その6


美佐が目を覚まし、自分の尻のなかになにかが突き刺さっていると感じていた。




美佐「う…、もしかして、わたしの身体に男の…、いまわたしを抱いているのは、ちかん…。」




増美のハアハアという息づかいも聞こえていたが、美佐はその正体に気づいておらず、見知らぬ痴漢だと思いこんでいるようだった。




増美「ああ…、ああん、ああん。」




やはり増美のほうがまるで自分が攻められているような、女の子らしいあえぎ声をしてうめいていた。いつもの増美の声とも異なるので、顔がまだ見えないために美佐には正体がわからなかったが、明らかに何者かが自分を抱きしめていることはたしかだと思った。




美佐「こうなったら、いいわ。」




美佐は、相手の気を抜いたところをついてみぞおちに膝で蹴りを入れたのである。




増美「痛っ!」




そして、矢つぎばやにこぶしで相手の首を、ボクシングのサンドバッグさながらに殴り続けていた。しかも、相手の顔は見ようとせずにただ憎しみをこめて殴り続けていた。




美佐「よくも私の大事な身体を…。」
増美「うう…。」




ベッドから、増美はその床に倒れて上向きに落ちていた。その時、美佐は初めてその相手が増美で、しかも露骨な性器を上向きにしたままさらけだしてその正体もまた初めて知ったのである。




美佐「増美さん、あなた…。」




美佐は呆然として言葉も出なかったが、傍らに脱がされていた制服と下着を見つけたので、すぐにそれらを身につけて部屋を出ることにした。増美にかまっているひまなどなく、自分が早く逃げ出さなければという意識が働いたのである。




美佐「ここは、ホテルね。出口はこっちかしら。あっ。」




増美のいた部屋からぬけだして、階段かエレベーターを探そうと通路を走ろうとした時、かどの場所に中学生と思われる少女が立っていたのである。その少女は、髪の毛をツインテールにして白いヘアゴムを耳もとにくくってそのなかからそれぞれ三つ編みに結った髪の毛を三本ずつ垂らしていた、藤美久江(ふじみ・ひさえ )だった。だが、その少女の計6本ある三つ編みの髪の毛が急に舞い上がり始めたのである。




久江「くくくく。」




美佐は、前日にも妖怪にされた小学生たちの姿を見ていたため、この少女も侵略されていたのだと思い、あわてて反対方向に逃げ出した。しかし、その方向は廊下では行き止まりになっていたため、その横にあった部屋に逃げ隠れようとしたのであった。




美佐「はっ。」




その部屋には、美佐が会ったことのある、侵略されていた小学生男子の智文がいてだいぶ学年が下らしい少女の顔に性器をおしつけていた姿があった。幼稚園児の中里亜也美(なかざと・あやみ)だった。




智文「くくくく。おまえも仲間になるんだよ。」




智文は長くされていた髪の毛の両サイドをそれぞれ三つ編みにして残りの髪を背中におろし、その前髪の毛先で幼女の首を両側から刺していたのである。その幼女も生まれてから一度も切ったことがないらしい長い髪の毛で、ツインテールにまとめたそれぞれの髪の根元に両サイドの前髪と後ろの髪をいずれも三つ編みにして 垂らしている髪の両側から何重にも巻きつけていた幼女らしい髪形だった。その髪の毛を両手でそれぞれわしづかみにしながら興奮し、出て来た精液を幼女の口に垂らせ、幼女は飲み込んでしまっていた。






亜也美「くくくく。」




幼女も目が赤く光って起き上がり、ツインテールの髪の毛先も毒針となって光っていた。




美佐「あんな、小さい女の子まで妖怪に…。」



美佐は、あわてて反対側の部屋に入ったが、そこにもまた別の子供がいた。そこでは、女の子が男の子を犯していた。智文に襲われて妖怪の仲間になっていた美玖が、同級生の男の子を誘っていたのであった。やはり、美玖のような長い髪の毛が好きで興奮して勃起していた性器に、美玖の三つ編みに結っていた髪の毛先が毒 針となって刺し、男の子の意識をもうろうとさせていた。



美玖「うふふふふ。おまえはあたしのしもべ。あたしのおまんこをおなめ。」



美玖のさらした股に男の子が顔を近づけて、命令通りなめ始めたのである。
美玖「うふふふ。男の子を犯すのが、こんなに楽しいものだなんて…。」



またも美佐は顔をそむけた。



美佐「恐ろしい。女の子にも、子供たちをこんないやらしいことに…、あっ。」


廊下には、さきほどの久江や、女番長の京子、同級生の郁代、伊津子も迫ってきた。


京子「おほほほほ。美佐、おまえの命ももうすぐ終るのだよ。」


とうとう、なんとかしなければならないところまで追いつめられていた。


美佐「やめて、あなたたち、きゃっ。」


妖怪になった少女たちの、舞い上がった髪の毛先が毒針となって光り、美佐を窮地に追い込ませた。


京子「さあ、みんな。美佐をやっちまいな。」


オーっと少女たちの力ないながらも揃った声で、美佐を目がけてとびかかってきた。


美佐「きゃあ。」
郁代「くくくく。」
伊津子「うふふふ。」


美佐は、身体の両側から郁代と伊津子につかまって身動きができなくなってしまった。


京子「ふふふふ。美佐をふたり以上の者でつかまえてだれか長い髪の者が毛先で攻めれば、もう美佐の命はなくなる。そうだわ。中学生でもけっこう長くなっているから、おまえのたくさんある三つ編みの髪の毛であちこち刺してやるといいわ。」
久江「はい。わかりました。」


久江が正面から美佐に向かい、六本にまとめている三つ編みの髪の毛を舞い上がらせて美佐に襲いかかろうとした。


ところが、その時だった。


久江の髪の毛を、両手で編んでいる根もとのところでわしづかみにして引っぱり、久江の身体を後ろに倒してしまった者がいた。


増美「美佐を殺すのはあたしの役目。おまえたちはひっこんでな。」


少女たちはいずれも増美によって妖怪少女として増殖してきた奴隷でもあったため、増美の命令には逆らえないのであった。美佐の身体をつかまえていた郁代と伊津子の二人も美佐を離した。


美佐「増美さん、いいえ、あなたももう、わたしの友だちじゃないわ。それに、男の子のくせしてそんな女の子にまで化けて女子高に入り込んで女の子たちを手下にするなんて、あなたにはもう人間の心もないのよ。わたしを犯したのだから、あなたこそ死んでもらうわ。」
増美「ふん、なにを生意気な。」


増美はまた、髪形をいつものような女学生らしい二本の長い三つ編みに戻していた。その三つ編みの髪の毛をそれぞれ舞い上がらせて毛先を光らせ、まだ倒れていた美佐を目がけて襲いかかろうとしているのであった。


美佐「そうだわ、相手は男の子なら…。」


美佐はとっさに、着ていた制服を脱ぎ始めたのであった。増美の髪から身をよけるためと、そのなかでひそかに呪文を唱えるためであった。


増美「むっ、急にストリップなんかを…。」
美佐「エコエコアザラク、エロエロザメラク…。」
増美「はっ。」
美佐「はーっ。」


美佐の上着を脱いだ後の下着姿が身体とともに光り始め、増美の行動をたじろがせるのであった。


増美「うわっ、なんだ、急に、まぶしい。」


その時、周囲にいた妖怪となっている少女たちも見ていられないと、あわてて逃げ出そうとしたが、美佐の身体から発した光を浴びて少女たちがばたばたと倒れはじめたのであった。


美佐「エコエコザメラク、エロエロアザラク…。」
増美「くそっ、この場は…。」


増美は、長い二本の三つ編みの髪を大きく振り回しながら美佐に背中を向けて逃げていったのである。


美佐「増美さん、逃げる気?はっ、その前に…。」


美佐は、増美を追うことよりも倒れた少女たちを助けるのが先だと考えた。光を浴びた少女たちの髪の毛先から鉛のような液が流れ始めていた。


美佐「これは、もしかして毒素…。」


少女たちの髪の毛先を毒針にしていたその毒素が、髪から追い出されていったようである。


美佐「ここにいる人達は、これでもとの人間に戻ることができるわ。」


京子がしたがえていた番長グループの少女を含め十人以上もいたが、美佐は独特の黒魔術を使ってそのまま少女たちをそれぞれの家に一度に帰すことができるようにかけていったのであった。





美佐を殺せなかった増美が自分の部屋に戻ると、主の雅耶が待っていた。


増美「はっ、雅耶さま。」
雅耶「おまえ、美佐を殺すのに失敗したわね。失敗したらおまえは殺されるという処分が待っていたはず。」
増美「は、はい。」
雅耶「ばかね、女の子たちに任せておけばよいものを。欲張って自分の手で殺そうとするから…。」
増美「申し訳ありません。」
雅耶「それに、おまえがせっかく手下にした女たちも、結局逃がしてしまったことだし、この損害をどうつぐなってもらいましょうかねえ。」
増美「覚悟はしてます。」
雅耶「ふふふふ。おまえはすぐに楽になろうと考えているわね。もう一度チャンスを与えてやるわ。まだ手下として小学生の子供たちが残っているから、その子たちを使って美佐を追い込むのよ。今度こそ、いいわね。」
増美「は、はい。」




ホテルにまだ残っていた子供たちを増美が連れてきた。美玖、智文、亜也美の三名であった。なお、美玖が襲って手下にした同級生の男の子は他の仲間をふやすためにすでにホテルの外に送りこまれていた。


雅耶「さあ、おまえたちで今度は美佐を倒す番。ぬかりなくやるのよ。」
一同「はい。」


美佐に再び危険が迫ろうとしていた。


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