【4話】馴致、そして・・・植えつけられる被虐の種子



(2)


わずかにあったプライドの残滓・・・優希は、それすらもズタズタに引き裂かれた。
彼女は、泣きやむと、魂が抜けたようにぐったりした様子で、水沢の手で後始末を受けていた。
他の男たちはいつの間にか姿を消しており、今はバスルームには水沢と優希の2人だけであった。
肛門をウェットティッシュで拭った後、電動バイブレーターを取り外された秘部共々、濡れタオルで入念に清められていく。
優希は、甲斐甲斐しく黙々と作業する水沢を、呆けたようにボーっと見上げていた。

「はい、綺麗になりましたよ、優希」

そんな彼女の視線に気づき、水沢は額の汗を拭い、ニッコリと微笑み返してくる。
優希は、その笑顔に、なぜか胸が締め付けられ、目尻に涙が浮かびそうになった。



その後、水沢に軽々と横抱きに抱き上げられ、バスルームを出た。

リビングをそのまま通り抜け、寝室へと連れて行かれた。
寝室には、キングサイズのベッドが部屋を占め、壁一面が鏡になっているシンプルな室内だった。淡い照明の中、何かお香のようなモノを焚いているのだろうか、室内にほのかに甘い良い香りが漂っていた。
優希は、白いシーツの敷かれたフカフカのベッドに優しく横たえられた。

「もう・・・ほどいて・・・あぁ・・・うふん・・・」

弱々しく訴えようとする優希の美唇を水沢の唇が塞いだ。やさしく、そして甘い口づけだった。優希は舌がはいってくると、知らず知らずのうちに自らも舌を絡ませ、まるで恋人に対するような熱いベーゼを交わしていた。
その甘く激しい刺激に優希はクラクラした状態になる。
そんな優希の顔をジッと覗き込みながら、水沢は優希の眼鏡に手をかけた。

「あンッ・・・だ、だめ・・・」

そっと眼鏡を外される。ほんの些細な事だが、人にされる事で、まるで自分の仮面を剥がされたようで、優希は不安にかられると共に無性に恥ずかしくなった。ボウッと頬を羞恥で染め、恥ずかしそうに視線をそらした。
その首筋に水沢は吸いつき、舌を這わせていく。そして、仰向けになっても形の崩れない美乳を握りしめ揉みしだいていくと、優希はシーツに広がる長い黒髪をざわざわと揺すり、色白の美貌を朱に染めて、黒瞳をねっとり潤ませていった。
彼女の身体は、今まで体感したこともないほど敏感なっていた。身体の奥が淫らすぎるほど疼き、まるで自分の身体でないようであった。
キスを受けつつ、柔肌を水沢の指が這う。その行為に優希の息遣いはドンドン荒くなっていった。

「綺麗だよ・・・優希」

絶えず囁かれる水沢の言葉すら、今の優希には心地よく、熱い吐息と共に耳元で囁かれるとゾクゾクする。
そして、麻縄で絞り出され敏感な乳房に指を食い込まされ、揉みくちゃにされると、淫らな声を止める事もできず、ますます甘美な渦へと送り込まれていった。

水沢の指が、腹部を這い、茂みを掻きわけ、密部に到達した。

「もう、熱く潤んで、グッショリですね」
「あっあぁ・・・恥ずかしい」

頬を朱に染めて、恥ずかしそうに目を伏せる。

「恥ずかしがらなくてもよいですよ。今の優希は綺麗です。それに僕に対して優希の身体は素直に感じてくれているんですから、うれしいですよ」

水沢がそう囁き、空いている手で優しく髪を撫でてくれると、優希はウットリと目を閉じる。
水沢の言葉が、ぽっかりと穴をあけた心に、ジーンと暖かく染みわたる。その感覚が無性に嬉しくって、再び水沢が唇を合わすと、今度は自分からふるいつくように舌を差し入れた。
濃厚な口づけを交わし、舌を絡ませ合う。密部に埋め込ませた指が動かされ、ヌチャヌャと淫らな音を奏でると、普段はキリリと冴えわたる顔立ちを、淫情に蕩けさせ、鼻先から甘えたような音色を響かせた。



水沢はおもむろにスラックスを脱ぎ、下半身、裸になると、優希の枕元で膝立ちになった。
露わになった水沢の男性器を見上げ、優希はゴクリと喉を鳴らし、頬全体がカーッと赤みを射した。

(おっ、大きい・・・)

先ほどの男たちも決して小さいと思えないモノだったが、それに比べても、水沢のそれはたっぷりふたまわりは大きく感じた。長さ、太さはもちろん、亀頭の張り具合など、凶悪な迫力すらあった。

「舐めてくれますか?」

優しい口調なのに、どこか拒絶を許さない雰囲気を纏い、水沢の言葉が降り注ぐ。

「・・・・・・はい」

おずおずと答える優希。そんな彼女の髪を、水沢はそっと愛しげに撫でる。
その感触にうっとりと目を閉じる優希であった。
緊縛されて不自由な身体を起こし、横向きになると、しっとりと濡れた黒瞳を一物に注いだ後、長い睫毛を伏せ、魅力的な唇からピンクの舌先を差し出した。

まずエラのくびれをそっと突き、それから怒張の裏側をゆっくりさすり始める。一生懸命首を伸ばし舌を這わす優希、その姿にどこか初々しい、清純さを感じ、水沢の口元がほころんだ。

「気持ち良いですよ、優希」
「うふん」

水沢の言葉に嬉しそうに鼻を鳴らすと、艶のある髪をふるいたて、柔らかな舌先を、肉棒の根元から先端までチロチロと這わせまわり、的確に水沢のそれを刺激する。その動作は、先ほどの男たちに対して行ったフェラチオ奉仕の際、水沢に丹念に教えこまれたものであった。
男根がビクンと跳ね、水沢が身持ち良さそうに吐息をはく。
そんな反応を感じると、優希はなぜか身体が熱くなり、よりいっそう愛撫に力をこめていった。悩ましく鼻を鳴らし、唾液をたっぷり乗せ、勃起を弓なりにそってしごくように舌を運ぶと、水沢の剛棒がますます勢いを増す。

「あぁぁ・・・」

優希は興奮にかすれた声を出した。いったん口を離すと、たくましく起立する怒張を、じっとりと熱い視線で見上げた。

「咥えてくれますか?、優希」
「・・・あ、あぁン・・・・・・はい」

水沢の言葉に、優希はポッと頬を朱に染め頷いた。
なまめかしい吐息をもらすと、自らの唾液で濡れ光る剛棒を、愛おしげに口に含んでいく。
まずは、徐々に王冠部の呑む込むと、ゆっくりと浅い挿入を行い始めた。
水沢の男性器を舌で奉仕するうちに情感が高まってきたのだろう、芸術的なほど絞りこまれた優希の腰が、無意識にもぞもぞと切なそうに動いていた。

「ありがとう・・・ホント、気持ちいいですよ、優希」
「あぁん、うんんん・・・」

水沢がそっと呟くと、長い髪を揺すり、ますます熱を込め奉仕を行っていく。
次に、優希は美唇を裂けんばかりに開き、必死に奥まで呑みこもうとする。だが、途中まで呑みこんでは、その長大さに苦しくなって、たまらず吐き出してしまう。
凛々しい眉を歪め、瞳に涙すらにじませ、優希は何度も試みた。そして、根元まではとても出来なかったが、ようやくかなり奥深くまで口に含む事が出来た。
その事が、優希には無性に嬉しく感じた。そればかりか、水沢に対して奉仕する事で、隷従する喜びすら湧いてくるようであった。
そうして、真っ赤に顔を染めながら、意地らしいほど唇で一物をキュッときつく締め付け、顔を揺り必死に奉仕していくのであった・・・


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