第2章 屈辱の俘囚アイーシャ-4 

 「うッ、うッ、うッ・・・・」
 薄暗い闇の底で、アイーシャは縛められた身体をすくませ、目を半ば開いたまますすり泣き続けていた。


 恐るべき闇の魔物ベスマは、その忌まわしい生殖器をアイーシャの唇から引き抜き、涎と体液でベトベトになったそれを、嫌がるアイーシャの顔に散々なすりつけ、揶揄したのち、何故か彼女を放置したまま、洞窟の奥の闇へと姿を消していた。
 逃げ出すには絶好のチャンスの筈であったが、アイーシャはその身体をほとんど動かすことが出来ない。
 縛められているということもあったが、何よりも全身の力が奪い尽くされてしまったかように萎え、麻痺してしまっていた。そして神に仕える聖女たる自分が、女としての快楽の高みへ追い上げられ、絶頂に我を忘れてしまったことが、彼女の自信とプライドをずたずたにしていたのである。


 (どうすればいいの?イヴァン神様、お姉さま・・・。私の魂・・・もう汚されてしまった・・・・・)
 そう考えるだけで、新たな涙が次から次へと溢れ出てくる。
 神術使いとしてたぐい希な才能に恵まれ、生まれ落ちてこのかた挫折というものを体験してこなかったアイーシャだけに、初めての敗北と、それに続く陵辱のショックは、計り知れないものがあった。
 この恥を濯ぐには、あのベスマを打倒し封滅するしかない。しかし全力で放った神術をものともしなかった恐るべき魔物に対して、今さら逆襲がかなうであろうか・・・。
 (せめて、神術を封じているこの縛めがほどければ・・・・)
 すすりあげつつも、何とか自由を取り戻せないものかと、アイーシャはもう一度脱力しきった身体をよじり動かそうとした。


 その時・・・洞窟の奥の暗闇にかすかな気配が動き、そこからヒタヒタと、白く華奢な素足が歩み寄ってきた。
 「暗い所へ一人にして悪かったねぇ、お嬢ちゃん・・・」
 ベスマである。
 アイーシャを見下ろすその身体は、未だ一糸もまとわずに白く輝いていたが、右手には新たに奇妙な物が下げ持たれていた。


 それは薄汚れた木製の粗末な椀で、アイーシャの位置からは見えないが、中には何か液体が注がれている様子である。
 「どうだい、寂しかったかい?」
 相変わらずの人を食った口調で近づいてくる魔物から、少しでも遠ざかろうと、アイーシャは動かない身体を無理にもがき、叫び声をあげる。
 「こッ、この罰当たりな化け物め!こっちへ来ないでッ!」
 ベスマは一瞬立ち止まって微苦笑し、
 「そうつれなくするなよォ。さっきはあんなに喜んで、上から下からポロポロ涙をこぼしたじゃねェか、ええ?」
 「ばッ、馬鹿な!は、早くこの縛めをほどいて!ほどきなさいッ!」
 満面に朱を注いで訴えるアイーシャの側に片膝をつくと、ベスマは再びあの恐るべき腕力で彼女の髪を束ねつかみ、その上半身を無理に引き起こして顔を近寄せた。


 「い、痛いッ!放してッ!」
 「まだ自分の立場がよく分かっていねェようだなあ・・・。いいだろう、徹底的に引導を渡してやるぜ」
 「こッ、これ以上まだ私を辱めようというの?もう十分でしょう?お願いだから縛めをほどいてッ!」
 先程の屈辱の体験が心によみがえり、ヒステリックなアイーシャの訴えは次第に涙声になった。
 (もう一度あんなことをされたら、清めることがかなわないほどに、魂を汚されてしまうかも知れない・・・・)
 今や怒りよりも恐怖感に支配されつつある聖女を、しかしベスマはまったく放免するつもりは無いらしい。


 「お楽しみは始まったばかりだと言ったじやねェか。お前は、その縛めさえ無ければあたしに立ち向かえるとでも思ってるようだが、そんなたわけた考えはきれいさっぱりと忘れさせてやるぜ・・・」
 光沢のない瞳でアイーシャを覗き込みながら不気味に恫喝し、その片手は一旦岩床に置いた椀を再び取り上げる。
 「お腹が減ったろう?栄養満点のスープを飲ませてやるよ」
 言いながらアイーシャの方に傾けて見せた椀の中には、スープとは思えない、何か透明のドロリとした液体が半分ほど入っていた。 

 「いッ、いらないッ!そんな物ッ!」
 強引に口元に押し当てられた椀を、アイーシャは必死に首を振って拒絶する。この魔物の薦める物が、少しでも身体に良いものだとは、とても思えなかった。
 「フン・・・」
 ベスマはじれたように鼻を鳴らすと掴んでいたアイーシャの髪を放し、その手を割られ縛められた彼女の両脚の間に差し込んで、秘所をまさぐった。
 「あうッ!」
 まだ濡れて開いている花弁を弄ばれ、恥ずかしさと恐ろしさでアイーシャは思わず腰を引き、呻いた。
 さらにベスマの指先は、ようやく火照りがおさまりつつある小さな蕾を探り当て、露を導き出すようにやわやわと揉み込んでくる。
 「あッ!いやッ!・・・」
 再び身体の底から官能の疼きがわき起こってくる事にうろたえて泣き声をあげるアイーシャに、ベスマはむごたらしく追い打ちをかける。
 「この大事な所を捻りつぶされたくなかったら、大人しく口を開いて、このスープを飲むんだね。ええ?」
 「・・・・・」
 怯え、しかし言いなりになることを躊躇して相手を見上げるアイーシャに、ベスマは容赦なく、つまんでいた肉芽を強くひねりあげた!
 「ひぎいッ!」
 官能と激痛の入り交じった感覚に脳天を直撃され、アイーシャは歯を食いしばって大きくのけぞる。涙が、両の睫毛の先から細かくパッと散った。 
 ベスマはまったく表情を変えないまま再びアイーシャの顔を覗き込み、
 (どうするんだい?)と言うように首を傾げる。
 「の、飲むわ・・・。飲むから・・・指を・・・やめて・・・・」
 相手の非情さ、容赦のなさにすっかり射すくめられ、アイーシャはがっくりと首を垂れると、ささやくように哀訴した。

 全身を縛められ、辱められて、これ以上どう抵抗のしようがあろうか?何よりも、最大の武器である神術を封じられているというのに・・・。
 光の聖女は、今や悪魔の言いなりに、その得体の知れない粘液をすすり、飲み下すしかなかった。
 「うッ、うッ、うッ、うッ・・・・」 
 小さく喉を動かし、次第に頭を仰のかせながら、アイーシャは粘い液体を胃の腑へと流し込んだ。固く閉じた目尻から新たな涙が溢れ出て、ツーッと頬を伝う。
 (この魔物は、いったい私をどうするつもりだろう?これから先、どんなひどいことをさせられるのだろう?)
 口中が微かに甘い液体の味に満たされていくのと同時に、不安と恐怖が心の中を暗く覆い尽くしていくようだった。


 「う・・・」
 ようやく飲み終えて息を付くと、ベスマは椀を傍らへ置いてアイーシャのおとがいに手をかけ、液体で汚れた唇の端を指で拭った。
 「ようし、いい子だね。どうだい、美味しかっただろう?」
 「・・・・・」
 答えようがなく、不安げに見上げるアイーシャに、ベスマはニッと笑って見せて、
 「心配しなくても、別に毒じゃあないよ。本当に、素晴らしく栄養満点の甘露なのさ。あっという間に身体に元気がみなぎること受け合いだよ」
 聞きながら、アイーシャはふと、身体の奥で再びあの恍惚感が身じろぎを始めたような感覚に襲われ、ギョッとして目を見開いた。 気のせいだろうか?・・・・いや、そうではない!
 肌にはすでに新しい汗の粒が一面に現れ、次第に火照りを強めているではないか!


 (どッ、どうなっているの、私の身体は?まッ、まさか!・・・)
 うろたえ、身をよじるアイーシャを見下ろし、ベスマは楽しげに説明を続ける。
 「お前の身体を縛めているのは、ギオーイという闇の大ガエルの腸だということは話したね?そのギオーイは、40年に一度の周期で繁殖期を迎える。その時にだけ、耳の横から、特殊な催淫性の体液を大量に分泌するのさ。久々の愛の行為を、オスメスとも存分に楽しむためにね・・・」
 「うう・・うッ・・・」
 次第にじっとしていることが苦痛になり、アイーシャが切なげに呻き声を漏らす。
 「その体液の淫らな効き目ときたら、さっきお前が味わったグヌゥフの汗の比じゃあないね。何しろ繁殖期のギオーイが生息する池に、片足を突っ込んだだけで正気を失う人間がザラにいるんだからさ。あたしはその体液をたんまりすくい集めて酒のように発酵させ、生け贄の餌に使ってるんだ。闇の快楽の味を骨の髄まで染み込ませてやるためにね・・・。そう、今お前が飲み干したのが、まさにその闇の美酒なのさ!」
 言いながら、ベスマは自分もしとねの上にあぐらをかくと、縛められたアイーシャの両腿を後ろから軽々と抱えあげて膝の上に引き寄せた。
 「あうッ!」
 ベスマの股間から伸びた忌まわしい触手がちょうど秘部の位置に当たり、濡れた花弁をヌルッと撫でこすられてアイーシャがあえいだ。そして再び大きく張り始めた乳房を、ベスマは背後から抱きすくめるようにしてつかみ、縄目から絞り出す様に揉み上げていく。


 「あッ、いやッ・・・あッ!」
 「クククク・・・そろそろ身体中に淫らな酔いがまわってきただろう?言ったとおり、実に精のつく魔法のスープなのさ・・・」
 「うッ、ダメッ!・・・」
 その言葉通り、アイーシャの全身は、既に目の眩むような官能の嵐に翻弄されつつあった。
 「むッ・・うう・・・」
 歯を食いしばり、必死に喜悦の声がこぼれそうになるのを抑える。
 「毒ではない」とベスマは言ったが、それはやはり、闇の力がこめられた恐るべき猛毒の酒だったのだ!
 「そおら、ここもこんなに喜んでるよ」
 片手を乳房から放し、苦しげに波打つ下腹部へ向けてイヤらしく這い寄せてゆく。恥骨のふくらみをプリプリと揉みしだかれ、アイーシャはこらえていた恥ずかしい悲鳴をあげて激しくのけぞった。

 「ヒあッ!」
 みるみるうちに花びらがまくれあがり、やわやわとした紅色の襞をあらわにしてゆく。愛の露が再び大量に溢れ出し、内股をキラキラと照り輝かせた。
 「フン、ザマあねェな。ええ?ご清潔な聖女様が、いやらしい汁をタレ流しだぜ」
 「やッ、そんなッ!・・・」
 下品な揶揄が、アイーシャの心をザクリとえぐる。そしてベスマの指先は、花びらのあわい目にぷっくりと盛り上がってきた肉の芽を、愛液をまぶすようにしてこねまわしていく・・・。
 「あッ!そこは・・・・」
 「ふんふん、ここが気持ちいいんだね?」
 「ヒうッ!・・・やめて!・・・」
 からかうように、なおさら早くなる指の動きに、アイーシャは無理とは知りつつ秘所を閉じ合わせようと身悶える。内股の付け根の筋肉がキリキリと空しく緊張するのが、いっそう哀れを誘った。


 (ま、まるで身体の中が全部溶けて、流れ出してしまいそう・・・ああッ、どうすればいいの?)
 ベスマの言ったとおり、この新たな闇の媚薬は、先程にはるかに勝る強烈な快感を、アイーシャの身体の隅々に叩きつけるように送り込みつつあった。
 「ヒはあッ!」
 あっと言う間に最初のピークに達し、アイーシャは恥ずかしい悲鳴と共に、透明な樹液をベスマの指先にほとばしらせてしまった。それだけでも死んでしまいたいほどの羞恥と屈辱を覚えるのに、身体の内奥から噴き上げる官能のマグマはとどまることを知らない。そしてベスマも、休ませてなどやるものかというように、なおさら淫靡な指の動きを早めていく・・・。


 ちゅッ、ぴちゅッ、ちゅッ・・・。
 歯を食いしばり、気を静めようといくら努力しても、頭の中にパッ、パッと快感のフラッシュが明滅する度に、腰が淫らに動き、新たな露が恥門から溢れ出てくるのだった。
 「おッ、おねふァいッ・・あひァ・・・やはめてェ・・・」
 もはや呂律の回らなくなりつつある舌で、アイーシャは、ベスマがおぞましい愛撫を中止してくれるよう懇願を繰り返す。
 破裂しそうに充血しきった両の乳首と花芯は、今や別人の肉体であるかのように完全にアイーシャの精神を裏切り、闇の快楽に翻弄され尽くそうとしていた。
 (ダメッ・・・こんなこと・・・続けられたら・・・気が変にされちゃう・・・あッ、恥ずかしいッ!)
 「フン、そろそろいいかねェ?・・・」
 立て続けに絶頂へと追い上げられ、息も絶え絶えの美しい獲物に、ベスマはいよいよトドメを刺そうと座り直した。
 椀の底にわずかに残っていた毒の酒を、股間から長く伸びた忌まわしい生殖器にふりかけ、その先端を、今は誘うように濡れそぼり開いている、アイーシャの処女花へとあてがう・・・。


 ちゅぷッ・・・・・。
 「ひッ、ィひゃあああッ!」
 秘部を襲った異物感にさすがに我に返り、ベスマの意図を悟ったアイーシャは、それだけはならじと最後の力を振り絞って暴れもがいた。しかし、まるで万力のようなベスマの両腕に捕らえられていては、それはまさに無駄な抵抗と言って良かった。
 「さあ、今からお前はあたしの妻になるんだよ。貧乏くさい光の神様にお別れを言いな・・・」
 じっとアイーシャの目を覗き込みながら、血も涙もない死刑宣告を得々と告げる千古の魔物・・・。
 「ゆッ、ゆふるしてェ!・・・それだふェは・・・お願いひィィイ!・・・・」
 絶望的に見開かれた両の目から、大粒の涙がポロポロとこぼれ落ちて、アイーシャの頬を、胸元をみるみる濡らしてゆく。もしも縛められていなければ、両手をもこすり合わせて懇願したに相違なかった。
 そこにはもはや、誇り高い光の聖女はいなかった。展翅版に張り付けられた蝶の命のように、最後の純潔に毒針をつきつけられておびえ、震える、無力な少女が一人いるだけであった。
 「ククッ・・・・」
 嗜虐感を満足させられてか、ベスマが短く嬌笑を洩らしたのと同時に、忌まわしい悪魔の器官は自ら獲物を求めるように蠢いて、アイーシャの無垢な肉壺へと押し入った!


 ぐちちちちいッ!
 「いひぎャああああーッ!」
 肉の引き裂かれる激痛に象牙の裸身が弓のように反り返り、絶叫が闇を切り裂いて響き渡る。
 聖女の神聖なる秘花が、ついに喰いちぎられ、散らされたことを告げる、断末魔の声であった。
 光の神に捧げるために、生涯清らかに保たれるはずだった乙女の純潔・・・それがこともあろうに、神敵である暗黒の魔物に踏みにじられ、汚されてしまった・・・。
 アイーシャの心は、これ以上無いようなどす黒い喪失感に覆われ、絶望の涙が後から後から際限なく湧いてくるのだった。


「うはッ、あッ、・・・やッ、いひャああーあッ!」
 ベスマの長大な男根(?)が花奥へ向かってジリッ、ジリッと這い進む度に、そこに張られていた純潔の糸が、プツン、プツンと断ち切られていくように感じられ、アイーシャは哀絶の声を上げ続ける。
 そしてさらに恐ろしいのは、下半身を突き上げていた破瓜の疼痛が次第に薄れ、快感の渦にのみこまれ、消えていくことだった。
 (いやッ!・・・どうして・・身体が・・・こんなに感じてしまうの?・・ああダメッ!・・・・)
 歯を食いしばって耐えようとしても、長大な肉の栓が花壺の中で身をよじるたびに、喜悦の混じった悲鳴が唇の隙間から噴きこぼれてしまう。
 「くくうッ、・・・ふあッ、ひああッ!」
 「ククククク・・・・」
 完全に勝ち誇って嬌笑を洩らしながら、ベスマは片手でアイーシャの顎をつまんで後ろへひねり向け、その唇に軽く接吻した。
 「あ・・ふァ・・たふゥけてェ・・・」
 身体を刺し貫かれた哀れな獲物は、間断無く襲ってくるエクスタシーの波に失神しかけながら、弱々しく放免を請い願う。これ以上責め続けられれば、本当に正気を失ってしまうかもしれなかった。
 けれども無情な闇の魔物は、彼女の精神を粉々に握り砕くまで、呵責の手を休めるつもりは無いらしい。


 「どうだい、素敵だろう?つまらない光の神などに仕えていては、一生知ることのない喜びだぜ。そおれ、たっぷりと味わいな!」
 アイーシャの、汗に濡れた首筋に貼り付いた緑の髪を左右にかき分け、キスの雨を降らせる。そして、自分よりもはるかに体格のある彼女の身体を、軽々と揺すりあげ、陵辱していく・・・。
 「あッ、えひャああッ、いあッ、ふはあああーッ!」
 苦痛と歓喜の相半ばした叫喚と共に、ガクガクと揺れるアイーシャの顔から、汗が、涙が、キラキラと飛び散る。
 やがて、ふくれあがった醜悪な器官の先端から細かい触手が無数に蠢き出て、肉壺の襞という襞をこそげ舐めるように這い進みだすと、アイーシャの理性は完全に爆ぜ、闇の快感に屈した。
 ビチュッ、チュッ、チュッ・・・・。
 「ィうあゥ・・ひァ・・・・」
 目の輝きが次第に虚ろになり、呻き声は単調に、抵抗の調子を弱めていく。
 腫れ上がった舌はいつしかだらしなく唇の外へ押し出され、そこからしたたる大量の唾液が、顎から首をみるみる伝い汚していくことにもまったく気がつかない。
 自らの完全な敗北を悟ったかのように、新たに大量の涙が溢れ出て両頬を伝った。
 (もう・・私ダメ・・・。モニカ姉さま・・・助け・・・・)
 ほとんど切れ切れとなった意識の中で、アイーシャは、今や遠い世界の住人となりつつある姉の名を呼んだ。
 ほんの一刻前、燃えるような決意と共に森へ出かけて来たことが、はるか昔のことのようであった。


 「クククク・・・夢見心地だねェ。それじゃあダメ押しに、後ろの方の穴も可愛がってやろうか・・・」
 ベスマはそう言うと、アイーシャのヒップの下に両手を割り込ませ、その腰を心持ち浮かせるように持ち上げた。
 同時に、悪魔の男根グヌゥフの腹から伸びている二本の細長い突起がキュルキュルと一本に捻り合わされ、アイーシャの最後の処女地である菊の蕾を一気に刺し貫く!
 「えぎャああああーッ!」
 想像もしなかった恥ずかしい部位への攻撃に、汗にまみれたアイーシャの裸身は、二度三度と大きく跳ね悶えた。
 「えはッ、えは、えはあッ!」
 「クククク・・・これ以上無い気持ちよさだろう?ほぉら・・・・」


 ギュルッ、ギュルッ、ギュルッ、ギュルッ・・・・・。
 入れられているだけで、直腸の内壁が、異様な、気の狂いそうな快感に満たされていくのに、悪魔の触手はさらにその中で一本ずつにほぐれ、また捻り合わされを繰り返す。
 その淫靡な動きが、肉唇いっぱいにくわえ込まされている男根の本体と、薄い肉壁ごしに擦り合わされるように感じられた時、アイーシャの中で何かが終わった。
 「いはァーがアアアアーッツ!」
 獣のような絶叫と共に欲情の澱をしたたかに触手に浴びせかけ、全身を弓なりに硬直させる。まるで瀕死の白鳥の、美しい彫像のように・・・。
 やがて次第にその身体から力が抜け落ち、首をガックリと前に折ると同時に、幼児がオシッコをさせられる惨めなポーズのまま、アイーシャの全身がダラリと弛緩した。


 「クククククク・・・いいイキっぷりだ・・・・」
 しとめた獲物の見事な裸体をいとおしげに撫で回しながら、ベスマが満足そうな笑い声をたてる。
 「気分はどうだい、お勇ましい聖女様?これでお前は純潔と共に、光の神に仕える神官としての資格を失ったわけだ。分かるかい?たとえもうその縛めを解いたとしても、光の神術を行使することは出来ないってことさ!クク・・クククククク!・・・・・」

 「うゥ・・ふァ・・・」
 次第に高らかに響き渡るベスマの嘲笑に我に返ったのか、アイーシャはかすかに目を開いて呻き声をたてた。
 そして、その心に理性が急速に舞い戻ってくるのと同時に、エクスタシーに溺れた自分の痴態がまざまざと思い出され、二度と光の世界には戻れないのだという絶望が、黒々と心を満たしてゆく・・・。
 (・・・私・・・身体の芯まで闇に染められてしまった・・・・)
 堅く目を閉じ、打ち寄せるオルガの余韻に下腹をヒクヒクと波打たせながら、弱々しく嗚咽を漏らし始めるアイーシャ・・・。
 「ううぅッ・・・・うッ、うッ、うッ、うッ・・・・・」
 闇の快楽に身も心も屈した、哀れな聖女の処刑完了の姿であった・・・。


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