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夕映が再び目を覚ますと自分のベッドの中に全裸で寝ていた。
尿道がじくじくと痛い、全身が汗でベトベトになってシーツにまとわりついて不快で昨日の出来事が悪夢でもなんでもない。現実のできごとだというのを思い知らされた。
時計は5時を少し回って、ルームメイトの宮崎のどかも早乙女ハルナはまだ寝息を立てている。二人に気づかないように部屋に備え付けのシャワーを浴びた。
誰にも気づかれないように滝のようなシャワーを浴びながら声を殺して泣いた。
夕映は制服に着替えると、二人に見つからないようにこっそり出た。誰とも会うのが嫌だったし、少し一人になりたかったからだ。
教室によらないで女子中等部の図書室にまっすぐ向かった。
誰もいない。蔵書の独特のインクと紙の臭い。夕映はこの臭いが好きだ。
「待っていたよ。あと少しでネギくんの意識が目覚めるところだったから少し困っていたところだよ」
「な! どうしてここにいるですか?」
「時間が無い。足を少し開いてスカートの裾を口に咥えて」
支配とも言える強力な言霊。自分の意思を完全に無視する絶対的な意思が行動の自由を奪い。自ら手でゆっくり裾をまくって端を口に咥える。
口がふさがって声が出せない。
黒いストッキングとシックな黒いパンツが丸見えとなって夕映は声にならない声を漏らした。
少年の手でパンツが無抵抗に降ろされてしまう。秘所に当たる空気が心もとなく不安になる。
「中学生で黒い下着とは、なかなか。でもアンバランスな感じがかわいいじゃないか」
太股を伝って足首まで黒いパンツを降ろしきる。
「さーて、その場で横になりなさい。」
頬を染めながら夕映はスカートを咥えたまま、その場に腰を下ろして天井を向く、短いスカートが引き絞られてかわいいお臍までまくれ上がってしまう。
「さて…」
少年は口笛を吹きながら夕映の両足首を掴むと、臍をオデコにくっつくぐらいにぐいっと持ち上げる。腹部が圧迫され思わずスカートの裾を放してしまった。
女子中学生の恥ずかしい恥穴が両方とも天井を向く、
「なにをするです。こんな格好を…」
夕映の抗議を聞き流すと、傍らにあった鞄から幼児用の紙おむつのカバーを取り出す。
「な! そんなものをどうするですか?」
浮いたお尻の下に紙おむつを敷いて、夕映の腰を下ろすと足をひし形に変えて、赤子がおしめをするポーズを取らす。
「おっと、かぶれたら大変だ」
パウダーの缶を取り出すと、ミルクの臭いがむわっとしてポンポンと夕映の下半身、特に股間の中心をしっかりまぶしてやる。
「くくッ…」
奥歯をかみ締めて自分の姿を想像して悔しがる。こんな赤ちゃんと同じ扱いをさせられるのは屈辱の極みだった。
パリパリと音を立ててカバーを取り出して、夕映の腰にしっかりと巻いてからとめてやる。
「黒い下着も似合っていたが、こうやっておしめをするとガキくさい身体にはぴったりだよ」
「うるさい。黙れです」
「はいはい、もう立っていいよ。そろそろ時間なんで『条件付け』はさせてもらうよ。『我が下僕、綾瀬夕映に命ずる。汝に下衣の着脱禁止を厳禁する』」
呪いの言葉を吐くと少年は図書室を出て行った。
しばらく呆然と夕映は寝ていた。
それから立ち上がってゴワゴワする不快感を我慢しながら校舎の女子トイレの個室に篭る。
スカートの上からさすって、不快感の正体を確認する。どういわけだが、これを外そうとしても身体は自由にうごかない。幼児用のおしめは小柄な夕映にも小さく、あまり目立つことは無い。
「どうしてですか? 嫌なのに身体がいうこときかないです。そもそも、先生の中身はどうなっているですか?」
夕映の問いに答えるものはいない。
「ゆえっちどうしたのー。気分悪いの」
ノックの音で心臓が飛び出るかと思った。
「…あ、朝倉さんですか…」
「ええ、そうよ。なんかフラフラしていたから、ちょっとね。どうしたの?あんたらしくないじゃん」
「なんでもないです。だから向こうに行ってほしいです」
朝倉は夕映のものいいに違和感を覚えたが、これ以上の追求は逆効果だと考えて黙って女子トイレを後にした。
朝倉の手に愛用のテープレコーダーが握られていたのは不幸な連鎖の始まりだということはおそらく本人すら気づきもしなかった。
そのころ宮崎のどかの下駄箱に入っていたネギ・スプリングフィールドからの手紙を読んでいた。手紙には校舎裏に来るようにお願いが書き記されていて、のどかは放課後の待ち合わせを楽しみに夢心地で一日をすごした。
それは、夕映と同じ人物のことを考えながら、まったく違った一日をすごす。親友の二人の姿だった。
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