CHAPTER 01  罠



「まだ・・・誰も来ていないのかなァ・・・。」

部室に着いたもえみはレインコートを脱ぎながらそう思う。



カチャッ!



その時、ドアの方から鍵を締める音が聞こえる。

反射的にもえみは振り返る。

部室の入り口に二人の男が立っていた。

二人とも、もえみには見覚えのない顔であった。

(誰だろう・・・この人たち・・・。)

二人はゆっくりもえみの方に近づいてくる。

「あ・どーも、こんにちは」

もえみは二人に挨拶する。

二人は何も言わずゆっくりと、そしてもえみを囲むように近づいてくる。

もえみの不安感は増してくる。少女の本能がなにか嫌な雰囲気を感じ取っていた。

「あ・あの・・・バンドの方じゃないみたいだけど・・・他の人たちは・・・?」

不安感がどんどん増してくる。

「さあ?来ねェんじゃねーか?」

もえみの背後に回った男が、彼女の耳にささやくように言う。

「え?」

もえみの不安が絶頂を迎えた瞬間、背後の男、山田の手がもえみの身体に後ろから抱きしめる様に伸びてくる。山田の左手がもえみのスカートを捲りあげ、右手は露わになった彼女の太ももの上をまさぐる。

「!」

もえみは一瞬何が起きたのか理解できなかった。

誰にも触らせたことのない太ももをいきなり撫でられ、もえみはパニック状態になった。

「いやああああああああああ!!!やあああ!!」

もえみは悲鳴を上げ、本能的に女性の急所となる部分を男の手から守ろうと前屈みになる。山田は前屈みになりバランスを崩したもえみの身体をそのままうつ伏せに押し倒す。

「な・・・なにいいい!!いやあああああ!!」

もえみは悲鳴を上げ続ける事しか出来ない。山田はうつ伏せに倒れたもえみに馬乗り状態になる。

「いくら騒いでもこの嵐じゃ誰も来ねェぜ!」

山田は手をもえみのスカートに回し、そのまま捲り上げる。

「あんたもアホだな、のこのこやってきて!予定外の台風が、かえって助かったってもんだ!!」

もえみの清楚な感じの白いショーツに包まれたぷっくりとした可愛いお尻が顕わになる。

「やめて!!お願い!!やめてえええ!!」

下着姿を見られた恥ずかしさに耐えながら、もえみは山田に哀願する。山田はそんなもえみの云うことを無視し、もえみの体を回転させ仰向けにさせる。

「だめえええ!!新舞くん助けてええ!!」

もえみは恋しい男に助けを求める。

山田はもえみの肩を押さえつけながら、それに応える。

「へっ!あの野郎が来るわけねーだろ!!」

もえみは山田の手の下で激しく暴れる。

「なにボーっと見てんだよ!手を貸せ!!」

山田はもう一人の男、花崎に声をかける。

「あ・・・ああ・・・。」

花崎は生返事で応える。

彼は山田に誘われるまま、女が欲しくてこの場に来ていたが、いざ目の前に悲鳴を上げ続ける少女を見ると、可哀そうに感じてしまい、山田のように行動に移せない。

(この娘もかわいそーだよな・・・。まさか彼氏が・・・。)

花崎は思いつつ、山田に刃向う気もおきず、悲鳴を上げ続ける少女に近づく。

「ジタバタするな!!」

山田は暴れるもえみのTシャツを胸の上まで捲り上げる。

ブラジャーに包まれたもえみの可愛らしい胸が顕わになる。

男たちの視線がその可憐な胸に集まる

「!」

もえみはショックで声が止まる。羞恥心で頬が、胸が紅色に染まる。

ブラジャー越しとはいえ、自分の大切な胸が見知らぬ男たちの目に曝されている。その事実はもえみを絶望的な感覚に陥る。

「いやああああああああああ!!!」

もえみは涙を振りまきつつ、叫ぶしかなかった。

その姿は男たちには扇情的でしかなかった。気が挫けていた花崎も、自分の欲望に火がつくのを感じざろう得なかった。

ゴクリ。

山田も花崎も生唾を飲みこむ。もえみの胸は年相応に成長していて、大きすぎず小さすぎず、良い形をしていた。水玉のブラジャーが彼女の可憐な印象を引き立てていた。

「いや!いやいや!!見ないでえええええ!!」

もえみが泣き叫びながら山田の手の下で暴れる。

山田は興奮を抑えつつ、もえみに馬乗りになったまま彼女の両肩を押さえつける。

もえみの身体は床に完全に固定させられる。

「おねがい・・・もうやめて・・・。」

もえみは山田に懇願する。

「だめだな、やめられねーよ。俺・・・こうと決めたらこらえる事できねぇんだ。へへへ。」

山田は獣欲にまみれた顔をもえみに近づけながら云う。

もえみは観念したかのように、抵抗できない。

ただ哀願するのみであった。

「やめて・・・やめて・・・。」

そんなもえみの様子を楽しみながら、山田はしゃべり続ける。

「俺のこと覚えてねェ?昨日、ホラ、ライブ・ハウスにいたんだけどなァ。もっとも前からあんたの事、知ってんだけどよ。」

もえみは何とか逃げ出せないか、自由に動く右手で床をまさぐる。

「彼女になってくれんなら、やめてやるけど。」

アンプに繋がるコードがもえみの手に触れる。

(・・・コード、これを引っ張れば・・・!!)

「どうする?」

山田が聞いてきた瞬間、もえみはそのコードを掴み、思いっきり引っ張る。

スピーカーの上に置いてあったアンプが山田に向かって飛んでくる。



ガン!



アンプが山田の横顔にぶつかる。

「いっつつつつつつ!!」

山田が痛みを訴えひるんだ瞬間、もえみは体を起こす。そのまま足で山田を蹴っ飛ばす。山田の身体がもえみから離れる。

もえみは体を起こし逃げようとする。と、不運にも床のささくれにもえみのスカートが引っ掛かる。もえみは立ち上がれない。

「やろォ・・・!」

山田が怒りにまみれた顔で起き上がる。

「ひ・・・」

もえみの身体に恐怖が走る。

「もう、容赦しねェ・・・。」

山田が起き上がり、ゆっくりもえみに近づいてくる。

もえみは恐怖に震えながら、スカートに構わず立ち上がる。



ビリビリビリイイ!



スカートが腿の辺りまで裂ける。

もえみのすらっとした美しい脚が、山田と花崎の目に顕わになってしまう。

もえみは壁際まで逃げる。山田はゆっくり彼女に近づく。

「へっ、都合がいいぜ、その方が!」

山田はもえみの脚を視姦しつつ云う。

もえみは近づく山田に恐怖する。

身体がガタガタと震える。

(新舞くん!新舞くん!助けて!!)

もえみは、この場に来るはずである新舞に心の中で助けを求めていた。

(新舞くん・・・新舞くん・・・早く来て・・・私を助けて・・・!!)

もえみの瞳からは再び涙がこぼれ始めていた。













弄内洋太は自宅にいた。何か嫌な予感がしていた。そして、今、もえみの彼であり、そして親友である新舞貴志と電話で話をしていた。

そ して、今日のバンドの練習の中止に関して、新舞がもえみに連絡をしていないことに腹を立てていた。もえみの性格を考えると新舞からの連絡がなければ、これだけひどい台風の中でも出かけるだろうと考えていた。なのに、新舞は「こんな嵐だから電話なんかしなくたって中止だってわかるだろう」と云って、もえみに連絡を取ろうとしていない。

「貴志・・・俺行くぜ。もえみちゃんの悲しむ顔、もう見たくないから。」

洋太は新舞に対し、遂にその言葉を言ってしまった。

洋太自身は、もえみへの想いを断ち切っていたつもりであった。だから、昨日新舞が「俺、まじめにもえみと、恋愛してみようかと思うんだが・・・」といった言葉を聞き、素直に応援しようと思っていた。なのに、新舞の今の態度には釈然としないものを感じていた。

「それは・・・俺にはもうまかせられないってことか?」

電話の向こうの新舞の言葉が微かに震えているように感じた。

「・・・・・・。」

洋太にはその問いに応えられない。

自分の気持ちがわからない。ただ、もえみの悲しい顔だけは見たくなかった。

「行くな・・・。行くんじゃねェ・・・。」

新舞がゆっくりと、重くそう応える。

新舞がその後もいろいろ喋るが、洋太は電話をゆっくり切る。そして考える。

(貴志が・・・あんな事云ったのはじめてだ。もえみちゃんにホントのホントにマジになったのか・・・。それとも行かせたくない別の理由があるのか・・・。)

外を見る。嵐はますます強くなっていく。

でも、嫌な予感がどんどん湧いて来る。

洋太が立ち上がって出かける準備をしよう考える。

と、横で電話を聞いていた天野あいが止めに入る。

「おまえ・・・関係ないじゃんか!行く必要ないんじゃないの?」

あいは洋太の家に同居している少女である。

いや、正確には人間でない・・・ビデオガールである。ビデオガールとは、ピュアな心の持ち主にしか見えない不思議なレンタルビデオ店において貸し出される特殊なビデオテープから実体として現れ、再生してくれたピュアな人間を慰めたり励ましたりする少女のことをいう。

そして、あいは、ビデオガールだった時の記憶を無くし、その上で洋太に恋をしてしまった少女でもある。

あいはもえみのことを嫌っているわけではない。ただ、愛する洋太が傷つくのを見ていられないと思っている。

「・・・気持ちが走るんだ。嫌な予感が湧いてきて、止まらないんだ・・・。悪い予感が・・・。」

洋太が云う。













「きゃあああああ!」

部室の中をもえみの悲鳴がこだまする。しかしながら外は台風による豪雨・強風が轟音をたてており、彼女の悲鳴が誰かに届くことはなかった。

山田はもえみのジャケットを脱がそうと掴んでいた。

「オラ!オラ!こいつを脱いで逃げねェとつかまっちまうぜ!!」

山田はもえみの抵抗を楽しんでいた。

もえみはジャケットを引っ張る山田の手から逃れたく、ジャケットを脱ぎ捨てる。

しかし、逃げた方向には壁があり、完全に追い詰められていた。

もえみは山田の方に振り返るしかなかった。

ジャケットを脱がされたもえみはTシャツと裂けたスカートしか身に着けていなかった。

もえみは本能的に両手で自分の胸を隠す。

震えが止まらない。

「クックックッ!どうした?もっとジタバタしろよ!」

山田がニヤニヤ笑っている。もえみのその姿に嗜虐心が湧きあがってきていた。

もえみは身体を翻し、壁に沿って逃げようとする。

その瞬間、山田は裂けて床を引きずっていたもえみのスカートの裾を踏みつける。

「きゃあ!!」

スカートの裾が山田の脚により床に固定されたため、もえみはバランスを崩し、その場に倒れ込んでしまう。



バタン!



打ち所が良くなかったのか、もえみはそのまま気を失ってしまう。

山田はニヤニヤしている。

花崎はもえみを覗き込むと呟く。

「お・・・おい。死んじまったんじゃねーのか?」

「バーカ!気絶しているだけだよ。」

山田は気絶しているもえみに近づきながら言葉を続ける。

「しかし張り合いねーなァ。もうちっと楽しめると思ったのによ。だーが!本当に楽しいのはこれからだけどよ!へへへ!!」

山田は喋りつつ、もえみの様子を値踏みする。

気絶していても、可愛らしいその顔。年相応のいい形をした胸のふくらみ。細くキュッとしまった腰付。裂けたスカートの中から覗く白い清楚な感じのショーツ。すらっとした綺麗な脚。何処を見ても、こんな上玉な美少女には出会えないと思った。

(思った以上にいい女だぜ!これは)

山田はもえみに近付いていく。

そして、まずは裂けたスカートを剥ぐ。もえみの清楚な白いショーツが顕わになる。

「へへへ」

山田の顔が情欲に歪む。

「お・・・おい、やっぱやべぇよ。これって犯罪だぜっ!手が回っちまうよ・・・。」

弱気な花崎が云う。

「うるせぇな!今さらやめられっかよ!!参加したくなけりゃそこで見てろ!!」

弱気な相棒に構わず、山田はもえみのTシャツを胸の上まで捲り上げる。

先程もちら見した水玉のブラジャーが顔を出す。もえみのこの日のブラジャーは肩ひものないタイプだった。

(いいねぇ、これは脱がしやすくって!)

山田はほくそ笑みながら、もえみの背中に手を回し、ホックをはずす。そして彼女のブラジャーを取る。

中からは美しい形の乳房が現れる。まだ、誰にも見せたことはないであろうそれの先には可愛らしいピンクの小さな乳首が臨めた。

ゴクッ

山田は唾を飲み込む。思わずそこにむしゃぶりつきたい欲望が鎌をもたげてくる。だが山田はその欲望を抑える。

(まだだ・・・。先に頂いてしまわないと・・・。頂いちゃえばその後なんでも出来るからなァ。)

山田は、今度はもえみのショーツに手を掛ける。そのまま、一気に脱がしてしまう。

(ホゥ!)

今度は感嘆が山田の口から洩れる。

そこは毛も薄かった。そしてその下には密やかに閉じている美しいもえみの女性自身があった。

(手つかずだな・・・やっぱり!なかなか美味そうじゃねェか!)

山田はもえみの両膝を掴み、彼女の女性が良く見えるように脚を開かせる。そして自分の身体をその間に潜り込ませる。

彼女のそこは完全に閉じている。山田は手を伸ばし指でそこを広げてみる。中は綺麗なサーモンピンク色であった。

(う・・・美味そうじゃねぇか!!)

山田のそこは既に興奮し、ズボンの中でパンパンに膨れていた。

「ふ・・・、いただきだ!」

山田はズボンの前を肌蹴させようとする。



気弱な花崎は、そんな相棒の様子に恐怖していた。

ここにいて、こんな事をしていることが誰かにばれたら、それこそ警察に捕まってしまう。

心臓がドキドキ高鳴っていた。

「お・・・おれ・・・。」

花崎は乾いた口でやっと言葉を絞り出した。

「俺・・・おりるぜ・・・。じゃあな・・・。」

花崎はその場から逃げ出そうとする。

「待てよ!花崎!」

山田が振り返りつつ怒鳴る!

「おりてもいいが、これを見てから行けよ!」

と、山田は花崎をこちらに来るように言う。

気弱な花崎は、そんな山田に逆らえない・・・。山田の側による。と、そこには想像していた以上の美しい少女の半裸体が目に入ってくる。

ドクッ!

花崎の心臓が先程とは違った意味で強い鼓動を起こす。

こんな美少女、見たことない。花崎はもえみのアラレもない姿から目を離せなくなっていた。とりわけピンクのその女性を表す部分から・・・。

「どうだぁ?お前も欲しくなったろう?こんな女とやれる機会なんて、もうねぇぞ?」

花崎の心臓が激しく鼓動する。

下半身に血液が集中してくるのがはっきりとわかる。

「どーせ、この嵐だ。ここには誰も来れねぇさ。誰もパクリになんか来やしねぇ。あいつが裏切らない限りな!」

山田はズボンを脱ぎ、己のモノを取り出す。

そこは隆々といきり立っており、興奮しているためか、その先からは先走っている白い液体がにじみ出ていた。

「お前にもやらせてやるよ。俺の後になるがなァ。」

花崎はゴクッと唾を飲み込む。

この時、自分はもうどうなってもいい、この美少女を抱けるのなら。そう花崎は感じていた。

山田は自分のモノをもえみのまだ濡れてもいない秘部にこすり合わせた。

「いただきだぜ!」

山田はゆっくりともえみの中に自分のモノを入れていった。













続く













◎登場人物紹介



○天野あい

漫画「電影少女」のヒロイン。ビデオガールの少女。弄内洋太の事が好きだが、人間でいないことの引け目があり、想いを口に出せない。常に洋太の幸せだけを考えている。表面的には男っぽい性格だが、心根は優しい少女。洋太の家に住んでいる。



○山田某

新舞貴志のバンド仲間の知り合い。もえみに懸想している。新舞のバンド仲間に金を貸しており、彼が返済出来ないことを盾に、もえみを差し出させようとし、今回の事件を起こす。



○花崎某

山田の仲間。気弱なところがある。原作では特に名前は語られていない。


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