未緒ちゃんの家までは交通機関を使うほどの距離ではない…未緒ちゃんの家まで歩いて行く…郊外の住宅地…そこが未緒ちゃんの家だ、そこに未緒ちゃんは母親と二人ですんでいる…確か、お父さんは、未緒ちゃんが高校に入学する直前に単身赴任している…ふと考える…もしも、お父さんが居れば、状況はもう少し良かったのではないだろうかと?
 そのような事を考えているうちに未緒ちゃんの家に着く…
 玄関チャイムを押す…カチャリ…と鍵が開く音がして未緒ちゃんが出てくる…

「いらっしゃい…沙希ちゃん…ほんとに来てくれたのの…嬉しい…入ってちょうだい…」

「え…う…うん…未緒ちゃん…おばさんは?」

 一応、母親に挨拶をするべきであろうと思う…

「お母さん…?ああ…お母さんは、親戚の法事で明後日まで帰ってこないの…だから
安心して…沙希ちゃん…」

 何を安心したら良いのか意味不明のまま、未緒ちゃんに促されて家にはいる…気のせいだろうか?家の中にはすえたような…嫌な臭いがする…何と言えば良いのだろうか?何とも言えない…不安…それが心の片隅に湧き上がってくる…

「未緒…ちゃん…」

「沙希ちゃん…先に二階の私の部屋で待っていてくれない?お茶でも入れてくるから…ね?」

 二階へと上がる階段の入り口…私の言葉を遮る様に未緒ちゃんが居間の方に消えていく…私は仕方なく二階への階段を上がって行く…上がる途中でコートを脱いで手にもつ…コートの下は白いセーターにピンクのスカート…別に未緒ちゃんの家に行くのにオシャレをして行っても意味が無いのでごく普通の普段着である…二階のつきあたりが未緒ちゃんの部屋…ガチャリと私は部屋のドアを開ける…

「えっ!」

 部屋の中には見知らぬ男達が居た…一目でまともな連中ではない事に気がつく…部屋に立ちこめる煙草の煙と生臭い臭い…散乱しているビールや酒の空缶やビン…

「いよ〜…今日の主役がようやくご登場かい?」

 男の一人が入口で固まっている沙希を見て言う、次の瞬間!沙希はバタン!とドアを思いっきり閉め踵を返すと階段に駆け出す。

(なによ!なんなのこれ?)

 動転しながらも、沙希は気がつく…危険に…本能的な危機感と言える…逃げなければ…逃げ出さなければ…階段を駆け下りようとした沙希の足が止まる…階段の途中に男が二人、立ちふさがる様に立っていたのだ。

「なによ…なんなの!…どいてぇ!どきなさいよ!」

 男達は顔を見合わせるニヤリと笑い…そして笑いながらゆっくりと沙希の方に階段を上がって行く…

「貴方達!誰!誰なの?未緒ちゃん!未緒ちゃん――!!」

 未緒を呼びながら、上がってくる男達に押されるようか格好で沙希が後ずさる…ガチャリ!背後でドアの開く音がする。

「貴方達は…」

 部屋と階段の間の廊下の中央…男達に挟まれるような格好で沙希が壁に背中を押しつけ男達を交互に見る…そんな沙希の姿をニヤニヤと笑いながら男達は見ている。

「沙希ちゃん…」

 不意に階段の方にいる男達の方から未緒の声がした。

「未緒ちゃん!これは…これってどう言う事なの…ひっ!」

 男達の間から未緒が現れる…未緒は…全裸であった…

「ふふふ…沙希ちゃん…あのね…この人たちは私のお友達なの…だから…沙希ちゃんにもお友達になってほしいの…」

 男の手が背後から未緒の乳房に伸び揉み上げる…

「あっ…」

 手が未緒の身体中を嬲るかのように蠢き股間に伸びて行く…綺麗に剃り上げられている未緒の股間部…指先が秘所をクチュクチュといじりまわす…透明な液体が滲み出し股間を濡らして行く…

「未緒ちゃん…未緒…未…緒……」

 呆けたような表情で未緒を見る沙希…

「沙希ちゃん…この人達…あたしに飽きたんだって…もう遊んでくれないって…でもね…沙希ちゃん…」

「未緒ちゃん…何を言ってるの…わからない…わからないよ…未緒ちゃん…」

「新しい…お友達を紹介してくれたら…まだ遊んでくれるって…だから…沙希ちゃん…遊ぼ…いいでしょ?」

「未緒!・・あぐっ!」

 沙希の背後にいた男達が沙希の口を塞ぎながら沙希を羽交い締めにする、そしてじたばたともがく沙希を部屋の中に引きずりこんでいく…開け放たれたドア…そのドアの中に未緒と残りの男達も消えて行く…パタン…と…ドアが閉じられた…


→進む

→戻る

→沙希・壊れ行く日々のトップへ