そこには希望など無かった。存在していたのは絶望。その身を包むのは深い闇。
一度飲み込まれたのならば二度と抜け出せない。もがけばもがくほど深みに嵌る。
全ては徒労に終る。だから諦めた。諦めてただ現実に流されて生きてきた。
これまでも、おそらくこれからも
「くうぅ・・・くひぃっ・・あっ・・・くふぅ・・・」
恥辱に耐えながら少女は喘ぎ声を漏らす。もうどれだけの調教生活を過ごして来たのだろうか。
無惨に純潔を奪われたあの日から始まった悪夢。終わりの無い陵辱。肉奴隷としての調教。
その中で人としての尊厳を剥ぎ取られた。ほんの少しだけ抱いていたささやかな希望も踏みにじられた。
ただ性を処理する道具として使われ、肉壺を提供するだけの家畜として扱われ、そして今も…
「あっ…くぅっ…ああうっ!!ひぃやあぁぁっ!!」
彼女は精液を注ぎ込まれる器でしかなかった。
「どうですアメルさん。ずいぶん貴女のほうも具合がよろしくなったのではないですか?」
「あぅぐっ…嫌っ…あたし…そんなんじゃ…ひいっ…ぐっ…」
嫌がるアメルに構わずにレイムは腰を打ち付ける。ぱんぱんと乾いた音とにゅるにゅるとした滑った音が同時に響く。
膣内の奥深くまで挿入されたペニス。膣肉のきゅうきゅうとした締め付けに快くしてピストンを繰り返す。
類稀なる名器。レイムはアメルの女性器をそう評価した。犯せば犯すほどに馴染んでより味わい深くなる。
肉ひだがペニスに絡みついて離さない。いくらでも精液を搾り取られそうになる。こうやっていつまでも犯しつづけたくなるほどに。
「凄いですねえ。やはり貴女は生まれながらの肉便器ですよ。ひゃはははは。」
「違う!…ちが…う…あ…ひっ!嫌ぁぁぁぁぁ!!!!」
追い打ちをかけるようにアメルの膣内で射精するレイム。子宮に流し込まれる精液。
何十回、何百回経験してもこの瞬間がアメルにとって一番の絶望の瞬間である。自分の身体の芯まで汚された気分になる。
いや事実そうだろう。いつも思い知らされる。自分がただ無力に犯され続けることしかできない肉奴隷であることを。
自分に救いの手なんてない。ただこうして一生精液を吐き出される便所代わりにされつづけるしかないことを。
ひとしきりレイムがアメルの膣肉を味わい尽くすと次なる陵辱がアメルを待ち受ける。
それはさながら地獄絵図であった。1人の少女が哀願も虚しくただひたすら陵辱される。
1人が終ったと思えばまた次の一人が来て少女を犯す。順番待ち仕切れぬものは前後の穴同時に犯して口や手による奉仕も求める。
白濁液と涙に濡れて顔を崩すアメル。泣いて許しをこいてもほんの少しばかりの休息を求めても却下されただ輪姦され続ける。
それが彼女の日常。もはや生活習慣といっても差し支えないほどに刻み込まれた。
肉奴隷としての彼女の生活。延々と繰り返される醒めることのない悪夢。
(アメルさん…。)
ただひたすら陵辱を受け続けるアメル。そんな姿を見せられてパッフェルはただ歯噛みする。
悪魔王メルギトスに捕えられた仲間達。とりわけ彼の大悪魔を倒しうる鍵となるであろう豊穣の天使アルミネが化身ことアメル。
彼女の奪回はパッフェルに化せられた使命であった。失敗は許されない。だから今はこうして気配を潜めて隠れるしかない。
アメルの叫び声と喘ぎ声。それが耳に焼き付いてはなれない。ただ許しを乞う姿。
それが無駄な行為だとは分かってはいても哀願しつづけている。見るにも痛々しいその姿を見つめパッフェルは僅かに顔をしかめる。
また膣内で射精されるアメル。今度は腸内も同時に。ドロリと精液が垂れ落ちると休む間もなくまた同じ穴を犯される。
降り注ぐ白濁のシャワー。余りの惨状に思わずパッフェルは視線をそらす。
(アメルさん…ごめんなさい…私が必ず助けます…ですからもう少しだけ耐えてください…本当にすいません…)
今にも飛び出したくなるような衝動を抑えながらパッフェルは輪姦され続けるアメルをただ傍観することしかできなかった。
「それではアメルさん。私どもは楽しみましたので帰りますよ。明日もまた来ますからしっかり今の内に休んでおくことですね。ひひひひひ。」
そういい残して悪魔たちは去って行った。ただ一人その場に残されたアメル。全身を精液でどろどろに汚された状態で放置される。
長時間に渡って輪姦されつづけ足腰も立たない。ただ肉体の疲労と陵辱による精神の磨耗のみが残る。
精液の吐き出し口として使用されつづける毎日。それがアメルの日常。狂った日常は少女の心をズタボロに引き裂き絶望の底へと容赦なく叩き落す。
「あ…はは…あははははは…………今日も…いっぱい…はは…」
と、狂った笑い声。アメルの肺から漏れ出す。
「あは…あたし…便器なんだって…精液…射精されるための…もう人間じゃないんだって
…そうだよね…あたしなんて…もう………」
性欲処理のための肉奴隷。それが今の自分。そんな現実を今日も思い知った。明日もまたいやと言うほどに思い知らされるのだろう。
救われることなくただ肉便器として奉仕しつづけて使い棄てられる。それが自分の人生。
「あ…ははは…もう…死んじゃいたいな…だって…あたし…もう…うっ……………………
うあぁぁぁぁぁっ!!
あぁぁぁぁぁぁぁ!!!うあぁぁぁぁ!!うっ…うっ……………… 嫌ぁぁぁぁぁぁっ!!どうして!どうして!
あたしがどうしてっ!!こんな目に逢わないといけないのよぉぉ!!誰か…誰かぁぁっ!!殺して…誰かもう殺してぇぇぇぇっ!!」
ただ泣き叫ぶ。残酷な現実に対してそうすることしかできないから。声が枯れ果てて力尽きて眠るまでこうして泣き叫びつづけるのだろう。
そして目覚めたらまた悪夢の一日が始まる。それが日常。アメルに与えられた現実。何処までも辛く哀しい現実。
ガクリと音を立てて見張りは崩れ落ちた。急所を的確に一撃。悲鳴を上げる暇さえなかっただろう。
脱出経路は確保している。今そのルートに配置している人員も。今を逃せば脱出の好機はない。意を決して扉を開ける。
そこに横たわるのは1人の少女。全身に生々しい陵辱の痕を残す少女。意識を失っている。
あるいは彼女にとっては目が覚めないでいた方が幸せなのかもしれない。だがこのまま寝たままでいさせるわけにはいかない。
まさか彼女を担いで逃げるわけには行かないから。軽く肩を揺さぶって声をかける。
「アメルさん。アメルさん。」
「ん……うっ……!?…むぐっ…」
目を覚ましたアメルの口を塞ぐ。騒がれたりしては元も子もない。
「ごめんなさい。今は少し静かにしていてください。」
(……パッフェルさん?)
「助けに参りました。さあ一緒に逃げましょう。」
そう言ってパッフェルはアメルに肩を貸す。きょとんとするアメル。構わずパッフェルはアメルを連れて脱出ルートへと繰り出す。
今ならば成功するはずだ。失敗は許されない。アメルの身体を引きずる形でパッフェルは駆け出した。
「ハァ…ハァ…少し休みましょうかアメルさん。」
脱出は滞りなく進んだ。あらかじめ警備の兵を時間差で潰しておいたのが巧を奏した。逃げ始めてから数時間。
ただ無言で走りとおした。まだ安全と呼べる場所にはない。だがここらへんで小休止を入れねば自分はともかくアメルの身体が持たない。
そう思いパッフェルは休憩を提案する。
「アメルさん。聞いていらっしゃいますか?アメルさん。」
問い掛けてもアメルは返事をしない。ただ虚ろな瞳で下をうつむく。硬く閉ざされた口。その口は僅かに開くとポツリと言葉を漏らす。
「無理…ですよ………」
「…………!?」
「逃げられるわけなんて…ない…どうせ捕まっちゃうんだ…そうしたら…また…」
アメルの脳内で悪夢の記憶が再生される。この陵辱生活の中逃げ出すチャンスも有った。否、レイム達はわざとアメルに逃げる隙を与えていた。
そしてアメルが逃げ出そうとするとそれを捕える。そんな行為を繰り返してアメルに認識を植え付けた。悪魔の手から逃げることなど不可能であるという。
「嫌あぁぁっ!!どうせまた捕まるんだ!!捕まってお仕置きされて、また犯されるんだ!嫌ぁっ!!嫌ぁぁっ!!助かるわけなんてないじゃない!!」
「落ち着いてくださいよ。アメルさん。アメルさん!!」
関を切ったように泣き乱れるアメル。パッフェルは彼女を鎮めようとするがアメルは更に乱れ泣き崩れる。
「どうせ…どうせ…あたしなんて…もう一生慰み者にされて…嫌ぁっ!!嫌ぁぁ…死にたいよ…生きてなんていたくないよぉ…殺して…お願いだから今ここで殺してっ!!」
「っ!!」
パシッ
刹那、乾いた音が響いた。気が付くとアメルの頬は打たれていた。驚いてヒリヒリ痛む頬にアメルは手を当てる。
「………本当に…そう思っているんですか……」
そう言ってくるパッフェルの顔。いつもの彼女のような軽い調子とは違い真剣そのものの表情であった。
「本気で殺して欲しいなんて思っているんですか!!貴女はっ!!」
パッフェルは本気で怒っている。今の自分の軽率な言動に対して。心から自分のことを思って。
それをアメルは理解した。だからもう抑えきれなかった。気が付くとアメルは飛び込んでいた。
豊かでいて包容力のあるパッフェルの胸の中に。
「うぁぁぁぁぁんっ!パッフェルさん…あたし…あたし……」
「辛かったですね…アメルさん…好きなだけ泣いていいですよ。」
「う…うぅ…ひっく…う…うああ…あうう…あ…ああああぁぁぁぁぁぁ!!」
ただ泣きじゃくり続けるアメル。その嗚咽は止まることを知らない。辛かったであろう。
年頃の少女がその純潔を無惨に奪われ陵辱されつづけて。その苦痛がどれほどのものかはパッフェルには痛いほど良く分かる。
だから赤子をあやすように優しく背中をさすってパッフェルはアメルを抱き締める。
「アメルさん…本当に辛かったと思います。生きていたくなくなる気持ちもよく分かります。でもどうか…どうか希望だけは最期まで棄てないでください。」
「………パ…フェル…さん…うっ…うっ…ひっぐ……」
頭を包み込む柔らかなパッフェルの胸の感触。つかの間の安らぎをアメルは与えられる。
過酷な陵辱に傷ついた少女の心。僅かでもその癒しになることを願ってパッフェルはアメルを抱きしめる。
もう少し、あと少し。この嗚咽が小さくなったらここから逃げよう。まだ追っ手を完全に巻いたわけではない。
けれど今だけは。今このときだけはとパッフェルは思う。それが致命的な失策になることも知らず。
「ひゃはははは。こんなところにいらしゃったとは。いけませんねえ。悪い娘さんにはお仕置きしてさしあげませんと。」
「「っ!?」」
それは本当につかの間の安らぎにすぎなかった。気が付くと二人は既にレイム自らが率いる悪魔の軍勢に取り囲まれていたのである。
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