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       第壱拾壱幕〜嫉妬〜 
       
       
       
      ラウの国。タータラ城の北、ナの国との国境近く。 
       
ラウの旗艦“ゴラオン”が停泊している。 
       
灯の消えた暗い艦橋に革鎧を着込んだ、まだ幼さが顔に残る少女が立っている。 
       
少女は思いつめたような顔をし、暗い夜空を見ている。その様子は、地上の古代の占星術師が星の動きを読んでいる様子に酷似していた。しかし勿論、星のないバイストン・ウェルの世界では、占星術などと言うものはありはしない。 
       
少女の顔は真っ青で、今にも恐怖の為に気を失うのではないかといった、切迫した表情を浮かべていた。 
       
「エレ様・・・?」 
       
少女の背後から、初老の騎士が声をかける。 
       
「どうかなされましたか?今のうちに休んでおられないと、体が持ちませんぞ。さ、ここは他の者に任せて、お部屋の方へ。」 
       
少女、ラウの国の王女エレ・ハンムが振り返る。 
       
その少女の顔に表れている恐怖を感じとり、初老の騎士、この“ゴラオン”の艦長エイブ・タマリは戦慄する。 
       
「エレ様!一体、何が!」 
       
「悪しきオーラが・・・・悪しき力がナの国一体に広がっていっています・・・。」 
       
エレは噛み締めるように話し出す。 
       
「な・・・何と・・・!」 
       
「凄い勢いです・・・。このままですと、数日を経ずして、ナの国は悪しきオーラ力に包まれます・・・。そうなれば、ナの国は、戦わずして崩壊を始めていくでしょう・・・。」 
       
エレは悲痛さを抑えきれず、ゆっくりと話す。 
       
「では、やはりシーラ様はもう・・・・。ゼラーナ隊は失敗したと・・・。」 
       
「いえ、たとえシーラ様が命を落とされたのであっても、このような勢いで黒きオーラ力に浸食されることはないと思われます・・・。」 
       
エレは自分の考えに恐怖を感じているようであった。それを言葉にすることを極度に恐れているように、エイブには思われた。が、彼は作戦参謀として、エレが洞察していることを聞かないわけにはいかない。 
       
「では、一体何が起きていると言うのですか!?」 
       
「・・・何者かが・・・何者かがシーラ様のオーラを黒き悪しきオーラにすりかえようとしています・・・。」 
       
「・・・・!・・そ・・・そのようなことが・・・!」 
       「わ
かりません。ただ、ナの国のオーラは強いオーラ力の持主でもあられるシーラ女王が支えている部分が大きいのです。ですから、シーラ様のオーラの特性が変われば、ナの国自体のオーラも変化していくと思われます。仮にシーラ様が命を落とされたとしても、ナの国のオーラ力は弱まりこそはしても、黒きオーラにこのように侵食されることはないはずです・・・。シーラ様はバイストン・ウェルの意志を体現できる強いオーラ力の持主です。敵は、シーラ様のその強さを逆に利用して、ナの国を、いえ、バイストン・ウェル全体を暗黒に導こうと考えているのです・・・・。」 
       
「しかし・・・・。」 
       
エイブにとって人のオーラを別のものにすりかえるなどということは、到底信じられないことであった。いつの間にか、その人がその人とは違う別のものに変貌するのである。そのような悪魔的なことが出来るなどとは、信じたくもなかった。 
       
エレもそうであろう、と、エイブは思った。そのために、彼女の顔には恐怖が張り付いているのだと。 
       
エレはエイブとの会話を切ると、その場に膝をつき、座り込んだ。手を胸の前で組む。 
       
「・・・?・・エレ様、何を?」 
       
エレは思いつめた顔をエイブの方に見せながら、ゆっくりとしゃべる。 
       
「シーラ様のオーラに、私のオーラをシンクロさせてみます。そうすれば、何がシーラ様の身に起きているのかわかるはずです。」 
       
「そのようなことが・・・!」 
       
「出来るのです。ただし、向こうの状態が酷く悪いことが想像できるだけに、上手くいくかはわかりません・・・。」 
       
「しかし・・・・それでは・・・かなり危険なのでは・・・!」 
       
エイブはシンクロすることにより、エレ自身が悪しきオーラに汚染されるのではないかと、思った。エレはそんなエイブに軽く微笑む。そのようなことは百も承知だと、エレの目は語っていた。しかし、シーラ女王が黒きオーラの力の下に堕ちてしまうことは、絶対に避けなければならないことなのだ。 
       
「でも、上手くいけばシーラ様のオーラを元に戻すことも出来るかもしれません。私は大丈夫ですよ。エイブ。」 
       
エレは再び精神を集中させ始める。こうなると歴戦の勇士であるエイブも、ただ見守ることしか出来ない。 
       
「・・・エレ様・・・・。」 
       
エレは自分のオーラ力を拡大し、シーラの波動を探す。 
       
(シーラ様・・・・どこです?) 
       
ラース・ワウの周辺のオーラは黒く澱んでいた。エレはその中にシーラのオーラの光を見出だす。 
       
(・・・シーラ様・・・キャッチしました・・・。エレです。エレ・ハンムです・・・。シーラ様、わかりますか?) 
       
エレにはシーラのオーラの光がか細く、そして紫がかった濁った色になりつつあるようにように見えた。以前の輝くような白いオーラ光とはかなり違っていた。 
       
エレはシーラの弱々しい波動に、自分のオーラを同調させていく。 
       
「・・・!!」 
       
シーラのオーラと同調させた瞬間、エレの脳裏に彼女の想像以上の激しい幻覚が襲ってきた。 
       
無数の男の手が現れ、エレに襲いかかってくる。 
       
息もする間もなく、それは、エレの革鎧、下着、全てが剥ぎ取り、彼女を一糸まとわぬ姿にしていく。 
       
そして、その手は、エレの足、腿、腕、そして膨らみ始めた幼い胸に絡み付いてくる。 
       
乳房を揉み解され、乳首をつねられ、そして、腿を思いっきり開かさせられる。 
       
何本もの指が彼女の性器を押し広げていく。 
       
男の性器が暗闇から現れ、エレの無理やり広げさせられた女性の中に入り込んでくる。 
       
また、別の性器がエレの口をこじ開け、中に入ってくる。 
       
「んんん!!っぐううう!!ひいいいいいいいいいいいい!!!!」 
       
エレは痛みと激しいショックで悲鳴を上げる。 
       
その瞬間、ブレーカーが落ちたかのように、シーラとのシンクロが解除される。 
       
「エレ様!!」 
       
エイブが倒れたエレに駆け寄る。 
       
エレはショックで気を失っていた。 
       
シーラ以上に若年で、男性というものについて全く免疫のないエレにとり、幻覚とはいえ、彼女の身に起きたことのショックは甚大ならぬものであった。 
       
エイブは彼女の心臓に耳を当てる。そして、ほっとした表情を浮かべる。命には別状は無いようであった。 
       
エレを抱きかかえ、エイブは艦橋の窓よりラース・ワウの方角を望む。 
       
「一体・・・シーラ様に何が・・・。」 
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
ラース・ワウ、機械の館。 
       
ナの国の女王シーラ・ラパーナに対する陵辱劇は未だ続いていた。 
       
シーラは結局、聖戦士ショウ・ザマと交わらされることなく、彼の体から引き剥がされ、リムルを犯し尽くし新たなる獲物を求めていた兵士たちに与えられた。 
       
「・・・・いやあ・・・もう・・・・いやああぁぁ・・・・やめて・・・やめて・・ください・・・・。」 
       
シーラは仰向けに横たわらされ、そのまま前戯もなく貫かれた。 
       
他の兵士たちはそのシーラの周りに群がり、その腰、腿、胸、乳首、あらゆるところに汚らわしい手を伸ばし、彼女の体を蹂躙した。 
       
「はあああ・・・・だめぇぇ・・・・いやあ・・・もう・・・・はあああ!・・・あああ・・・・お願い・・・もう・・・・あ!ああああ!!」 
       
シーラはもう身も心もずたずたになりつつあった。 
       
女王としての大儀が彼女に気力を持たせ、どのような陵辱にも彼女を支えさせてきていたが、密かに彼女が愛していた聖戦士ショウ・ザマの目の前でその処女を貫かれることにより、その最後の気力も事切れてしまった。 
       
後には年相応の無力な少女しか残っていなかった。 
       
兵士は激しくシーラを突きまくる。リムルに続き、こんな高貴な少女と交われる機会など雑兵たちにはない。兵士たちはみな、一人も残らず異様な興奮の中にあった。しかも、彼らは交わった女からオーラ力を奪うオーラ集積器を付けていた。故に交わるたびに元気になり、底なしの性欲を発散させていた。 
       
「いやあぁぁぁ・・・・もう・・・やめてぇぇ・・・・うう・・・・ぐすっ・・・ううう・・・・ん!!んぐううう!!!」 
       
別の兵士がシーラの口の中におのれの分身を押し込んだ。シーラの目が驚愕で見開かれ、涙が溢れ出した。 
       
(いやあ・・・・もう・・・・ああ・・・気持ち悪い・・・・はあああ・・・助けて・・・・お願い・・・・誰か・・・・。) 
       
シーラはもう、苦痛も快感も何も感じていなかった。男たちにおもちゃのように貫かれている事実しかわからなかった。 
       
シーラの助けを求め泳ぐ視線が、奥の方で縛られているショウの姿を見つける。 
       
ショウは激しい怒りの表情を浮かべ、食い入るようにシーラの方を見ている。 
       
(ショウ・・・ああ・・・・ショウ・・・・!) 
       
朦朧としていたシーラの意識が、ショウを見出したことにより少しはっきりしてくる。 
       
(ショウ!ああ!だめ!見ないで!見ないでぇぇ!!ショウ!こんな私を!お願いいいい!!だめぇぇぇぇ!!) 
       
シーラが意識の中で悲鳴を上げる。 
       
意識が戻ってくると同時に、耳にショウの声も聞こえてくる。 
       
「やめろおおお!!もうやめろおおお!!!黒騎士!もう、いいだろう!シーラ様を放せぇぇぇ!!」 
       
ショウが気も狂わんばかりに叫んでいた。 
       
「ショウ!お前も混ざりたいのではないのか?それとも兵士を下がらせて自分だけでシーラを堪能したいのか?」 
       
黒騎士が言う。 
       
「何おお!!」 
       
「お前のそこは先程から変わらずいきり立ったままではないか?それで、シーラを放せとは、筋が通ってないではないか?」 
       
黒騎士はショウを言葉で侮辱しつづける。 
       
「・・・くううう・・・・!!」 
       
しかし、黒騎士の言うことは事実であり、ショウにはそのことを否定は出来ない。確かに、目の前のシーラを助けたい気持ちは真実ではあるが、ただ、目の前でシーラが嬌態を見せるたびにあの美しい女体を思うままに抱いてみたい衝動が沸き起こってくるのも事実であった。 
       
「ははははははは!!とんでもない聖戦士殿だな!!」 
       
ショウは自分の無力さ、ふがいなさを呪い、そして激しく黒騎士を憎悪した。 
       
(いいぞ、ショウ。もっと憎め!そしてお前の中にこの黒きオーラを取り込むのだ!あとは、シーラだな・・・。) 
       
黒騎士もバイストン・ウェルの人間の中では強いオーラ力を持つ者である。それが、“黒騎士”になることで、一層パワーアップしている。彼の強いオーラの力は、人々のオーラの色、つまりオーラの質を見分けられるようにもなってきていた。 
       
(シーラのオーラはピンクがかった紫・・・。色欲に堕ちつつあるか・・・。だが、もっと濁った、そう、黒いオーラをとりこまさせなくてはな!) 
       
黒騎士は再び怒り狂うショウの方を見下ろす。 
       
「だがな、ショウ!お前にシーラを与えるわけにはいかない。」 
       
「くっ!」 
       
シーラのことをまるで物のように言う黒騎士に、ショウはさらに激しい憎しみが湧いてくる。 
       
「お前にはもっとお似合いの女がいるぞ。」 
       
黒騎士は顎をしゃくってショウの脇に立つ兵士に合図を送る。その兵士は、ショウの体を地下牢の入り口の方を向かせる。 
       
牢の入り口には、また別の兵士に連れられた女が立っていた。 
       
その女はまるで幽鬼のように、生気も無く立っていた。 
       
その虚ろな目が、ショウの姿を認める。と、まるでスイッチが入ったかのように、瞳に光彩が現れ、体からも艶かしい生気が立ち上ってくる。 
       
「ショウ!」 
       
女は叫ぶと同時に、ショウに駆け寄ってきた。 
       
「ちゃ・・・・チャム・・・!!」 
       
その女チャム・ファウ、黒きオーラを体に取り込まさせられ、強制的にエ・フェラリオの形に変化させられたチャム・ファウは、縛られ体の自由の利かないショウに抱きついてきた。 
       
「ああ!ショウ!ショウ!どこにいたの!心配したのよ!!」 
       
チャムは早速ショウの首筋を愛撫し始める。 
       
「・・・うう!!」 
       
激しい快楽の刺激がショウの体を走り抜ける。首筋に軽く唇を這わされただけで、ショウは射精しそうになっていた。チャムの与える刺激は、強力すぎた。 
       
「ショウ。だめよ、動いちゃ・・・。休まなきゃ、ショウ、死んじゃう・・・。私が慰めてあげるから、ゆっくり休んで・・・・ね・・・。」 
       
チャムはショウを押し倒し、その体の上にのしかかるように体制を持っていく。そして、なめらかな指をショウの胸から下腹部の方へ滑らせる。 
       
「う!・・・くう!!」 
       
ショウは激しく沸き起こってくる快感に耐える。 
       
チャムはその指をショウの体の上を滑らせただけだ。なのに、そこから激しい電流のような刺激が走り、下腹部の一点に向かってたまらなさが集まってくる。 
       
ショウの分身は。もうはじけ飛ぶ直前まで、膨れ上がっていた。 
       
「フフ・・・。」 
       
チャムはピクピク蠢くショウのそこに目をやり、うっすらと笑みを浮かべる。その笑みは、この世のものとは思えない程、妖艶なものであった。 
       
ショウはその顔を見、ゾクリとする。 
       
チャムの指がショウのそこに触れる。そう、チャムはわざと焦らすかのように、ショウのものに軽く触れるだけで、それを掴もうとはしない。 
       
「うう・・・!」 
       
しかし、逆にそれがショウにとっては激しい刺激になる。チャムが軽く触れるたび、ショウのモノの中で激しい刺激が駆け巡る。 
       
「う・・・出る!!」 
       
ショウは遂に我慢が出来なくなる。 
       
「だめ!ショウ、待って!!」 
       
チャムはショウのモノを掴むと、それを咥え込む。 
       
ショウは急に自分のモノが柔らかいあたたかいものに包まれたことを感じる。その途端、我慢できなくなっていたショウの欲望が爆発する。 
       
「・・・・ああああ!!」 
       
ショウは思わず声を漏らしながら、チャムの口中に射精する。 
       
チャムはそれを美味しそうに飲みつづける。その舌使いが巧みなためか、ショウは何度もチャムの口中で発射した。 
       
「・・・・あああああああああぁぁぁぁぁ・・・・・・。」 
       
ショウは我慢が過ぎたためか、情けなくも射精している間中、声を漏らし続けた。 
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
そのショウの情けない声はシーラの耳にも入って来ていた。 
       
シーラの意識は止まっていた。 
       
ショウに妖艶な女が憑り付かれて、快感の呻き声を上げだした瞬間から、シーラの頭の中は何も考えられなくなっていた。 
       
しかも、そのショウの様子から目が離せなくなっていた。 
       
兵士たちの陵辱とは別に、息が苦しくなってきた。胸もどきどきしてくる。 
       
(ショウ!ショウ!だめ!だめぇぇ!!) 
       
チャムがショウのモノを咥えた瞬間、シーラは自分が兵士のモノを咥えさせられている事も忘れ、口の中で叫びつづけた。 
       
(だめぇぇ!ショウウウウウウ!!!) 
       
シーラの叫びは、彼女の舌が口中で兵士のモノを激しく舐めまわす結果になる。 
       
「う・・・すげ・・・・出るぞ!」 
       
兵士がシーラの口の中でその欲望を吐き出した。それは、タイミング的にショウのモノがチャムの中で爆発したのと同じ瞬間であった。 
       
シーラの耳にショウの射精の声が聞こえる。 
       
シーラはその声を聞き、自分の口中に射出されたものがあたかもショウのもののような気がした。シーラは歓喜の中でそれをごくっごくっと飲み干していく。 
       
「す・・・凄いぞ、この女・・・リムル様と違って、喜びいさんで飲んでいるぞ・・・・。」 
       
今発射した兵士が、快感を感じながら口走る。 
       
シーラはショウと交わっていたかのような倒錯した幻想の中にまだいた。 
       
(はああ・・・・ショウ・・・ショウ・・・!) 
       
シーラの目はとろんとしていた。 
       
「よし!次は俺だ!」 
       
別の兵士がシーラの口の中に自分の分身を押し込もうとする。 
       
「・・・え・・・?」 
       
兵士の一物がシーラの唇に触れた瞬間、シーラの意識が現実に戻ってくる。 
       
シーラは、今自分が交わっているのは、愛するショウでないという事実を、あらためて認識する。 
       
「ああ!いやああああああ!!」 
       
シーラが絶叫する。 
       
「く!今さら何を!さっきまで美味そうに咥えていたくせに!!」 
       
兵士が強引にシーラの唇を割って、中に自分のモノを押し込む。 
       
「・・・んん!!んぐうううう!!」 
       
シーラが呻く。 
       
「へん!こっちも忘れるなよ!!」 
       
シーラの女性を貫いている兵士が、腰を強く打ち出し始める。 
       
(あああああ!!いやあああ!やめてえええええ!!!) 
       
シーラは再度自分の置かれている立場を認識する。名も知れぬ雑兵たちに果てしなく汚されていく自分のことを・・・。 
       
シーラの視線が、助けを求めるかのようにショウの方に伸びていく。 
       
が、そこには仰向けに横たわらせられているショウの姿が・・・、しかもその上、今まさにショウの分身の上に跨ろうとしている妖艶な女が目に入ってくる。 
       
(ああ!!ショウ!!!ショオオオオオオ!!だめええええええ!!!) 
       
シーラは絶望的な想いに憑り付かれていく。 
       
妖艶な女が一瞬、シーラの方に振り返る。シーラはその娘がチャムだということを理解する。先程の黒騎士の言葉が本当だったことを、その瞬間理解する。何が彼女に起こったのかはわからないが、チャムは今全く別のものに変貌していることは、シーラにも理解できた。 
       
そのチャムがニヤッと笑みを浮かべる。 
       
シーラはその笑みにゾクッとする。 
       
その笑みはシーラにこう語っていた。 
       
ショウは私のものよ!誰にも渡さない!勿論、シーラ様、あなたにも!あなたには今みたいに無数の男たちと交わって精液まみれになっている姿がお似合いよ!それに、そんな汚らしい女に、ショウが振り向くわけもないわ!あきらめなさい!穢れた女!! 
       
チャムの笑みは勝ち誇った女の嘲りの笑いであった。 
       
チャムはゆっくりショウのモノを自分の中に挿入していく。 
       
激しい息苦しさがシーラを襲う。 
       
(だめええ!!チャム!やめてええええ!!) 
       
シーラは目を見張り、チャムとショウの交わる姿を見る。 
       
「ふはあああ!!ああああ!!」 
       
チャムが歓喜の声を上げる。 
       
(あああああ・・・!!いやあああああ!!) 
       
シーラは心の中で絶叫する。 
       
シーラは自分の心の中にどす黒い想念が湧き上がってくるのを感じていた。その想念のおもむくまま暴れ、目の前の妖艶な女を殺してしまいたい、全てをめちゃくちゃに壊し、ショウを取り戻したい!そんな想いに憑り付かれ、シーラは抑えつけている兵士たちの手の中で暴れた。 
       
(チャム!チャム!許さない!!) 
       
そんなシーラの様子に興奮したか、シーラを取り巻く兵士たちの動きも活発になってくる。兵士たちは、前側も後ろ側も、激しく突き上げていく。 
       
「んんん・・・んぐうううう!!ぐぐぐうううう!!!」 
       
その激しさにシーラは苦しげに呻く。 
       
シーラの体は激しい彼女の情念に触発されたか、ピクピクと男を欲しがり蠢く。 
       
「うう!す・・・すげえぜ!!なんて女だ!!」 
       
兵士たちはシーラの蠢きに負けないようにストロークを激しく送り込む。 
       
「んんんん!!ひい!!いいいいいいいい!!!」 
       
シーラはその激しさに男のモノを吐き出し、絶叫する。華奢の体を仰け反らせ、苦痛のような大きな快感に身を任せる。 
       
「フフ・・・。」 
       
そんなシーラの様子を見てチャムが嘲笑う。 
       
シーラも兵士たちに翻弄されつつも、チャムのその嘲笑みを見逃さない。 
       
チャムは勝ち誇った嘲笑みを浮かべつつ、腰を動かす。 
       
「うう・・・あ!ああああ・・・。」 
       
ショウがチャムの下で快楽の声を上げる。 
       
シーラの頭の中がカーっと怒りで熱くなる。 
       
(許さない!チャム!許しませんよ!!) 
       
シーラの激しい想念がチャムの頭の中を刺す。 
       
(フフフ。シーラ様、何言ってるの?ご自分のお姿を見てから言いなさいよ。名もない卑しい男たちに抱かれまくり、精液にまみれて、喜んでいるような女に、ショウを渡せないわよ。ショウだって、逃げていくわよ!) 
       
チャムの蔑んだ想念がシーラの頭の中に戻ってくる。 
       
(フェ・・・フェラリオ風情が何を!!許しません!!) 
       
人々が忌み嫌うフェラリオをも愛しむシーラらしからぬ想念が飛ぶ。 
       
シーラを後ろから貫いている兵士が激しい突きをシーラの奥深くに加える。 
       
「あああ!ひいいいいいいいいいい!!!」 
       
激しい快感の刺激がシーラを襲い、悦楽の声をシーラは上げてしまう。 
       
シーラは屈辱と嫉妬と怒りの中で、激しい快感をむさぼっていた。というより、その屈辱・嫉妬の想いが彼女をよりドロドロとした快楽の渦の中に堕とし込んでいた。 
       
チャムはそんなシーラの様子を余裕の笑みで見ながら、自分の下で横になっているショウの上半身を抱きかかえて起き上がらせる。勿論下半身はつながったままだ。 
       
チャムはショウの首に妖しく手を廻し、彼の首筋から耳にかけて唇を這わす。そして、ショウの耳たぶを軽く噛みながらショウに囁く。 
       
「ほら、ショウ・・・。シーラ様もあっちで楽しんでるわ・・・。私たちももっと楽しみましょう!?」 
       
ショウがゆっくり目を開いていく。 
       
目の前に複数の兵士たちに組み従えられ、悦楽の声を上げているシーラの姿が目に入ってくる。その高貴な顔も美しい緑の髪も、絹のように滑らかな素肌も、無数の白く濁った精液にまみれ尽くされていた。 
       
しかし、先程までと全く異なるのはその中でシーラ自身が快感の声を上げていることだった。 
       
「し!シーラ様!!」 
       
ショウは思わず叫ぶ。シーラがそんなショウに気付き顔を上げる。二人の目が合う。 
       
(し・・・シーラ・・・・!!) 
       
(ショウ・・・ショウ!!) 
       
二人のオーラが交錯する。シーラの悲しみ、ショウへの秘められていた思いがショウの中に流れ込んでくる。 
       
チャムは思わぬシーラとショウの心のつながりに当惑する。自分とショウの間には誰も入れないという自信がぐらつき、急に危機感が湧き上がって来る。 
       
チャムは自分のそこをギュッと締め、ショウのモノに激しい快感を与える。 
       
「う・・・うう・・・チャム!!やめ!あ!!」 
       
ショウの意識がシーラから離れる。 
       
チャムはここぞとばかりに、ショウに攻撃をかけていく。チャムの艶かしい指が、唇が、舌が、ショウの体を縦横無尽に這い回る。そして、勿論チャムの下半身も、ショウのモノを捉え、激しい快感を与え続ける。 
       
シーラの汚れた姿を見ればショウも彼女を嫌悪すると思っていたチャムにとって、先程のショウの反応はショックであった。 
       
(ショウ、だめよ!ショウは私のもの!シーラ様なんかに渡さない!) 
       
チャムは激しく自分の腰を使い出す。 
       
再び快感の渦に堕ち込んでいくショウの姿にシーラは、絶望感と激しいチャムへの嫉妬心をみなぎらせて行く。 
       
シーラを後ろから貫いていた兵士は、シーラのオーラがどんどん強くなっていくことに驚きつつも、嬉しくなっていく。 
       
「フ!これなら、もっと激しくてもいいな!」 
       
兵士は何を思ったか、自分のモノをシーラから引き抜く。それは射精前で、力強くいきり立ち、しかもシーラの大量の愛液でぬらぬらと光っていた。 
       
「・・・・あ・・・・?」 
       
シーラは急に自分の中からそれが引き抜かれたことに不信と残念さを覚える。 
       
(なんで・・・?) 
       
行為を途中で止めさせられたことを残念に思う自分がいることに次の瞬間気付き、シーラは愕然とする。 
       
(ええ?私・・・私、求めているのか?) 
       
そんなシーラの困惑にかまわず、兵士は抜いた自分の一物を彼女の別の穴に当てる。 
       
(え!何!そこは違う!!) 
       
「こっちの穴もやってみたかったんだよな!これだけの元気なら、いけるよな!」 
       
兵士はシーラの尻の穴に照準を合わせ、一気に自分のモノを挿入する。 
       
「ひいい!いいいいいいいい!やあああああああああああああ!!」 
       
下半身が真っ二つに裂けてしまうような、激しい痛みがシーラを襲った。シーラはこの世のものとは思えないような悲鳴を上げ続ける。 
       
「いやあああ!いたああいいいいいいい!ひいいいいい!ひゃああああああ!!ああ!死んじゃうううううう!!だめえええええええひいいいいいいい!!!」 
       
兵士の一物にたっぷりついていたシーラの愛液が潤滑剤になって、それはシーラの中に何とか入っていく。 
       
「はうう!はああ!いい!!」 
       
お腹の中が引き裂かれるような感覚に、シーラは息が出来なくなり、口をパクパクさせ空気をむさぼる。 
       
兵士はそのまま座り込み、シーラを自分の膝の上に乗せ、いわゆる座位の形に持っていく。兵士のモノが、その体位のためシーラの奥の奥まで入っていく。 
       
「いいいいいいいい!!!」 
       
シーラは涙を振り撒き、断末魔の声を上げる。 
       
シーラには信じられなかった。そこは排泄物を出すところであり、動物として一番汚れている場所である。そこに性器を入れかき回す行為など、悪魔の行為のように思われた。そして、今その行為が自分に行なわれている!! 
       
チャムの“穢れた女”という声が頭の中でこだまする。 
       
「あああ!いやあああああああ!!」 
       
シーラは絶望の声を上げ続ける。 
       
        
       
       
       
       
       
       
       
黒騎士は満足していた。 
       
シーラはチャムへの嫉妬に狂い、またそれが引き金になり激しい色欲に揉まれ、黒いオーラを多量にその内側にとり込みつつあった。またショウも黒騎士への憎しみ、チャムへの倒錯した想い、シーラへの憐憫と欲情の想い、それらドロドロとした情念が黒く固まりつつあった。 
       
(フフフ!いいぞ!そのまま3人とも堕ちていくがいい!) 
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
ショウは再びシーラの悲鳴で快楽の渦の中から意識を取り戻す。 
       
「し!シーラ!!」 
       
ショウはチャムの腕の中でシーラの名を叫ぶ。 
       
「ショウ・・・何で・・・・!?」 
       
チャムは激しい腰使いの中でショウの気持ちを自分の方に何とか持ってこさせようとする。が、ショウの意識はシーラの方から離れない。 
       
ショウの視線がシーラの下半身に向けられる。 
       
大きく開かれた両足の間でぱっくり入り口を開けているシーラの女性はあれだけ汚されていてもまだ美しいピンクの色をしていた。ただ、ところどころに破瓜の血が固まった後と、誰のものともわからない精液のかすがこびりついているのが痛々しかった。 
       
そこには、男のモノは挿入されていなかった。 
       
が、その下! 
       
その下の尻の穴に兵士の巨大な一物が刺さっているのがショウの目に飛び込んでくる。 
       
彼女のそこからは、少し裂けたのか赤い血が流れていた。 
       
兵士が下から突き上げるたび、シーラが苦痛のあまり絶叫していた。 
       
ショウの中に激しい怒りがフツフツと沸き起こってくる。頭の中が怒りで真っ赤に染まっていく・・・。 
       
「へへへ。いい声で鳴くじゃねえか。俺もいただいていいか?」 
       
「ああ、二本で串刺しといこうぜ!」 
       
別の兵士が、尻を貫いている兵士に声をかけた後、自分のいきり立つ一物をシーラの濡れそぼる女性に当てる。 
       
「あああ!いやあああ!やめてええ・・・・。」 
       
シーラの顔が恐怖の為に歪む。両方の穴にいっぺんに太い棍棒を入れられるなんて、今のシーラには耐えられない恐怖であった。 
       
「なんてことねえよ。慣れりゃ、快感で悶え狂うようになるんだからな。」 
       
兵士は勝手なことを言いながらシーラの腰を掴み、一気に挿入していく。 
       
「ひゃああああああ!!!ひいいいいいいい!!!」 
       
シーラの体に激しい刺激が走り抜ける。それは快感のような、苦痛のような、シーラ自身にも良くわからないものだった。ただ、股間から感じとれる二本の圧倒的な圧迫感が彼女の身も心も狂わせようとしていた。 
       
「いいぜ、いい締め付けだ!」 
       
兵士が悦楽の声を上げる。 
       
「はああああ!いい!ひいいい!!」 
       
シーラが言葉にならない悲鳴を上げ続ける。 
       
「やめろおおお!!やめろおおおおおおお!!」 
       
シーラの悲鳴に呼応するかのようにショウが絶叫する。 
       
ショウの中で何かが変わり始めていた。 
       
ショウの体に、みなぎるようなもの凄いエネルギーが沸き上がってきていた。 
       
「ああ!だめぇ!ショウ、やめて!!」 
       
ショウの腕の中でチャムが叫ぶ。ショウの体の変化にチャムも恐怖を感じていた。 
       
「やめろおお!やめろやめろやめろおおおおおおおおおお!!!」 
       
シーラを取り囲む兵士たちはそんなショウに構わず、シーラへの陵辱を実行している。 
       
「じゃあ、最後の穴も埋めさせてもらうかな!」 
       
別の兵士が、シーラの頭を荒々しく掴み、悲鳴を上げつづける彼女の口の中にいきり立つおのれのモノを押し込む。 
       
「むうう・・・ぐうううううう!!!」 
       
シーラの目から涙が溢れ出す。 
       
「やめろおおおおおおおおおおおおおお!!!」 
       
その瞬間・・・。 
       
ショウの中で何かが変わった。 
       
今まで体の中に蓄積されてきた怒りのオーラが一気に外に噴出すような感覚であった。憎しみが、怨みが、体中の毛穴という毛穴から黒い奔流となって噴出していく、そんな感覚であった。 
       
「おお!!」 
       
「きゃあああ!!」 
       
黒騎士とチャムが同時に声を上げた。 
       
ショウの体が黒い力に満ちた強いオーラを発し始めたのだった。 
       
チャムは自分の中にあるショウのモノが突如巨大化し、自分のそこを破壊し尽くすような凶暴な気配を感じ、慌ててショウから体を離す。 
       
「うおおおおおおおおおおおおおお!!!」 
       
ショウは雄叫びを上げ続ける。 
       
シーラを取り囲んでいた兵士たちも、事の異常さに気付き、シーラから離れる。 
       
シーラもショウから発せられる異様な、異常なオーラを感じ取る。 
       
シーラの目に恐怖と驚愕の色が現れる。 
       
(ショウ・・・・一体・・・・!!) 
       
「うおおおおおおおおおおおおおお!!!」 
       
ショウの雄叫びにあわせるかのように、彼を包む黒いオーラ光が強くなっていく。 
       
「ショオオオ!!!」 
       
シーラがショウの名を叫ぶ。 
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
続く 
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
       
◎    登場人物紹介 
       
       
       
☆    エレ・ハンム 
       
ミの国の王女。現在はラウの国の旗頭。大国ラウの国のフォイゾン王の孫娘であり、"霊力"といわれる先を見通す不思議な力を持つ14〜5歳の少女。ミの国がアの国ドレイク軍に滅ぼされた後、"霊力"を高めるため母とともに山にこもる。母の死後、ミの国崩壊のときに縁のあったゼラーナに乗り込むこととなるが、祖父であるラウの国王フォイゾン王の死により、ラウの国の旗頭となる。 
       
☆    エイブ・タマリ 
       
ラウの国の巨大戦艦"ゴラオン"の艦長。エレを常にサポートするラウの国の軍人。 
       
       
       
       
       
       
       
◎ 用語解説 
       
       
       
○    タータラ城 
       
ラウの国の居城。この時点ではアの国に落とされており、ラウの軍は旗艦“ゴラオン”を中心に同盟国ナの国の国境近くまで退いていた。 
       
○    ゴラオン 
       
ラウの国の城のような巨大なオーラ・シップ。ラウの国軍の旗艦。 
       
       
      
      
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