5・清めの儀式

やがて足元まで移動した不定形生物は、そのままミルシェの足を這い上がって行く。
「ひいぃぃぃ」
その冷たくヌルヌルとした感触に、ミルシェは思わず小さな悲鳴を上げる。
そして臀部へと到達したその生物は、ミルシェの小さな菊門の中へと潜り込んで行く。
「あひっ、なっ中にぃ、私の中に入ってくるうぅぅぅ」
その生物が侵入する感触は常人にとって絶えがたい物であるが、ミルシェはそれに対して明らかなる喜びの声を上げはじめた。
「ひゃう、わらしのらかれぇぇ、わらしのらかれうろいてぇぇぇ、あひゃ、きろちいぃぃぃ」
あまりの快感にミルシェの呂律は回っておらず、その乱れ様は更に拍車が掛かった。
「うふふ、姫様はこれが大層お気に入りの様ですね、汚らわしい化け物と汚らわしい肉奴隷・・・ふふ、とってもお似合いですわよ」
セレンの蔑みの言葉もミルシェの耳には届いていない。
今回セレンが呼び出した生物は、パラサイトブロブと呼ばれる魔物である。
このパラサイトブロブは人間の直腸内に寄生し、寄生した人間の排泄物を糧として生きる魔物なのである。
今や完全に侵入したパラサイトブロブは、ミルシェの中の排泄物を取り込むため、その身を激しく動かし始める。
「あひゅっ、あひゃあぁぁ、あふっ」
腹の中でパラサイトブロブが蠢くたびに、ミルシェは身を捩るような快感を感じ、声になら無い声を上げながら顔を弛緩させてよだれを垂らしていた。

「あらあら、そんな顔をしてると百年の恋も一気に醒めてしまいますわよ」
「いやいや、あの可憐な姫君がここまで肉欲に狂っておるのだ、これほど面白い見物は滅多に見れん」
ガルドはかなりの上機嫌である。
やがてパラサイトブロブの動きも収まり、ミルシェはその場にガクリと膝を付く。
だがこの責めはここで終わりでは無く、むしろここからが本番なのである。
「さぁミルシェ姫、ここからはどうするか判っていますわね」
「はっはい・・・」
ミルシェは過去にこの責めを何回も経験している為、この後二人が何を求めているのか判りすぎるほど判っていた。
ミルシェはしゃがんで床に両手を付く格好と言うまるで蛙を連想させる格好になると、下半身に力を込めだした。
「うっ、うぅぅん・・・」
ミルシェが力む声を上げ始めると同時に、その菊門から半透明の物体が顔を出した。
それはもちろんミルシェの直腸内に寄生したパラサイトブロブである。
体内に寄生したパラサイトブロブは、普通の排泄と同じ要領で体外に追い出す事が出来る。
ただしそれにはパラサイトブロブの動きを止める魔法薬を使わなければならない。
何故ならパラサイトブロブはせっかく手に入れた安住の地から追い出されたくない為、体内に戻ろうとするからだ。
「あひっい」
ミルシェが突如みっとも無い声を上げた。
一息付く為に下半身の力を抜いたのだが、パラサイトブロブはそのチャンスを逃さず体内に戻り始めたからだ。
ここで直ぐに力を込めれば、少し時間は掛かるものの薬を使わずにパラサイトブロブを体外に出すことが出来るのであるが、再び起こった快感にミルシェは何もする事が出来なかった。
「ほらほら姫様、サボっていると何時までたっても出てきませんよ」
「はっはいぃぃぃ」
ミルシェは再び力を込め始めるが、やはり同じ事の繰り返しであった。
いつもはこのミルシェの痴態を飽きるほど眺め、その後薬を使って排出させるのだが、今回はガルドの一言によって別の責めへと転ずるのであった。


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