う。
その彼が言った。
娘を抱きたいと・・・
長女はもう十二歳・・・私が静馬と結ばれた歳だった。
彼は言う。
「娘はいずれも私似だという」
彼は言う。
「私と同じ身体・・・素質を持っているって」
彼は言う。
「私との娘が他の男に取られるぐらいなら」、と。
娘と関係を持ったら、私は捨てられるのかな?
彼は言う。
「娘を抱く前には、必ず亜子を抱く」、と。
「絶対に亜子を捨てたりはしない」
と、約束までしてくれた。
私は娘たちを呼び寄せる。
駆け落ちした手前、娘たちを学校には送れなかった。
それでも教育はしっかりと行ってきたつもりだ。
娘が一糸乱れぬ整列したことを、盲目ながらに悟る。
順序的に言えば、十二歳となった長女からだろう。
次の『聖夜』の夜から、母と一緒に父親に抱かれなさい。
長女は承諾した。
娘たちには『聖夜』までに月の標があれば、
抱かれることを許可した。
娘たちとって彼は、絶対、と教育してきた。
その甲斐あって、娘たちはそれを受け入れていく。
そして私が四十歳の『聖夜』を迎えたとき・・・
私は彼、多くの娘たち、そして孫娘たちに囲まれていた。
私の遺伝子は特殊だったらしい。
娘たちも、女の子しか産めなかったのだから・・・
私はこの日でお迎えがくる。
残していく娘や孫娘の未来を心配はしていない。
逝く私の分まで、彼がきっと愛してくれるだろう。
私は幸せだったよ?
だって、彼にたくさん愛された。
二十四人もの娘も授かることができたのだから・・・
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