(1)



「お下がりなさい、狼藉者!」
 凛然と声を上げる、長い黒髪の輝くばかりの美少女。
「へへへ、『お下がりなさい』だとよ」
「本当に本物の王女なんだな」
 薄汚い路地裏で四、五人の男に囲まれる美貌には、口調と裏腹に脅えが濃い。じりじりと包囲が狭められ、少女は焦りも露わに彼等を牽制した。
「わ、私の身に何かあれば、ただ事では済みませんよ、あなた達!?」
 アリシエル姫。小なりとは言え歴とした王国の王女であり、近隣諸国に名高い美姫である。
 男達が頷き交わすのを見て、威嚇が通じたかと僅かに気を緩める王女の虚を突いて、伸ばされた腕が華奢な少女の腕をがっちり捕まえた。
「――! な、何を――!?」
「噂通り飛び切りの上玉だな」
「そうだな。命がけでもやる価値はある」
 可憐な美貌が青褪める。
「まさか、あなた達――」
 絹のドレスが引き裂かれ、王女の悲鳴が響き渡った。だが助けは現れない。女の悲鳴などこの辺りでは珍しくもないのだ。
 折れそうに細く限りなく白い裸身が露わになる。乳房と腰の肉付きはやや控えめだが充分以上に女性美を見せている。
 温室の花のような美身が引き倒され、土に汚れる。数人掛かりで抑え付けられ、開かれた足の間にいきり立った逸物をさらけ出した男が膝をついた。
 唾を塗った肉棒を高貴な秘唇に押し当てる。

「ひっ! い、いや……」
 恐怖に歪み涙ぐんだ美姫の表情を堪能しつつ、男は無造作に腰を進めた。
「あっ……あひぁああああ――――ッ!」
 前戯もなく突き立てられた剛直。身を裂く激痛と共に、あまりにも呆気なく王女は純潔を失っていた。


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