一章 〜MARIONETTE BODY〜



 辺りが少しずつ明るくなり、鳥のさえずりが聞こえ始める頃
アルヴィーナはふと目を覚ました。
「う・・・ん、ここは・・・?」
初め自分がどこにいるのか分からなかったが、昨日の出来事を
思い出すと慌てて起き上がる。
「私の乗った馬車が襲われて、たしかあの後サリオ伯爵が・・
・。ああ、ここは一体どこなの?」
自分のいる部屋を一通り見回してみるが、ベッドの他には小さ
なテーブルが一つしかない殺風景な部屋だ。自分の体も見回す
が、出発時に着ていたドレスのままで特に変わりはない。外に
出てみようと出口の方へと歩き出し、ドアノブに手を掛けよう
とした瞬間外側からドアが開いた。
「きゃっ!?」
驚いて小さく声をあげると後ろへとあとずさった。
「目が覚めたのか。」
イクザが箱を小脇に抱えながら入ってくると、声を掛けた。ア
ルヴィーナの横をすり抜け、持ってきた箱をテーブルに置く。
そんな様子をじっと見ていたが、勇気を出して声を掛ける。
「あ、あなたは誰ですか?サリオ伯爵のお知り合いなの?」
イクザはゆっくりと振り返ると、小瓶を持ちながらアルヴィー
ナへと近づく。
「一応サリオの知り合いだな。イクザという。」
「目的は何んですか?」
「そのうち分かる。」
そう言うと持っていた小瓶を差し出した。
「これを飲んでもらおうか。」
アルヴィーナは差し出された小瓶を恐る恐る手にとった。不安
げにイクザを見つめる。
「これは何の薬ですか?」
「ただの睡眠薬だ、害は無い。お前が予定より早く目覚めたん
でな。」
いきなり誘拐犯(の一味かもしれない)に睡眠薬(だと思われ
る薬)を渡されて素直に飲む奴はいないだろう。
案の定アルヴィーナは一向に口をつける気配は無い。イクザは
しばらくそんな様子を見ていたが、痺れを切らして口をだす。
「飲みたくないのならいい。後悔するのはお前だ。」
そういって背を向け、部屋を出ようとする。
「付いて来い。」
一言言い残して部屋を出る。残されたアルヴィーナは分けもわ
からずここに残されるよりは・・・と急いで後を追う。
下へと続く階段をどんどん降りていくとやがて地下室らしき部
屋の前に着いた。イクザに続いて恐る恐る中へと入る。
「な、何!?」
部屋に入るなり驚いて声を出す。部屋には上下で台座に支えら
れた半透明の卵型の膜があった。中には緑色をしたゲル状の物
体が満ちている。
「今から中に入ってもらうぞ。」
呆然と立ち尽くしていると、右腕を捕まれる。
「い、嫌っ!!!気持ち悪いっっっっ!!!!」
当然そんな怪しい物に入りたくはないだろう。抵抗するが温室
育ちのお姫様の腕力では適うはずもなく、無理やり中へと押し
込まれた。
「出してっ、出してぇぇぇ!!!」
「後悔するのはお前だと言ったはずだ。」
中から出ようと必死に暴れるアルヴィーナを見ながら言い放っ
た。
三十分ほど経ってようやく外に出された。精神的な疲労と肉体
的な疲労が重なってぐったりとしている。
「休む暇など無いぞ、来い。」
目が虚ろだがしっかりとした足取りで付いて行き、先ほどの部
屋へと戻っていった。イクザがドアを開けると黙って中へ入り
、すぐにベッドへと倒れこむ。すると正気に戻ったのか小さく
呟いた。
「私に何をしたの・・・」
「気付いていないのか?今効果が出ただろう。」
何を言っているのか分からないといった表情で顔を上げる。
「今、お前はどうやっって俺に付いて来た?」
そう言われても思い出せない。
「あの時、私はほとんど気絶していて何も・・・・・・」
「気絶していたのならなんで歩けたんだ?」
そう指摘され、はっと気付く。
(気絶していたのなら何で私は・・・?)
困惑しながら戸惑うアルヴィーナにイクザはおもしろそうに言
う。
「気絶していたお前が歩けたのはあのゲルのせいだ。あれは俺
が開発した魔獣の一種でな、別の生き物に寄生するのさ。そし
て俺の言葉や念を受けてその体を自由に操ることが出来る。」
「そ、そんな・・・」
告げられた驚愕の内容に愕然とする。
「意識はそのままだから安心しろ。」
そう言うが、たとえ自分の意識が残るとはいえ文字通りの操り
人形にされて嬉しいはずは無い。アルヴィーナはあまりの出来
事に震えながら呆然と自分の体を見つめている。
「さて、そろそろ始めるか。」
ベッドに横たわるアルヴィーナへと近づく。自分もベッドへと
横たわるといきなり唇を奪った。
「!!!?いやっ!!!!」
突然の接吻に驚きイクザを突き飛ばす。
「その反応はやはり初めてか。素直に受け入れたほうが楽にな
れるぞ。」
再び唇を奪う。今度はイクザの念に反応した魔獣のせいで抵抗
ができない。さらにアルヴィーナ自らが舌を絡めてきた。
「じゅるっ、んっ、くちゅ、じゅるるっ。」
目にはうっすら涙を浮かべるがキスは止まらない。しばらく激
しいキスが続く。
「もういいぞ。」
「んはっ・・・」
唇を離すとつーっと唾液の糸がひいた。
「今度はこっちにしてもらおうか。」
イクザは自分のペニスを取り出し、目の前に突きつけた。
「あ、ああ・・・・んむっ。」
嫌なのに体は従ってしまい、ペニスを咥える。
「操れるのが嫌なら自分で舌を動かしてみろ。」
その言葉で舌だけはアルヴィーナの支配下に戻ったがなかなか
動き始めない。
「やらないのならまた操るぞ?」
ビクッと体を震わすとおずおずと舐め始めた。どうせやらされ
るなら自分でやったほうがいいと思ったようだ。
キャンディーを舐めるかのようにちろちろと亀頭部分小さく舐
める。
「もっとしっかり舐めろ。全然駄目だ。」
「は、はい・・・」
そう言われてもアルヴィーナは今まで男性経験などない。知識
としては家庭教師に夜の営みについて習っていたが、実際にや
るのとでは大違いだ。必死で竿の根元や縫い目の部分、カリの
所をペロペロ舐め続けるが、それでもイクザの不満気な表情は
直らない。遂に意を決してペニスを頬張った。
「むぐ、んぐっ・・・」
嫌悪感と戦いながら必死に頭を前後に動かす。口の中でも舌を
動かして刺激する。
「じゅぷ、ちゅぷ、んっ、ちゅっ、んぷっ、くちゅ」
「いいぞ。もう少しだ。」
努力の甲斐あって、イクザは限界を迎えようとしていた。
「口と顔、どこに出して欲しいか?」
どっちも嫌だったが、口よりは・・・とアルヴィーナは決心す
る。
「か、かほぉで・・・」
「お願いします、だ。」
「お、おねふぁいしまふ・・・」
「よし、出すぞっ!」
にゅぽっと口内からペニスを引き抜くとアルヴィーナの顔へ向
けて精液を発射する。
びゅるっ、びゅるるるっ、ぴゅっ!!!
「うっ、んんっ・・・・」
鼻腔に広がる生臭い匂いに顔をしかめる。

「初めてにしてはまあまあだったぞ。」
「な、何か拭く物を下さい。変な匂いです・・・」
早く顔についた精液を拭き取りたくて懇願する。しかし、それ
は間違いだった。
「ふふふ、嫌なにおいか。その匂いには慣れて貰わないと困る
んでな。あと一時間そのままでいろ。」
「そ、そんなっ・・・!?嫌ですっ、お願いしますっ!!」
必死で懇願するが、イクザは気にもせずに服をを整える。
「俺が戻るまでの一時間、動くんじゃないぞ。」
冷たく言い放つとさっさと部屋を出て行った。
「ひっく、ひっく、ううっ、ぐすっ・・・」
一人残されたアルヴィーナは、顔中に精液をこびりつかせ、動
くことも出来ないまま静かに咽び泣いた。


→進む

→戻る

PRINCESS GAMEのトップへ