第四夜:三つ編み髪の淫



雅耶は自分の胸を両手でおさえながらおびえていた。
雅耶「あ、あの…。」
昌彦「ふふふふ、さあ、三万円払ってさっき特別サービスもしてくれるって言ったから、思うぞんぶんやらせてもらうぜ。さあ、おまえがこんなことをやっているなんて同窓会なんかで伝わったら笑いものだな。おまえみたいなブスの相手をするきもいジジイがいるなんてあきれるぜ。」
雅耶「そういうあなたは、わたしのようなブスなんかを相手にしたことを人に言えるの?きゃあ。」
雅耶は昌彦にかたほうの長い三つ編みの髪の毛をひっぱられていた。
昌彦「おまえがおれにむかってそんな生意気な口をきくなんて十年早いんだよ。」
雅耶「ああっ。」
雅耶はもうかたほうの髪の毛も頭の上に近いところでわしづかみにされていた。
昌彦「たしか卒業式終ってから一度も会ったことがないよな。おまえのこの髪の毛、まだせいぜいそのちいさいおっぱいの上のほうまでしかなかったしな。あれから一年ちょっとぐらいしかたってないのにこんなすげー早くのびたんじゃあ、おまえそうとういやらしいんじゃねえか?こんなふたつに分けてしかも三つ編みなんて見たことがなかったぜ。」
事実、中学の頃の雅耶は、伸びていた髪はいつも一本に束ねていたか肩に広げていたかしかしたことがなかったので、こうしたツイン・テールのおさげや三つ編みの姿を昌彦に見せるのは初めてであった。高校に入学してからいじめられていた中学の頃とのイメージチェンジも兼ねてずっとツイン・テールの三つ編み姿で通学していた雅耶だったが、その髪をまた昌彦はひっぱり続けていたのであった。
雅耶「いたっ、あなたの、好きなようになんでもやっていいわよ、もう。」
昌彦「よおし。」
雅耶「きゃあ。」
昌彦は雅耶の髪を思い切り引っぱりながら、雅耶の身体を前のめりに倒していた。そして、床の上にうつぶせになった雅耶の背中にまたがってその上からどっすんと腰を降ろしてちょうど雅耶の背中のところ、雅耶の胸が圧迫されるようにのりかかっていた。
昌彦「ふふふふ。」
雅耶「いたい!」
さらに、雅耶の両腕をつかみとって、傍らに用意していた縄をその手首に巻きつけていた。雅耶は抵抗したくてもいじめっこの昌彦の前になにもできないでいた。
昌彦「まず、これで身動きができないようにしてやるよ。」
雅耶「いやっ、いや!」
昌彦が雅耶の両手首を後ろに一つの縄でしばると、また雅耶の身体を持ち上げて今度はベッドに乗せ、さらに雅耶を仰向けにしてその身体の上に抱きついたのであった。

昌彦「もしかして、ほかの男とはとっくに本番もすませたのか?おれはまだ童貞だけど。」
雅耶は両方のおさげ髪をわしづかみにされながらも首を横に振った。本番までやるうちに相手を殺したなどとはとても言えないからである。
昌彦「そうか、ひひひひ。実はおれも髪フェチなんでね。はだかやおっぱいにはこうふんしないけど、おまえがいまやってるような、特に三つ編みのおさげがいちばんこうふんするんだよ。ほら、おれのムスコをよくみな。だんだん大きくなってるだろう。」
その、昌彦のぼっきした性器が雅耶の口もとにかかろうとしていた。このため、雅耶は目をそらしていた。
昌彦「ひひひひ、まともに見ることができないなら。」
昌彦は、またわしづかみにしていた雅耶のかたほうの三つ編みにしていた両方の髪を持ち上げてひっぱり、とうとうぼっきしていた自分の性器に左右から交差させるようにして巻きつけはじめたのである。その行為に気づいた雅耶は驚いてしまった。
雅耶「や、やめて。わたしの大事な髪の毛よ。きゃあーっ!」
昌彦「いひひひ。」
事実、ぼっきしてこうふんした昌彦の性器からついに精液がとびだして、しかも天井を向いた方向で性器を立たせていたために、精液も潮を吹いて折り返すように下にこぼれてしまい、雅耶の両方の自慢の髪の毛もべとべとに濡れてしまったのである。
昌彦「はっははは、おまえなんかで童貞は失いたくないから、本番はやらなくてもこれで満足さ。ん?」
その時、雅耶の両目が赤く光り出した。
昌彦「うっ、うう、なんだよ。うわ!いたい!」
昌彦が急に痛がったのは、性器に巻きつけていた雅耶の三つ編みの髪がきついしばりになって、強くしめつけ始めたためである。
昌彦「痛い!離せよ。」
雅耶「くくくく。よくもわたしのじまんの髪の毛をおまえの汚い心で汚し、それに、ずっといじめられていた時からの恨み、思い知るがいい、殺してやる!」
昌彦「なにを生意気…ああっ…う…。」
雅耶「わたしに殺されなさい。おまえの大嫌いな、いいえ、ほんとうは好きな女に殺されるなら本望でしょう。」
雅耶がその場で起き上がり、のっかっていた昌彦の身体を後ろに倒して、昌彦の性器にしめつけたまま三つ編みの二本の髪の毛の途中のところに手をそれぞれかけるとその髪を交差させながら身体を一回転させていた。そして、後頭部の分け目がぱかっと開いて昌彦は髪によって宙に持ち上げられてしまい、その分け目にやはりはだかの昌彦の身体が小さくなりながら吸い込まれていくのであった。
昌彦「うわあーっ!」
雅耶「くくくく、くくくく。」
吸い込まれてもまだ髪の毛が昌彦の性器にまきつけられたままのため、開いていた分け目もまだ閉じないですぐに骨が分け目のなかから大量に砕け散ってとび出ていた。やっと濡れていた髪の毛先が両方とも現われてなお骨ががらがらと髪の毛先からまさしくその精液のように放たれ続けていたのである。

いっぽう、美佐は吉幸と女のようすを見ていた。
女「ふふふふ、坊や、こんなに髪の毛長くして三つ編みしたのね。きれいに編んでいるじゃない。自分でやったの?」
吉幸「ううん、尋子ねえちゃんに結ってもらったの。」
女「そう。女の子みたいでいやじゃないのかしら。」
吉幸「べつに。いつもやってみたいと思ってたから。」
女「まあ、おばさんも高校生の時に髪の毛を肩ぐらいまで長くして二本の三つ編みをしていたことがあって、もっと伸ばしたかったけど暑苦しくていつも切っちゃったの。坊やみたいに根気がないのね。だから、坊やのように髪の毛こんなに長くしているのを見ると、いいなあってずっと思ってたのよ。」
吉幸「ぼく、おばさんのこと今日初めて知ったけれど、いつもぼくのこと見てたの?」
女「そうよ、おばさん、いつも坊やのこと近くで見ていて、なかなか声かけられなかったけど、坊やの三つ編みが珍しくてついいきなり近づいて坊やの髪の毛にいたずらしちゃったの、ごめんなさいね。」
美佐はようすを見ていると、吉幸はどうやらおびえているようで、女は吉幸とは面識もなさそうだと思った。
吉幸「おばさん、そう言いながらぼくの髪の毛ずっとつまんだままだよ。もう帰るから離してよ。」
女「あら、せっかく坊やとふたりきりになれたんだからゆっくりお話しましょうよ。いつも坊やにはおかあさんかおねえさんがいっしょについていたから、やっとひとりでいるところをつかまえたのよ。こんな機会ないと思うから。」
吉幸「おばさん、やだ。離して。」
女は右手で吉幸の髪をつまんだまま、左手で吉幸の股間に手をのばし、また吉幸の肩に自分の首をかぶせたのである。
女「おばさんのこと、いやらしい女の人だと思っていいわよ。坊やのようなきれいな男の子をこうして一度いたぶってみたかったの。おばさんはね、もう坊やのことをいたずらできたら警察に突き出されても死んでもかまわないと思ってたのよ。」
吉幸「それじゃあ、本当に死なせてやるよ。」
女「まあ、坊やにこの大人が殺せるかしら、あんがい生意気なこと、もっといたぶってやるわ。」
傍らで見ていた美佐も、その中年女は痴女だと感じた。だが、さきほど尋子にいたずらして髪の毛に食べられてしまった痴漢と同じようにまたこの中年女も恐ろしい魔力のしっぺ返しを受ける羽目になったのである。
女が吉幸の首のあたりに顔をすりよせようとすると、吉幸の一本にしていた三つ編みの髪の毛も舞い上がりはじめ、その髪の毛が女の首に巻きつきはじめたのである。
吉幸「くくくく。」
女「うう…く、苦しい…。」
吉幸「おばさんも、ぼくに殺されたら本望だね。特におばさんの好きな長い髪の毛で。」
吉幸の目も赤く光っていた。尋子によって悪魔のヘアブラシで髪をとかされていたために妖怪の身となってしまった吉幸が、こうしてまた人を襲う恐ろしいことをするようになったのである。
ただし、雅耶や尋子のように、女の子ではない吉幸の場合には後頭部が裂けて髪の毛で人を食べるということはなく、どうやら髪の毛で相手の首をしめ殺したようで、その女はがくっとなって吉幸のひざの上に倒れていた。
美佐「やはりあの男の子も…、もしかして人間じゃないんだわ。それとも、妖怪にされた人間かも。」
その吉幸がいた公園にふたりの姉も戻ってきたのである。しかも、雅耶は三つ編みをほどいておろしっぱなしにしていた。実は昌彦の精液で濡らされていた髪の毛をホテルのふろ場で洗い流し、乾かしていたが、その洗いたてのままの髪であることを美佐も察知していた。
吉幸「あ、おねえちゃん、ほら。女の人をつかまえたよ。」
尋子「うふふふ、よくやったわ。わたし、いま痴漢を食べたばかりだからおなかいっぱいだから、雅耶ねえちゃん食べれば?」
雅耶「わたしもラブホテルで男を食べてきたばかりだから、そうだ、ママにさしだせばいいよ。」
吉幸「うん。」
女の身体はそのまま三人によって雅耶の家に運ばれていった。そして黒髪をばさっとひろげた母親の嗣美が女の身体をその髪で巻き込み、後頭部が化パッと開いてその割れ目に女の身体がまた吸い込まれていったのである。どうやら、人を食べることのできる髪は女性だけが持っているようであった。
美佐「恐ろしい妖怪があの家の人たちを…だけど、妖怪を退治する方法がいまのところわからない…。」

翌日もまた、ラブホテルで男が惨殺された事件の記事が新聞の片隅に載せられていた。今度は高校を中退した少年ということで取り上げられ、須田昌彦の名前は出ていなかった。したがって、雅耶や昌彦と同級生だったり担任だったりしていた者も、昌彦が雅耶に殺されていたなどとは思いもよらないことであった。
しかし、美佐はそれならば、尋子に殺された痴漢の記事もあっていいのではと思ったが、これを扱った新聞記事はどこも掲載していなかった。事件のとらえかたがなにか異様な感じがするものと美佐は思った。
それに、もうひとつ気になったのは、いつも同じホテルで事件が起きて、同じ従業員が雅耶の姿を見ているというのに、普通ならば警察などが来てホテルで張り込んだり、受付の従業員が雅耶が出入りしていくところを止めてもよさそうなもので、つまり再発防止のために周囲がなんら対策を立ててもいおはずなのだが、そういうことが一切ないのもやはり悪魔が仕組んでいるとしか思えない美佐だった。
雅耶はこの日はいつものツイン・テールで頭の所をしばってから編んだ髪形ではなく、ピンを入れて片側ずつ三等分し、直接耳もとで髪を最初にそれぞれ交差させた二本の基本的な女学生らしい三つ編みに結ったおさげの髪を垂らしていた。そのため、毛先がいつものスカートの下裾よりもっと下に伸びており、しゃがめばもちろん床にとどいてしまう。昼休みの時間にその雅耶が美佐に近づいて相談を受けに来ていた。
美佐「ねえ、雅耶さん、きのうわたしがあなたを追いかけて、わたしのことを蹴ったことも覚えてないの?」
雅耶「そんな、美佐さんのことを蹴飛ばすなんて、わたししたおぼえないわ。きのうもわたしは家に帰ってから外には出てないし。」
美佐「そうだわ。雅耶さん、今日は家に帰らないで、私の家に来て泊まっていかない?携帯電話が出たら男には事情を説明して断わっておく。そうすれば事件は関係なくなるでしょう?」
雅耶「美佐さん、そうね。そうするわ。」
こうして、美佐は雅耶の行動をある程度防げるかもしれないとその時は思っていたが、美佐は雅耶の持ち物にももしかするとなにか鍵がありそうだと思って、かばんの中身を透視していた。
美佐が気になったのは、雅耶がその自慢の長い髪をすくのに使っているというヘアブラシだった。そのヘアブラシには恐ろしい悪魔の力が働いていることがわかったのである。
美佐「こ、このヘアブラシは…。」
美佐は、雅耶の持っていたヘアブラシにとりついている悪魔の力について、携行していた魔女ミニ辞典を調べはじめた。
悪魔の力がとりついているヘアブラシを使って髪をとかすと、その髪の毛からかかった身体にも魔力がいきわたり、また脳波をも制覇して悪の力にあやつられるようになってしまうという。これは、雅耶のように髪の毛が長くない者でも、また男女関係なくかかってしまうという。ただ、雅耶や妹の尋子のような超長い黒髪には他人を殺してしまう力も備わり、いわゆる人食いの髪の毛となってしまう。人を食べる髪は、おさげ髪にしていた時の分け目が裂けてそこへ髪にまかれた者の身体が小さくなりながら吸い込まれるようになっているが、おさげにしていない髪をおろしている時でも一本に束ねている時でもその髪の中に吸い込まれてしまう。食べられた者の身体は髪の根元でとかされて骨となって毛先から吐き出されるように落ちてくる。
吉幸のような男の場合は相手を締めつけるだけである。髪の毛が長くない者の場合は単に下僕となるだけで、他人を襲ってその者を下僕にしたりすることができる者も長い髪の者だけである。さらに、悪魔のヘアブラシを使って悪魔の下僕となった者がべつのヘアブラシを使うと、そのヘアブラシにも魔力がのりうつって、更にそのヘアブラシで髪をといたりするとやはり悪魔の手先に…。
美佐「人食い髪という、恐ろしい妖怪だわ。もしかして、妹さんたちの学校でも…。」
事実、雅耶の妹である尋子が通っている私立の女子中学校では、尋子の支配する悪魔の手先が増殖していたのである。

尋子は、授業の行われている時間に気分が悪いといって教室を抜け出し、まず保健室で女性の若い保健医を手下にしようと襲いかかったのである。
尋子「うふふふ。」
保健医「きゃあーっ!なに?く、苦しい…。」
白衣を着た保健医の背中にとびついて、尋子は自分のツインテールの髪を舞い上がらせて保健医の首をまず締め付けて気を失わせたのである。この保健医もふだん髪をまとめていたが、尋子はその保健医の髪をほどくと、胸ぐらいまでの長さがあった。まだ人食い髪になるほどの長さではなかったが、尋子はヘアブラシを取り出して気を失っている保健医の髪をすきはじめた。
尋子「うふふふふ、先生もわたしの思い通り動いてもらうのよ。」
悪魔の手先となった尋子が学校でも仲間を作ろうと…。


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