第三話
「あぐっ・・・・うううっっ・・・」
暗闇の中からくぐもったうめき声が聞こえてくる。人気のなくなった教室、その最前列、教壇からその声は聞こえてきていた。そこには胸元を露にされ、スカートをたくし上げられた少女がうつぶせに寝かされていた。その少女の背後に少年が立ち、腰を叩きつけるたびに少女の口から苦悶の声が漏れる。
「ふぅぅつ・・・・あうっ・・・」
少年が腰を叩きつけるたびに、ペニスが納まった膣はグチュグチュといやらしい音を奏でだす。少女の溢れ出した愛液と少年が膣内で放った精液とが交じり合い、大きないやらしい音を奏でているのだ。少年は背後から少女を抱きしめその首筋に舌を這わせる。
「くくっ・・・痛みもなくなって、だいぶなれてきたみたいだね、亜美?」
「やめて・・・もうやめて・・・・」
修二の囁きに亜美は弱々しく頭を振って懇願する。しかし、修二がやめるはずはなくそれどころかその首筋にキスをしながら背後から亜美の膨らみの少ない胸を揉みあげてくる。その形を確かめるように揉み、指先で硬くしこった乳首を転がす。それだけで亜美は切なそうな声を上げる。
「ひうっ!!しょこは・・・」
「そうだ、その声だ。お前はもう僕無しでは一切の快感を得られない。おとなしくするんだな・・・」
ころころと指先で乳首を転がしてやるだけで亜美はとろけそうな表情をする。そこで修二は念を押すように亜美に宣告する。この先、この快感を与えてやれるのは自分だけだ、定期的に襲ってくる欲求不満、自分に服従しなければその欲求不満を解消する術はない、そう教え込む。
「うっ・・・ああっ・・・」
「本当よ、亜美・・・佐田は私を感じさせてくれなかったんだから・・・」
修二の言葉が信じられない亜美はとなりで自分を覗き込んでいる奈々子に視線を向ける。嘘だといって欲しかったが、奈々子は無情にもあっさりと修二の言葉を肯定する。その奈々子もスカートの裾をたくし上げ、下着の上からヴァギナを修二に弄ってもらっていた。
「そう言うことだ。・・・しかし、疲れたな・・・奈々子、お前も参加しろ!」
「畏まりました、御主人様・・・」
修二は突然腰を振るのをやめると、亜美のヴァギナからペニスを引き抜く。そして亜美を教壇から退けると代わって自分がそこに座り込む。その股間にいきり立つイチモツは愛液と精液が絡み合い、泡立っていやらしさを増していた。そしてその形、匂いが奈々子を欲情させる。
「いらっしゃい、亜美。御主人様への奉仕の仕方を教えてあげる・・・」
行為の途中で放り出された亜美が切なそうな顔をしていると修二の股間に近寄った奈々子が声をかけてくる。その片手はすでにペニスを握り、親指で鈴口を擦り、奉仕を始めていた。しばし呆然としていた亜美であったが、よろよろと引き寄せられるように奈々子に歩み寄る。
「これが御主人様のイチモツよ。これだけが私たちを満足させてくださるの・・・」
うっとりとした表情の奈々子はそれに舌を這わせる。表面に付着した愛液と精液の合わさった液体を丹念に舐め取ってゆく。しばらくその様子を見つめていた亜美もそれに習うようにその液体を舐め取り始める。どろどろとした液体を舐め取り、口に含むと、何故かそれがおいしく感じられた。
(もっと、もっと舐めたい・・・)
その欲求に駆られた亜美は奈々子を押しのけるようにしてペニスに付着した液体を舐め取ってゆく。一滴残らず舐めとっても満足できない。もっと欲しくてたまらない。そんなもの欲しそうな表情をする亜美に奈々子が囁きかけてくる。
「御主人様のそれを口に含んで差し上げなさい。そして一心にご奉仕するの・・・」
奈々子の言葉に亜美は小さく頷くと、修二のペニスを口に含む。その太さにあごが外れそうな感覚を覚えるが、そのまま舌を絡めて刺激し始める。ペニスに唾液が絡まり、グチュグチュと音を立てるが、亜美は気にしないで口全体を使って奉仕する。
「そうよ、亜美。御主人様に献身的にご奉仕するの・・・」
うっとりとした表情を浮べた奈々子は修二の股の間に顔をうずめてくる。そして玉袋を口に含み、ころころと転がして刺激をしてくる。2人の美少女が自分の股間に顔を埋めて逸物を舐める様を修二は興奮しながら見つめていた。その興奮に反応するようにペニスも大きさを増してゆく。
「よし、今出してやるぞ。亜美、顔で受け止めろ!!」
「ふ、ふぁい・・・・」
修二が出そうになるのをこらえず、出すことを宣言すると、亜美はペニスから口を話して答える。手でペニスを包み込み二度、三度擦りあげると、大きく震えると同時にペニスの先端から白い粘液が迸る。亜美はそれを命令どおり顔で受け止める。熱い粘液が亜美の顔を、メガネを白く染めてゆく。
「ふぁっ、御主人様の・・・おいしい・・・」
うっとりとした表情を浮べた亜美は無意識の内に修二のことを”御主人様”と呼んでいた。しかし、そのことには気付かないまま、顔についた精液を舐め取ってゆく。おいしそうに舐め取っていると、つまらなさそうな顔をしていた奈々子が亜美の顔についた精液を舐め始める。
「亜美、おいしい??御主人様のザーメン、おいしい??」
「はい、おいしいです、お姉様・・・」
精液を舐め取っていた2人はうっとりとした表情を浮べる。そしてどちらからともなく唇を重ね合わせる。精液と唾液を絡めあわせ、交換し合いながらキスを交わす。舌を絡めあい、お互いに精液を啜りあう。あふれ出した液体が口の端から滴り落ちるが、気にならない。
「よし、いい子だ。亜美もこれで僕のものだ!」
修二は満足そうに頷くと、亜美の首に奈々子と同じ首輪をつけてやる。赤い首輪には亜美の名前が刻まれたプレートが下がっていた。亜美はそれを嬉しそうに撫で上げる。何が嬉しいのか亜美にはわからない。だが、嬉しさが心の奥からこみ上げてくるのだ。
「さてと、今度は2人のレズプレイを見せて楽しませてくれ」
「畏まりました、御主人様」
奈々子は言うが早いか亜美を押し倒し、その上に圧し掛かる。キスは先ほどまで堪能していたのだから必要ない。奈々子はすぐさま亜美の膨らみの薄い胸に攻め手を移す。両手でやさしく揉みあげながら、ピンク色に勃起した乳首を指先で押しつぶす。それだけで亜美はビクビクと震え上がる。
「ふああっ、お、お姉様・・・」
「可愛いわ、亜美・・・」
亜美の乳首を口に含んで舌先で転がしてやると、亜美は嬉しそうな声を上げる。乳首は限界まで張り詰め、痛いほど勃起していた。それをみた奈々子は今度は自分の胸を亜美の胸に押し付ける。亜美に比べて大きく実った奈々子の胸が亜美の胸の上で潰れる。そのままの姿勢で奈々子が体を揺すると、奈々子と亜美の乳首が擦れあう。その感触に奈々子も亜美も歓喜の声を上げる。
「あああっ!!お姉様のが、コリコリって!!」
「亜美の、亜美の乳首・・・」
コリコリとした感触が気持ちいい。しかし、2人とも満足はできなかった。やればやるほどもっと感じたい、もっと気持ちよくなりたいという欲望が鎌首を擡げてくる。やがてそれはお互いに足を絡めあい、肉貝と肉貝とを擦り合わせることで解消しようとする。
「ああっ。お姉様、お姉様!!」
「ううっ、もっと、もっと強く!!」
お互いに狂ったように貝と貝を擦りあわせあう。あふれ出したお互いの愛液がグチュグチュといやらしい音を奏でながら泡立ってゆく。納まらない欲望に二人の腰の動きはさらに激しさを増し、艶かしさを増す。その光景を修二はニヤニヤと見つめていた。奈々子と亜美がいくらレズっても満たされることはない。そのことは修二がよく知っていた。二人の気持ちが高まれば高まるほど、入れたときが気持ちよくなる、その瞬間を待ち構えていた。
「さて、そろそろ僕も参戦しようかな?」
「アアッ、御主人様、来てください!!」
「私に、私たちにお情けを!!」
そろそろいいだろうと判断した修二がペニスを2人に見せ付けるように扱きながら立ち上がると、奈々子と亜美は感極まったように涙を浮べて腰をくねらせ、修二を求める。早く入れてもらおうと自分からヴァギナを広げておねだりしてくる。
「よし、じゃあ、まずは奈々子からだ!!」
修二は言うが早いか、濡れそぼった奈々子のヴァギナにいきり立ったペニスを押し込む。熱い肉壁を押しのけてペニスが埋没してゆく。膣内を満たす快感に奈々子は歓喜の悲鳴を上げる。一番奥までペニスを押し込んだ修二は膣道の感触を確かめるようにゆっくりと腰を動かし始める。
「あああっ、御主人様のが、私の、私の膣内を・・・」
「ああんっ、お姉様ばっかり・・・私も早く・・・」
歓喜の声を上げる奈々子の下で亜美が抗議の声を上げる。もうそこには男嫌いの亜美の姿はなかった。男を求めるメスしか存在しなかった。修二は無言のまま奈々子のヴァギナからペニスを引き抜くと、今度は亜美の膣内にペニスを押し込む。奈々子とは違ったヴァギナの感触を堪能する。
「ああああんっんっ!!ご、御主人様!!」
「い、いいいっっ!!御主人様、いいです!!」
数回膣内をかき回すごとにペニスを引き抜く。交互にヴァギナをかき回しながら修二は2人の蜜壷を堪能する。奈々子と亜美もその修二の攻めに歓喜の声を上げ、腰をくねらせる。高まっていた亜美は二度ほど、奈々子は一回、絶頂まで達していた。そのころになって修二も我慢の限界を迎える。
「くぅっ!!イくぞ、ふたりとも!!」
「ふぁぁっっ、掛けて、掛けて下さい、御主人様!!」
「熱いの、いっぱい、私たちに!!」
修二がペニスを引き抜くと奈々子と亜美は修二を仰ぎ見る。その2人の顔目掛けて修二は己の欲望を解き放つ。勢いよく放たれた白い液体は、弧を描いて奈々子と亜美に降りかかる。白濁の液体が奈々子と亜美の顔を、髪を汚す。それをふたりは恍惚の表情で受け止める。そんな二人の妖しくも艶かしい姿を見つめながら、修二は自分の野望と欲望を満たす駒が2つ手に入ったことを喜び、笑みを浮べる。動き出した彼の欲望はとまることを知らなかった。ただどこまでも暗い闇へと向かってゆく。引き返すことのできない暗い闇へと・・・
「ふあぁぁっっ!!せ、先生、そこは・・・・」
大きなベッドの上で女が喘ぐ。その女の上に覆いかぶさった男は激しく腰を振りながら女の特徴的な胸を貪る。男の腰の動きにあわせて揺れるその大きな胸が女の最大の特徴であった。大きいだけではない。肌の張りもあり、感度も申し分ない。
「うあぁぁぁっっ・・・そこ、そこ!!」
大きな胸を揺らしながら女は男の腰の動きを受け入れ、それに身を任せる。ジュブジュブと愛液をかき回す音が響く中、男は苦しそうな表情を浮べる。女の膣の締め付けに耐え切れず、我慢の限界が近付いてきていたのだ。近付きつつある限界に向けて男はさらに動きを加速する。
「せ、先生!!膣内は・・・膣内は!!!」
「わ、わかっている!!いつものように頼むぞ!!」
女の訴えに男は限界寸前で引き抜く。男のリクエストに答えて女は起き上がると、男の愛液にまみれたペニスをその大きな胸で挟み込むと、そのままペニスを扱き出す。その大きな乳房に男のペニスは完全の埋没し、ペニス全体を乳房の肉厚が推し包む。左右の柔らかくも圧迫感のある感触に男は気持ち良さそうな、苦しそうな顔をする。それに擦りあげられる度にペニスはヒクヒクと戦慄き、限界へと登りつめてゆく。男は必死になって耐え抜こうとするが、肉厚の前では無駄な足掻きでしかなかった。
「ぐっ!!このまま出すぞ!!」
男がそう言うと、限界を超えたペニスの先端から男の欲望が迸る。二度三度とはじけたペニスの先端から大量の精液が女の顔に迸る。それを受け止めた瞬間、女もブルリと震え上がる。顔に精液を滴らせながら、悦楽の笑みを浮べる。精液を受け止めて、自分も高みへと達したのだった。
「あふっ!!んっ、んっ、んっ・・・」
イった女は顔についた精液を指で丹念に拭い取る。すべてを指で拭い取ると、それを口に運びおいしそうに舐めあげる。そして喉を鳴らして飲み干す。その淫猥な姿を見ていただけで男のペニスは勢いを取り戻し始めていた。女はそのペニスにむしゃぶりつき、男のペニスを舐め上げて綺麗にしてゆく。
「まだ元気ですね、先生・・・」
陰茎を強く啜り上げながら女が問いかけると男は苦しそうな顔をする。先ほどイったばかりだというのに、またイきそうになってしまったからだ。もっと女を堪能したい、そう思っていたのだが、女のフェラテクの前にその忍耐はあっさりと瓦解する。
「うぐっっ!!出るっっっ!!!」
男はそう叫ぶと女の口の中に二度目の欲望を解き放つ。熱い粘液が喉を叩く感触を感じながら、女は口の中に放たれた欲望を音を立てて飲み干してゆく。そして尿道に残された精液まで啜り取ってしまう。そこまでしてようやく女がペニスから口を放すと、男は満足そうな笑みを浮べる。
「これが今月分だ・・・」
事が終わると男はシャワーを浴び、脱ぎ捨ててあった服を着込むと、ベッドの上に封筒を放り投げる。女は今シャワーを浴びている。曇りガラス越しに女の肢体が映し出される。その凶悪までに大きな胸、引き締まった腰つきを見た男はまたこみ上げてきた欲望を必死になって押さえ込む。
「じゃあ、また連絡するから」
男はそれだけ言うとホテルを後にする。男が部屋を後にしてしばらくして女がシャワールームから出てくる。バスタオルで体を隠しているが、その大きな胸はバスタオルでは隠しきれず、こぼれ落ちそうになっている。それを必死に隠しながら女は封筒の中身を確認する。
「確かに・・・これで今月分はどうにかなったわね・・・」
そういって湊沙耶子は大きな溜息をつく。生活費と子供達の学費、そのためとはいえ男達に体を売ることは気が引けた。しかし、今勤めている会社の月給では生活してゆくのがやっとであった。そのためやむなくはじめたのがこの売春であった。やむなく始めたことであったが、今ではこちらの方が忙しい。
「今度は明後日に浅沼先生か・・・」
ハンドバックから手帳を取り出すと予定を調べる。一月の半分近くが男の名前で埋め尽くされている。それほど沙耶子を抱きたいという男は多かった。33歳、しかも三女の母親であるが、その肌の艶はまだ20代で通用する。さらにその101センチ、Hカップのバストと幼さを残した顔立ちが男達を異常なほど欲情させていた。一回に数万を要求しているにもかかわらず、毎月多くの男達が予約を入れてくる。正直昼間の仕事の数倍儲かっている。
「ふぅぅっ・・・」
そんな沙耶子の口から溜息が漏れる。売春行為をしていることは娘達にはナイショであった。生活のためとはいえ、こんなことをするのは心苦しかった。沙耶子は手帳を仕舞うと代わりにペンダントを取り出す。ロケットを開くと、そこには沙耶子と男、幼い頃の明日香、早紀香、まだ赤ん坊の美紗香が映っていた。それを見ていた沙耶子はぽろぽろと涙をこぼす。
「ごめんなさい、あなた・・・」
今は亡き夫に沙耶子は謝る。沙耶子の人生は波乱続きであった。15歳のとき、明日香を妊娠。相手の男はあっさりと彼女を捨てて逃げてしまった。明日香を出産した沙耶子は高校には行かずに就職し、明日香を育てるために働き始める。
しかし二年後、今度は結婚詐欺にあい、その男が子種を残していってくれるオマケつき。それが早紀香であった。2人の子供をつれて途方に暮れていたときにであったのが、修二の両親であった。沙耶子の境遇に同情した二人は自分のところで住み込みの家政婦として雇うことにする。以後、修二と明日香、早紀香は本当の兄弟のように育てられたのだ。
そしてそれから数年後、修二の父親の運転手をしていた男と結婚する。男は誠実に沙耶子に接し、明日香、早紀香にも実の子供のように接してくれた。さらに男との間に美紗香をもうけ幸せいっぱいの生活であるはずであった。
しかし、幸せは長くは続かなかった。男が事故に巻き込まれてなくなったのである。修二の両親と一緒に。取り残された修二は祖父に引き取られ、沙耶子は三人の子供をつれての生活を余儀なくされた。生きてゆくため、沙耶子はありとあらゆることをした。その中でもっとも儲かったのが売春であった。亡き夫への罪の意識、娘達への後ろめたさが沙耶子の罪悪感を増大させる。
「お金をためてせめて美紗香が大学を出るまでは・・・」
それまではこの仕事を続けるつもりでいた。娘達にばれないように気をつけながら、稼いで行くしかない。衣服を着た沙耶子はいそいそとラブホテルから出てゆく。いつだれと会うかわからない。出るときは迅速に注意深く出てゆかなければならなかった。今日も辺りに気をつけて外に出る。サングラスで顔を隠してあるとはいえ、いつもドキドキする。今日も上手く行くと思っていた。
「沙耶子・・・さん??」
外に出た沙耶子を聞き覚えのある声が呼び止める。その声を聞いた沙耶子は硬直してしまう。恐る恐る振り返るとそこには修二が呆然とした顔で立っていた。見られたくない人物の一人に見られたくないところを見られた。その事実に沙耶子は蒼くなる。
「修くん・・・これは・・・その・・・」
「・・・大体想像はつきます・・・」
蒼くなった沙耶子は必死になって言い訳を考えるが。上手く説明できない。しかし、そんな沙耶子を他所に修二は大きな溜息をついて頷いてくれる。
「でも、そう言うのやめてください。アスねえや早紀香、美紗香ちゃんだって・・・」
「わかってるわ。でも・・・でもね・・・」
「お金が必要でしたらいつでも言ってください。親代わりの沙耶子さんにでしたらいくらでも」
修二はそう言ってにっこりと笑ってくれる。その言葉に沙耶子はボロボロと涙をこぼす。何度も何度も頷いてもうやめる、やめるからと誓ってくれる。修二はその言葉を信じることにした。沙耶子はいままで嘘をついたことはない。ならばこれで本当にやめてくれることだろう。だからそれ以上何も言わなかった。だが、このことを修二はあとになって大いに後悔することになる、あの時何故自分が一緒にいてやらなかったのかと。しかし、このとき修二はあのようなことが起こるとは想像もしなかった。
翌日沙耶子は修二たちの前から姿を消す。修二や明日香が方々探して歩いたが、その行方は要として知れなかった。そしてそれから一月後、沙耶子は変わり果てた姿で発見される・・・
喪服を着た明日香は止め処なく涙をこぼしていた。早紀香も、美紗香もそれは同じであった。やさしく、大好きであった母沙耶子の死、それを三人の異父姉妹は信じられないでいた。それは修二も同様であった。あの日沙耶子と会ったのが今生の別れとなったのだ。
「沙耶子さん・・・一体何が・・・」
修二は低く呻く。あの日修二と別れたあと、沙耶子は行方知れずとなった。いずこを探しても見つけ出すことはできなかった。その間修二は奈々子の実家の情報網も駆使して探したが、見つけ出すことはできなかった。唯一手に入った情報は沙耶子が大手ホテルに入って行った事だけだった。どの部屋の入ったかはわからない。ただそれを最後にどこを探してもその消息は知れなかった。そして一月後、沙耶子は変わり果てた姿で発見される。姿を消したホテルの屋上から身投げして・・・警察では自殺と断定された。腕には覚せい剤を打った跡が発見され、禁断症状から身投げしたと判断されたのだ。明日香達はそれを否定した。母が覚せい剤など打つ筈がないと。しかし、それが覆ることはなかった。沙耶子の腕に注射の跡があったことは事実であったし、屋上には靴が残されていたのだから。遺書はなく、愛用のバックだけが一緒に残されていたという。
「御主人様、あの、警察の方がこれを・・・」
「ん、ああ。ありがとう・・・」
葬儀の手伝いに来てくれた奈々子と亜美が沙耶子のハンドバッグを持てきた。そんな2人に修二は疲れ果てた顔で答える。修二にとって沙耶子は母同然の存在であった。その彼女がこんなことになって修二はショックを隠せなかった。そんな修二を奈々子と亜美も心配していた。
「あまりご無理はなさらないように・・・」
「わかっている・・・」
心配する二人にそう言うと、修二は沙耶子のハンドバッグを受け取る。バックを受け取った修二はそれに妙な違和感を覚える。慌てて探るとバックのそこに何かが仕込まれているのがわかる。修二は明日香達に気付かれないようにそれを取り出し、バックだけを明日香達に手渡し、奈々子たちを伴って自宅へと戻る。バックのそこに仕込まれていたのはテープであった。それを見た瞬間、修二はそれを隠してしまった。明日香達にこれを見せてはいけない、そう直感したのだ。
「何が・・・」
いやな予感に駆られた修二はそれを隠して持ち帰ったのだが、見る勇気が沸かない。しばし、考え込んだ後、意を決してそれを再生し始める。映し出されたのは薄暗い部屋。どこかはわからない。大きなベッドが中央にあるだけの質素な部屋であった。そしてそのベッドの上には全裸の沙耶子が寝かされていた。その両手には縛られていたあとが赤々と残されていた。それはロープを解かれてからさほど経っていないことを物語っていた。
『・・・・・・・・・』
目は虚ろで正気の目ではなかった。一言も口は聞かず、口の端から泡を吹き、ぶつぶつと何か呟いているようには見えた。そんな沙耶子に数人の全裸の男が集まってくる。皆顔をマスクで隠しているが、どう見てもやくざのようには見えない。だれが見ても全身脂ぎった中年の男たちにしか見えなかった。その男たちが沙耶子に群がるように取り巻き、その体を嘗め回し始める。
『いやぁ、この肌、病み付きになりますなぁ』
『いくら出しても飽きがきませんよ』
ゲラゲラと笑いながら男達は沙耶子の肌を舐めまわす。その愛撫に沙耶子の表情が虚ろなものから艶かしいものへと変化してゆく。男達を招き寄せるように男達を抱き寄せ、脚を大きく開いて腰を浮かせる。まるで誘うような動きに男達は興奮して沙耶子にむしゃぶりつく。
『この胸、この胸ですよ。たまりませんなぁ!!』
『いや、まったく。感度もよく、挟んで扱いてもらうとおまんこと変わらない気持ちよさで!!』
沙耶子の体を嘗め回していた男達がその大きな胸へと愛撫を移してゆく。男達が揉んだり、舐めたりするたびにその大きな胸はタプタプと波打ち、男達を喜ばせる。やがてそのうちの一人が沙耶子の股間に顔を埋める。その濡れだしたヴァギナを舐めてやると沙耶子は歓喜の声を上げて腰をくねらせる。
『ふああぁぁっっ・・・きもち・・・いい・・・』
『そんなに気持ちいいか?なら。これはどうだ?』
沙耶子が歓喜の声を上げると、男は前戯もそこそこにいきり立ったペニスを沙耶子の膣内へと捻りこむ。沙耶子は涎をたらしながらそれを受け入れる。まだ濡れ方の少ないそこはなかなかペニスを受け入れない。だが、男は無理矢理ペニスを捻りこむ。
『ほらほら、どうですか???』
『ひぐっ!!うううっっ!!あ、あああっっ・・・』
ペニスが奥に入り込むと男は激しく腰を動かし始める。最初は動かしにくかったが、徐々に濡れ始めその動きを助けてくれる。他の男達も沙耶子に自分のものをしゃぶらせたり、その大きな胸で挟み込ませたり、手に握らせたりして楽しみ出す。だが、ヴァギナを犯していた男は少し渋い顔をする。
『どうしました?気持ちよくないんですか?』
『少しゆるくなってきたかな?』
『おや、薬が切れてきたんですかな?』
男の言葉にもう一人の男が沙耶子の様子を調べる。沙耶子は白目を剥き、泡を吹いて痙攣し始めていた。禁断症状が表れ始めていることは一目瞭然であった。やがて泡を吹いた口はだらしなく開き、涎をたらし始める。小刻みだった痙攣も、大きくなってゆく。
『おくしゅり・・・おくしゅり、ちょうだい・・・』
『まったく、これ一本でもかなり高価だというのに・・・』
沙耶子がうわ言のように繰り返し薬を求めると、沙耶子の様子を調べていた男が困ったような表情を浮べながら自分の荷物から携帯用のケースを取り出す。しばしの後、男は注射器を持って現れる。そしてそれを沙耶子の腕に注射する。中の液体が入ると、沙耶子の表情が悦楽のもに変わる。
『おお!!締まってきた、締まってきた!!』
『どれどれ??』
気持ち良さそうに腰を振る男に一人の男が近寄ると沙耶子のヴァギナに手を伸ばしてくる。赤く顔をのぞかせたクリトリスを指で摘んでくる。クリトリスをつぶす快感に沙耶子拝命を上げて震え上がる。全身を大きく戦慄かせて絶頂に達したことを示す。
『うぐっ!!締まるッッッ!!』
ヴァギナにペニスを突っ込んでいた男が小さく呻き震え上がる。沙耶子の絶頂は膣道を激しく収縮させ、男のペニスを締め付ける。その締め付けに男は耐え切れず、思い切り膣内に射精する。射精を終えた男がペニスを引き抜くと、ヒクヒクと戦慄くヴァギナからドロリと白い粘液が逆流してくる。
『これはまた、たくさん出しましたな』
「いやぁ、この締め付けは堪りませんぞ?』
『それだけ高い薬を使っていますからな。まあ、そろそろ本人が壊れそうですが・・・』
「壊れたら壊れたまでのこと。次の肉人形を用意するまでのこと』
『そういうことです。では、みんなで楽しむとしましょうか・・・』
男達はニヤニヤ笑って沙耶子を見下ろす。沙耶子は膣内に射精されたことに驚きもせず、そこからあふれ出してくる精液を指ですくって舐める。その目はもう正気を失っていた。ただ、男達に犯されるだけの人形、それがいまの沙耶子であった。男達はそんな沙耶子に圧し掛かり、犯す。ヴァギナを、アナルを、胸を、口を、手を、すべてを使って自分達の欲望を満たそうとする。そんな男達に沙耶子は一切抵抗しない。ただなされるがままであった。画面はそこで消える。狂気の宴の途中で・・・
「沙耶子・・・さん・・・」
テープを見終わった修二はそれ以上何もいえなかった。母親代わりをしてくれた人の無残な姿、その姿に声も出なかった。おそらく沙耶子の薬物中毒の症状は男達に打たれた麻薬によるものだろう。どうして沙耶子が飛び降りたのかはわからない。禁断症状によるものなのか、正気を取り戻してのことだったのか。どちらにしろ、沙耶子が命を落としたことに違いはない。そしてそれを間接的に実行したのは今しがた画面に映っていた男たちである。
「・・・・・・・」
修二は何も言わずに黙り込んでいた。いま見た男たちと自分がどこが違うというのだろうか。祖父が作った薬で奈々子たちを使役する男と、麻薬で沙耶子を犯した男達。修二は違いを見つけられずにいた。そんな自分が沙耶子の復讐を口にしていいものかと思い悩む。
「ご主人様、なさりたいようになさってください・・・」
「私たちはどこまでもご主人様の味方です」
そんな修二の姿を見た奈々子と亜美が声をかけてくる。奈々子や亜美だって沙耶子の姿を見たら自分が修二にされたことと重ね合わせてもおかしくないはずである。なのに彼女たちはそう声をかけてきたのである。そんな2人に修二は顔を向ける。
「何故だ?お前達だって、沙耶子さんと同じ境遇なのに・・・」
「いいえ、違います。最初は同じだったかもしれませんが、今は違います」
「私たちが死に逃げないのは、ご主人様を思っているからです!」
そんな二人の言葉に修二はしばし呆然としていた。この二人にここまで言わせる事ができたことが嬉しくもあり、恥ずかしくもあった。修二はしばし黙り込んだままでいたが、やがて不敵な笑みを浮べる。自分は選ばれた人間である。だから奈々子や亜美に慕われているのだと。同じように薬を使っていてもあいつらは沙耶子に逃げられたのだと。選ばれた人間が愚かな下衆に裁きを下すことを躊躇う必要があるはずがない。もし、そのために自分の計画に関係のない娘を巻き沿いにしても気にする必要はない。復讐のあとも自分の元で使ってやれば言いだけのことなのだ。
「そうだ・・・そうなんだ・・・くくくっっ・・・」
修二は笑いをこらえながらテレビ画面を見つめる。そこにはもう一度映し出された沙耶子の姿が映っていた。このテープをバックに忍ばせたのは沙耶子だろう。これを証拠にこの男達を捕まえて欲しいという彼女の最後のメッセージだったのかもしれない。しかし、顔が映っていない以上、証拠としては弱すぎる。ならば、この下衆どもに自分が裁きを下せばいい。沙耶子だってそれを望んでいるはずである。
「奈々子、この部屋の様子からどこのホテルか、識別できるか?」
「おそらく、どこかのスウィートルームだとは思いますが・・・」
「そこを見つけ出して、一月以上その部屋を借りていたやつらを調べ上げろ!亜美はその手伝い!」
「「畏まりました、ご主人様!!」」
修二の命令に奈々子と亜美は一礼して部屋を出てゆく。後に残された修二は祖父の残した薬を取り出す。今作り置きしてあるのは三つ。元々別の女子生徒に使うつもりで作っておいたものだったが、沙耶子失踪で使わずに残っていたのだ。さらに修二は裁きを下す策を考え出す。
「見ていろ、愚民ども。お前らに天誅を・・・」
修二は手にしたコントローラーをテレビ画面に叩きつける。画面に大きなひびが入り、男たちの姿が消える。まるでそれは男たちがこの世から姿を消す予兆のようであった。拳を握り締めた修二は狂ったように笑い出す。修二の狂気に満ちた策はこれから始まるのだった。
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