第九幕〜女王の戦い〜



アの国・元ギブン家領地内、月の森。

一年中通して月が見えるという、バイストン・ウェルでは特異な場所としてこの地域では有名な場所である。

ギブン家の当主、ロムン・ギブンが殺された場所でもある。

今、その子ニー・ギブンのオーラ・シップ“ゼラーナ”が密かに潜伏していた。

「ショウからの連絡はまだないのか!」

ブリッジでニーは焦っていた。

「時間が経ち過ぎている!」

「そんなに騒がないで。ニー。」

もう一人の聖戦士であるマーベル・フローズンがニーをなだめにかかる。

「わかっている!だがな、今回の作戦の成否が今後の戦果にどれだけ影響するか、マーベルにもわかっているだろう!」

ニーが吼える。

「作戦が失敗し、シーラ様が黒きオーラに獲り込まれてしまうようなことがあれば、ナの国一帯が悪しき力に包まれてしまう。人心は荒み、戦禍は拡大し、このユーロ地方全体が無残な地獄と化していくんだぞ!」

ニーはラウの国の王女エレ・ハンムから聞いたこの地域のオーラのバランスについて言う。

「わかっているわよ!だからといって、今ここで騒いだってどうにもならないでしょう!?今は・・・・、ショウを信じて待つしか・・・。」

マーベルはうつむき、一言一言噛み締めるように言う。ショウのことを一番心配しているのはこのマーベルだった。

ニーも、そのマーベルの想いを感じとる。自分勝手に荒れたことを反省しながら、マーベルに話しかける。

「悪かった・・・。マーベル・・・。だがな、万が一にでもショウの作戦が失敗したのなら、“ゼラーナ”を特攻させてでも、シーラ様を救出しなければならないんだ・・・。」

「それが難しいから、今回のショウの作戦を選んだのでしょう?待ちましょう・・・。もう少し・・・。」

マーベルは今すぐにでも“ダンバイン”を駆り、ラース・ワウの機械の館に飛んでいきたい気持ちを必至に抑えながら、ニーに言う。

「ああ・・・・・。キーンはどうした?」

マーベルに返事をした後、ニーはブリッジの下にいる兵士に負傷しているキーン・キッスの様子を聞く。

「怪我は軽いようなんだが、何らかの精神的ショックが強かったようだ。まだぐっすり寝ているよ。」

兵が返事をする。

「そうか・・・。」

「これでは、機械の館の様子は分かりそうにないわね・・・。」

マーベルが言う。キーンはラース・ワウの城壁の下に倒れているのをマーベルが見つけ出し、救出したのだが、何かにかなりのショックを受けたらしく、状況報告もほとんどままならぬうちに、床に伏してしまった。

「ああ・・・・。」

ニーは頭上の月を仰ぎながら、湧き上がって来る焦燥感に耐えた。













ラース・ワウ、機械の館。

黒騎士によるシーラへの陵辱劇が続いていた。

「うう・・・はあ!あ!ううう・・・・・・・。」

シーラは下半身から全身に走り抜ける激しい痛みに耐えていた。

下半身で黒騎士のモノが荒れ狂う。

(う!はあ!痛い!あああ!だめ!でも!でも!私は!こんな男に・・!くううううう!!)

シーラは自分の中にこの卑劣な男の一部が入っていると認識するだけで、激しい絶望感が湧き上がって来る。少しでも気力が緩むと、あっという間にその絶望感に呑み込まれてしまいそうになるのを感じとっていた。

(はあああ!いた!う!負けない!決して!う!あ!ひいいい!!!)

気 力が・・・、シーラのオーラ力が・・・、ほんの少し気を抜くだけで、あっという間に殺がれてしまいそうだった。それが、黒騎士の言った房中術によるものなのか、処女を無理やり奪われたためのショックなのか、シーラにはわからなかった。ただ、女王としての責任、使命感、そして誇りが、シーラをかろうじて支えていた。

(くううう!!はああ!いたあ!うう!ああ!だめ!いや!いたい!ああああああ!いやあああ!くうううう!!だめ!負けては!はあ!ああああああああああ!!)

シーラは歯を食いしばり、弱気になりそうな自分を鞭打ち、必死に耐えた。

黒騎士は激しく腰を使いながらも、シーラの強靭な精神力に舌を巻いていた。

(これほど激しく突いても、泣き言一つ言わないとはな。さすがに聖女王と謳われた女か。)

シーラは呻き声は出そうとも、決して“助けて”とか“やめて”といった言葉は吐かなかった。ひたすら歯を食いしばり、黒騎士の責めに耐えていた。

(だがな!それも、いつまでもつことやら!)

黒騎士はシーラの膨らみかけの少女らしい乳房を掴んだ。

「はあ!ああああああ!」

痛みと強い刺激にシーラは声を上げる。

黒騎士はそのまま彼女の小さなかわいらしい乳首を責め上げる。指の股を巧みに使い、強弱をつけてつまみあげる。

「は!あ!あああ!は!あああああああ!!」

シーラの体の中を痛みとは違う感覚が走る。

(な・・・何!)

シーラは自分の下半身の、そう、黒騎士のモノが入り込んでいる自分の奥が熱くなっていくのを感じた。

(ああ!いやあ!また!)

シーラはその感覚が自分をドロドロと溶かすような、破滅的な快感を生み出すことを先程までの経験で知っていた。

黒騎士が指でギュッとシーラの乳首をつまむ。

「はあああ!ひいいいい!!」

シーラは胸の先から全身に痺れるような気持ちの良い電流が流れるのを感じとる。

「ああああ・・・・・。」

奥が熱くなってくる。全身の力が抜けていく。

(だめ・・・・。ああ・・・・、体が・・・・、ああ・・・・いやあ・・・・。)

黒騎士が今度は両手でシーラの胸を鷲掴みする。

「は!ひいいいいいいい!!ああああ・・・・・。」

瞬間、シーラの体が跳ねる。

(やめて・・・・。ああ・・・。熱い・・・・。あそこが・・・・ああ・・・溶けていく・・・。だめ、このままじゃ・・・・また・・・流されていく・・・。)

黒騎士の手が再び下半身の方に伸び、二人の結合部に触れる。そこは、破瓜の血と、その後に滾々と湧き出した愛液でぐしょぐしょに濡れていた。

「フフフ。シーラよ。初めてのくせして、もうこんなに感じているのか?」

黒騎士がシーラを言葉でも嬲り出す。

「クッ!」

シーラはまだ少し残っている理性を総動員し、黒騎士を睨みつける。こんな屈辱的な言葉を女王の誇りは許せない。

「か・・・感じてなぞ・・・な・・・い・・ううはああ・・・。」

シーラは湧き上がって来る快美な感覚に耐えながら、黒騎士に言う。目は誇りを傷つけられた怒りに満ちてはいたが、そこから溢れる涙は止まらなかった。

黒騎士は結合部から溢れ出る愛液を指ですくって、シーラの眼前に持ってくる。

「フフ。こんなに濡らしておいて、何を言うか。」

シーラの目の前で、黒騎士は愛液をぬちゃぬちゃと音を立て擦り合わせる。シーラの顔が恥辱と羞恥のために紅潮する。

「それは・・・・、それは単なる生理現象・・・・。感じてでは・・・ない・・・。」

シーラが言う。

「は?・・・フフフ・・・ははははははは!」

黒騎士が高笑いする。シーラの強がりが可笑しかった。

「これは、いい!こうでなくては面白くない!」

黒騎士がグイッと腰をシーラの中に捻じり込む。

「はあ!あ!いた!」

愛液が溢れ出し、痛みは随分と軽減されてきつつはあった。が、強く突かれると、まだまだシーラの中を引き裂かれるような激しい痛みが走った。

(うう・・・。こんな男に・・・こんな男に・・・ああ!私は・・・負けない・・・。ああ・・くううう・・・。)

が、シーラはその激しい痛みよりも、その後ろに控えている、そしてすぐにでも湧き上がって来るのではないかと思われる圧倒的な快美な感覚を怖れていた。それが湧き上がってきた瞬間、自分は自分でなくなるとシーラは感じていた。それはすなわち、黒騎士に屈してしまうということであった。

(だめ・・・。はああ・・・。私が屈してしまったら、黒きオーラは・・・・あ!いた!あ!はああ・・・。)

シーラは首を振り乱し、引き裂かれるような痛みと、その奥に感じる快感とに耐える。

黒騎士はそんなシーラの様子を楽しみながら、腰を動かしつづける。そして、入り口付近にいる兵士に目配せをする。兵士は黒騎士の合図の意味を理解しているのか、地下牢から外に出て行った。

「シーラ。もうお前は感じすぎてフラフラではないか。」

黒騎士がシーラに向き直り、言う。

その通りだった。激しい電気のような刺激がシーラの体を駆け巡り、彼女の体から力を奪っていた。

しかし、感じてそのようになったことなど、シーラは決して認めたくはなかった。彼女のわずかに残っている理性が抵抗をする。

「感じて・・・なぞ・・・ない・・・。」

シーラは黒騎士を睨みながら再び言う。

「そうか・・・?」

黒騎士はまた別の兵士に目配せをする。その兵士はシーラを吊り下げていた鎖を緩める。

「あ!きゃあああ!!」

天井から吊り下げられていた鎖が緩み、シーラは体を支えられなくなり、黒騎士の方に体が倒れていく。黒騎士はその華奢な体を抱きとめる。

「フフフ。快感に溺れ、もう体も言うことをきかないではないか。憎い私に抱きつくとはな!フフフ・・・ハハハ!」

「クッ・・・・・・。」

シーラは自由にならない体を疎みつつ、屈辱に耐える。

黒騎士はシーラの腰の部分を抱えると、自分のモノを挿入したままそこを軸にして、シーラの体をくるりと回す。

「あ!はあ!やあ!はあああ・・・。」

突然の黒騎士の行動にシーラは驚きの声を上げる。シーラの中も黒騎士のモノで擦れ、快美な刺激が流れる。

「やあああああああ!」

シーラは両手は引き続き天井から吊り下げられながら、四つん這いのような格好で尻を突き出して立たされるという、屈辱的な格好にさせられる。格好の不安定さがシーラの中に恐怖心を生む。

黒騎士はそのまま後ろからシーラの尻を掴むと、自分のモノをグイッと押し付ける。

「ひゃあああああああああ!!」

シーラが絶叫する。

体位が変わったためか、黒騎士のモノがシーラのさらに奥まで侵入する。

「はああ!ひゃあ!ああああ!!」

シーラは不安定な体を支えるため、自分の手を吊り下げている鎖をしっかり掴む。そして顔を仰け反らすかのように起こし、激しい刺激に耐える。

(は・・・あ・・・あ・・・!こ・・・こんな・・・奥まで!!はああああ!!いや!嫌だ!もう!あああ!)

シーラは刺激に耐えながら顔を上げる。と、目の前に先程までリムルを犯していた兵士達の顔が目に入ってくる。

「!」

兵士達はシーラを嘲弄するかのように、下卑た笑いをその顔に浮かべていた。

シーラはその時、はじめて自分のさせられている格好に気付く。四つん這いのような、そうまるで獣のような格好をさせられ、そして背後から貫かれている。先程リムルがさせられているところも見たが、シーラにとっては、まるで人間の尊厳を獣にまでおとしめるような、そんな格好に思われた。

(ああ・・・・。わ・・・私が・・・・私は・・・獣のように貫かれているのか・・・・?ああ・・・ああ!いや!いやああああ!!)

シーラは思わず叫びそうになるのを必死にこらえる。

(だめ!わかってたはず・・・。どんなに屈辱的な目にあわされようとも、屈しては・・・・いけ・・・ない・・・。ああああ・・・。でも・・・・はああ・・・い・・や・・・・。ううう・・・。)

黒騎士がシーラの尻を引き付ける。

「ひゃあああああ!!」

再びシーラが悲鳴をあげる。もう、声を殺すことはシーラには出来なくなってきていた。ただ、彼女の最後の理性は、まだ黒騎士に屈すまいと抵抗を続けていた。

黒騎士は頃合を見て、彼女の腰を抱くように手を彼女の前の方に廻す。そして、二人の結合部の前の方にある小さな(その時はもう、少し肥大化してきつつあったが)芽に指を這わす。

「ひいい!」

シーラが短い、しかし鋭い悲鳴を漏らす。

「ここか?ここも刺激して欲しいのか?」

黒騎士が指の腹でその芯をこねくり回しだす。

「はあ!だめ!あ!ひいい!う!はああああああ!」

シーラの中をこれまでの中で一番強い刺激が走りぬける。それは一気に脳天まで走ったかと思うと、次の瞬間つま先まで駆け抜け、全身を痙攣させる。シーラはこんな激しい刺激ははじめてであった。が、その刺激は彼女にとって困ったことに、決して苦痛ではなく、むしろ自分を狂わせてしまうほどの快感であった。

(はあ!だめ!あ!ひいい!!)

シーラの女性もその刺激に合わせてか、きゅうっと収縮する。と同時に黒騎士の熱く硬いモノの刺激が倍増される。

(はあ!だめえええ!あああ!いやああ!変に!変に!なっちゃううう!やああああああああ!!)

シーラは混乱する。もう、何も考えられなくなっていた。ただ首を振り、涙を振り撒き、体を揺らし、その刺激に流されないように耐えた。

黒騎士がその芽を指の腹で押す。

「ひゃああああああああああああ!!」

シーラの体が痙攣する。シーラの女性もぎゅううっと収縮する。

「う!」

黒騎士は一回自分のモノを引き抜き、射精感を抑える。

「はああああああ!ああああ・・・・・・・・・・・。」

シーラの体から力が抜けていく。腰が砕け、手を吊るされたままその場に座り込む。顔はうなだれていた。その目は虚ろに開き、口からは涎が垂れていた。

「フ!男より先に行くとはな、淫乱な女め。」

黒騎士が言葉で嬲ろうとするが、ほとんど放心状態に近いシーラはただ荒く呼吸するだけで、黒騎士の言葉など耳に入っていなかった。

「フン!」

黒騎士がちょっとつまらなさそうに鼻で笑った時、先程この地下牢から出て行った兵士が戻ってきた。黒騎士がニヤリと笑う。

黒騎士はしゃがみこみ、シーラに顔を近づける。

「シーラ。お前に会いたがっている奴がいるぞ。」

黒騎士が囁くかのようにシーラに言う。

「・・・・・?」

まだ放心状態から完全に覚めていないシーラは、最初黒騎士の言うことが良くわからなかった。が、意識が戻ってくるに連れ、だんだんその意味するところがわかってきはじめた。

(どういうことか・・・?人目に私の姿をさらす事によって、私の屈辱感を増そうというのか?今さらアの国の誰に見られようと、たとえルーザやドレイクに見られようとも、大差などないぞ・・・・。そこまで卑怯なことをしたいのか、この男は・・・・。)

シーラは黒騎士を睨みつける。が、そこにはもう強いオーラの力は感じられなかった。わずかに残っている彼女の女王としての誇り、責任がそう思わせているだけであった。

黒騎士は入り口のところにいる兵士に合図を送る。兵士は一人の男を連れて中に入ってくる。











続く


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