第七幕〜散りゆくポロポーズ〜



ラース・ワウの機械の館。

黒きオーラに包まれたその奥から少女の喘ぎ声と、息の荒い男たちの声が聞こえてくる。

「はあ!さすが、姫様!そこらの女どもとは違うぜ!締りがいい!」

リムルは後ろから兵士に貫かれていた。

「ああ・・・・いや・・・。もう・・・・やめて・・・・・ああ・・・・。」

そのリムルの前に別の兵士が立つ。

「ほら!こっちでも咥えてくれなけりゃ、いつまでも終わりませんぞ!」

その兵士がリムルの髪をつかみ、顔を上げさせる。

「ああ!!いた!はあ!やめて・・・・・・んぐううう!!」

リムルの口の中に兵士の一物が突っ込まれる。

「んぐうう!!ぐうううんんんんんんん!!!」

苦しさのあまり呻き声を出すリムル。

「ははは!いいぞ!まるで、下の口に入れてるみたいだ!」

兵士はリムルの頭をつかみ激しく口の中に自分のモノを摘送する。

「こ・・・・っちも、いいぞ!ぐっと締め付けてきやがった!!」

後ろからリムルを犯している兵士も、恍惚とした顔で激しく尻をひきつける。

「んがああ!んんんんぐうううんんんん!!!」

リムルは涙を撒き散らしながら、そのふさがれた口から悲鳴をあげつづけていた。

(・・・・・なんで・・・・・どうして・・・・・。)

激しい苦痛と屈辱と、こみ上げてくる快感とで、リムルはもう気がおかしくなりそうであった。

「いいぜ!リムル様!上手いじゃねえか!反逆者のニー・ギブンに随分とかわいがってもらったからか?」

リムルのかわいらしい口に自分のモノを咥えさせている兵士が彼女を言葉でも嬲る。

(そんな!ニーは・・・・ニーは・・・・そんなこと・・・・しない・・・・。)

自分とニーとの関係をそんな下卑た関係にとられたことが、リムルにとっては口惜しかった。涙を浮かべながらも、その兵士を睨む。

「へへ・・!いい顔してるぜ!図星ってことか!リムル様、よっ!!」

兵士は自分のモノをリムルの喉の奥まで突っ込む。

「んんん!!!ぐんん・・・・!!」

喉の奥まで一物を入れられた苦しさに、リムルが悲鳴をあげる。

「おいおい、後がつかえてんだ。はやくしてくれよ!」

リムルを犯す二人の兵士を取り囲む男たちが言う。

「待ってろよって!こんな風に姫様とやれるチャンスなんてなかなかねえんだからよ!」

「・・・・・!」

リムルはこの苦痛と快楽と屈辱の時間が延々と続くことを改めて感じた。

このままでは自分は狂ってしまう・・・・、そうリムルは感じていた。

リムルの目がだんだん虚ろになっていく。

リムルは無意識のうちに自分の精神を閉ざすことで、この狂気の世界から自分の心を守ろうとしていた。

リムルの意識は、過去の彼女の記憶の中に逃げ込んでいった。













「・・・・・・?」

リムルはゆっくりと目を開く。

(どこ?・・・・ここは・・・・?)

見覚えのある部屋だった。かすかな振動も伝わってくる。

(“ゼラーナ”のガンルーム・・・。)

ニー・ギブンが艦長をするオーラ・シップ“ゼラーナ”はあまり大きな船ではない。乗組員用の個室があるわけではなく、怪我人を寝かしたりする場合にはミーティング・ルームも兼ねているこのガンルームを使うことが多い。

あたりを見回すと、横でマーベルが果物を剥いている。

「・・・あ・・・、マーベルさん。」

リムルは起き上がりながら、その地上人の女戦士に声をかける。

「どう?痛む?」

マーベルは手を止めずに、やさしくリムルに言う。

そのやさしさが、リムルにはつらかった。

「いえ・・・。やはり足手まといになってしまいましたね・・・。」

リ ムルは何度かのラース・ワウからの脱走劇の末、ついに愛するニー・ギブンのいるオ―ラ・シップ“ゼラーナ”までたどり着いた。そして、スパイと疑う“ゼラーナ”の乗組員の誤解を解くために、彼女は戦士としてオーラ・バトラーに乗り込むことを希望し、ここ数回の戦いにも出ていたのであった。しかし、今日の戦闘の中で彼女は被弾し、軽い怪我をしたのであった。

「ショウの先走りがいけなかったのよ。」

“あなたのせいではないわ。”という意味をこめ、マーベルが冷静に今日の戦闘を批評する。

「ショウのイライラもわかります。」

リムルが答える。戦況が一進一退でしかない中、ショウがニーの作戦にいらついていたのはリムルも良く知っていた。

「あなたは体を休めて。」

マーベルが剥いた果物を渡してくれる。

「いいわね。リムル。」

優しくマーベルが言う。

リムルがマーベルにうなずいたとき、ガンルームの扉が開きショウが入ってきた。

「・・・あ・・・!?」

ショウは、マーベルが部屋の中にいるのに気付いて、慌てて手に持っていたものを背中に隠す。

「・・・・マーベル・・・いたの?」

「何隠したの?」

マーベルがちょっと意地悪そうにショウに聞く。ショウが花束を隠したのが見えていたからだ。

「・・・うん・・・。あ・・・!さっき下りた時に近くに咲いていたんだ!・・・花瓶ないのかなあ・・・。」

ショウは一番見られたくない人に見られてしまったな、という顔をしていた。リムルはショウがそんな風にマーベルを意識する様子をかわいいと思った。

「あ!その花は!!」

でも次の瞬間、ショウの持っている花を見て、リムルは思わず息を呑んでしまう。

「何か探してくるわ。」

マーベルがまだ意地悪に冷たい口調で外に出て行こうと立ち上がる。

「そんなつもりじゃあ・・・。」

ショウはばつが悪かった。ショウはまるでマーベルを自分が部屋から追い出そうとしたように感じていた。

「優しいのね。」

ショウの横を通り抜けながら、マーベルがショウに言う。

「・・・うん・・・・・・・。」

ショウは生返事をするしかない。

「わざわざ花の森まで摘みに言ったんでしょ?」

マーベルがショウの耳元で囁く。

「・・・・!・・・・ああ・・・・。」

“やっぱりばれてんだ。”と言いたげにショウはため息をつく。“ああ・・・・まずったなあ・・・。”という表情がショウの顔に思いっきり出ていた。リムルは、皆に聖戦士と崇められているショウのかわいらしいしぐさが可笑しかった。

マーベルが出て行くと、ショウはちょっと照れながらリムルに近づいてきて、花束を彼女に渡す。

「リムル、これ、なんて花なのかなあ?」

地上人のショウはバイストン・ウェルの植物のことなど知らない。

「“ポロポーズ”っていうの。・・・・・ウフ・・・・・ショウ、あなたこの花を本気で私に?」

リムルはちょっとショウをからかってやろうと思う。

「いやなのか?その花じゃ?」

「まさか!」

リムルはこれ以上にないというほどの微笑をショウに送る。

「俺が一機目の“ドラムロ”にてこずらなければリムルに怪我なんかさせなかったんだ。」

ショウはリムルの怪我は自分の所為だと感じていた。謝りの意味も兼ねてショウが言う。

「仕方がないわ。ニーはショウのやり方を許してくれなかったんでしょ。私だってもっと強くなれば。」

(ショウの所為ではないわ。)

リムルはそう思いつつショウに言う。

「いや、ダンバインに一番乗っているのは俺なんだ。なのに・・・。」

ショウはリムルの怪我の責任をすべて自分の所為として背負い込もうとしていた。リムルはそんなショウの気持ちが良くわかっていたので、彼をそう追い込まないように話題を変えようとした。

「ねえ、この花の花言葉、なんだかわかる?」

いたずらっぽくリムルがショウに聞く。

「いや?」

「あなただけを永遠に愛します。」

「へ〜・・・。」

ショウは驚きの声をあげている。リムルはそんなショウの様子が可笑しくてしょうがない。

「この国では結婚する相手だけに贈る花なの。受け取れば相手もOK。」

「うそだろ・・・。」

ショウが絶句する。リムルはあまりに純情なショウの様子が面白くてしょうがない。とことんからかおうと思う。

「うれしいわ。ありがとう。」

リムルはショウの頬にキスをする。

ショウは目を丸くしながら、顔を真っ赤にする。

「ふふふふふ!」

リムルはついに笑い出してしまう。







「ははははは!やだあ!ショウったら!」

ガンルームの外からキーン・キッスの笑い転げる声が聞こえてくる。

「わー!みんなに言ちゃおー!言っちゃおー!やーい!」

チャム・ファウもショウをからかっている。

「やめろよ!」

ショウの焦っている声が聞こえる。

「何だというんだ・・・。」

外の騒ぎをいぶかみながら、ニー・ギブンがガンルームに入ってくる。

「すいません。出られなくて・・・。」

リムルはショウからもらったポロポーズの花を胸に抱きながら、艦長としてのニーに戦闘に出られないことを謝る。

「いや、リムルは・・・。」

ニーは恋人としてリムルを見舞いにきたのであって、リムルを責めるつもりはなかった。その旨を伝えようとした瞬間、リムルの持つ花束に目がくぎ付けになる。

「ああ!どうしたんだ!それ!」

ニーは思わずリムルの元に駆け寄る。

「ショウがくれたの。」

リムルはニーのこともからかってやろうと思う。思いっきり嬉しそうにニーに答える。

「う・・受け取ったのか!」

ニーは頭の中が真っ白になっていた。

「あなたがなかなかくれないんですもの。」

リムルは可笑しくってしょうがない。

「ばかな!」

ニーが嫉妬に狂うかのように言う。リムルはそういう風に自分のことをちゃんと思ってくれるニーの態度が嬉しかった。これ以上からかうのはやめようと思う。

「ふふふ・・・!!」

「ああ?」

「ショウはね。お見舞いのつもりでくれたの。」

リムルが種を明かす。

「ええ!・・・そうか・・・。」

ニーは一瞬よく意味がわからなかったようだが、その後、ショウがこの国の人間でないことをやっと思い出し、安心した声を出した。リムルにはそんなニーの反応が嬉しい。

「驚いた?」

「まあな。」

「妬けた?」

「ばか。痛みおさまったか?」

ニーがキスをしようと唇を近づける。

リムルが逃げるように体を引く。

「ううん・・・。全然。とおっても痛いわ。」

ここぞとばかりにリムルはニーに甘える。ニーは“ゼラーナ”の艦長である。普段から緊張していることが多く、リムルにとってはこのように甘えられるタイミングがなかなかない。

「こいつ!」

ニーも気持ちが和やかになっているのか、リムルの甘えに乗ってくる。

「ニー!出撃だろ!」

が、そのときスピーカーからショウのせかす声が聞こえてくる。

「今行く!」

ニーは邪魔されたことを不快に思いつつ、それでもそう応える。

そして、もう一度リムルの方を向き、その唇に軽くキスをして出て行く。

(・・・・・はあ!・・・・・)

頬に手を当て喜びをかみ締めるリムル。

(ふふふ・・・・・ニー・・・・。嬉しい・・・・。)

ラース・ワウからやっとの思いで逃げ、ニーの下に辿り着いたリムルではあったが、戦争の真っ只中にいる彼とは全くといっていいほど“恋人としての時間”をとることは出来なかった。二人っきりになることもほとんどない。

それでも、リムルは近くにニーを感じられるだけでも嬉しかった。

また、オーラ・バトラーを駆り、少しでもニーのために働けることも嬉しかった。

でも、それでも年頃の少女であるリムルは、ニーと二人きりの甘い時間も欲しかった。それが、この状況で望むべきことではないと、頭ではわかっていても・・・。

それ故に、今の、ほんと小さな、軽いキスのその大切さをかみしめる。

リムルの胸が熱くなってくる。

(・・・・ああ・・・・ニー・・・・。)

ニーの優しい顔を、逞しい体を思い出す。

(・・・・ニー・・・・・。)

リムルの心臓がばくばくと激しく鼓動する。

リムルは自分の作ったニーの幻影を強く抱きしめる。

(・・・・ああ・・・・・ニー・・・・・・。)

こんな風にニーに強く抱きしめられたい、そう、リムルは思う。

セックスなんかは考えられない。ただ、その腕の中に強く抱きしめられたいと思う。

(・・・・でも・・・・・。)

リムルの脳裏を一瞬不安がよぎる。

(・・・・・私は・・・・・・。)

思い出したくない嫌な記憶が、リムルの中でその姿を持ち上げてくる。

(・・・・・私は・・・・・・・・・・・・・。)

ボンレスのイメージが甦ってくる。

その醜悪な触手がリムルの下半身に伸びてくる。

(・・・・・いや!・・・・。)

腕に足に、そして胸に、その触手は絡みついてくる。

(ああ!いや!お願い!いやっ!!)

触手は胸に刺激を与えるかのようにまといつく。

(やああ!ああ!いや!)

口の中にも入ってくる。

(お願い!やめて!はああああ!!)

口の中でそれはピストン運動をはじめる。

喉の奥にそれがあたり、苦しい。

(はあ・・・・はあ・・・はあ・・・・いや・・・・!)

太い触手がリムルの中に入ろうとその鎌首をリムルの大事なところに当てる。

(・・・!・・・)

それがリムルの中に侵入してくる。痛みがリムルの中を走りぬける。

(いや!や!や!やだああ!!)

そんなリムルに構わず、触手はぐいぐいと奥に入ってくる。痛いような気持ち良いような不思議な感覚がリムルを襲う。

(いや!いや!いやああああああああああああああああああああああ!!!!)

リムルは自分を襲っていた過去のイメージを追い払う。

静寂が流れる。

(・・・・ここは・・・・・。“ゼラーナ”の中・・・。)

リムルは汗だくになっていた。

そばにあったタオルで、顔のまわりを拭く。呼吸を整える。

「はあ・・・・はあ・・・はあ・・・。ここにはボンレスなんかはいない・・・・・。」

リムルは立ち上がり、呼吸を整えながら窓の方に歩いていく。

窓の外には、この“ゼラーナ”から飛び出したオーラ・バトラーが見える。

ニーの乗り込んだウイング・キャリバー“フォウ”の姿も見える。

「ニー・・・。」

リムルはその姿を見ながら、ため息をつく。

「ニーは私を受け入れてくれるのかしら・・・・・。こんな風に汚れた私を・・・・・。」

リムルが呟く。

(・・・・・ううん!・・・・だめよ!・・・・・・ニーには言えない。そんなこと・・・・・・言えるわけない・・・・。ニーに知られたら・・・・私は・・・・・私は・・・・!!)

リムルはその場で泣き崩れる。







“ボンレスに襲われた”、そのつらい記憶がシンクロしたのか、リムルの意識は今度はそれとは別のつらい記憶の中に飛んでいってしまう・・・。













「・・・・・?・・・・・ここは・・・・。」

気付くとリムルは豪華なベッドに横になっていた。着ている物は、“ゼラーナ”にいるときに着ていたマーベルの服である。

(私は・・・・・。)

リムルが自分の記憶をたどっていく。

(そうだ・・・・。私は、戦闘中にクの国の地上人トッド・ギネスのオーラ・バトラーに捕らえられて・・・・。)

リムルは体を起こし、周りを見回す。

(ここは、クの国の城・・・・?)

部屋の調度品は素人目に見てもかなり良い物だとわかる。王族の者の部屋ということがわかる。

「ようやく気付かれましたか、リムル・ルフト殿。」

聞き覚えのある男の声がリムルに話し掛ける。

リムルがビクッと身を竦める。誰もいないと思っていた部屋に、男の人がいる。しかも寝ているあられもない姿の自分を見られたという羞恥心がリムルを包み込む。

リムルはそのような無礼を働いた男の声のした方を睨みつける。

背の高い痩身の男が立っていた。

ラース・ワウの城で何回か会ったことがある男だ。

クの国王、ビショット・ハッタ。

「ビショット王。今まで私を見ていたのですか?」

リムルは羞恥と怒りを感じながら、ビショットに問う。

「ええ。なかなかかわいらしい寝顔でしたよ、リムル殿。」

ビショットはニヤニヤ笑いながら言う。

「ぶ・・・・・無礼ではないですか!女性の寝ているところをそのように覗くとは!!」

リムルは胸元を両手で隠しながら、ベッドから下り、立ち上がる。

ビショットの視線が気になってしょうがない。

「ふ・・・。ここは私の部屋ですからね。何をしようと私の勝手ですがね。まあ、敵に囚われの貴方様を助け出して介抱してさし上げたというのに、とんだ言われようですな・・・。」

リムルはあたりを見回す。

ここがビショット王の私的な部屋なのか、と思う。

「・・・私は別に囚われの身ではありません!自ら進んでラース・ワウを出たのです!何故、私をここに?!」

その辺りがリムルには解せない。

「・・・まさか、私を人質にアの国と事を構えようと?それでしたら、私はラース・ワウを抜け出た身。役には立ちませんよ!」

「まさか。アの国とクの国は、同盟関係なのですよ。そのようなこと考えるはずがないでしょう。」

そう言いつつもビショットの目は妖しく、心のうちを見せない目をしている。

「私は敵にさらわれた姫君を、ラウ攻めで忙しいそなたの父王に代わり助け出したまでのこと。」

「だから、それが違うのです!私は自分の意志で!」

リムルがそう言いかけたとき、ビショットの平手がリムルの頬を襲う。

ビシッィィ!!

「ああ!!」

激しい音とともにリムルはベッドの上に倒れこむ。

頬がジンジンと痺れてくる。リムルは手でその頬を抑えながら、ビショットを睨む。

「甘えるのもいいかげんになさい!リムル殿!あなたの行動が、父君母君にどれだけ迷惑をかけているのか!否、アの国民全員にどれだけの悲しみを与えているのか!」

ビショットのその言葉にリムルはひるむ。

父王ドレイクの所業が間違っていると感じてのリムルの行動であっても、リムルには“全てを捨てて恋人のところに走る”といったうしろめたさがある。ましてや、自分のことを愛しんでくれるラース・ワウの領民を裏切っている事実は、リムルにも負い目がある。そのことを考えると、自分の行動を正当化しきれない・・・。

リムルはビショットから目をそらす。

「今朝方、ルーザ殿がそなたを迎えにこの城までやってきた。明日にでもラース・ワウに戻るのですな。」

「・・・・え?」

リムルが再びビショットの顔を見る。

(何故・・・・お母様が・・・?この戦いの激しい中、王妃が自ら城を空けて他国にやってくるなんて・・・。それに・・・・・。)

困惑するリムルの様子をビショットは可笑しそうに見ている。

(今朝方ついたのに、何故、私を連れに私の前に現れないの?)

ビショットはリムルの疑問に見透かしたかのように応える。

「ルーザ殿は長旅で大変お疲れの様子・・・。私と会見はしたものの今は別の部屋でお休みですよ。あなた様の世話を私めに託してね。」

ビショットの目に妖しい光が走る。

「!」

リムルはその目の光に本能的な恐怖を感じる。思わず両手で自分の胸の辺りを覆う。

と、それが引き金になったのか、ビショットがリムルの肩を掴むと、そのままベッドの上に押し倒す。

「ああ!いやあああ!」

ビショットは巧みにリムルの両手首を掴むとそれを頭の上に押さえつける。リムルの体は万歳をしたままベッドに押さえつけられた格好となる。

「な!何をするのですか!無礼な!」

リムルは気丈にもビショットを睨みつけながら言う。しかし、力の強い男に押さえつけられており、抵抗は出来ない。目にもかすかに涙がにじむ。

ビショットの視線がリムルの胸元に注がれる。

リムルの着ているシャツはマーベルから借りたものである。着替えも持たずラース・ワウを脱出したリムルは、“ゼラーナ”に辿り着いた後、マーベルの着替えを何着か借りてきていたのである。マーベルはリムルよりも年上であり、体もグラマーである。そんなマーベルのシャツであるから、リムルが着るとどうしても胸の辺りがゆるく、大きく開いた形になってしまう。そこを、ビショットに舐めるように見られているのである。リムルは羞恥で真っ赤になる。

「こんな服を着て、“ゼラーナ”のクルーを垂らしこんでいたのですかな?」

ビショットがリムルを嬲る。

「な!なにを!!!」

リムルは屈辱的な言葉に身を振るわせる。

「それとも、ニー・ギブンを垂らし込めれば、後はどうとでもなりましたかね。」

「そ・・・そのようなこと・・・・!」

リムルの目からくやし涙が流れる。そんな風に見られることは耐えられない屈辱であった。

「ふふ・・・、誰かによく似て淫乱な姫よ。」

ビショットの手がシャツの間からリムルの胸元に侵入する。

「ああ!いやあ!」

リムルは首をイヤイヤしながら、そのおぞましい感触に耐える。

ビショットの手は、しばらくリムルの胸を触るのを楽しむと、彼女のシャツの胸元を掴む。そして、ビリビリビリッとシャツを引き裂く。

「はあああ!!!」

リムルが短い悲鳴をあげる。黄色いシャツが下まで破け、リムルのまだ少女らしさの残るかわいらしい胸があらわになる。

「ああ・・・・いやあ・・・・・・。」

リムルのあらわになった胸が羞恥のために紅く染まっていく。今まで、誰にも、そう、愛するニー・ギブンにさえ見せたことの無いところである。それを!

ビショットは嫌がるリムルの様子を楽しみながら、その膨らみかけたかわいらしい胸に唇を這わせる。

「はあ!あ!いやあ!!」

リムルの体に軽い電流が流れる。体がびくびくっと反応する。

ビショットはその反応を楽しみながら、リムルの小さな乳首を舌で責め始める。

「は!ひいい!!いや!やめて!お願い!!」

リムルの体の中を甘い疼きを含んだ刺激が走りぬける。

リムルは電流が体の中を走りぬけるたびに、体の奥の方が熱くなっていくのに気付いていた。

(何で・・・。こんなに嫌なのに・・・・。私の体は・・・・。ああああ・・・。)

リムルは自分の体が信じられなかった。

愛してもいない、いや、どちらかというと嫌悪している男に無理やり体をいじられているのに、自分の体はそこに快感を感じてしまっているのである。

(いやあ・・・こんなこと!こんなこと!ない!!)

リムルは知らなかった。

リムルの体はボンレスの毒を受け入れてしまった後遺症として、いまだに性的刺激に過剰なほど敏感になっているのであった。

ビショットがリムルの乳首を軽く噛む。

「はああ!!ひいいいいいいいいいいい!!!!」

激しい刺激がリムルを襲う。リムルの体が大きくのけぞる。

「ふふ・・・。リムル殿。なかなかいい反応をされている。やはりそなたも淫乱な血を引いているようだ。」

ビショットが笑う。

「・・・・そ・・・そんなこと・・・・ありません・・・・。」

今の乳首への刺激でいってしまったリムルには、もう抵抗する力も抜けていた。

「そうかな?」

ビショットは力の抜けたリムルの下半身から下着ごとズボンを脱がす。

そして、リムルの女性の部分を覗き込む。

「はああ!!いやああ!!!見ないで!お願い!!」

自分の一番恥ずかしいところを除かれたリムルは羞恥に身を振るわせる。

「ここはもうこんな風になっているぞ。」

ビショットはリムルのそこに指を軽く触れる。

クチュっと音がする。

「はあ・・・。」

思わずその感触に声を漏らすリムル。

「こんなに濡らして・・・。これでも感じていないとでも言いますかな?リムル殿?」

ビショットはリムルの愛液を指ですくい上げ、リムルの顔の前に持ってくる。

「ああ・・・・、そんな・・・・。」

(やっぱりそんなに濡れてしまっているの・・・。私は・・・・。何故・・・・はあ・・・・でも・・・・。)

リムルの理性は否定していながらも、リムルは自分のそこが、もう何かもどかしくて、何か埋めて欲しいような感覚が湧き上がってくるのを感じていた。

「欲しいのか?」

ビショットが今度は首筋を舐めながら言う。

「はあ!あああ!いや・・・・。ああ・・・・。」

リムルが絶望のため息を漏らす。

ビショットはもうリムルを押さえつけてはいなかった。しかし、リムルにはもう抵抗する力も無かった。

「はあ・・・・ダメ・・・。ああああ!!!やめ!あ!やあああ!!」

ビショットが首筋を責めながら、両手で巧みにリムルの胸を揉みほぐし始める。

「ああ・・・いやあ・・・・もう・・・おかしくなって・・・・あああ!!」

リムルの腰が我慢できないかのようにゆっくりと振られる。太腿が擦りあわされる。

「はあ・・・・ダメ・・・・私・・・・はああ!ああ!!!」

リムルはもう何も考えられなくなってきていた。

「ふふ・・・。」

ビショットは軽く笑うと、一度体を離す。

快楽に溺れているリムルの様子が見える。

「こんな感じやすい娘も珍しいな・・・。やはり硬く見えても、ルーザの娘か・・・。」

そう言いつつ、ビショットは自分の一物を取り出し、リムルの濡れそぼった女性自身に当てる。

「ああ・・・。」

リムルは自分の一番敏感な部分に熱い塊が当てられたのに気付いた。

(ああ・・・それは・・・。)

その熱い塊がゆっくりリムルの中に入ろうとする。

(ああ・・・だめ・・・・それは、いや!)

しかしリムルにはもう抵抗する力は残っていない。

(だめ!ああ!いや!やだ!助けて!ニー!ニー!!)

リムルのそこはボンレスという生き物を除けば、何も侵入したものは無い。ボンレスのことは事故と考えることが出来ても、男の人の、人間の男のモノを受け入れることはリムルにとってニーに対する許すことの出来ない裏切り行為となることであった。

「ああ!だめです!いやあ!やめてくださ!!あああ!だめ!入れないで!!」

リムルがやっと声を絞り出す。

ビショットはそのリムルのかすかな抵抗に、逆に嗜虐心を高めたか、ニヤリと笑いながらリムルの腰をぐいっと自分の方に引き寄せる。


 
「ああ!いや!いや!ニー!ニー!助けてぇ!!ああ!はあああああああ!!!!!」

ビショットがリムルの奥深くに自分のモノを押し込む。

「いやあああああああああ!!!!!」

リムルの絶叫が部屋に響き渡る!













続く













登場人物紹介



☆    ビショット・ハッタ

ドレイク・ルフトのアの国と同盟を結んでいるクの国の若き国王。痩身の体に饒舌な口を持つ野心家。エレ・ハンムのラウの国と、シーラ・ラパーナのナの国を蹂躙した後には、アの国さえも手中に収めようとさえ考えている。アの国の王妃ルーザ・ルフトと通じている。



☆    トッド・ギネス

野心家のアメリカ人青年。ショウ・ザマと同時期にバイストン・ウェルに降りてきた地上人。根は気さくで明るい男だが、これまでの経緯の中でショウに対し深い怨みを持っていく。死の淵から舞い戻ってからは、アの国に戻らず、クの国のビショットに仕える。“ゼラーナ”に逃亡していたリムル・ルフトを捕らえることに成功する。


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