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			 【2話】悦獄、そして・・・選択なき決断 
			 
			 
			 
			(2) 
			 
			優希は、千里の執拗な責めて、半分意識が飛ばされていた。 
			どれくらい時間が経過してたのだろうか・・・脳内にかかったピンク色の靄が徐々に薄れ、思考が戻ってくると、目の前の絨毯の上で3人の男たちが下碑た笑みと獣じみた呻きをもらし、千里をよってたかって責め抜いている光景をやっと認識する事ができた。 
			 
			「あっ、あぁン」 
			「ほら、こっちも咥えて欲しいス」 
			「はい、すみません・・・うっ、ぐっ・・・」 
			 
			後手に拘束された千里は、仰向けに寝た大男に跨り騎乗位で貫かれており、傍らに立つサングラスの男に男根を咥えせさせられている。 
			そして、男の手で小さな頭を前後に揺すられ激しいイラマチオをさせられていた。更に背後にはバンダナ男が立ち、前に手をまわして拘束具で絞り出された千里の若々しい乳房を荒々しく揉みしだいている。 
			 
			「凄いことに、なってるでしょ?、彼らお二人の絡みで興奮してましたからね」 
			 
			ソファの横には、いつのまにか水沢が並んで座っており、目の前の光景を眺めつつ優希に問いかけてくる。 
			 
			「うぅッ・・・んーッ・・・」 
			「あぁ、ごめんなさい。それじゃぁ、しゃべれないですよね」 
			 
			まるで今気がついたかのように苦笑いを浮かべると、優希の口枷のベルトを緩め、口から口枷を外した。 
			 
			「ぷっはっ、はぁ、はぁ・・・・・・どうするつもり?」 
			「はい?・・・あぁ、大丈夫、優希先生にはもう手出ししませんよ。言ったでしょ、保険だって。千里との仲を邪魔されたくないので撮らせていただきましたが、基本、僕が厳重に管理して彼らにも手出しさせません。優希先生は、彼らが満足するまで大人しく待ってて下されば、千里と一緒にお帰り願いますから、ご安心してください」 
			 
			水沢は相も変わらずニコリと微笑み、優希の問いに答えた。 
			 
			「とはいえ、千里にはああして彼らの相手をしてもらわないとなりません。3人を相手にするのはキツイでしょうけど、千里なら壊れずになんとかなるでしょう」 
			 
			口調も変えず淡々と恐ろしい事をいう水沢に優希は言葉を失う。 
			そうしている間に、千里は前のめりに倒され、背後にいた小男がアナルに挿入を行おうとしていた。 
			 
			「あぁぁぁ、イヤッ・・・そこは・・・」 
			「へへへっ、知ってるぜぇ。ここも開発済みで千里ちゃんスキ者なんだってなぁ」 
			「そっ、そんな・・・ことは・・・ヒッ、ヒィィィ」 
			「おぉぉ、キツキツだぁなぁぁ、たまんねぇ」 
			「おいおい、俺っちの方も忘れないでくれっスよ」 
			 
			小男はアナルに挿入すると、くびれた腰を掴み、腰を尻肉に打ちつけるように激しくグラインドを行う。そして、バンダナ男も再び千里に咥えさせると、髪を鷲掴みにし、これでもかというぐらい千里の頭を激しく上下に揺すり始めた。 
			 
			「ん・・・んぐぇ・・・うぐぇ・・・」 
			「甘ったれるな、もっともっと締め付けるッスよ」 
			 
			激しいえずきに襲われるも、頭をガッシリと掴まれては、口に押し込まれた肉塊を吐き出す事も出来ず、千里の目尻から涙が滴り落ちる。 
			千里をまるで肉壺のように扱い、3人の男たちはそれぞれ欲望をぶつけていた。 
			 
			「やっ、止めさせて! 千里ちゃんが壊れちゃう!!」 
			「そう言われてもね、優希先生。ああ見えても千里は喜んでるんです・・・当分、彼らの相手をしてもらう予定ですし、頑張って貰わないとね。それに、あの状態で止めろって言われても、あんなにイキり立った状態では・・・男としては収まりつかないんですよね」 
			 
			困ったように頬を掻く水沢。 
			だが、そう言っているそばから、事態は一転した。 
			 
			「あちゃー・・・やっちまった」 
			「水沢さんよぉ、千里ちゃんのびちまったよ」 
			「ちょっと勘弁してくださいよぉ、これからだっていうのによぉ、叩き起しましょうぜ」 
			 
			男たちが落胆の声を上げている。 
			見ると男たちの間で千里が白目を剥いてグッタリしていた。 
			 
			「やれやれ、気付薬をもってくるんで、ちょっと待ってて下さいね」 
			「まっ、まって!」 
			 
			溜息をつき立ちあがろうとする水沢・・・それを優希はとっさに呼びとめていた。 
			 
			「千里ちゃんを・・・もう虐めないで!」 
			「そうは言われてもですね・・・」 
			 
			困惑したように男たちは顔を見合わせる。 
			 
			「わっ、わたしが・・・私が代わりを・・・するから・・・」 
			 
			奥歯を噛みしめ、必死に言葉を絞り出す優希。 
			だが、その姿を一転して冷めた目になった水沢が見下ろした。 
			 
			「同情ならやめておいた方が良いですよ。それに僕は千里に強制したことは一度もないんです。そんな身代わりの被害者ぶってるんなら、止めてください」 
			「ぐっ・・・」 
			「そもそも、彼らにはカシがあってね・・・彼らの相手は今夜だけでは済まないんですよ・・・ふぅ、もういいです。縄をほどいてあげますから、すぐに帰って下さい」 
			 
			水沢は優希を縛っていた麻縄を解くと、綺麗に畳まれた彼女の衣服をソファの上に置いた。 
			 
			「えっ・・・ちょ、ちょっと・・・」 
			 
			まるで優希に興味を失せたかのような水沢の予想外の態度に彼女は混乱した。 
			ただでさえ、先ほどまでの千里による背徳的な責めの数々により、思考を激しい官能で焼かれ、靄のかかったように上手く考えがまとまらない状態に追い込まれていた。 
			更に、今までの優希の常識を壊すほどの暴力的な変態セックス、それに対する千里の態度を見せつけられ続け、水沢の言葉が間違っているのか、なにが正しいのか、今の優希には自信を持って判断ができなくなっていた。 
			 
			「まっ、まって・・・」 
			「なんです? まだ何か?」 
			 
			不機嫌そうに振り向く水沢の表情が、ますます優希の不安を増長させた。 
			 
			「ご、ごめんなさい・・・私に・・・私に千里ちゃんの代わりを・・・させてください」 
			「・・・本気ですか?」 
			「・・・えぇ」 
			 
			笑みの消え射竦めるような目で見下ろす水沢の問いに、優希は弱々しく答える。 
			その答えを聞くと、しばらく何か思案するような仕草を見せたかと思うと、小男にカメラを持ってこさせた。 
			 
			「では、あとあと違うと言われると困るので録画しますが、良いですね?」 
			 
			水沢は優希を改めて見つめると、カメラを指先し問いかけてくる。 
			その口調は優しげではあるが、有無を言わさぬ迫力があった。 
			 
			「・・・わかりました」 
			 
			今の優希に、その提案を断る事はできなかった。俯き肩を震わせながら同意の言葉を絞り出す。 
			その言葉に、水沢の背後にいた男たちが顔を見合わせ乾いた笑みを浮かべた。 
			その事にも気付く余裕すら、今の優希にはなかったのであった・・・ 
			
			
  
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