第1話 逃亡?契約?誕生?皇女様が振ってきた!!


 地球から遥か離れた星、サザン。この星を中心に1000を越える星々が集まって構成されたザムザイール皇星連邦。その銀河最大の皇国で今ある儀式が始まろうとしていた。
 「よいか!汝ら50人の騎士たちはこれより姫様を賭けて戦うこととなる!」
 壇上に立った皇星連邦軍大将軍ジョーキは声高に眼の前に居並ぶ騎士たちに宣誓する。その言葉を聞きながら騎士たちは緊張した面持ちになっている。ここに居並ぶ騎士全員が皇星連邦所属の星でも屈指の騎士たちである。その彼らと戦うことになるのだから緊張するなというのが無理な話である。
 「汝らは最期の一人になるまで戦い続けることとなる。そしてその最後の一人が栄えある姫様の婚約者となり、次代のザムザイール皇星連邦皇帝となるのだ!」
 その言葉に騎士たちは一斉に色めき立つ。われこそは最強と自負する面々の集まりである。たとえ相手がその星一番の使い手といえどいつまでも気後れしているわけにはいかない。こいつらを討ち果たし姫様を手に入れ、次代のザムザイール皇星連邦皇帝となる。それこそが自分の生まれた星の望みであり、自身の望みでもあった。
 「まずは戦いを始めるにあたり、皇帝陛下よりお言葉を頂く!静聴!」
 ジョーキの言葉に騎士たちは慌てて直立不動の姿勢になる。皇帝の前で無礼な振る舞いは許されない。そんな騎士たちを制するように第129代ザムザイール皇星連邦皇帝ロドリオ=デューム=エヴォールが妻である皇后セリセアを伴なって姿を現す。齢60を超える皇帝であったがその威厳はいまだ健在で、その姿を見ているだけで騎士たちはその存在感に圧倒され、背筋が凍りついてしまう。
 「此度、我が娘シルヴェリア=デューム=エヴォールが14歳となった・・・そこで慣例に習ってここに姫の婚約者を決定する婚約者選抜大会を開催する!」
 皇帝の言葉に騎士たちは首を垂れる。いま周りに居並ぶものたちを打ち倒せば皇帝の座は自分のものとなる。しかもシルヴェリア姫は14歳だが美少女として有名であり、将来有望とされていた。そんな彼女まで付いてくるというのだ。この選抜大会に勝ち残らなければならない。その思いを胸に戦いに望もうと決意する。
 「申し上げまーーす!!」
 そんな戦いの雰囲気を打ち破るような声が響き渡る。見れば一人の衛兵が皇帝に駆け寄って行くところだった。ロドリオもジョーキもせっかくの開会の場を壊され眉をしかめている。しかしその衛兵は顔を青くしているところからただならぬことが起こったことは明らかであった。
 「何事だ、騒々しい・・・・」
 「も、申し上げます・・・ひ、姫様が・・・」
 「姫がいかがした!!?」
 最愛に愛娘に何事かあったのかとロドリオは慌てて衛兵を問いただす。
 「婚約が嫌だと・・・脱走されました・・・」
 「・・・・・・・なんじゃとーーーー?????」
 姫君の婚約者を決める戦いはその姫君の脱走と、皇帝陛下、皇后陛下の卒倒で完全に崩壊してしまった。銀河を揺るがす戦いはこうして幕を開けたのである。



 「ふぁぁぁっっ・・・ねむっ・・・」
 かったるそうに目を擦りながら豪拳寺精子朗は学生服に着替えていた。遅刻までにほとんど時間はなかったが、それでもゆったりと着替えてゆく。昨晩もゲームに嵌ってしまい、夜更かしをしたのが寝坊の原因であった。ゆったりと着替えているのは学校へ行くということの優先順位が彼にとって下位に位置しているからである。
 「まったく何が悲しくて・・・・」
 それでも毎日学校へ行くのは口うるさい幼馴染の存在があった。その幼馴染は今階下で自分が降りてくるのを待ち構えているはずである。その存在を疎ましく思い、思わず溜息をついてしまう。
 「こらっ!精子朗!!さっさとしないと遅刻しちゃうでしょ!!!」
 待ちきれなかったのかその幼馴染、輪崎倫は階段を駆け上がってきて精子朗を怒鳴りつける。精子朗は慌てて耳をふさいで聞こえないフリをする。そんな精子朗の態度に倫は眉をひそめる。
 「ちょっと、何よ!その態度は!!!」
 「ああ、うるさい!大体なんでお前は毎朝そううるさいんだよ!!」
 「あんたの亡くなった御両親に頼まれたからに決まってるでしょう!!」
 うるさがる精子朗の耳たぶを掴んで倫は彼を怒鳴りつける。精子朗の両親は12年前事故で亡くなっている。遺産は相当残してくれたので弁護士である倫の父親が管理してくれている。そういった付き合いから幼いときから倫は彼を規則正しい生活をさせるという誓いのもと、彼の家に通いつめてきている。
 「それが煩わしいって言っているんだ、こののっぽ!!!」
 「!!あんた、またその言葉を言ったわね?」
 「言ったがなんだ、この絶壁!!」
 「!!言ってはいけないことを二つも・・・許せない!!!」
 倫はそう言うと精子朗の頭を鷲掴みにして床に叩きつける。身長180cmを超える倫はのっぽと呼ばれることを大いに嫌っていた。さらに体つきが身長に対してほとんど成長していないため、寸胴に近い。胸など75cmのAcupしかなくいわゆる絶壁の胸であった。そのため”のっぽ”、”絶壁”の二言は彼女の禁句となっていた。
 「まだそのことを、まだそのこと!!!!」
 怒りに任せて床に何度も叩きつける。身長に対して体の成長がないことは倫が気にしていることであった。そのことを精子朗にズバリ言われたことが禁句の始まりであった。それも初体験のすぐ直後に。痛い思いをしたが思い人との初体験は倫にとって嬉恥ずかしいことであった。しかし、その直後・・・
 ”お前って、デカいくせに胸ないな・・・絶壁だぞ、この胸は・・・・”
 という巨乳大好きの精子朗の心無い一言ですべてが台無しになってしまって以来、トラウマとなってしまったらしい。そのため折角結ばれたというのに、恋人同士にもなれず、未だに幼馴染の関係が続いていた。
 「ずびばぜん・・・いぞぎまずがらゆるじでぐだざい・・・」
 何度も床に叩きつけられた精子朗は涙ながらに謝り許しを請う。ようやく落ち着いた倫は精子朗から手を離す。気付けばこんなバカ騒ぎのせいで遅刻ぎりぎりまで時間が過ぎてしまっていた。
 「まったくどうするのよ!私まで遅刻じゃない!!」
 「うるせいな!お前はさっさと先に学校行けよ。俺はこれから朝飯食ってから行くんだから!」
 「それじゃあ、遅刻でしょう!!」
 「いいんだよ!ほれ、さっさと行かないと本当に遅刻だぞ?」
 悠然としている精子朗にこれ以上なにを言っても無駄と思った倫は必ず学校には来る様に言い含めると先に学校へと走ってゆく。その後姿を見送ると精子朗は優雅に朝食をとり始める。ご飯に生卵、味噌汁にヒラキに漬物。純和風といった献立の朝食を口に運んでゆく。
 「うーん、やっぱり日本人はこうでなくっちゃ!!」
 おいしそうに朝食を食す精子朗の表情は遅刻ギリギリの者の表情ではなかった。幸せそうに朝食を堪能する。そんな至福のときだった、騒動が起こったのは。轟音が鳴り響き大気が揺れる。家の家具が食器が揺れ、地鳴りのような音が響いてくる。
 「何だ、この音は・・・」
 ガタガタと揺れる状況に精子朗は仕方なく朝食を切り上げ外に出てみる。辺りを見回し、上空を見上げる。そして目が点になる。目の前に広がる黒い球体。それが寸分違わず精子朗の家の庭に振ってきたのである。
 「なんじゃアレは???」
 呆然と見つめる精子朗であったが、落ちてきた球体が着地した衝撃で吹き飛ばされる。柱に強かに打ち付けられ、呼吸をするもの困難な状況に追い込まれてしまった。ゴホゴホと咳き込んでいた精子朗は起き上がるまでにしばし時間がかかった。ようやく起き上がり庭に振ってきたものの正体を見極める。
 「なんだ、これは・・・?」
 直径5メートルほどの黒い球体。それが庭に落ちてきた。しかしそれ以上に驚かされたことがあった。こんなものが落下したにもかかわらず、庭には何の異常もみられないし、自分の家も近所の家に窓も割れるどころか、ひび一つ入っている様子はない。あまりに非常識な光景であった。
 「えーーーと・・・まあ、なんにしても正体を見極めないと・・・」
 精子朗は非常識な現実をよそに置いておいて庭に降り立つ。ゆっくりと球体を見回す。見たことのないその物体は悠然と庭に浮いている。訝しげな表情でその周りを廻りながらじろじろと観察する。精子朗が球体を観察し続けていると突然その一箇所が開く。しばし考え込んだ精子朗は思い切って中を覗き込む。
 「え???」
 中を覗き込んだ精子朗は思わず絶句してしまった。中には一人の美少女が眠っていたのだ。目の覚めるような金色の髪、抜ける様な白い肌、まだ幼いが端正な顔立ち、幼い顔つきと低身長に似合わぬ巨乳、そのすべてが精子朗の理想にかなっていた。少女を見ているだけで心臓が高鳴ってくる。
 「・・・・ごくっ・・・」
 思わず息を呑む。少女が纏った白い服が、彼女が動くたびに衣擦れの音を立てる。服の隙間からちらちら覗く肌が精子朗の鼓動を高鳴らせてゆく。股間に血液がたまり、膨張してゆく。
 「んんっ・・・」
 少女が寝返りをうつ。ちらりとピンク色の乳首と金色の陰毛が精子朗の視界に飛び込んでくる。こんなものを見ては精子朗の理性は限界を超えてしまった。
 「もう、しんぼうたまらん!!!!」
 興奮した精子朗は下半身を剥き出しにすると少女に飛び掛る。精子朗が少女に抱きつくのと同じに球体の扉が閉まり中に閉じ込められてしまう。本来なら慌てるところだが、精子朗はこれ幸いと喜んでいた。声が外に漏れないことを喜び、鼻息も荒く少女の服を引き裂く。
 「おおお、これは・・・・」
 服の下から現れた少女の肢体は感動的なものであった。きめ細かな純白の肌。150cmに満たない身長ながら見事に成長した乳房。その頂点で小振りながらその存在を主張しているピンク色の乳首。細くくびれた腰。大きすぎず、小さすぎず、安定した腰周り。白い肌に生える光り輝く金色の陰毛。
 「す、すごい・・・感動だ・・・」
 精子朗は鼻息も荒くその美の極みともいえる裸を堪能する。だがそのうち見ているだけでは我慢できなくなる。この肢体を自分のものにしたい、征服したい、そんな欲望が精子朗の中に渦巻いてくる。少女に覆いかぶさるのと少女が目を覚ますのがほぼ同じであった。
 「な、なんじゃ、そなたは・・・」
 少女は驚いた表情で精子朗を見つめていたがもう精子朗に歯止めは効かなかった。少女に覆いかぶさるとその唇を自分の唇で塞ぐ。一瞬何が起こったのかわからなかった少女はすぐに抵抗し暴れ始める。
 「ぶ、無礼者!!わらわを誰と・・・」
 厳しい口調で精子朗をとがめるが精子朗はそんな少女の言葉に耳を傾けようとはしなかった。少女の大きな乳房にむしゃぶりつく。甘い匂いが鼻をくすぐる。大振りで片手でも余るような大きさをじっくりと味わう。片手で撫で回し、もう片側の乳首を口に含み舌で転がす。
 「はぐっ!!や、やめよ・・・そんな・・・」
 少女は必死になって抵抗しようとするが、初めての快感に力が入らない上に精子朗との体格、力の差が抵抗を無駄な努力に変える。それでも何とか逃れようと必死になって抵抗を続ける。そんな少女を無視して精子朗はその大振りの乳房を堪能していた。
 「うーん、柔らかい・・・それに張りもあって、最高・・・」
 「だから・・・あんっ、わらわに・・・んんっ・・・触るでない!!」
 巨乳を喜んで堪能する精子朗。鼻に掛かる声を上げながらも必死に抵抗する少女。快感が体を支配し、自由を奪ってゆく。頭では抵抗を続けているのに、体は精子朗を受け入れてしまっていた。そんな少女のことを見透かしたかのように精子朗は胸への攻めを再開する。
 「ひゃん!!そんな、そんなこと・・・」
 グニグニと強弱をつけて乳房を揉みしだく。指の間に乳首を挟み込み、擦り、押しつぶし、摘み上げる。柔らかかった乳首は硬さを持ちむくむくと鎌首をもたげてくる。ピンク色の乳首は赤みを増し、白い肌にあってはその卑猥さを際立たせている。
 「ほーら、固くなってきた・・・」
 「ああんっ・・・やめ・・・よ・・・」
 モゾモゾと身を捩って抵抗する少女であったが、その動きははじめに比べて小さなものになってしまっている。少女が感じていることは手に取るようにわかる。そこで精子朗は大きく勃起した乳首を口に含む。唇で挟み、引っ張り、啜り上げる。時には軽く歯を立ててみる。
 「あぐっ・・・なんじゃ・・・わらわの体はどうなって・・・ああああっ!!」
 体の奥深くからこみ上げてくる初めての快感に少女は戸惑い、恐怖していた。同時に味わったことのない快感に酔いしれていた。そんな少女の心のうちを読みすかしてか、精子朗はさらに激しく胸を攻め立てる。少女の声が大きくなる箇所を重点的に攻めたて、より強く,より激しく摘み、啜り上げる。
 「いやっ・・・なんじゃ、この感覚は・・・体の奥が・・・熱い・・・」
 体がしびれるような感覚に少女は小刻みに震える。そして精子朗がより強く攻め立てた瞬間、大きく体を震わせ、撓らせて極みへと達してしまう。眼の前が真っ白に染まる感覚のあと少女は気だるさの中にある悦楽に酔いしれていた。なにが自分に起こったのかわからないでいる少女だったが、そんなことを考えている余裕はなかった。
 「な、なんじゃ、何をしておる!!?」
 下腹部に感じた奇妙な感触に少女は慌てて視線をそちらの方に移す。見れば精子朗の指が少女の金色の陰毛を撫で回しているところであった。モゾモゾとくすぐったい感触に少女は身もだえする。少女の体を弄りながら、精子朗の指は徐々に下へと下がってゆく。つるりと中指が股の間に入ってくる。
 「ひっ!!な、なにをする!!」
 股の間に入ってきた指に少女は悲鳴に似た声を上げる。だが、精子朗は少女の悲鳴など聞こえないかのように中指を股の間の奥へと押し込み、少女の割れ目を指先でつつく。
 「やめるのじゃ、やめるのじゃ!!あうんっ、そんなところ、撫でるでない!!」
 甘い声を上げながら少女は激しく頭を振って拒絶する。拒絶する少女の声とは裏腹に股の間はすでにビショビショに濡れそぼっていた。その感触を指先で確認すると、精子朗は中指を割れ目の中に押し込んでくる。直接中に入れず、陰唇を掻き分け、入り口を何度も何度も指先で刺激してくる。
 「ひぃ!!なんじゃ、なんなのじゃ!!ああっ、この感覚はなんなのじゃ!!」
 味わったことのない快感が少女の体を痺れさせる。指先で撫でるだけで割れ目から愛液が滴り落ち、指を、股をぬらしてゆく。指先で刺激していると、やがて脚から力が抜けてゆく。その瞬間を逃さず、少女の股の間に精子朗は自分の体を割り込ませてくる。 
 「あああっ、い、いやぁぁっっ!!」
 足が大きく開かれる格好になり少女は悲鳴を上げ慌てて脚を閉じようとする。しかし、すでに精子朗の体は少女の足の間に入り込み、少女が脚を閉じることを拒んでいる。いやいやと頭を振る少女を無視して精子朗は指先を膣内に押し込んでゆく。ぬるりとした濡れた感触と、ぎりぎりと締め付ける感触とが指先に感じられる。
 「あああっ、そんなところに・・・指を入れるでない!!」
 耳まで真っ赤に染めたまま少女は精子朗に訴えかける。だが、精子朗は少女の訴えに反して奥へ奥へと指を押し込んで行く。指先に柔らかくもぬめった肉壁を感じながら中指を一番奥まで押し込んでしまう。
 「ひぃっ、そんな、ところ・・・」
 小刻みに震えながら少女は目じりに涙をためて頭を振る。すると精子朗は奥まで押し込んだ指をクニクニと動かして少女の感じる箇所を掘り起こしてゆく。指先が膣内で動くたびに少女は悲鳴にも似たあえぎ声を上げる。膣を刺激する快感には覚えがなく、その感覚が愛しくも恐怖の対象であった。
 「ひんっ、ひんっ・・・やめよ、やめるのじゃ!!」
 クニクニと膣内を蠢く指の感触に少女は完全に錯乱してしまっていた。それでも必死に精子朗に抗おうとし、体をくねらせる。しかし、頭では必死にくねらせているつもりでも、体はほとんど動いておらず愛液を滴らせて精子朗の指の動きを受け入れているのが現実だった。
 「すごい洪水だな・・・ここをこうしたらどうなるかな?」
 指で膣を刺激していた精子朗は刺激する位置を変えてみる。少女の体は感じるかどうか、それを素直に教えてくれる。何箇所も位置を変えるうちに少女が喜ぶ場所は大体把握できた。
 「じゃあ、そろそろいこうか・・・」
 精子朗はそう言うと少女の脚を大きく開かせ、ヴァギナを全開にさせる。ビショビショに濡れ、愛液が滴り落としながら、精子朗の指をくわえ込んだヴァギナは少女の目には別の生き物のように思えた。そんな少女の膣を刺激してフィニッシュへと導いてゆく。
 「ほらほら。こことここが気持ちいいんだよね?」
 「やぁ・・・やめるのじゃ・・・わらわは・・・わらわはおかしくなって・・・あああああっっっ!!」
 少女の喜ぶ箇所を攻め立てる指の動きに少女は完全に飲み込まれていた。腰をくねらせより感じる場所へと指を導いてゆく。もちろんそれは少女の意思などではなく、無意識により強い快感を求めての行動であった。そんな少女の動きにあわせるように精子朗の指の動きも激しさを増す。
 「そんな・・・ああああっ・・・激しくうごかすで・・・あああんっ!!」
 全身に玉のような汗を浮べて少女は高みへと上り詰めて行く。グチュグチュという音があたりに響き渡り、奥からあふれ出した愛液が精子朗の指先を手首を濡らしてゆく。それでも精子朗は指を動かすのをやめようとはせず、激しく少女の感じる箇所を攻め立てる。
 「ひぐっ!!あああっ・・・また・・・なにか・・・」
 体を震わせて何度も小さな絶頂を迎えた少女だったが、精子朗の指が少女の最も感じる箇所を擦り上げた瞬間、大きく飛び跳ね絶頂を迎える。同時に膣から半透明な液体が迸り、精子朗の手を濡らしてゆく。潮を吹いて絶頂を迎えた少女は半ば呆然と呼吸を整えていた。しかしこれで精子朗の攻めが終わったわけではなかった。頭を少女の股間に埋めると、愛液と潮で潤ったヴァギナをペロペロと舐め始める。
 「な!!そのようなところ、あああっ!舐めるでない!!」
 いやいやと頭を振る少女を無視して精子朗は丹念に滴る愛液を舐め取ってゆく。だが、精子朗が舐めるほどに奥から新しい愛液が滴り落ち少女の股間を濡らしてゆく。精子朗が舐めても舐めても滴り落ちてくる愛液はいつしか精子朗の口から溢れ口元を伝う。
 「うん。うまい。中のほうはどうかな?」
 表面を嘗め回していた精子朗は今度は指でヴァギナを押し開く。ピンク色の粘膜が精子朗の視界に飛び込んでくる。少女が慌てて隠そうとする前に顔を押し付け舌先を膣内へと押し込んでゆく。その生暖かく、やわらかな感触に少女は悲鳴を上げる。それでも精子朗はやめようとはしない。さらに激しく膣内を舐め、愛液を啜り上げてゆく。
 「ひゃっ!そ、そのような・・・・そのようなところ舐めるでない!!!あああっ!」
 甲高い声で嫌がる少女だったが、精子朗の舌は奥へ奥へ通し進んでゆく。あふれ出す愛液を舌ですくいながらわざと音を立てて啜ったりもする。
 「いやっ!な、なにをしておるのじゃ!!?」
 精子朗がジュルジュルと啜る音に少女は顔を真っ赤にする。自分の体がどうにかなってしまった感覚に戸惑い、混乱していた。そんな少女の股間に顔を埋めた精子朗は好き放題に少女のヴァギナを貪っていた。舌で舐め上げ、指でつつき、クリトリスを啜りあげる。その度に上げる少女の嬌声が精子朗を喜ばせる。
 「ひいぃぃっ!また、また何か体が・・・フワフワした・・・あああっ!!」
 「んっ?またイくの?いいよ、イっても!」
 そういった瞬間、精子朗は少女の肥大し顔を覗かせていたクリトリスに軽く歯を立てる。その刺激が全身を駆け巡り少女はビクビクと体を弛緩させる。三度目の絶頂に少女は完全に呆けてしまっていた。そんな少女の股から顔を上げた精子朗は口元を拭いながら少女を見下ろす。
 「そろそろ一緒に気持ちよくなろうか?」
 精子朗はそう言うと自分のいきり立ったペニスを少女に誇示して見せる。限界まで張り詰めたペニスがビクビクと脈打っている。そんなペニスを呆けた眼差しで見つめていた少女だったが、やがて意識が覚醒し青ざめる。生まれて初めて見るペニスに恐怖する。
 「な、なんじゃ、そのグロテスクなものは??そんなもので何をするつもりじゃ!!?」
 「なにって、もちろん何以外ないんじゃない?」
 そういいながら精子朗は自分のいきり立ったペニスを少女の股間に押し付けてくる。焼けた鉄の棒でも押し付けられた感覚に少女はびくりと体を竦ませる。精子朗はそんなものは無視してズリズリと少女にペニスをなすりつけ滴り落ちてくる愛液をペニスに擦り付けてゆく。
 「そのようなもの、擦り付けて、何をするつもりじゃ!!?」
 「すぐわかるって。ほら、力抜いて。緊張していると痛いよ?」
 青ざめた顔で震える少女を宥めながら精子朗はペニスを少女の膣口に押し付ける。愛液をまぶしたペニスは妖しく光り、早く少女の中に入りたいと脈打っていた。そのリクエストに答えて精子朗はペニスを膣内に押し込んでゆく。
 「ひぎっ!!痛いっ!!!痛いのじゃ!!」
 「うぐっ!せまっ!!」
 先端を潜り込ませただけで引きちぎられんばかりの締め付けがペニスに襲い掛かってくる。ただでさえ精子朗のペニスは極太で少女の狭い膣にはサイズが合っていない。それを無理矢理押し込もうとしているのだから痛いのは当たり前である。徐々に奥に進ませてゆくが狭すぎてなかなか奥に進まない。少女の方も大きすぎるペニスの侵入に大粒の涙を浮べて痛がり、嫌がる。
 「そ、そのようなことするでない!は、早く抜かぬか!!」
 「ここまで言ってやめられるか!このままおまえのお初は頂く!!」
 精子朗の言葉に少女はようやく自分がなにをされようとしているのか理解した。汚される。見ず知らずの、初対面の男に自分が汚されようとしている現実を理解した少女は、それまで以上に激しく抵抗し始める。
 「放せ、放さぬか!!そなた、わらわを放さぬと死刑に処するぞ!!」
 「だからウルセって!そんなこといっている余裕があるならとっとと力を抜きな!!」
 両手両足を使って精子朗を押しのけようとする少女であったが体格差の違いからどうすることも出来なかった。激しく抵抗する少女を怒鳴りつけながら精子朗は少女のアナルに指を回す。入り口を指先でこねくり回し、刺激する。不浄の穴を刺激された少女はびくりと体を震わせる。
 「ど、どこを触っておるか!!そのようなところ触るでない!!」
 「いいから力を抜けって!!」 
 「ひんっ・・・だめじゃ・・・ううっ・・・だめと言うておるに・・・」
 精子朗は指先でアナルを刺激する。少女の意識がそちらの方に移ったのを見越して精子朗は体の位置を変え、ちょうど真上からヴァギナを貫く体勢をとる。少女の意識がまたヴァギナに戻ってくるよりも早く、全体重をかけてペニスでヴァギナを貫く。
 「ひぎゃああっっ!!い、いだいぃぃぃっっっ!!!」
 絶叫とも悲鳴とも取れない声を上げて少女が泣き叫ぶ。メチメチと硬い膣道を押し広げて進んでいったペニスは処女膜まで到達する。その硬い膜は精子朗の侵入を頑なに拒んでいた。だがここまでやって諦めるわけには行かない。もう一度全体重をかけて処女膜に挑む。
 「ひぐっ!!さ、裂ける!!!痛い・・・父上・・・母上・・・助けて・・・!!」
 ぼろぼろと大粒の涙を流して痛がる少女だったが、そんな少女を気遣っている余裕は精子朗にはなかった。全体重をかけて処女膜に挑む。硬い肉棒と膜がぶつかり合う。

 「うぐっ、もう少し・・・よっと!!」
 ブチブチッと何かを引き裂く感触と共にペニスはするりと奥に吸い込まれてゆく。その何かが引き裂かれた瞬間、少女は全身を弛緩させて絶叫する。体を引き裂かれるような激痛が全身を駆け巡る。その激痛に少女の意識は半分失われていた。精子朗の方も少女を気遣っている余裕はまだなかった。
 「すげえ、締め付け・・・気を抜いたら・・・」
 ぎちぎちと締め付けてくる膣道に精子朗は顔をしかめる。少しでも気を緩めたらあっという間にいってしまいそうな締め付けであった。まだすぐには動かせないと判断した精子朗はしばしそのままの体勢で我慢することにする。
 「そろそろ大丈夫・・・かな?」
 締め付けに慣れてきた精子朗はようやく腰を動かし始める。だが痛みが完全に引いたわけではない少女は、またしても体中を駆け巡りだした激痛に絶叫する。
 「や、やめよ!!痛いのじゃ!!わらわは・・・わらわは!!!」
 激痛に涙を浮かべ、頭を振って拒絶する少女であったが、精子朗はそんな訴えに耳を貸そうとはしなかった。ただひたすらに少女のヴァギナをペニスで汚してゆく。精子朗が腰を動かし、ペニスを打ち付けるたびに少女は涙を流して絶叫する。その度にキュウキュウとペニスが締め付けられるので精子朗はその快感を求めてさらに激しく少女を攻め立てる。
 「ひぃ、ひぃ、ひぃ・・・痛い・・・助けて・・・父上・・・母上・・・」
 涙ながらに助けを求める少女であったが、そんな助けが都合よく現れる筈がない。現れたとしてもそれが助けとは限らない。少女はなす術がないまま、精子朗の玩具のように犯され続ける。噴出した愛液が処女の証と絡まり、ピンク色のあわ立った液体となって膣口から噴出し、ペニスを汚してゆく。
 「かなり・・・滑りがよくなってきたな・・・」
 「いぐっ・・・どうでもよい、さっさと抜かぬか・・・はぐっ!」
 「女の子なんだからもっと色っぽい声を出してよ・・・」
 ようやく動きやすくなってきたところで精子朗は少女に顔を舐めて涙を掬う。しかし、少女の方はまだ痛みが収まったわけではなく、早く逃れたい一心であった。そんな少女に精子朗は意地悪く強くペニスを突きたてる。少女が痛みに身を竦ませるのを見ながら耳元で囁く。
 「そんなの・・・無理じゃ・・・」
 「仕方がないなぁ・・・なら、こういうのはどうだい?」
 涙ながらに頭を振る少女に精子朗は頭を掻きながら動くのをやめると、その胸にむしゃぶりつく。その硬く尖った頂点を口に含み,舌で転がし,啜り上げる。動くのは休んで胸を攻めることに集中する。膣の痛みが胸の快感に変わったことに少女はようやく甘い声を上げ始める。
 「ふああっ・・・そこ・・・そこは弱いのじゃ・・・」
 「ここをこうするのがかい?」
 少女の叫びに答えて精子朗は乳首に軽く噛み付き引っ張ってやる。痛みと共に襲ってくる快感に少女は体をガクガクと震わせる。その度にペニスの収まった膣道がグニグニとうねり、ペニスを刺激してくる。これならば動かなくても十分に快感を得ることが出来そうであった。
 (まあ、そのうち俺のを納めても存分に動ける位に開発してやるけどな・・・)
 まだ未開発の膣を将来開発し、自分の思うが侭にすることを夢見ながら精子朗は激しく少女を攻め立ててゆく。乳首を舐り、クリトリスをこすり上げる。その度に少女は悲鳴にも似た叫び声をあげてよがる。そして膣道も同じように反応を示し、ペニスを締め上げ極みへと導いてゆく。
 「なんじゃ・・・あああうっ・・・また・・・またなにかが・・・ひぃぃぃっ!!」
 「うぐっ、すげぇうねる・・・」
 グニグニとペニスを締め付ける感触に精子朗は我慢の限界を超える。少女もまた我慢ができなくなったのか、悲鳴を上げて小刻みに震え始める。クリトリスを一際強く摘んだ瞬間、少女は一際高い声を上げる。
 「ひいいいんっ!!い・・・あぐっ!!あああああっっっ!!」
 全身をガクガクと痙攣させ、極みへと達する。その瞬間の締め付けに精子朗も耐え切ることは出来なかった。少女を抱きしめ彼女の最奥に己が欲望を全て吐き出す。精子朗の熱い液体が少女の子宮を満たしてゆく。少女は絶頂の快感に呆けたまま腹の奥が満たされていく感触を感じていた。
 「ふううっ・・・出た、出た・・・」
 射精を終えた精子朗はペニスを少女から抜こうとはしないでそのまま膣内に納めたまま、事後を堪能する。少女の方もないも言わずに精子朗に抱きしめられていた。何度もイかされて頭の中は混乱しきっていた。しかしその混乱から立ち直る前に復活した精子朗がまた動き始める。
 「さてと・・・もう2,3発楽しませてもらわないと・・・」
 「ひっ!も、もう無理じゃ!!わらわの体が持たぬ!!」
 精子朗の言葉に少女がさっと青ざめる。先ほどまでのようなことを繰り返されては自分がおかしくなってしまう。しかし、精子朗はこれまで通り少女の言葉には耳も貸さずに己の欲望を少女にぶつけてゆく。少女の悲鳴と喘ぎ声があたりにいつまでも響き渡っていた。



 「さてと・・・どうしたもんかな・・・」
 ことを終えて冷静になった精子朗は大いに困っていた。自宅のリビングに戻った精子朗の隣では先ほどの少女がソファーの上で安らかな寝息を立てている。そんな少女の寝顔を見つめながら精子朗は今後のことを考え込んでいた。いくら自分の家の庭先に転がり込んできたとはいえ、少女をレイプしてしまったことに変わりはない。しかも、6回も少女の子宮に射精している。少女の方も10回以上イっている。その疲れから今寝込んでいるのだが・・・
 「手段は限られてくるよな・・・」
 精子朗は自分の浅はかさに溜息をつく。レイプしてしまった事実は変わらない。残された手段は自首するか、少女をこのまま監禁するか、あとは・・・そう考えて精子朗は頭を振ってその考えを追いやる。そんな非道なことまで出来るはずがない。あとは少女と話し合って和解するしかない。もっとも乗ってくれればの話しだが・・・
 「でもなんであんなことを・・・」
 今になって後悔し始める。少女を見た瞬間、どうしようもない欲情に駆られ思わず襲い掛かってしまった。まるで磁石に吸い寄せられるように彼女に吸い寄せられたとしか表現できなかった。そんな言い訳が通じるとは思えないが、そう表現するしかなかった。
 「まあ、好みの女の子であることには間違いないけど・・・」
 「そなたは好みだとあのような無法をするのか?」
 ぼそぼそと独り言を呟いたところに問いかけられた精子朗は思わず飛び上がる。先ほどまで眠っていた少女が目を開け自分を睨みつけている。なんと声をかけていいものかと精子朗は頭を掻く。
 「えーーと、あの、その・・・」
 「答えよ。何故わらわに襲い掛かったのじゃ?」
 「なんというか・・・引き寄せられたんだ、君に・・・」
 精子朗はその全てを射抜くような視線に負けて正直に少女に答える。そんな答えで納得してもらえるとは思わないが、嘘をつこうとは思わなかった。その答えを聞いた少女はさらに目つきがきつくなり精子朗を鋭く睨みつけてくる。
 「あ、いや・・・嘘じゃないんだ・・・本当に・・・」
 「・・・・もう、よい・・・」
 「え?」
 「もうよいと言うたのじゃ・・・わらわも同じことを感じておった・・・」
 驚く精子朗に少女は毛布で顔の半分を隠して恥ずかしそうに答える。赤い顔を恥ずかしくて隠しているのだ。しかし精子朗を驚かせたのはそんな行動ではなかった。
 「君もって・・・」
 「わらわもそなたに抱かれていて・・・無理矢理犯されていたのに、いつの間にか安堵感を感じておった。そなたならばわらわの全てを任せられると・・・」
 そんな少女の言葉に精子朗は自分と同じものを少女が感じていたことに驚いた。自分たちは出逢うべくしてであった存在、その運命を感じずにいられなかった。
 「えっと・・・それって許してくれるって・・・こと?」
 「うむ。その代わりわらわをここに匿うのじゃ。よいな?」
 精子朗としてはかまわなかったのですぐに了承する。理想の少女と嬉し恥ずかしの同棲生活が送れるなど想像もしていなかったことだった。とそこで精子朗はようやく重要なことを思い出す。
 「そうだ、自己紹介していなかった・・・俺は精子朗、豪拳寺精子朗。きみは?」
 「わらわはシルヴェリア=デューム=エヴォールじゃ。シルヴァと呼んでかまわぬぞ」
 初対面から数時間、あれだけのことをやってからようやく自己紹介と相成った二人は、苦笑いを浮べる。しばらく無駄話をしていた二人はいつしか完全に打ち解けていた。
 「ふーん。じゃあ、シルヴァはその婚約者たちが嫌で逃げてきたんだ・・・」
 「そうじゃ。皆皇帝に興味があるだけで、わらわなど見ておらぬ。それにわらわはあやつらには何も感じぬ。そんな奴らの伴侶になるくらいなら・・・」
 そこまで言ったシルヴァは頬を染めながら精子朗の方を見つめる。その後の言葉がなんであるかわかった精子朗の方も顔を赤くしてそっぽを向いてしまう。お互い視線をそらしたまましばし気まずい雰囲気が続く。そんな雰囲気の中、先に口を開いたのは精子朗の方であった。
 「ええっと、シルヴァ・・・一つ聞いていいかい?」
 「なんじゃ?」
 「君が乗ってきたあの球体、あれって宇宙船なのか?」
 精子朗は庭先に転がっている黒い球体を見ながらシルヴァに尋ねる。シルヴァは首を横に振って答える。
 「いや、宇宙船ではない。あれは・・・」
 そうシルヴァが言いかけたときだった。居間に点けてあったテレビからニュース速報を知らせる音が鳴り響く。何気なしにそちらを見た精子朗はそこに”謎の宇宙船、襲来”の文字を見て顔を引きつらせる。自分の家に降下した彼女のことがばれたのかとも思ったが、どうやらそうではないらしい。その正体はすぐに画面で明かされた。
 「あれは・・・!!」
 隣町の上空に出現した巨大な宇宙船がテレビ画面に悠然と映し出される。その宇宙船を見たシルヴァが青ざめる。どうやらその宇宙船に心当たりがあるようだった。
 「知ってるんだな・・・?」
 「うむ・・・わらわの婚約者候補の一人、ゴゴットの宇宙船じゃ・・・狙いは間違いなく、わらわじゃな・・・」
 銀河最大の国家の騎士が何の用もなく辺境の星に来る筈がない。用があるとすればそれは一つしかない。それがわかっているシルヴァは沈んだ表情で精子朗に縋りつく。そんなシルヴァの助けることが出来ない自分に精子朗は自己嫌悪していた。そんな精子朗をシルヴァはじっと見つめる。
 「セイシロー、そなたわらわを助けてくれぬか?」
 「助けたいけど・・・俺にはあんなのと戦う力はないぜ?」
 「ある。わらわの乗ってきたアレを使えば・・・」
 シルヴァはそう言うと庭先にある宇宙船を見つめる。先ほどの精子朗の問いへの答えでもあるのだろう。あれでどうやって戦うのかわからないが、シルヴァの助けになるのならばと精子朗は大きく頷く。
 「俺が君の力になれるならいいぜ?」
 「ならばこれを薬指に着けよ」
 シルヴァは自分の薬指につけていた指輪を二つに割るとその片方を精子朗に手渡す。精子朗は何も考えないでそれを自分の薬指にはめる。すると指輪の表面に”PartnerEntry"の文字が浮かび上がる。それを確認すると、シルヴァの表情が一変する。まるでいじめっ子のような表情を浮べて笑っている。それを見た精子朗はいやな予感を覚える。
 「着けたな、セイシロー・・・これでそなたはわらわの下僕、婚約者選抜大会にエントリーされた」
 「どういうことだよ、それは!!!?」
 「簡単なことじゃ。そなたはわらわの婚約者候補としてわらわと共に大会を勝ち抜く。ただそれだけのことじゃ」
 自分の知らないうちにそんな大会に参加させられた精子朗は思わず眩暈がしてきた。思わず断ろうとした精子朗の言葉を遮るかのようにシルヴァが言葉を続ける。
 「皇女のパートナーとはいわば皇女の婚約者。他の参加者の仇敵じゃな。頑張ってそやつらを倒すのじゃぞ!」
 「ちょっとまて!!何で俺がそこまで!!」
 「そなた、わらわの体を汚したではないか・・・結婚もしていないのに皇女の体を汚したとなれば、その星は滅ぼされる可能性が大じゃぞ?」
 「・・・・・・」
 「そうならないためにはそなたはこの大会で優勝し、わらわの伴侶となるしか道はないのじゃ。気合を入れて頑張るのじゃぞ?」
 とんでもないことをさも当然といった顔で告げるシルヴァに精子朗は自分が早まったことをしたと後悔した。何も知らないうちに地球の命運を握ってしまったのだからいまさら後悔してもはじまることではない。もはやシルヴァのパートナーとしてその選抜大会を勝ち抜き、優勝するしか手はない。
 「シルヴァ、お前こうなると分かってて俺を許したのか?」
 「当たり前じゃ。まあ、そなたが気に入ったのは間違いないが・・・」
 そっぽを向きながら答えるシルヴァに精子朗は自分に選択肢がないことを実感していた。それでもシルヴァのために戦おうという気になっている自分が不思議だった。
 「むっ、まずいのぉ・・・」
 テレビを見ていたシルヴァが呟く。精子朗もテレビを覗き込むと空中に浮いた戦艦から巨大な人型兵器が飛び出してくる。さらにテレビの画面が乱れたかと思うと一人の男が映し出され何事かわめき散らしている。だがその言葉がなんなのかわからないが、男は一人エキサイトしているのは確かであった。
 「あのバカめが・・・銀河標準語がこの辺境の星で通じるはずもなかろうに・・・」
 頭を抱えるシルヴァはさらに”筋肉サル”などの悪口雑言を並べ立てるが、精子朗はあえて聞こえない振りをしていた。確かにテレビの向こう側でわめき散らしている男は人というよりゴリラに近かったから。しかしその男、顔だけでなく頭の中身まで小さいのか、鼻息も荒く一方的に中継を打ち切ると辺りに攻撃を始める。あっという間に街が火の海と化す。それを見たシルヴァが怒りの声を上げる。
 「ええい、何を考えておる!あのゴリラが!!辺境の星での戦闘はご法度と知っておろう!!」
 テレビの画面越しに怒鳴ったからといってゴリラ男の暴走がとまるはずもなく、一方的な破壊が繰り広げられてゆく。それに我慢できなくなったシルヴァは精子朗の方に視線を移す。
 「すまぬ、セイシロー。そなたの力を貸してほしい。あのバカを止めねば我が皇星国の名に傷が付く!!」
 「まあ、こちらとしても街を壊されるのはたまったもんじゃないからね。協力するのはかまわないんだけど・・・」
 ちらりと画面に映るロボットに視線を移す。あんなものと戦う手段など自分は持ち合わせていない。精子朗が何を心配しているか察したシルヴァは大丈夫と胸を張る。
 「先ほども言うたが、わらわが乗ってきたアレにそなたが乗ればいい。あれは宇宙船などではなく、IEMを搭載した決闘機じゃ。そなたの望む決闘機を作り出してくれるぞ!」
 「決闘機?IEM?」
 「決闘機とは選抜大会に使う戦闘メカのことじゃ。IEMとは”Imagination Embodiment Machine”の略。簡単にいってしまえば想像したものを50のパーツが作り上げてくれるシステムじゃ!」
 「なるほど・・・つまり想像力が豊かな方が強い機体を作れるってことか・・・」
 「そうじゃ。そして搭乗者の精力がそのままその機体のパワーとなる」
 それを聞いた精子朗はニッと笑う。精力と想像力には自信がある。そんな機体なら戦いの素人である自分でも十分に勝てる可能性がありそうだ。ならばと腹をくくった精子朗はシルヴァの乗ってきた宇宙船に乗り込む。
 ”Welcome Master"
 「この機体のコンピューターか?おい、こいつを起動させる。どうすればいい?」
 ”Imaging”
 コンピューターの指示するとおりに操作し、決闘機を想像し、創造してゆく。やがて精子朗の乗る機体が炎に包まれる。それが巨大な人の形を取ってゆく。呆然とそれを見つめていたシルヴァは目撃する、最強の鬼神の誕生を。
 「それが・・・それがそなたの決闘機か・・・セイシロー・・・?」
 呆然と呟くシルヴァの目には精子朗が生み出した決闘機の姿が映っていた。抜けるような真紅のボディー、体の各部から噴出す炎、二本の角を生やした炎の鬼神。それがシルヴァの目に映っていた。
 「そう、これが俺の決闘機・・・シュテンカイザーだ!!!」
 精子朗の叫びに呼応して鬼神が咆哮する。己の誕生と戦いへの喜びを表すかのような咆哮があたりに響き渡っていた。


→進む

→戻る

絶倫鬼神シュテンカイザーのトップへ