| CHAPTER 11  新たな展開
 
 弄内洋太は、その日の夜、早川もえみに呼び出されていた。
 
 待ち合わせ場所は喫茶店「まごころ」の前、洋太は不安を感じながらそこに向かっていた。
 
 そう、洋太は告白をしたものの、その返事をもえみからもらってはいない。しかも、告白のタイミングについて、自分でも最悪な時にしてしまったと思っていた。女性に対し、これまでもてたことのない洋太は、初めての告白に対して不安を感じていた。
 
 心臓が高鳴る。
 
 (もえみちゃんの用事・・・やっぱりこの前の答えを言うためか・・・?)
 
 洋太には、そうとしか考えられなかった。
 
 
 
 
 
 
 
 「わっ!!」
 
 突然大きな声とともに、洋太は背中をドンと押された。
 
 慌てて振り返ると、明るく笑ったもえみが立っていた。
 
 「ども・・・」
 
 明るく笑うもえみに、洋太はどんな顔をしていいのかわからなかった。
 
 しかし洋太は気付いていなかった、その微笑はもえみにとって壊れかけている心を平静に保つための精一杯の努力であったことに。
 
 洋太はもえみを促し、とりあえず「まごころ」に入る。
 
 店の中でも、もえみは洋太を相手に明るく笑いながら話をする。もえみの努力を気付かない洋太はその明るい話声に一寸苦笑してしまう。
 
 
 
 
 
 
 
 「弄内くん・・・。」
 
 店を出るともえみは一転変って無口になった。そして、その後思い切って話をするかのように、前を歩く洋太の背中に話を切り出す。
 
 「弄内くん・・・ホントは・・・台風の日の事、知っていたんでしょ?」
 
 「!」
 
 洋太はどう答えてよいかわからず、返事に窮する。
 
 もえみはそんな洋太に構わず、話し続ける。
 
 「もう・・・学校中のウワサなんだ・・・。」
 
 もえみは、平静を保ちながら洋太に告げる。
 
 その言葉の裏にあるもえみの絶望感は、洋太にはわからない。
 
 「あーあ・・・・・・・。なんで・あんな人好きになっちゃたんだろ・・・。」
 
 もえみの声は明るい。いつもと変わらないと洋太は思う。
 
 (「でも、好きなんだ・・・」って君はそう言うんだろ・・・いつもそうだった・・・。)
 
 洋太はもえみの声を背中で聞きながら、そう考える。
 
 これまで、洋太はもえみの恋の相談を何度も受けていた。もえみは新舞に冷たくされても、いつもそう言っていた。
 
 「私に気がない新舞くんを・・・・やっぱり大好きなんだって・・・・。」
 
 過去のもえみの言葉が洋太の中でこだまする。
 
 (いつも・・・君は貴志の事を・・・・・。)
 
 そう思った瞬間、洋太は背中にしがみついて来るもえみの気配を感じた。
 
 (え・・・?)
 
 洋太は驚く。
 
 今考えていた展開と違う展開が起きていた。
 
 「弄内くん・・・・。」
 
 もえみの声は涙声であった。さっきまでの明るく話していた口調と全く違う。
 
 「今までちっとも弄内くんの気持ちに気付かないで・・・勝手な事ばかり言って・・・ごめんね・・・。・・・どれだけキズつけちゃったのか・・・・・・・なのに、なんで私なんか・・・・・。」
 
 もえみは洋太の背中にしがみつきながら告白するかのように言う。
 
 「ずっと・・・ずっとそばにいてくれる?・・・弄内くん・・・・・。」
 
 洋太は驚く。
 
 もえみは、自分の感情が流れ出して止まられないかのように一気に話し続ける。
 
 「ごめんね・・・・・・・私なんかに・・・こんな事言える資格ないのにね・・・。でも・・・お願い・・・。」
 
 洋太はもえみの反応が理解できない。どういう意味なのかと考えてしまう。
 
 (これは・・・いつものようにただ頼られているだけなのか・・・・。でも、オレは好きだって言っちゃってるし、そんな相手にこんな事は言わないだろ・・・それじゃあ、オレの事を!!)
 
 しかし、女性にもてたことのない洋太はどうしても否定的にしか考えられない。
 
 (いや!そうじゃない。貴志の事を知って・・・貴志が仕組んだことを知ってしまって・・・ショックだから・・・あまりにショックだから動転して口にしちゃっただけなんだ・・・。)
 
 もえみがそっと洋太の背中から離れる。
 
 「ごめんなさい・・・。」
 
 もえみが言う。
 
 (やっぱりそうだ・・・。)
 
 洋太はそう思う。もえみはただショックを受けているだけなんだと。洋太の気持ちを受け入れたわけではなく、ただ、今誰かにすがりつきたいだけなんだと。
 
 しかし、もえみの続く言葉は洋太の予想とは異なっていた。
 
 「なんか・・あがっちゃって・・・うまく言えないけど・・・・信じて欲しいの。貴志くんの事が発覚したから・・・そんなんで言ってんじゃないからね。」
 
 「え?」
 
 洋太が振り返る。もえみが言おうとしている事の意味がわからない。
 
 「たしかに・・そのことが背中を押してるのは確かだけど・・・・・。」
 
 もえみは必死に続ける。
 
 「どんなふうに言っても・・・今の状況では都合いいヤツに見えちゃうと思うけど・・ただ・・・ホントに・・・・。」
 
 もえみも上手く気持ちを伝えられない。
 
 「告白された日の夜、私がしてきた事と弄内くんの気持ちの事、考えていたら・・・すっごく苦しくなっちゃって・・・だけど後からすっごく嬉しい気持ちになっちゃって・・・今は・・・その・・・あれだから・・・そばにいて欲しいって言っちゃったけど・・・エラそうな言い方になっちゃうけど・・・すっごく・・そばにいてあげたいなって・・・思っちゃって・・・その・・・・。」
 
 もえみは混乱して、自分でも何を言っているのかわからなくなってきていた。
 
 ただ、もえみは自分でも気付いていなかったが、自分を支えてくれる人を物凄く欲しかった。そうしないと、自分の心が壊れてしまうと無意識に考えていた。
 
 「・・・言う事、ちゃんと考えて来たのに・・・もォ・・・・。ごめんね。なんかうまく言えないけど・・・・。」
 
 洋太はやっと理解する。そして、もえみに優しく声をかける。
 
 「もう・・・わかったよ。オレの気持ち受け入れてくれるって事だろ。」
 
 もえみは顔をあげ、洋太を見る。視線が交差する。
 
 「うん。」
 
 もえみは恥ずかしそうにうつむきながら応える。
 
 「ありがとう・・・。」
 
 洋太は素直に答える。
 
 「私も・・・・ありがとう・・・・・。」
 
 もえみが洋太を見上げる。
 
 もえみの身体が恥ずかしさでカァーッと熱くなる。顔だけでなく身体全体が紅潮して行っているようだった。
 
 「あ・・・あの・・・あした日曜だし・・・これから・・弄内くんの家に・行っていい?」
 
 もえみは嬉しさに舞い上がっており、勢いでつい本音を言ってしまう。
 
 「え?・・・それって、つまり・・・・。」
 
 洋太が驚いたように言う。
 
 その様子で、もえみは自分がかなり際どい発言をしてしまったことに気付く。
 
 身体が更に恥ずかしさで熱くなる。
 
 「え?・・・あ?・・・・・なんか・・勢いで言っちゃった。舞い上がっちゃってるね。どうしよう・・・ごめん!今の聞き流して!!」
 
 もえみは慌てつつ、洋太に言う。
 
 でも、本心はこのまま帰りたくなかった。洋太と一緒にずっと居たかった。あの日の事を、あの嵐の日の事を、洋太なら、この弄内洋太なら忘れさせてもらえそうだと、もえみの少女としての本能は感じていた。
 
 洋太もそれは感じていた。
 
 (やっぱり・・・とにかく貴志の実態へのショックが今のもえみちゃんを動かしてることは確かだな・・・。心細くてしかたないんだな・・・きっと・・。)
 
 ただ洋太は知らなかった。もえみへの凌辱は、あの嵐の日だけでなくその後も続き、もえみを追い込んで行っていることを。
 
 しかし、洋太はもえみを自分の家に泊めることには抵抗があった。それは洋太の家には天野あいが同居しているためであった。
 
 天野あいが、洋太に好意を持っているのは、漠然と洋太自身感じていた。ただそれは同居する家族の様な愛情だと洋太は考えていた。過去に洋太を激しく愛した記憶をあいはなくしている。だから、洋太は彼女に対し妹のように対する愛情のようなものを注いでいた。
 
 しかし新舞貴志の一件で、貴志を信じるあいに対し、洋太はかなり辛くあたっていた。
 
 それだけに今、もえみとこうなったことをあいに告げるのは、彼女を辛くさせてしまうようにも感じていた。
 
 この相手を気遣う優しさが、洋太の最大の美点であり、そして最大の欠点でもあるのだが。
 
 「ホテル、行こうか?」
 
 洋太はさらっと、そんな言葉を口にする。
 
 もえみの目が見開かれる。
 
 そして、恥ずかしそうに視線を外す。
 
 洋太は、もえみに誤解をさせたことに気付く。ラブ・ホテルに誘ったと思われたのだった。洋太は慌てて言う。
 
 「あ・・・いや、その・・変なホテルじゃなくて・・・。この前、もえみちゃんも使ったホテルだよ・・・。家はさ、いろいろ人いるし・・・その・・・。」
 
 洋太が必死に取り繕う。
 
 もえみはその洋太の台詞から「もえみちゃんも使ったホテル」という単語を聞き逃さなかった。はっとする。
 
 「ど・・・どうして・・その事を・・・・・?」
 
 洋太はしまったと思う。自分があの場にいたことがもえみにわかってしまった。軽率な言葉に後悔をする。
 
 「・・・・バカだナ・・・・・・・・・。」
 
 長い沈黙の後、もえみは洋太に言う。
 
 「やっぱり新舞くんが言った通り、助けてくれたの、弄内くんだったんだね・・・・。なんにも知らないで、私は・・・・私は・・・・・・・・ホント・・・バカだ・・・。」
 
 もえみの目からは大粒の涙が流れ出していた。
 
 そして、もえみは知った。
 
 自分の事を助けてくれる人は、自分を支えてくれる人は、今も昔もこの弄内洋太だということを。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「近頃の若いヤツは・・・なんて目してたね。フロントのおじさん。」
 
 もえみはホテルの部屋に入ると洋太にそう話しかけた。
 
 「そうさ・・・やっぱり。」
 
 洋太が応える。
 
 「エッチのために来たと思われたのかナ。」
 
 もえみは明るく言いつつも、山田とのことが頭をかすめる。ここのホテルではないが、もえみはこういったビジネス・ホテルで山田や花崎に何度も凌辱されている。
 
 ぶるっと震えながらその記憶を打ち払う。洋太はそういうつもりでここに自分を誘ったのではないと考える。
 
 「そうでしょ。」
 
 洋太がもえみに応える。
 
 もえみは思い出したくない記憶を打ち払いつつ、洋太には明るい口調で言葉を紡ぐ。
 
 「別にそんなんじゃないのにね。なんで弄内くんがここに来ようなんて言ったかわかんないけどサ。・・・・でもさ・・・なんでホテルがこんなに混んでるのかナ・・・よりによってダブルの部屋しかないなんて・・・。土曜だから?」
 
 もえみは一人ベッドに腰掛けながらいう。
 
 「ねえ、周りの部屋の人たち、みんなエッチしてるのかナ・・・?」
 
 もえみはセックスとは違う方向に会話を持っていきたいと思っているのに、口は勝手に動いていってしまう。
 
 「まさかァ〜。それが目的だったらまっさきにダブルがつぶれるんじゃないかなァ。」
 
 洋太は際どい会話ながら、その方向に行かない様に明るく話す。もえみがなぜこんな会話を進めていくのか洋太には理解できない。
 
 「ふ〜ん・・・。ホテル事情をやけに知ってるなァ・・・なんか・やたら堂々としてるし・・・しょっちゅう使ってるんでしょ?」
 
 もえみはベッドに寝そべりつつ洋太に言う。もえみは気付いていない。自分が嵐の日以来の凌辱の日々からセックスをすることに対し恐怖を抱いている反面、あの山田に刻まれたセックスの記憶を洋太に打ち消してもらいたいと感じていることを。そしてその無意識の想いは、洋太に対し知らず知らずに媚を売っていた。
 
 「使ってないよォ!それだったらもえみちゃんだって、リラックスしてるじゃん!!」
 
 洋太が照れながら言う。
 
 「だって・・・いっしょにいるの、弄内くんだモン!」
 
 もえみはにっこり笑いながら言う。
 
 (そう、この人の前なら私は素の自分を出せるかもしれない。)
 
 軽口を叩きながら、もえみはそう確信していく。
 
 「あーっ!!もえみちゃんは俺の事、男だと思ってないでしょ!」
 
 「え〜!?弄内くんはァ?私の事、女だと思ってるゥ?」
 
 もえみは軽口を続ける。
 
 と、洋太は急に真剣な顔になってもえみに近づいてくる。
 
 (え?!)
 
 もえみは急に心臓が高鳴ってくる
 
 「えっ!?なに?なに?」
 
 もえみはベッドから体を起こし、身構える。
 
 洋太が真剣な顔で言う。
 
 「女だと思っているよ・・・・。だからここに連れて来たんだ。」
 
 もえみの目が見開かれる。
 
 男性が自分の身体を求めている。それはまだもえみにとっては恐怖の対象である。
 
 心臓がドクンドクンと高鳴ってくる。
 
 (やっぱり・・・弄内くんも・・・。)
 
 もえみは洋太の目を見られなくなり、顔を背ける。
 
 「・・・だから・・・・・・。」
 
 洋太が真剣な口調で続ける。
 
 (・・・怖い・・・・・!!)
 
 もえみの身体がこわばっていく。
 
 「お前は袋のネズミなんだよ!!ダハハハハ!!」
 
 洋太がもえみを襲うようなジェスチャーを見せながらおどけて言う。
 
 「もう!!」
 
 もえみは、ほっとしつつ、洋太の胸板を叩く。
 
 「ダブルベッドなんて気にすんなよ!寝なきゃいいんだ。一晩中語り明かそうぜ!それが目的じゃん!!」
 
 もえみは、洋太の優しさが嬉しかった。
 
 誰かにこんな優しい言葉をかけてもらえるのは、あの嵐の日以来はじめてであった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 それから、もえみと洋太はいろいろな話をした。
 
 これまでの想い出、楽しかったこと、学校のこと、等々、取り留めのないことをいつまでもいつまでも話し続けた。
 
 それはもえみにとり、楽しいひと時であった。
 
 もえみは思う。これがひと時の楽しさであっても、この時間を大切にしたいと。現実には、山田なる男に脅迫をされ、いつまた凌辱されるかわからない恐怖の日々が続くのであっても、今この時はそのことを忘れ、洋太と楽しく過ごしたかった。
 
 でも、身体は自然と疲れていく。眠気がもえみを襲ってくる。気持ちはもっと洋太と過ごしていたいのに・・・。
 
 「ああ・・・くじけそう・・・・・。」
 
 目をこすりながらもえみが呟く。
 
 「眠くなっちゃった・・・・。」
 
 もえみの身体はもう限界だった。しかし気持ちは洋太の側でこうしていたかった。
 
 「そっか・・じゃあ寝ようか。オレ、このイスで寝っからさ。ベッド使いなよ。」
 
 洋太はあくまで優しく言う。
 
 その気遣いはもえみにとって嬉しかった。でも、もえみはもっと近くで洋太をいつまでも感じていたかった。その気持ちが次の言葉をもえみに言わせた。
 
 「・・・・・・ダメよ・・・。」
 
 洋太が驚いた顔をする。
 
 「せっかくのダブルベッドなんだから、一緒に寝よ。」
 
 その言葉に洋太は驚く。
 
 「え・・・・・?でも・・・・・・・・・。」
 
 「私は平気だよ。弄内くんの事、信じてるモン。」
 
 もえみが微笑みながら言う。もえみの気持ちは洋太との性交を望んで、誘っているわけではなかった。洋太の側に、洋太のぬくもりを感じていたかっただけでの言葉であった。ただ、潜在的には洋太を求めていたことにもえみ自身もまだ気付いていなかった。山田・花崎によって押された刻印を、洋太と交わることによって取り除いて欲しかったことを。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 洋太ともえみは、ダブルベッドの中で並んで寝ていた。
 
 もえみにとってそれは少しスリリングな体験であった。
 
 小さな子供の時、親と一緒に寝ていたことを除けば、他人と枕を並べて、しかも男性と枕を並べて寝るなどということは初めての経験であった。心臓がドキドキしていた。
 
 でも、もえみはそうしていたかった。
 
 1人でいると、嵐の日の、そしてそれ以後にもえみに起こっている出来事が恐怖となり甦ってくるのである。その恐怖をもえみは打ち消したかったからだ。
 
 となりで寝る洋太のぬくもりが布団越しに感じられた。それがもえみにとっては、嬉しかった。
 
 もえみは洋太のその優しいぬくもりを更に感じたかった。洋太におもいっきり抱きつきたい衝動が湧いて来る。でもそれをしてしまった後に起きるであろうことも、もえみには想像出来た。それは、もえみにとり、望みつつも怖いことでもあった。
 
 もえみは、手を伸ばし、隣で寝る洋太の手のひらをそっと掴んだ。
 
 洋太が驚いた表情で自分の方を見るのがわかった。
 
 もえみは更に強く洋太の手を握りながら、言う。
 
 「今日は・・・ありがとね・・・。本当にありがとう・・・・・。」
 
 洋太の手から暖かいぬくもりが感じとられる。それを大事そうに掴みながら、もえみはさらに続ける。
 
 「いつも・・・いつも支えてくれたの、弄内くんなのに・・・いままで気づかなくて、ごめんね・・・・。」
 
 もえみの目から涙が流れる。
 
 嬉しかった。この優しい洋太のぬくもりをずっと感じていたかった。
 
 「今日は良く泣くね・・・。」
 
 洋太が言う。
 
 「弄内くんが泣かしてるんだゾ・・・。」
 
 もえみは恥ずかしくなり布団で涙を拭きながら応える。
 
 「そ・・そっか・・・ごめんなさい。」
 
 洋太が笑いながら応える。
 
 「・・・バカ。」
 
 もえみはそう言いつつ、この人と一緒なら、嵐の日以来のもえみに起こっている凌辱劇を乗り越えていけそうな気がしていた。
 
 (・・・でも・・・、弄内くんが・・・弄内くんが、本当の私を、この汚れてしまった本当の私を知った時・・・受け入れてくれるのかな・・・。)
 
 もえみの心の中に再び不安が訪れる。
 
 (こんな汚い・・・私を・・・・・・・。)
 
 もえみは洋太の手のひらを、更にギュッと掴む。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 続く
 
 
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