恐るべき闇の媚薬は、この世のものとも思えない至上の快感の後に、すさまじい疲労と虚無感をもたらす。
二度、三度と無理矢理オルガに導かれ、今や手足を踏ん張ることも出来ずに突っ伏すモニカを、アイーシャはようやく床の縛めから解き放った。
しかしそれで放免する気は毛頭無いらしく、弱々しく抗おうとするモニカを、部屋の隅に広げられたしとねの上に乱暴に引き据え、悠々と新たなポーズに縛り上げていく。
まず背中側に捻り上げた両手の手首から肘までを重ね合わせてぐるぐる巻きにし、続いて左右の足の裏が合わさるように開脚させると、それぞれのふくらはぎと太股を、膝の近くで束ねるように縛り上げた。
そしてふくれあがった乳房をさらに絞り出すように上下で縛め、両脇の下に作った結び目から、短めに伸ばした縄を、太股の結び目にそれぞれくくりつける。
まるで押し花のように惨めに展開された姿で、モニカは仰向けに寝転がされた。
それぞれに折り畳まれた両脚は、ちょうど胴体から吊られたような格好で大股開きにされ、無惨にほころび開いている女性自身を、妹の無慈悲な視線から覆う術(すべ)もない。
「フン・・・」
生け贄を新たな処刑台に縛め終えて満足げに鼻を鳴らすと、アイーシャはモニカの口を割り裂いていた木柱をようやく取り払った。
「うぶッ・・・」
思わず呻いた口中から驚くほど大量の唾液が溢れだし、しとね代わりの毛皮の上に濁った溜まりを作る。その恥ずかしさ、情けなさに、モニカは縛められた全身を震わせて啜り泣きを始めるのだった。
「ううッ、うッ、うッ、うッ・・・・」
「だから言ったじゃないか、涙は後のお楽しみに取っておけって。これからだって、うんと泣かなきゃならないんだからね、モニカ姉様。・・・どうだい、闇の快楽は素晴らしかっただろう?」
からかうように言うアイーシャに対して、モニカは涙と鼻水、そしてよだれで見る影も無く汚れた顔を向け、かすれた声を絞り出した。
「・・・お願いアイーシャ・・・縄を解いて。・・・二人でここから逃げ出して・・・エルフの里へ、帰るの・・・です・・・・」
「まぁだそんな寝言を言ってんのかい!つくづく血の巡りの悪い女だねッ!」
頓狂な怒声を上げ、アイーシャはモニカの涙に濡れた顔を鷲掴みにした。
「どこへ帰るっていうんだい。今のあたしの住処はここだよ!あたしは偉大なベスマ様の下僕であり、お前はその薄汚れた家畜なんだ!いつになったら分かるんだい!」
「あうッ!・・・」
顎の骨を砕かれそうな、妹の思いもかけない強力に、モニカが怯えた悲鳴を上げる。
「さっきも言った通り、今この場においては、あたしがお前の飼い主であり教育係だ。きっちりと行儀を仕込んでやるからね。まずは口の利き方から・・・」
ベスマのように光沢を失った瞳で不気味に睨み付けながら、アイーシャはモニカの顔をつかんでいた手を放し、代わりに、痛々しく怒張してくびり出されている乳房をプリプリと揉みしだいた。
「あッ、やッ!・・・」
思わず悲鳴を上げて身をもがくモニカに、アイーシャは歯をむき出しながら、
「まずあたしのことは“アイーシャ様”とお呼びするんだ。今はお前のご主人様ってワケだからね。言ってごらん、“アイーシャ様”と!」
「な、何を馬鹿な・・・しっかりしなさいアイーシャっ!」
「しっかりするのはお前だよ。アイーシャ様とお呼びしろってのが聞こえなかったのかい?」
「い、いい加減に目をお覚ましなさい、アイーシャ!私は命を懸けて、あなたを救い出しに来たのですよ!」
「何を偉そうにほざいてんだい、家畜の分際でッ!」
姉として、また「西の礎」の長としての立場と意地からか、なかなか頑な(かたくな)な態度を崩そうとしないモニカに対し、アイーシャはイライラと吠え猛ると、その乳首をちぎれんばかりに握り摘んだ。
「痛ッ、ああッ!」
「いいだろう、どこまで意地を張り通せるか、やってみるがいい。泣きわめいて米をついたって、もう許してやらないからねッ!」
激痛に身をよじっているモニカを睨み付けたまま、アイーシャは手を伸ばして、傍らに置いてあった木の椀を取り上げた。
中にはあの恐るべき魔の薬が、椀の半ばより僅かに多く、ドロリと残されている。
「あッ!それは・・・」
妹の手にした物をチラリと見て、その邪なる意図を即座に察知したモニカは、思わず身を堅く竦ませて怯えた声を出した。
「イヤ・・・イヤです・・・・」
梱包された箱のように平たく転がされたまま首をオロオロと振り、弱々しく哀訴の声を洩らすモニカの鼻先に、アイーシャは意地悪く椀の中身を突きつけた。
「どうしたい、お姉様?急に意気地がなくなったじゃないか。せっかくお薬のお代わりをくれてやろうってのにさあ、ええ?」
「・・・イヤです・・・お願い・・・ああ、それだけは・・・・」
唇を震わせながら許しを乞うモニカの両目に、みるみる涙が盛り上がってくる。
何とか姉として、神官としての威厳を保とうと振り絞っていた気力の糸が途切れ、生身の女の、陵辱にただ怯えるだけの、哀れで頼りなげな表情がのぞき始めていた。
(・・・あんな恐ろしい薬をまた使われたら、今度こそ闇の快楽に心を奪われてしまうかもしれない・・・・)
たった今、イヤというほど味あわされたばかりの性の毒、それがもたらす暗黒の悦び(よろこび)、自らの演じた信じられないような痴態・・・それらはモニカの心に、鮮明な恐怖となって、黒々と焼きついていたのである。
「フフフフフ・・・」
聖女としてのプライドを打ち砕かれることが、姉にとってのアキレス腱であると悟ったアイーシャは、手で椀を支えたまま、惨めにさらけ出されているモニカの媚肉を、指先で左右にくつろげていった。
「あッ、いけませんッ!・・・」
めくり上げられる感覚に、モニカは思わず狼狽した声を上げ、下腹を波打たせる。
「たっぷりと飲ませてやるからねェ・・・」
歪んだ笑顔を浮かべてささやきながら、アイーシャは椀の中身を、やわやわと口を開けているモニカの恥門へと注ぎ込んでいった。
「あーッ!・・・」
間髪を入れず、まるで血を吐くような絶叫が、薄暗い室内に響き渡る。
なみなみと満たされた闇の毒汁によって、モニカはまさに一瞬で、もろくも性の絶頂まで導かれてしまったのだ。それはその部分の全神経が瞬時に燃え上がり、身体中の血を沸騰させたかのような、すさまじい感覚だった。
乳房に塗り込まれただけで、あれほどの狂気を女体にもたらす猛毒である。敏感な内臓をむき出しにした最大の急所を狙われたら、いかに光の聖女とはいえ、一瞬たりとも心身の正常を保てるはずがなかった。
「おやおや、もーうブッ飛んじまったのかい?」
アイーシャはニヤニヤと笑いながら、粘い液体をタップリと湛えた肉の亀裂に指を差し入れ、さらに隅々にまで毒を導くかのように揉みほぐしていく。
ジュプチュッ、ジュプチュッ・・・・。
「あッ、やッ、やはァァーッ!・・・」
間断無く襲うオルガの連続に、モニカの弓なりに反った裸身は、まるで米搗き虫の様に床の上を跳ね悶える。
全身が湯気を立てそうに上気し、引きかけていた汗が、肌一面に新たに噴き出しつつあった。
「やめッ・・・やめなさいアイーシャっ!ああーッ!・・・」
真っ白になりかける意識に必死に鞭打ちながら、モニカは泣き叫ぶ様に訴えた。
「そう意地を張らずに、素直に楽しみなよ。
身体の方は喜んで嬉し泣きしてるぜェ」
「光の心を・・・うッ・・・取り戻しなさいッ!・・・そのように・・・淫らに闇に堕した姿を・・・亡くなったお父さまがご覧になったら・・・どんなにお嘆きか・・・あッ!・・・」
「そいつはお前の方で心配するこった。そんな浅ましい姿を親父に見られたいかよ?ここをこんなにおっぴろげて、いやらしい汁をだだ漏れにしてる無様な格好をさァ!」
冷笑を浮かべながら、完全な闇の使徒と化したアイーシャは、無惨に濡れそぼったモニカの局部をさらに弄ぶ。
そこはもう毒液を十分に吸ってパンパンにふくれあがり、淫らな音を立てて大きく花開いていた。
じゅッ、じゅッ、じゅッ・・・・・。
内部からの熱に煽られて充血し、堪りかねたかように口を開いている大陰唇。その内側から、熟々(じゅくじゅく)に溶けた紅色のはらわたが、露と共にはじけるようにまくれ出て、ヌラヌラと輝き、蠢いている。
性感、あるいは恥ずかしさのためか、内股の筋肉がピクッ、ピクッとひきつれるように痙攣するのが、何とも哀れであった。
モニカのその姿は、まるで生きたまま腹を裂かれ、その皮を左右に押し留められて、抗う術もなく内臓をさらけ出しているカエルの様だ。
「さ、触らないでアイーシャっ!・・・あッ、いやーッ!・・・」
濡れた肉の壺を巧みにこじり苛んでくる指先から、少しでも遠ざかろうと必死に身をもがくモニカ。その空しい抵抗をあざ笑うかのように、アイーシャの指戯は、ますます執拗さの度を加えてゆく。
「ほらほら、もっと味わいなよ・・・」
ささやくように言いながら、アイーシャは椀の底に残っていた闇の酒を、モニカの両の乳房、そして臍の穴に注ぎかけ、肌に馴染ませるようにヌルヌルと撫でつけた。
「イヤッ、ああッ!・・・」
その部分がみるみる熱く充血し、新たに強烈なエクスタシーの発信地となって、モニカを責めたててくる。
きつく絞り出された乳房は、今や内側から破裂するのではないかと思うくらいにふくれ、濡れて尖った先端をどす黒い血の色に変えていた。
「ああ、ああ、ああああーッ!」
身体中に溢れかえる淫らな衝動をどうしようもなく、モニカは汗にまみれた裸身を絶望的にのたうち、波打たせた。
それはもはや快感というよりも、まるで口から肛門まで官能の杭を突き通された様な、異様な、拷問に近い感覚だった。
「く、苦しいーッ!・・・やめてッ!やめてアイーシャーっ!・・・」
淫靡な指の蠢きと共に突き上げる様に襲ってくる性感に耐えかね、また自らの肉体がこのまま淫らに狂ってしまうのではないかという恐怖に怯えて、モニカは半ばパニック状態になって泣き叫ぶ。
聖女としての誇りも意地も、闇の毒液の恐ろしさに溶かし流されてしまったかの様だった。
哀れに身を揺すり、悲愴な目つきで許しを乞うモニカは、今や自らの運命に震え怯える、一介の無力な少女にすぎなかった。
「フン・・・やっと少しは身の程ってもんが分かってきたようだねェ・・・・」
息も絶え絶えに喘ぐ姉を、アイーシャはようやく指の動きを休めると、勝ち誇ったように見下ろした。
「ううッ・・うッ、うッ・・・・」
モニカの汗に濡れた裸身は、まだ間欠的に襲ってくるオルガによって、瀕死の獣のようにピクンピクンと波を打っている。
涙に濡れて光る両鬢に、緑のほつれ毛が二本、三本と貼り付いているのが、哀れな生け贄の被虐美を一層強調していた。
アイーシャはそのモニカに覆い被さる様に顔を寄せると、
「これでもう思い出しただろう?あたしのことを何と呼べばいいのか・・・。さあ呼んでごらん、あたしの名前を!」
涙でぼってりとふくらんだ目で、モニカが放心したようにアイーシャを見上げる。唇がかすかに動き、あぶくの様に溜まっていたよだれが、ダラリと顎を伝い落ちた。
「・・・お願い・・・許して・・・・・」
ささやくように哀訴するのを、アイーシャは氷のような笑顔を張り付かせたまま、
「名前を呼べと言ったんだよ。あ・た・しの名前をさ・・・」
意地悪く繰り返して命じながら、滑らかに濡れた指先を、再び羞恥の花芯に這い寄せていく・・・。
「ああ・・・」
絶望したように嘆息し、モニカはオロオロとかぶりを振った。
闇の熱にあぶられ、全てを無防備にむき出した女体を、これ以上淫らに責め苛まれることには、とても堪えられそうになかった。
「・・・アイーシャ・・・様・・・・」
消え入るような声で、ようやく非情な求めに応じたのを、
「なんて言ったのか聞こえねェなぁ・・・もっと大きな声でッ!」
「あ、アイーシャ様!・・・アイーシャ様ッ!・・・・」
這い寄る指の恐ろしさにせき立てられるようにして、モニカは叫ぶように妹の名を敬い呼ぶと、がっくりと横を向いて堅く目を閉じた。その目尻にみるみる新たな涙が盛り上がり、鬢を伝ってしとねに吸い込まれていく。
「・・・くくッ・・・くッ、くッ・・・・・」
搾るようなすすり泣きが、食いしばった口元から嫋々と洩れ出してくる。
あまりにも惨めな自らの境遇に、モニカの精神は今やズタズタに苛まれていた。
「フフフフ、ようし、よく言えたね・・・」
闇の力の前についに屈服し、弱々しくむせび泣いている姉、モニカ。アイーシャは、その濡れそぼった顔を上に捻り向けて、
「そう、あたしはお前の主人、アイーシャ様だ。そしてお前は、あたしの飼ってる家畜って訳だよ。言ってごらん、『私はアイーシャ様の家畜です』ってさ」
「そ、そんな・・・」
さすがに言いあぐねて目を伏せると、
「へーえ、言えないのかい?・・・」
汗まみれの下腹部に、アイーシャがトントンと指を弾ませてくる。
「あッ、言いますッ!私は家畜です!アイーシャ様の家畜ですッ!・・・」
それだけでもう、モニカは怯えきった声を上げ、乱れた髪をサワサワと揺らしながら、涙と共に屈従を誓うのだった。
常に誇りと共にあったエルフの若き幹部神官は、今や暗黒の使徒の指先一つに射竦められ、まるで操り人形の様に心と身体を弄ばれていた。
「よしよし、その調子だよ。家畜ってのはそういう風に素直でなくちゃね。これから先も、あたしの言うことに逆らったりしたら承知しないよ」
「はい・・・アイーシャ様の・・・言うことを聞きます・・・・」
「身体中、気持ちよかっただろう?」
「はい・・・気持ちよかったです・・・」
「あたしに虐めてもらって、嬉しかっただろう?」
「はい、とても・・・ああ、もう許してくださひィ・・・・」
従順に答えるモニカの語尾が次第に弱々しく震え、しゃくりあげるような涙声に変わっていく。
姉のその打ちひしがれた様子を見て、アイーシャの顔は勝利に酔いしれたような、崩れた面相になった。
「ようし、ではこれからも、ずっとお前を可愛がってやる。浅ましい、薄汚い家畜としてね。 長い間いつも、恩着せがましくあたしの保護者づらをしてくれたが、これからはそうはいかないよ」
アイーシャは、姉妹としてモニカと暮らした記憶を失ってはいない様だった。
暗黒の胎児は、彼女の精神をそっくり塗り替えたわけではなく、強い魔力によって光の心を就縛しているのだ。
同時に、彼女の中に無意識に蓄積していた姉へのコンプレックスや、秘かな嫉妬が黒々と増幅され、それがモニカを虐待し、ひれ伏せさせたいという強い執着の元凶になっているらしい。
「フフフフフ・・・偉そうに姉貴風を吹かせようったって、もう出来ねェんだぜ。お前はもう、礎の長(おさ)どころか、光の聖女ですらねェんだ。妹に身体中責められてイキ狂っちまう、ドスケベの変態女なんだ!フハハハハハ!・・・何てザマだ!」
ひとしきり嘲り笑うと、アイーシャは再び面持ちを緊張させ、哀しげに目を伏せているモニカに覆い被さった。
「これからお前をベスマ様に献上するために、もう一息行儀を仕込んでやる。あたしにももちろんだが、万が一にもベスマ様に失礼な口を利いたりしないようにね。・・・もし、そんなことをしたら・・・」
押し殺した声で恫喝しつつ、やっと僅かに落ち着きを取り戻しつつあるモニカの秘唇を、二本の指をVの字に広げながら割り裂いていく。
ニュチュッ・・・ニュチュッ・・・・。
「ああッ、イヤですッ!」
たちまち淫らな音色と共に、鮮やかな朱肉色が、ネットリと糸を引いて蠢き出た。そしてその上端に、小さな赤い舌のように顔を出している肉のしこりを、濡れた指の腹が押しつぶすように刺激してくる。
「もしベスマ様に失礼があったら、お前のここを、黒い血で破裂するまでなぶり尽くしてやるよ。分かったかいッ!」
「わッ、分かりました!分かりましたアイーシャ様ッ!お許しを!どうかお許しをーッ!・・・」
下腹を痙攣させ、口から泡を噴かんばかりにして苦しげに訴えるモニカを、アイーシャはニヤニヤとのぞき込んで、
「よしよし、なかなかご主人様への口の利き方が上手くなったじゃないか。よく勉強が出来たご褒美に、良い物をあげようね・・・」
床から妹が取り上げた物を一目見て、モニカの上気した顔がみるみる青ざめていった。
「そ、それは・・・・」
「フフフフ、綺麗だろう?・・・ベスマ様のお気に召すよう、お前の身体をピカピカに飾ってやるからねェ・・・」
「い、イヤ・・・まさか、そんな・・・・」
見開いた目に強い恐怖の色を湛えながら、モニカは縛められた裸身をさらに縮込めるように揺すり動かした。
アイーシャがつまみ上げた、小さく光る物・・・・それは彼女自身の身体にも貫き留められている、闇の力の込められた、銀色の小環だったのである!
「こいつを付けておけば、その部分が、いつでも心地よい闇の快楽に満たされるのさ。嬉しいだろう?・・・さあ、どこに飾ってやろうかねェ?・・・」
舌なめずりしそうな口調で言い、モニカの震える身体をヌルヌルと撫で回す。
「あッ!・・・イヤッ、イヤですッ!・・・」
血の気の引いた顔を打ち振りながら、惨めな悲鳴を噴きこぼすモニカ。
見開かれた大きな目の端から、涙の粒がキラッキラッと宙に舞った。
「フフフフ・・・ようし・・・」
闇の毒針をどこに貫通しようかと、モニカの濡れた裸身を執拗に弄んでいたアイーシャの手は、やがて狙いが定まったとみえて、その部分を、まるで刑場に引きずり出すかのようにつまみ上げた。
「あうッ!・・・」
それはたわわに充実し、その見事なボリュームのために互いにはじき合うように左右を向いている、美しい乳房の頂点だった。
薄い桃色だった可憐な乳首は、今や媚薬で濁った血によって赤黒くふくれあがり、搾るように愛撫する指の動きに合わせて、ブリブリとした弾力を加えていく。
「あッ!・・・あッ!・・・」
「フフフ・・・まるで催促するみたいにでっかくなってるよ。今すぐにこいつをはめ込んでやるからねェ・・・」
「やめてーッ!お願いやめて下さいアイーシャ様ーッ!・・・イヤッ、イヤァあああーっ!・・・」
気が触れたように激しく悶えながら、モニカは哀しい、絶望的な訴えを繰り返した。
涙が止めどなくあふれ、両鬢をテラテラと光らせる。吸い込まれるように大きく、深い色をしていた瞳は、あまりの恐怖のためか小さく縮みきっていた。
アイーシャの身体に貫通されたピアスに、かつて気の遠くなる程のショックを受けたモニカである。その同じ忌まわしい闇の杭が、今度は自分の肉体に打ち込まれようとしている!・・・
彼女の心の平衡は、今や完全に崩れさろうとしていた。
「・・・何をそう嘆くことがある?家畜の分際で、あたしと同じ闇のアクセサリーを身体に施してもらえるんだぜ。過ぎた幸せじゃねェか」
と、アイーシャは冷たく光る銀環の、円の途切れた一端を、モニカの勃起した乳首にめり込ませるように押し当てながら、
「・・・本当を言えば、あたしがお前のことを“女”にしてやりたいんだがな。そんな差し出たことをすれば、ベスマ様にどんなお叱りを受けるか分からない。だからせめて、こいつを急所にはめ込んでやらなきゃ気が納まらないよ。この闇の輪は、あたしのささやかな、言ってみれば『勝利の記念』みたいなものさ・・・」
「い、イヤです・・・。お許しを・・・どうかお許し下さい、アイーシャ様ァ・・・・・」
恐怖と絶望から半ば虚脱状態となり、涙でグシャグシャになった顔を震わせて、弱々しく同じ哀訴を繰り返すモニカに、
「フフフフ・・・もう遅いよ、ほうら・・・・」
サディスティックな笑みを満面に浮かべながら、アイーシャは、モニカの濡れた乳首を挟み込むように食い込ませた銀環を、無情にグイと閉じ合わせた!
「ギャアアアアアアーッ!・・・・」
肉の潰れちぎれるかすかな音に続いて、モニカの悲哀に満ちた断末魔の絶叫が、洞窟中に響き渡るように木霊していった・・・。
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