第13話


 沙耶子の死から半年後、湊家では明日香が頭を抱えて悩んでいた。一言で言えば生活苦、である。母の死で入るはずだった保険金も覚せい剤中毒が原因として支払いを拒否されてしまった。かろうじて沙耶子が溜めてくれていたお金とアルバイト代で生活してきたが、この先早紀香や美紗香の進学のことを考えるととてもではないが蓄えが十分とは言いがたい。このままでは日をおかずに干上がってしまう。
 「もうすこし〜〜実入りのいい〜〜バイトを探さないとね〜〜」
 明日香は溜息混じりにそう呟く。この財政的危機を乗り切るには今よりも実入りのいいバイトを探すのが一番の手っ取り早かった。修二にお願いすれば何とかなったかもしれないが、明日香自身、お金のことで修二に泣きつくのを嫌がっていた。だから修二には相談しないでいた。
 「それに修ちゃんは今、一番大切なときだからね〜〜」
 明日香はそう言って先日自分のところに来た修二のことを思い返す。



 「経営の〜〜お勉強〜〜??」
 「うん。佐々菜先輩が経営学を学ばないかって誘ってくれてね」
 首を傾げる明日香に修二大きく頷く。その勉強のためにしばらく忙しくなるので会いにいけないというのだ。それを聞いた明日香は少し悲しそうな顔をする。修二と会えなくなるのが哀しくてならなかった。そんなことやめろと言いたかった。しかし、修二が決めたことを自分のわがままでやめさせるのはいけないと思い、グッとこらえる。
 「それでしばらくは自宅には戻らないと思うんだ」
 「そうなの〜〜??寂しいな」
 修二のその言葉に明日香は心底悲しそうな顔をする。これで完全に学校以外では接点がなくなってしまう。その学校も学年が違うので、いつも会えるわけではない。最近バイトを増やした明日香にとって修二と過ごせるわずかな時間は下校時の帰路ぐらいのものであった。その楽しい時間さえも失くすことになる。
 「まあ、なるべく学校で会えるようにはするから・・・」
 明日香の悲しそうな顔に修二は苦笑いを浮べて宥めすかす。明日香も自分のわがままで修二の進みたい方向を見失わせるのは悪いと考えていたので、それ以上は何も言わずに修二のことばに納得する。明日香が納得してくれたことに修二は安堵し、手を振って彼女に背を向ける。
 「上手くいきましたね・・・」
 「ああ。アスねぇたちに被害が及ばないようにしないと。相手がどんな手を打ってくるかわからないからな」
 明日香と別れた修二は急ぎ足で生徒会室まで戻る。室内に入ると、中で待っていた奈々子が声をかけてくる。大きな溜息を吐きながら修二はその出迎えを受ける。経営学の勉強というのは建前で、実際には湊姉妹との接点をなくすことが目的であった。もちろん、金城と対決して行く上で自分たちのことを知らない湊姉妹に被害が及ばないようにするためであり、彼女たちの存在が自分達の足を引っ張らないようにするためであった。
 「でも叔父様の相手をどのようにするつもりで?」
 「まずは財力、そして権力が必要だな・・・そのためにも御前に会えるくらいの実力を示さないと」
 今後のことを考えた修二は対金城の策を思い浮かべる。財力も権力も兼ね備えたものを相手にするなら、こちらにもそれなりの覚悟が必要である。奈々子たちに薬を持たせて金城の屋敷に潜り込ませて始末するという手もあるが、それでは金城の最後の瞬間を拝めないし、何よりも足がつきかねない。ならば金城の財力と権力を削いでおびき出しやすくする方がいいと考えた修二はまず佐々菜グループ内での地位固めを目標とした。奈々子という後ろ楯はあっても、それだけでは弱すぎる。所詮彼女は佐々菜家のお嬢様に過ぎず、グループ内の権力者ではないのだから。
 「まずはグループ内に深く食い込む。そして御前の信任を得て金城の勢力を削ぐ」
 「出来ますでしょうか、そんなことが・・・」
 「できるさ。ただ、一日、二日でできることじゃない。時間をかけて信頼を勝ち取ってゆく」
 そのための計画を修二は皆に語って聞かせる。修二の立てた計画、それは佐々菜グループ内の一弱小企業に修二が入り、そこでそこをグループ内でもトップクラスの企業へと成長させること、それによって御前に目通りし、さらに自分の実力を目の当たりにさせること、そして佐々菜グループを乗っ取ることであった。そのために今自分の元に集っている少女達の力が必要であることを付け加える。
 「そして、もう一人・・・」 
 「・・・だからこそ、桜が必要・・・なのですね?」
 修二の言葉に奈々子は納得したように呟く。修二はこくりと頷き、奈々子の頬を撫でてやる。桜という駒を手に入れることで修二の計画は完全となる。あとはどれほど早くこれを成し遂げられるかが最大の問題であった。なるべく早くことを成し遂げなければ、金城が力をつけてしまい、どうしようもなくなってしまう。その前に金城の財力を、権力をそぎ落とす必要性があった。
 「とはいっても三年ほどはかかる計画だ。金城の方も政党内の足場固めのためにその間は動けまい」
 「その間に我々も足場を固めると・・・」
 「そうだ。そのためにもみんなの力を貸して欲しい・・・」
 修二はそれだけ言うと奈々子たちをじっと見つめる。自分の復讐のためにこれ以上犠牲になる必要性のないはずの少女たちにこれからどうするかを無言のまま問いかける。ここで彼女たちが引いてしまっても修二には何も言えないと思っていた。しかし、奈々子たちは何も言わず、動こうともしなかった。
 「今更なにを仰っているんですか?」
 「あたし達の命は先輩と共にあります!」
 「どんどん命令してくださいね?」
 にっこりと笑って答える少女達に修二も笑顔で答える。彼女たちとならばこの計画も成し遂げられる。修二はそう信じていた。そのための第一段階として五上院桜をこちら側に引き込まなければならない。そのための段取りと、計画を修二は頭の中に思い描いてゆく。


 
 そして、修二は計画を実行に移すべく動き出す。動き出したあとの修二は早かった。亜美と瞳を自分の秘書代わりにしつつ経営に携わり、奈々子からグループ内の情報を、アリア、マリアから報道関係の動きを報告させ、警察や報道の動きを監視させた。そうやって得た情報を統計しながら修二はグループ内で傾いた会社の立て直しを図ってゆく。金城の喉元に牙を突き立て、すべてを終わらせるために・・・



 屋敷にこもって何かしている修二には声が掛け辛く、学校でも声を掛けられないでいた。それが明日香の気分をさらに憂鬱にしていた。とはいえこのままでは生きてゆくのも困るのは事実である。修二に頼らずに生活費から進学費用まで捻出するにはより実入りのいいバイトを探さなければならない。
 「そんな都合のいいバイト〜〜あるかな??」
 明日香は帰りに集めてきた求人雑誌に目を通してゆく。しかし、ここのところ求人はめっきり減ってしまっていて、学生で高給が稼げるところなど皆無であった。深夜のバイトを入れるしかないかと明日香が諦めかかったとき、明日香の目にある求人が止まる。明日香は食い入るようにその求人を読み始める。
 「このアルバイト・・・えっ、一日でこんなに稼げるの・・・??」
 思いもかけない高給のバイトに明日香は思わず歓喜の声を上げる。資格として英会話が出来ることなどの条件はあったが、明日香には問題のないことであった。唯一つ、問題があるとすれば三月の間住み込みでバイトをしなければならないことであった。その間妹たちから離れなければならない。そのことが問題であった。
 「う〜〜ん、こういうおいしい仕事は二度とないかも・・・」
 しばし考え込んだ明日香だったが、そのバイト代の高さに負け、そのバイトを始めることにする。まず連絡をし面接を受けた明日香は無事そのバイトに合格する。その翌日から明日香は早紀香に家のことを任せてバイト先へと住み込みで働き始める。金城烈の屋敷へと・・・



 「あなたの担当はこことこことここの清掃、ならびに食事係、夜は・・・」
 面接試験に合格した明日香は住み込みで金城の館で働くこととなった。幸い、昼間は学校に通うことも許されたので夜が仕事をする時間となり、休日も休みなく働くこととなった。数少ない妹たちとの連絡は深夜や学校での合間だけではあったが、明日香は妹たちのために必死になって働いた。
 (これとこれは二階に・・・)
 荷物運びを任された明日香はメイド服をなびかせて荷物を抱えて忙しそうに屋敷内を走る。このあとにもまだ仕事は詰まっているのだから、急いでこんな仕事は終わらせなければならなかった。とたとたと小走りに廊下をかける明日香だったが、角で急に現れた人とぶつかりそうになり、慌てて止まろうとする。が、急に止まることなどできず、その人物に思い切りぶつかってしまう。
 「も、申し訳ありません〜〜」
 明日香はすぐ様体を起こし、ぶつかった相手に謝る。ぶつかられた方は明日香の体が軽かったこともあって彼女を受け止めて平然としていた。
 「忙しいのはわかるが、走るのはやめた方がいいぞ?」
 「はい。申し訳ありませんでした!!」
 ぶつかった相手に注意をされた明日香はもう一度頭を下げて謝ると、顔を上げて相手の顔を見る。相手はヒゲを生やした中年の男性であった。優しい笑みを浮べ、なかなかの美形であった。明日香は相手にもう一度頭を下げると、運ぶように任された荷物を抱えてその場から立ち去る。
 「はて、見たことのない娘だったが??」
 「あ、先生。申し訳ありませんでした」
 「おお。白鳥くん。君はあの少女を知っているかね?」
 男は足早に立ち去ってゆく少女の後ろ姿を見つめながら首を傾げる。その男に別の男が声をかけてくる。白鳥と呼ばれた男は男の質問に走り去って行く明日香をじっと見つめしばし考え込む。そしてその少女の正体を思い出し、男に告げる。
 「一週間ほど前に入った住み込みのメイドですよ。まだ高校生で確か名前は、湊明日香・・・」
 「湊・・・明日香・・・ほう・・・」
 「また先生の悪いくせが・・・」
 白鳥から名前を聞いた男は明日香の名前をつぶやき、もう一度明日香の方に視線を移す。そこにはすでに明日香の姿はなかったが、そちらを見つめながら男はにやりと笑う。その笑みは先ほどまでの優しい笑みではなかった。凶暴な、身も凍るような笑みであった。その顔を見た白鳥は深い溜息を漏らし、男に聞こえないように呟く。しかし、男はその呟きに気付くことなく笑みを浮べたまま明日香がいなくなった空間を見つめ続けていた。そして、その笑みを向けられたことを明日香が知る由もなかった。そしてその明日香がこの男と再会するのは、それから数日後のことであった。



 その夜、明日香は両手いっぱいの資料を地下の資料庫へと運んでいた。そのこぼれ落ちそうな資料を抱え込んで資料庫に入った明日香は指示されたところにその資料を片付けてゆく。これが終われば今日の仕事は上がりとのことであったので、手早く仕事を終わらせて妹たちに連絡を取ろうと足早に動く。
 「これとこれが、こっち〜。これがあっちと・・・」
 ちょこちょこと動き回って資料をしまう明日香だったが、その資料庫に誰かが入ってきたことにまるで気付かなかった。入ってきた男は資料この入り口に鍵をかけ、身を潜めて明日香の隙を窺う。当の明日香はまるで男の存在になど気付く様子もなく、任せられた仕事を片付けていった。
 「ええ〜〜とこれはこちらで〜〜これが〜〜・・・んっんっ!!」
 まるで男の存在に気づくことなく無造作に移動した明日香を男は羽交い絞めにして引きずり倒す。突然のことに抵抗するまもなく倒された明日香を上から組み敷き、逃がさないように両手を押さえつける。明日香は最初何が起こったのかわからない顔をしていたが、自分の上に男が跨っていることに気付き青ざめる。
 「あ、貴方は、あのときの・・・」
 「くくくっ、まだ挨拶が済んでいなかったね?わたしは金城烈、この屋敷の主だよ!」
 あの時浮べていた優しい笑みなどカケラもない邪悪な笑みを浮べた金城は簡単な自己紹介だけして明日香の上に圧し掛かってくる。何をされるかぐらい明日香にだって知識はある。もがいて逃れようとするが、両手は塞がれ、両脚も股の間に金城の体が入ってしまっていてどうすることも出来なかった。
 「あの〜〜やめてください。わたし、そう言うことをする気はまるで・・・」
 「お前の意見など関係ない!ここはわたしの屋敷だ。わたしがすべてなのだよ!」
 青ざめた明日香はやめるように金城に訴えるが、それでやめるような男がいるはずがない。近状が自分勝手なことを言いながら明日香の胸をメイド服ごと弄り始める。服の上からでもよくわかるほど大きく張り詰めたバストを丹念に揉み廻し、その感触を確かめる。
 「ふむ、いい揉み心地だ。これはなかなかの胸だな」
 「いや〜放してください〜!」
 大きく形のいい乳房を強弱をつけながら揉む金城から逃れようと、明日香は体を捩って暴れるが、逃げ出すことは難しかった。ひとしきり胸の感触を確かめた金城は明日香の顔を舐め上げながらするりとその手を下に下げてゆく。そしてスカートをたくし上げると、その下に隠れていた白い下着に手を伸ばしてくる。
 「だめ〜、そこはダメです!!!」 
 「知らんな、そんなこと!」
 嫌がる明日香を無視して金城は無情にもその白い下着をずり下ろす。修二にすら見せたことのない陰毛が外気に晒される。そこを金城にじっと見つめられていることが明日香にはよくわかった。恥ずかしくて恥ずかしくてたまらなく、すぐにでもそこから逃げ出したかった。しかし、明日香を押さえつける金城の力は意外にも強く、逃げることは敵わなかった。
 「毛はそれほど深くないな。どれ、色とカタチの方はどうだ?」 
 「ひぃっっ!!いやぁぁっ〜〜!!」
 金城は両手から手を放すと明日香の両脚を抱え込むような格好でお尻を高く浮かさせると、その中心点を開いてじっと見つめる。女としてもっとも恥ずかしい場所を、修二以外には見せないと誓っていた場所をバイト先の主とはいえはじめて会った男に見られていることに明日香は恥ずかしさと哀しさでボロボロと涙をこぼして拒絶する。しかし、金城はそんな明日香の抵抗すら楽しむかのようにヴァギナの形や色をじっくりと観察してゆく。指で陰唇を広げて中まで観察してくる。
 「ふむ。色は綺麗だ。まだ未使用のようだな・・・」
 「もう、やめてください〜」
 「せっかくの未使用だ。その感触をじっくりと味わうとするか・・・」
 ヴァギナの中に指を入れてその感触を楽しんでいた金城はニヤニヤ笑いながらそう明日香に告げる。それがなんの意味か明日香がわからないでいると、金城は開いたもう片手でズボンのジッパーを下げてその奥に眠る男性の象徴を取り出す。もう怒張し、血管を浮かび上がらせて戦慄くそれをわざと明日香に見せ付けるようにしながらヴァギナに宛がう。
 「いやっ!ダメ、それだけはダメです〜!!」
 「処女は前戯なしで味わう。これが一番おいしい味わい方なんです、よ!!」
 両手を突っ張って金城を押しのけて抵抗しようとする明日香だったが、金城はその両手を掴んでいきり立ったペニスを明日香のヴァギナの入り口にしっかりと固定する。そして、明日香にとって死刑を宣告するような言葉を囁くと、一気に腰を進め、ヴァギナの中にペニスを押し込んでゆく。
 「ひぐっっ!!さ、裂ける・・・」
 「おお、おお・・・これはきつくて・・・絞りとれらそうだ・・・」
 まだ濡れていないヴァギナは金城の侵入を拒絶し、激しい痛みを明日香に与える。その痛みに明日香は激しく頭を振り暴れるが、金城はそれを気にしないで腰を押し込みペニスを奥へと押し込んでゆく。まだ硬い膣壁がプチプチと音を立てて引き裂かれてゆく感触が、収縮する膣壁がペニスを締め付ける感触がなんとも心地よかった。その感触に酔いしれながら金城はどんどんペニスを奥へと押し込んで行く。
 「いやぁ〜〜抜いて、抜いてください!!」
 「くくくっ、これはいい買い物をしたものだ。んっ!?これが処女膜かな?」
 腰を進める金城のペニスの先端にひときわ固い感触を覚え、一度腰の動きを止める。明日香にはそれが自身の最後の砦であり、修二との約束を守るための大事なものであることがよくわかっていた。これだけは死守しなければならない。最後の力を振り絞ってそこだけは守ろうと抵抗する。
 「ここは守りたいのか?誰かに捧げる約束でもしたのか?」
 「はい・・・だからここだけは・・・」
 「そんなものわたしは知らないね。お前はわたしのものなのだから!!」
 許しを請う明日香に無情の一言を叩きつけると、金城はそのまま一気に力を込めて明日香の最後の砦に挑む。ブツッっと何かが引きちぎれる感触とともに金城のペニスが完全に明日香の膣内に飲み込まれる。その引き裂かれる感触と激痛に明日香は呆然とした表情を浮べる。
 「修・・・ちゃん・・・修・・・ちゃん・・・」
 虚ろになった眼差しはもう目の前の金城など映していなかった。ただ約束を交わした少年に約束を違えてしまったことを謝り、その名前を何度も呟くことしかできなかった。すべてを奪い去られ、すべてを引きちぎられた明日香はただ呆然としているほかなかった。
 「う〜〜む。これは心地いい・・・」
 明日香の膣内の感触を楽しむようにゆっくりと腰を動かし始めた金城はその締め付けと、絡みつく感触に歓喜の声を上げる。これまでも何人もの女をメイドとして雇い入れ、こうやって手篭めにしてきた。これまでは佐々菜家の長女でもある妻に遠慮して隠れてしてきたことだったが、その妻に先立たれた二年目からはもう遠慮することはなかった。何人もの女を強姦し、金で黙らせ、ときには愛人にしてきた。今回もその戯れの一つに過ぎないはずであった。しかし、抱いた明日香の心地よさは格別であった。
 「この感触はこれまでで一番の気持ちよさだな」
 まだ濡れ始めたばかりの明日香の膣の心地よさに金城は満足そうに頷く。これほどの女などそう滅多に会えるものではない。姪が組織していた売春倶楽部で何人かの女子高生にも手を出してきたが、これほどに心地いい感触を持った女子高生などいなかった。
 「これは予想外の掘り出し物だったな」
 喉を鳴らして喜びながら金城は腰を動かす。最初はズッとズッと動きにくそうであったが、徐々にそこは湿り始め、その動きは徐々に早くなってゆく。興奮した金城は明日香のメイド服の胸元を引きちぎり、大きな胸を露にすると、腰を叩きつけながらその胸にむしゃぶりつく。
 「うむ。おっぱいの形、味、大きさ、すべて問題ない。最上級品だぞ、これは!!」
 「うっ・・・あああっ・・・修・・・ちゃん・・・」
 明日香の体を満足そうに貪る金城とは対照的に明日香の方はあらぬ方向を見つめたまま何度も何度も修二の名前を呟く。それは修二に助けを求めているようにも、修二に許しを請うているようにも見えた。その真意はわからない。ただ何度も何度も修二の名前を呟くだけだった。
 「むだだ、むだだ。その男が助けにくることはない。お前はわたしの物としてここにおいて置く!」
 明日香をもの扱いしながら金城はさらに腰の動きを早めてゆく。ギチギチと締め付ける感触に金城の限界はもうすぐそこまで来ていた。そこで金城は明日香の体を抱え込み奥へ奥へとペニスを押し込んでゆく。ペニスの先端が子宮口を叩き、中へと侵入して行く。
 「このまま、ここで出してやる!」
 「!!だめぇっ!!ダメです!!」
 「お前にわたしの物となった証を刻み込んでやる!イくぞ!!」 
 「だめぇぇっっっ〜〜〜〜!!!」
 明日香の絶叫が響きわたる中、子宮の中に何かがほとばしる感触を明日香は覚える。二度、三度と叩きつけるような感触に明日香は自分が完全に汚されてしまったことを実感する。金城は一滴残らず明日香の子宮内に己の欲望を解き放つと、満足そうにペニスを引き抜く。純潔を失った証が溢れ出すヴァギナからは白いメスの烙印が逆流してくる。それを感じ明日香はボロボロと涙をこぼす。

 「赤ちゃんが・・・赤ちゃんができちゃう・・・修ちゃん以外の人の赤ちゃんが・・・」
 明日香はお腹を押さえその奥に放たれた精を押し出そうとし、ヴァギナの中に指を入れておくから精液を掻き出そうとする。一滴でも多く掻きだして妊娠の恐怖から逃れようとする行為であった。そんな明日香の姿に金城は欲情し、勢いを失ったはずのペニスが元気を取り戻してゆく。
 「これは一発では我慢できそうにないな」
 ニヤニヤと笑いながら金城は明日香に歩み寄ると、彼女を無理矢理立ち上がらせると、両脚を抱え込むようにしながら抱きかかえる。突然のことに体勢を崩した明日香は不本意にも金城に抱きつく格好を取ってしまう。その大勢のまま金城は真下から明日香を刺し貫く。
 「ひぐっ!!いやっ!これ以上、わたしを汚さないで・・・」
 「なにをいうか。お楽しみはこれからだ!!」
 嫌がる明日香を笑い飛ばして金城のレイプは続く。果てない男の欲望に飲み込まれた明日香だったが、それに必死に抗い、逃れようとする。しかし、理不尽な暴力は明日香を逃さず、さらに彼女を汚してゆく。その途絶えることのない地獄に明日香は翻弄され、打ちのめされてゆく。その明日香を狂気には知らせなかったのは妹たちの存在であり、修二の存在であった。その最後の存在にしがみ付きながら明日香はその地獄に耐えるのだった。




 「ふむ。これは本当に掘り出し物だったな・・・」
 一頻り楽しんだ金城は満足そうに煙草を吹かしながら頷く。その金城の足元には明日香が物言わぬ死体のように横たわっていた。ただ呼吸だけはしているらしく、胸が規則正しく上下していた。そのヴァギナからは止め処なく男の欲望があふれ出し、アナルからまであふれ出してきていた。その顔も胸も精液が迸り、白く汚していた。金城は欲望の続く限り明日香を汚し、欲望を満たし続けたのである。一服してはいるが金城のペニスはまだまだ満足しておらず、このあと明日香をどう汚すかで頭の中がいっぱいであった。
 『先生、少しよろしいでしょうか?』
 「んっ?白鳥か?ここには来るなといっておいたはずだが?」
 『申し訳ありません。緊急の用事でして・・・』
 ドアの向こう側から聞こえてきた声に金城は鬱陶しそうな顔をする。せっかく楽しんでいるところでこんな邪魔が入るとは今日がそがれる思いであった。しかし、緊急の用事とあっては仕方がない。入ってくる様に許可すると、ドアの向こう側で鍵を開ける音がして白鳥がおずおずと室内に入ってくる。
 「なんだ?何かあったのか・・・?」
 「はい。実は・・・」
 金城の問いに白鳥は辺りを見回しながら答えようとする。しかし、その視界に明日香を捉えた瞬間絶句してしまう。そして”遅かった”とばかりに頭を抱え込んでしまう。そんな白鳥の仕草に金城は訝しげな表情を浮べる。しばしの沈黙の後、白鳥は深い溜息をついて金城に説明を始める。
 「実はこの娘、湊明日香についてご報告が・・・」
 「なんだ?この娘がどうかしたのか?」
 「この娘、湊沙耶子が十八年前に生んだ娘だそうです・・・」
 白鳥の報告に今度は金城が絶句する。ガタガタと震えだし、倒れ伏した明日香の顔を見つめる。その顔には確かに沙耶子の面影が残っていた。何故今の今まで気付かなかったのかといまさらながら後悔する。しかし、まだ自分の想像を否定することができるかもしれない。金城はそれに一縷の望みをかける。
 「しかし、他の男の・・・」
 「当時、彼女は他の男と付き合いがなかったようです」
 「では・・・この娘は・・・」
 「血液型などからもほぼ間違いなく先生と湊沙耶子の間に出来た子供です」
 白鳥の言葉に金城は恐怖に顔を歪ませる。自らの手で実の娘を犯し、レイプしてしまったのだ。しかも妊娠の心配もせずに思い切り膣内で射精してしまった。知らなかったこととはいえ、最悪の行為をしてしまったことに金城は青くなる。何よりもこのことが他の人間、特に自分を蹴落とそうとするものにばれたら身の破滅である。同時に実の娘をレイプした背徳感が背筋を駆け抜けてゆく。そのぞくぞくとした心地よさが金城に別の快楽を呼び覚ます。
 「・・・明日香を・・・明日香を屋敷の奥に監禁しろ!」
 「はっ?」
 「二度と外には出すな!家族にはもうここはやめたと伝えろ!こいつを外に出さないようにしろ!」
 「は、はい!!!」
 金城のすさまじい剣幕に白鳥は大慌てで立ち上がると、明日香を抱え上げて資料室から飛び出してゆく。自ら身の破滅を導くようなことをしてしまったことに金城は大いに焦り、恐怖していた。そして実の娘を犯す背徳感にも酔いしれていた。しかし、このことは絶対に誰にも悟られてはならない。そのことを胸にしまい込んで金城は身支度を済ませて資料室から出てゆくのだった。



 「アスねぇと連絡がつかない?」
 「そうなんだよ。携帯に連絡入れても繋がらないし、学校にも来てないみたいなんだ・・・」
 早紀香から相談を受けた修二は驚きを隠せなかった。明日香がバイトをしていたこともだが、あの早紀香が憔悴し切った表情を浮べているのが何よりも驚きであった。しかし、それだけ自体が逼迫していて、早紀香を心配させていることが修二にもよくわかった。
 「バイトって、どこに勤めていたんだ?」
 「それがナイショだって言われちゃってて・・・」
 早紀香は悔しそうな顔をして答える。ちゃんと尋ねていればこんなことにならなかったかも知れないことが悔しくてならなかった。修二になら教えているのではないかと思い尋ねてきたのだが、明日香は修二にはバイトをすることすら教えていなかった。そう言うことならば修二の情報網を駆使して探すほかあてはない。
 「わかった。ぼくのほうでも探してみるよ・・・」
 「お願い・・・」
 早紀香は修二にそう頼むとよろよろとその場から歩き去ってゆく。その後ろ姿から早紀香が相当心配していることはよくわかった。心配しているのは修二も同じであった。修二はすぐさま奈々子に合いに行くと明日香の行方を調査するように頼む。その結果は意外にも早く修二の元に届けられる。
 「アスねぇがどこにいるか、わかったかい?」
 「いえ。ただ彼女のバイト先だけはわかりました・・・」
 「どこだい?」
 「・・・金城家のメイドをしていたとのことです・・・」
 奈々子の報告に修二は青ざめる。明日香がそんなところでバイトをしていたとは想像もしなかった。お金に困ってのことだろうが何で自分の相談してくれなかったのか、どうして自分は明日香の苦悩を察して上げられなかったのかと、そのことが悔やまれた。しかし、今更そのことを悔やんでも仕方がない。
 「で、金城家は何と?」
 「そんな娘はいない、とのことでした」
 「アスねえを隠した?なんでそんな事を・・・」
 金城の行動に修二は首を傾げる。今更明日香を監禁したりしても何の意味もないことである。たとえ明日香をレイプしていたとしても金を握らせて証拠を隠滅させてしまえばいいだけの話である。わざわざ明日香を隠す必要性などないはずだ。むしろ隠したことによって自分の身を危うくすることになりかねない。何故金城がそんな自分の身を危うくするような事をするのか修二には不思議でたまらなかった。するとその疑問に奈々子が答えてくれる。
 「あの、そのことなのですが・・・湊沙耶子さんが18年前にであった男性についてなのですが」
 「18年前?アスねぇの父親のことか?」
 「はい。それが当時大学生だった金城烈だったらしいのです・・・」
 奈々子からの報告を修二は呆然としたまま聞いていた。当時大学生だった金城は沙耶子と同棲、妊娠させた。ところがそこに佐々菜家の長女との縁談の話が舞い込み、慌てて実家に駆け戻ってしまったのである。その後は政界に打って出て佐々菜グループを後ろ楯に政界で大きな権力を振い、今の地位を築きあげてきた。そして政界引退後は裏から息のかかった議員を操り、佐々菜グループ内での力もつけていったのである。今では次期総帥候補などと騒がれている。取り残された沙耶子がどれほど苦労したかも知らずに、好き勝手な生活をしてきたのである。さらにその苦労から金城自身が作った買春倶楽部に飲み込まれ、自殺にまで追い込まれたことも知らずに・・・そして今、実の娘である明日香をどこかに監禁してしまったのである。自己の利益のために何でもする金城の行動に修二はワナワナと震えだす。
 「金城・・・貴様は俺が殺してやる、この手で、必ず!!」
 修二は怒りに任せ、そばにあったガラスを思い切り殴りつける。ガラスが砕け散り、修二の右手を真っ赤に染める。その赤く染まった手で修二は顔を撫で上げる。赤い筋がいく本も刻まれる顔にはこれ以上ない憎しみが刻み込まれていた。その怒りに満ち溢れた表情に奈々子は思わず息を呑む。
 (必ず殺してやる。そしてアスねぇを・・・)
 必ず取り戻す。そのことを修二は心に誓う。そのためにも一刻も早く行動を起こさなければならない。そのための駒を集めるべく修二は動き始める。復讐劇という陰惨な物語の終わりを告げるために・・・


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